所在国外に移送する目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、二年以上の有期拘禁刑に処する。
要点刑法 226 条は、所在国外へ移送する目的で人を略取・誘拐した者を 2 年以上の有期拘禁刑に処する。実の親による子の国外連れ去りも本罪に当たりうる。
Q · 国際結婚が壊れて、自分の子を母国に連れて帰るのも犯罪になるの?
実の親による子の国外連れ去りも重罪になりうる
刑法 226 条は、所在国外に移送する目的で人を略取・誘拐した者を 2 年以上の有期拘禁刑に処します。鍵は『親かどうか』ではなく『他方の親の監護権を実力で侵害したか』で、最高裁は別居中の他方の親が監護する子を実親が国外へ連れ去ろうとした行為に本罪の成立を認めました(最決平成 17.12.6)。未遂も処罰され(刑法 228 条)、空港で止められた時点でも未遂罪が成立しえます。
国際結婚が破綻し、外国籍の配偶者が「子どもを連れて本国に帰る」と言い出した。あなたが日本人の親で、子の監護や親権を争っている最中なら、この条文はあなたの人生に直撃する。刑法 226 条は、人をその所在する国の外へ移す目的で、暴力や脅迫で連れ去り(略取)、あるいは騙して連れ出す(誘拐)行為を、2 年以上の有期拘禁刑で罰する。鍵は「所在国外」という言葉だ。2005 年の改正前は「国外(日本の外)」だったが、改正後は「その人が今いる国の外」へ広がった。日本から連れ出す場合だけでなく、第三国にいる人をさらに別の国へ移す行為も射程に入る。そして最も見落とされるのが、加害者が実の親であっても成立しうるという点。子を思う親の連れ去りが、れっきとした重罪になる瞬間がここにある。
刑法 226 条は所在国外移送目的略取・誘拐罪を定める規定であり、人をその所在する国の外へ移す目的で、暴行・脅迫により略取し、又は欺罔・誘惑により誘拐する行為を 2 年以上の有期拘禁刑で処罰する。2005 年改正により、保護範囲が『日本国外への移送』から『被害者の所在国外への移送』へ拡大された。
AI 輔助整理,以條文原文為準
人をその所在する国の外へ移す目的で略取・誘拐する罪です。刑法 226 条が根拠で、法定刑は 2 年以上の有期拘禁刑。2005 年改正で『日本国外』から『所在国外』へ射程が広がりました。
2 年以上の有期拘禁刑です。身代金目的略取のような解放減軽(228 条の 2)の適用がなく、子を返しても刑は自動的に軽くなりません。未遂も処罰されます(228 条)。
略取は暴行・脅迫で連れ去る行為、誘拐は欺罔(だます)・誘惑で連れ出す行為です。226 条はどちらも同じ刑で処罰し、被害者本人が一見納得していても誘拐が成立しえます。
所在国外移送目的略取・誘拐罪(刑法 226 条)に当たりうります。出国の実行に着手した時点で未遂罪が成立し、空港の出国手続で止められても罪に問われる可能性があります。
長期 15 年以上の有期拘禁刑にあたる罪として公訴時効は 10 年とされます(刑訴 250 条 2 項)。略取・誘拐は拘束状態が続く限り犯罪が継続すると解されています(最新の改正状況をご確認ください)。
226 条は『国境を越える移送目的』の略取・誘拐、226 条の 2 は『人の売買』そのものを処罰します。2005 年の第 33 章再編で売買部分が分離され、別の構成要件になりました。
できます。出国前なら所在国外移送目的略取の被害として刑事相談・告訴を視野に入れつつ、家庭裁判所の保全処分や旅券返納を併用します。出国後はハーグ条約ルートに移ります。
外務省を中央当局とし、子の返還申立ては東京家庭裁判所または大阪家庭裁判所が専属管轄します(ハーグ条約実施法)。刑法 226 条の刑事責任とは別の軌道で進みます。
なりえます。最高裁は、別居中の他方の親が監護していた子を実の親が国外へ連れ去ろうとした行為に、所在国外移送目的略取罪の成立を認めました(最決平成 17.12.6)。判断の軸は『親かどうか』ではなく『他方の親の監護権を実力で侵害したか』です。業界裏話ヒント:善意でも、まず家庭裁判所で監護者の指定や子の引渡しの手続を踏まずに実力行使すると、刑事責任に直結します。離婚協議が国際絡みなら、動く前に渉外家事に強い弁護士へ。
なりえます。本罪には未遂処罰規定があり(刑法 228 条)、出国を実行に着手した段階で未遂罪が成立しえます。搭乗手続やパスポートコントロールでの制止は、まさに着手後の場面です。業界裏話ヒント:未遂でも前科がつき、その後の在留資格や渡航に長く影響します。『未遂だから大丈夫』という発想が最も危険で、止められた時点で速やかに弁護人を呼ぶかどうかがその後を分けます。
別問題です。ハーグ条約実施法が定めるのは子の『返還』という民事手続で、刑法 226 条の刑事責任とは別の軌道で進みます。子を返しても刑事責任が自動で消えるわけではありません。業界裏話ヒント:226 条には身代金目的(225 条の 2)のような解放減軽規定(228 条の 2)が適用されない点に注意。民事で返還に応じる姿勢は起訴判断や量刑で有利に働くので、民事の譲歩と刑事の見通しは分けて戦略を立てるのが実務です。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 処罰の対象行為 | 226 条:所在国外へ移送する目的の略取・誘拐 | — |
| 法定刑 | 2 年以上の有期拘禁刑 | — |
| 未遂・解放減軽 | 未遂処罰あり(228 条)/解放減軽なし | — |
| 典型場面 | 国際離婚での子の国外連れ去り | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。