要点刑法120条は、出水によって非現住建造物などを浸害し公共の危険を生じさせる行為を罰する規定で、法定刑は一年以上十年以下の拘禁刑。自己所有物でも保険付きなどなら処罰される。
Q · 自分の倉庫をわざと水浸しにしても刑法で罰せられるの?
保険付きや賃貸中などなら罰せられる
刑法120条1項は、出水させて非現住建造物などを浸害し公共の危険を生じさせた者を一年以上十年以下の拘禁刑に処します。2項は、浸害物が自己所有でも、差押え・物権負担・賃貸・配偶者居住権・保険付保のいずれかに該当する場合に1項と同様に扱います。保険金目当てなら詐欺罪(246条)も重なります。決め手は「公共の危険が現実に生じたか」で、波及がなければ器物損壊(261条)にとどまる余地があります。
放火罪の隣に「水の犯罪」があると知る人は少ない。刑法第10章は、意図的に水を溢れさせる出水行為を犯罪として並べている。120条はそのうち、人が住んでいない建物や、建物以外の物を水浸しにし、その結果「公共の危険」を生じさせた場合を罰する。ここで効いてくるのが2項だ。仮に水浸しにしたのが自分の所有物であっても、それが差押えを受けていたり、賃貸中だったり、配偶者居住権が設定されていたり、保険を掛けてあったりすれば、やはり罰せられる。つまり「自分の物だから何をしても自由」は通用しない。資金繰りに詰まって保険金目当てに自分の倉庫を水没させる、そんな筋書きがこの条文の射程に入る。さらに119条(人の住む建物の浸害)と違い、120条は「公共の危険が現実に生じたこと」を検察官が立証しなければならない。危険が抽象的に想定されるだけでは足りない、この一点が有罪と無罪、あるいは罪名の重さを分ける。
刑法120条は出水罪のうち非現住建造物等浸害を定める規定であり、出水させて119条所定の物以外の物を浸害し、公共の危険を生じさせる行為を処罰する。2項は浸害物が自己所有であっても、差押え、物権の負担、賃貸、配偶者居住権の設定、保険付保のいずれかに該当する場合に1項と同様に扱う旨を規定する。
故意に水を溢れさせて建物や物を浸害する犯罪です。刑法第10章に放火罪と並んで規定され、公共の危険を生じさせる点が処罰の核心です。119条(現住)と120条(非現住)に分かれます。
120条1項は長期10年の拘禁刑のため、公訴時効は7年です(刑事訴訟法250条2項4号)。犯罪行為が終わった時から起算します(同253条)。
差押え中、物権を負担、賃貸中、配偶者居住権が設定済み、保険付保のいずれかに該当する場合です(120条2項)。第三者の利害が結びつくと自由処分は後退します。
不特定または多数人の生命・身体・財産に対する具体的な危険のことです。120条は危険が現実に生じたことを検察官が立証する必要がある具体的危険犯です。
119条は人が現に住む建物などの浸害、120条はそれ以外の物の浸害です。120条は公共の危険の発生が要件で、119条より処罰範囲が絞られています。
自己所有物でも保険付きなら120条2項の浸害罪が成立し、保険金を請求すれば詐欺罪(246条)も重なります。人為的浸水は損害調査で見抜かれやすいです。
120条は出水によって物を浸害する罪、123条の水利妨害は堤防決壊や水門開放で水利の妨害や出水の危険を生じさせる罪です。行為と保護法益の射程が異なります。
黙秘権を行使し、まず当番弁護士を呼びます。最大の争点は公共の危険が現実に生じたかで、被害が局所的で波及しなかったことを示せれば器物損壊への引き下げを狙えます。
済みません。自己所有物でも、差押え中、賃貸中、配偶者居住権付き、保険付きのいずれかに当たれば120条2項で犯罪が成立します。保険金目当てなら詐欺罪(246条)も重なります。業界裏話ヒント:保険会社の損害調査で人為的な浸水が判明すると、保険金は不払いになるうえ、刑事告発まで一気にセットで来る。自分で水を入れた痕跡は、水位線や排水ポンプの稼働記録から専門家には簡単に読まれる
決め手は「公共の危険」が生じたかどうかです。120条は1年以上10年以下の拘禁刑、器物損壊(261条)は最長3年。水で物を壊しても、危険の波及がなければ器物損壊にとどまります。業界裏話ヒント:検察は公共の危険の立証が難しい事案を、あえて器物損壊で起訴することがある。逆に弁護側は「危険は局所的で外に広がっていない」と突くのが定石。この一点の攻防で刑の上限が10年か3年かに割れる
故意がなければ120条(故意犯)は成立しません。ただし過失で出水させて公共の危険を生じさせた場合は、過失建造物等浸害(122条)として20万円以下の罰金の対象になります。業界裏話ヒント:故意か過失かの線引きが、最長10年の拘禁刑か最長20万円の罰金かを分ける最大の争点。水門や水路を任されている管理者は「管理上の過失」を問われやすい立場にあり、日頃の点検記録が身を守る盾になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護の対象 | 120条:非現住建造物・建造物以外の物の浸害 | — |
| 公共の危険 | 現実の発生が要件(具体的危険犯、検察官が立証) | — |
| 自己所有物 | 差押え・物権負担・賃貸・配偶者居住権・保険付なら処罰(2項) | — |
| 法定刑の上限 | 一年以上十年以下の拘禁刑 | — |
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