この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
要点刑法135条は、信書開封罪と秘密漏示罪を親告罪と定める。被害者の告訴がなければ検察官は公訴を提起できず、告訴期間は犯人を知った日から6か月である。
Q · 医者や同居人に秘密を暴かれても、自分が動かなければ犯人は罰せられないの?
告訴がなければ検察は起訴できません
刑法135条により、信書開封罪(133条)と秘密漏示罪(134条)は親告罪です。被害者の告訴がなければ、検察官がどれだけ証拠を持っていても公訴を提起できません。処罰の引き金は被害者本人が握ります。ただし告訴期間は犯人を知った日から6か月(刑事訴訟法235条1項)で、これを過ぎると告訴できず起訴も不可能になります。公訴時効とは別物で、こちらの方がはるかに短い点に注意が必要です。
通院しているクリニックの職員が、あなたの病名を近所で話していた。あるいは、あなた宛の封書を同居人が勝手に開けて読んだ。刑法はこれらをすでに犯罪と定めている(信書開封は133条、秘密漏示は134条)。だが135条が、その上にもう一段の仕掛けを重ねる。これらの罪は「親告罪」であり、あなた自身が告訴しない限り、検察官はどれだけ証拠を握っていても起訴できない。理由は単純だ。起訴して公開の法廷に持ち込めば、あなたが隠したかった秘密が改めて世に晒される。その二次被害を望むかどうかを、法律は被害者本人の判断に委ねた。つまり処罰の引き金は、検察官の手ではなくあなたの手の中にある。ただしこの引き金には消費期限がある。犯人を知った日から6か月(刑事訴訟法235条)を過ぎれば、引き金そのものが消えてなくなる。
刑法135条は親告罪を定める規定であり、同章の信書開封罪(133条)および秘密漏示罪(134条)について、被害者その他の告訴権者による告訴がなければ公訴を提起できない旨を規定する。検察官の訴追裁量に対する訴訟条件としての制約であり、被害者の意思を刑事手続の起動条件として組み込むものである。
AI 輔助整理,以條文原文為準
被害者などの告訴がなければ検察官が起訴できない犯罪です。刑法135条は信書開封罪・秘密漏示罪を親告罪と定め、処罰の引き金を被害者本人に委ねています。
犯人を知った日から6か月です(刑事訴訟法235条1項)。この期間を過ぎると告訴できず、起訴も不可能になります。公訴時効よりはるかに短いので注意が必要です。
信書開封罪(133条)・秘密漏示罪(134条)のほか、過失傷害、器物損壊、私的な名誉毀損の一部などがあります。罪ごとに親告罪かどうかは個別の規定で定まります。
公訴提起前なら起訴できなくなります。一度取り消すと同一事件で再告訴できません(刑事訴訟法237条2項)。示談で取り消す場合は一度きりのカードである点に注意が必要です。
刑法134条の秘密漏示罪は、6か月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金です。医師・薬剤師・弁護士など一定の職にある者が業務上知った秘密を漏らした場合に成立します。
非親告罪は告訴なしでも検察が起訴できますが、親告罪は被害者の告訴が訴訟条件です。親告罪では告訴期間(6か月)があり、被害者が動かなければ手続は起動しません。
できます。告訴前の示談は被害者が刑事カードを握っているため交渉力が高く、告訴後でも告訴の取消しに向けた示談が有効です。取消しがあれば公訴は提起できません。
親告罪としての告訴期間(犯人を知った日から6か月)と、別に公訴時効があります。告訴期間を過ぎると公訴時効が残っていても起訴できなくなる点が重要です。
封がしてある信書を正当な理由なく開ければ、形式的には信書開封(刑法133条)に当たりえます。ただし家庭内の事情や許諾の有無で違法性が問題になります。そして135条によりこれは親告罪なので、相手が告訴しなければ起訴されません。業界裏話ヒント:実務では家族間の開封が立件されることはほぼなく、本当に動くのは別居中の配偶者や元交際相手など、信頼関係が壊れた間柄のケース。誰が相手かで現実の扱いが大きく変わる
秘密漏示(刑法134条)に当たりうる行為ですが、135条によりこれは親告罪です。あなたが告訴しない限り、警察や検察が独自に立件することはできません。まず「告訴」という形で意思表示する必要があります。業界裏話ヒント:相談だけして「被害届」を出したつもりでも、それでは親告罪は動かない。告訴と被害届は法的効果がまるで違い、起訴を条件付けるのは告訴のほうだ。窓口で必ず『これは告訴です』と明言する
被害届は「被害に遭った」という事実の申告にすぎず、捜査を始める一つのきっかけです。告訴は「犯人を処罰してほしい」という意思表示で、親告罪ではこれがなければ起訴できません(刑事訴訟法230条以下)。業界裏話ヒント:警察は手続の重い告訴を嫌い、被害届で受けようとすることがある。親告罪では被害届だけでは起訴の条件を満たさないので、6か月の期限内に確実に告訴として受理させることが死活的に重要だ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 刑法135条:親告罪の指定(訴訟条件) | — |
| 守る対象 | 被害者の意思(秘密の再露出の防止) | — |
| 起訴の前提 | 被害者の告訴がなければ起訴不可 | — |
| 時間制限 | 告訴は犯人を知った日から6か月(刑訴235条) | — |
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