要点刑法 109 条は、人が住んでおらず人もいない建造物への放火を罰する。他人所有なら 2 年以上の拘禁刑、自己所有なら 6 月以上 7 年以下で、公共の危険を生じなければ不可罰となる。
Q · 誰も住んでいない空き家や倉庫に火をつけたら、どんな罪になりますか?
他人の物なら 2 年以上、自分の物でも危険があれば処罰されます
刑法 109 条の非現住建造物等放火罪が成立します。現に人が住んでおらず人もいない建造物・艦船・鉱坑が対象で、他人所有なら 2 年以上の有期拘禁刑(1 項)。自己所有なら 6 月以上 7 年以下に軽くなりますが、公共の危険を生じなかったときに限り罰せられません(2 項但書)。さらに火災保険や抵当権が付いた自己物は刑法 115 条で「他人の物」とみなされ、1 項の重い刑が適用されます。
誰も住んでいない空き家、無人の倉庫、放置された廃船。これらに火を放つと、刑法109条が動き出す。多くの人は「人がいない建物なら大した罪じゃない」と思うが、他人の物なら最低刑は拘禁刑2年。殺人ほどではないにせよ、決して軽くない。そして本当の落とし穴は2項にある。燃やしたのが自分の所有物なら、刑は6月から7年に下がり、しかも「公共の危険」が生じなければ罰せられない。つまり、人里離れた場所で自分の山小屋を燃やす分には罪に問われない可能性がある。だが、隣家に延焼する危険が少しでもあれば、自分の物でも犯罪に転じる。さらに、その建物に火災保険をかけていたり、抵当権がついていたりすると、刑法115条によって「他人の物」として扱われ、刑が一気に重くなる。「自分の物だから自由」という直感は、放火罪の前ではほとんど通用しない。
刑法 109 条は非現住建造物等放火罪を定める規定であり、現に人が住居として使用せず、かつ現に人がいない建造物・艦船・鉱坑を焼損する行為を処罰する。他人所有物は抽象的危険犯として 2 年以上、自己所有物は具体的危険犯として 6 月以上 7 年以下とし、公共の危険を生じない場合は不可罰とする。
人が住居に使用せず、かつ現に人がいない建造物・艦船・鉱坑への放火を罰する罪です(刑法 109 条)。他人所有なら 2 年以上の拘禁刑になります。
他人所有の空き家なら刑法 109 条 1 項の非現住建造物等放火罪で 2 年以上の有期拘禁刑。隣家に延焼すれば 108 条の現住建造物放火に格上げされます。
109 条 1 項(長期 20 年)は公訴時効 10 年、2 項(長期 7 年)は 5 年です。起算点は焼損(犯罪終了)時です(刑訴 250 条)。
人が住居に使用しているか、または現に人がいれば 108 条(現住)、どちらも無ければ 109 条(非現住)です。刑の重さが大きく変わります。
不特定多数の生命・身体・財産が火によって脅かされる状態を指します。建物と隣家の距離、風向き、消火態勢などで具体的に判断されます。
されます。刑法 112 条が 108 条と 109 条 1 項の未遂を処罰します。火をつけたが焼損に至らなくても未遂として問われます。
判例は独立燃焼説をとり、火が媒介物を離れ目的物が独立して燃え続ける状態に達した時点で焼損=既遂とします。効用喪失までは不要です。
管理されない空き家が全国的に増え、人目につきにくく可燃物も残るため標的になりやすいとされます。所有者には延焼リスクと管理責任が及びます。
なります。ただし条件付きです。刑法109条2項は自己所有の非現住建造物について6月以上7年以下と定めますが、但書で「公共の危険を生じなかったときは罰しない」としています。つまり周囲に延焼の危険がなければ不可罰。業界裏話ヒント:この「公共の危険」の有無は、建物と隣家との距離、当日の風向き・風速、消火態勢の有無で判断されます。人里離れた場所で消火設備を用意して燃やしたか、住宅密集地で燃やしたかで、結論が正反対になる
出ないどころか、放火罪に加えて詐欺罪(刑法246条)、さらに保険をかけた自己物は刑法115条で「他人の物」として扱われ、109条1項の重い刑(2年以上)が適用されます。三重に重くなります。業界裏話ヒント:保険会社は不審火に対して独自の火災調査を行い、出火原因と現場の不自然さを徹底的に調べます。保険金目当ての自宅放火は、消防・警察・保険調査の三方向から崩される。素人が思うより遥かに発覚しやすい
決定的な違いは「故意か過失か」です。わざと火をつければ放火罪(109条で2年以上)、不注意で火を出せば失火罪(刑法116条で50万円以下の罰金)。刑の重さは天と地です。業界裏話ヒント:境界線上の事案では、ライターやガソリンの準備状況、出火箇所の数、動機の有無が「故意」認定の決め手になります。「火遊びのつもりだった」が通るかどうかは客観的な状況証拠次第で、本人の言い分だけでは決まらない(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象建物と刑 | 刑法 109 条:非現住・無人の建造物等/他人所有 2 年以上、自己所有 6 月〜7 年 | — |
| 公共の危険の要否 | 1 項(他人物)は不要=抽象的危険犯、2 項(自己物)は必要=具体的危険犯 | — |
| 未遂処罰 | 1 項は 112 条で未遂処罰、2 項は未遂処罰なし | — |
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