水道により公衆に供給する飲料の浄水又はその水源を汚染し、よって使用することができないようにした者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
要点刑法 143 条は、公衆に供給する水道の飲料水又は水源を汚染し使用不能にした者を六月以上七年以下の拘禁刑に処す。毒物の混入は不要で、汚物等による汚染でも成立する公共危険罪である。
Q · 工場の排水で川を汚したら、環境法だけじゃなくて刑法でも罪になるの?
水道水源を汚し使用不能にすれば刑法 143 条の罪になりうる
刑法 143 条は、水道により公衆に供給する飲料の浄水又はその水源を汚染し、使用できないようにした者を六月以上七年以下の拘禁刑に処します。毒物の混入は要件ではなく、汚物等で『使用不能』の結果を作れば成立します。会社の排水でも、故意に水道水源を汚染し取水停止に至れば、水質汚濁防止法の行政責任と並行して本条の刑事責任が問われ得ます。ただし故意と使用不能の結果が要件で、単なる基準超過だけでは足りません。
蛇口をひねれば当たり前に出てくる水。その当たり前を壊す行為に、刑法はわざわざ独立した重罪を用意している。143条はこう言う。水道で公衆に供給する飲料水(浄水)またはその水源を汚染し、使用することができないようにした者は、六月以上七年以下の拘禁刑。ここで押さえるべきは三つだ。第一に、毒物の混入は要件ではない。泥や汚物を投げ込む、不衛生な物を流し込む、それで「使えない」状態を作れば成立する(毒物を入れればさらに重い146条へ上がる)。第二に、誰かが実際に飲んで倒れる必要すらない。「使用できないようにした」時点で犯罪は完成する。第三に、対象は『水道』であること。個人の飲料水を汚すのは142条(六月以下)、公衆の水道インフラを汚すのがこの143条で、刑は十倍以上に跳ねる。あなたが工場排水や不法投棄を『環境問題』だと思っているなら、その認識を一段上げる必要がある。それは刑事事件になりうる。
刑法 143 条の水道汚染罪は、水道により公衆へ供給される飲料の浄水又はその水源を汚染し、現に使用できない状態を生じさせる行為を処罰する公共危険罪である。毒物の混入を要件とせず汚物等による汚染で足りる点、及び使用不能という結果の発生を要件とする結果犯である点に特徴がある。
水道により公衆に供給する飲料の浄水又はその水源を汚染し、使用できないようにする犯罪です。刑法 143 条が根拠で、六月以上七年以下の拘禁刑に処せられます。
六月以上七年以下の拘禁刑です。下限が六月以上と重く、傷害罪と並ぶ領域で、態様によっては執行猶予が当然とは限りません。
公衆供給の水道の浄水・水源を汚染し使用不能にすれば刑法 143 条、毒物等の混入なら 146 条です。個人の飲料水なら 142 条になります。
ありません。143 条の法定刑は六月以上七年以下の拘禁刑のみで、罰金は選択できません。罰金があるのは個人の飲料水を汚す 142 条です。
公訴時効は 5 年です(長期 7 年の罪、刑事訴訟法 250 条 2 項)。起算点は犯罪行為が終わった時で、汚染が継続した事案では行為終了時となります。
刑法 146 条(水道に毒物等を混入する罪)で二年以上の有期拘禁刑です。よって人を死亡させれば死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に跳ね上がります。
故意に汚染し『使用できないようにした』と認められれば刑法 143 条が成立します。誰かが飲んで倒れる必要はなく、使用不能の時点で完成します。
飲料水に関する罪には未遂処罰規定がないため、未遂は処罰されません。『使用することができないようにした』という結果が生じて初めて既遂・処罰となります。
いいえ、143条は故意犯です。過失(うっかり)による汚染は本条では処罰されません(刑法38条1項、過失処罰には特別の規定が必要で、飲料水の罪にはそれがない)。過失の水質汚染は水質汚濁防止法などの行政責任・罰則の領域です。業界裏話ヒント:検察にとって最大の壁は『故意』の立証です。だからこそ、排水や投棄の前後で『使えなくなると分かっていたか』を示す社内メールやチャットが、起訴・不起訴の分水嶺になる。記録の残し方一つで結論が変わる
守っているのが不特定多数の生命・健康だからです。個人の飲料水を汚す142条は六月以下ですが、公衆に供給する水道を汚す143条は六月以上七年以下と段違い(さらに毒物なら146条で二年以上)。業界裏話ヒント:罪名は『水道か個人か』『毒物か単なる汚染か』の二軸で振り分けられる。ペットボトルに細工して棚に戻す行為は水道ではないので143条ではなく、144条や威力業務妨害・器物損壊で立件される。報道の見出しだけでは罪名は判別できない
故意に水道水源を汚染し使用不能にしたと認められれば、水質汚濁防止法(行政罰)と刑法143条(刑事)が並行して問われ得ます。ただし143条は故意と『使用不能の結果』が要件で、単なる基準超過だけでは足りません。業界裏話ヒント:行政の立入検査での説明と、その後の刑事捜査での供述が食い違うと致命傷になる。最初の行政聴取の時点から刑事を見据えて対応するかどうかで、結末が分かれる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護対象 | 公衆に供給する水道の飲料浄水・水源(143 条) | — |
| 行為態様 | 汚染して使用不能にする(毒物は不要) | — |
| 法定刑 | 六月以上七年以下の拘禁刑 | — |
| 致死傷の加重 | 145 条により傷害の罪と比較して重い刑、致死はさらに加重 | — |
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