要点刑法 226 条の 2 は、人を買い受け又は売り渡す人身売買を処罰する。買受けは 3 月以上 5 年以下、目的加重で 1 年以上 10 年以下、国外移送目的の売買は 2 年以上の拘禁刑となる。
Q · 人を金で受け取ったり引き渡したりしたら、本人が納得していても罪になるの?
買えば罪、売っても罪。本人の同意は言い訳になりません
刑法 226 条の 2 は、対価を支払って人を買い受けた者を 3 月以上 5 年以下の拘禁刑に処します(1 項)。相手が未成年者なら 3 月以上 7 年以下(2 項)、営利・わいせつ・結婚・加害の目的があれば 1 年以上 10 年以下(3 項)、人を売り渡した者も同様(4 項)、国外移送目的の売買は 2 年以上の有期拘禁刑(5 項)と重くなります。重要なのは、買われた本人が同意していても罪は成立する点です。さらに 228 条により未遂も処罰されます。
人を金で買う、人を金で売る。江戸時代の話ではない。刑法 226 条の 2 は今この瞬間も生きている条文で、2005 年に新設されてから日本国内で実際に適用されてきた。技能実習生をブローカーから対価を払って受け入れた事業者、国際結婚を装って女性を引き渡した仲介者、借金のかたに人を引き取った者。これらはすべて人身売買として処罰されうる。あなたが知っておくべきは、この条文が被害者の同意を構成要件に含めない点だ。買われた本人が「自分は納得して来た」と言っても、買い受けた者の罪は消えない。さらに目的によって刑が跳ね上がる。単純な買受けは 3 月以上 5 年以下だが、営利・わいせつ・結婚・加害の目的が加われば 1 年以上 10 年以下、国外移送目的の売買なら最低 2 年からだ。人を物のように扱う行為そのものを、日本の刑法は正面から犯罪と定めている(2025 年 6 月施行で懲役は拘禁刑に統合済み)。
刑法 226 条の 2 は人身売買罪を定める規定であり、対価による人の買受け(1 項・2 項)、営利等の目的による買受けの加重(3 項)、売渡し(4 項)、国外移送目的の人身売買(5 項)を処罰する。被害者の同意は構成要件該当性を否定せず、人を対価の客体とする行為自体を犯罪とする点に特徴がある。
対価を払って人を買い受け、又は売り渡す行為を処罰する罪です。刑法 226 条の 2 が根拠で、2005 年に新設されました。買受けと売渡しの両方が処罰対象です。
単純買受けは 3 月以上 5 年以下の拘禁刑。営利・わいせつ・結婚・加害の目的があれば 1 年以上 10 年以下、国外移送目的の売買は 2 年以上の有期拘禁刑と加重されます。
公訴時効は法定刑で決まります(刑訴 250 条)。1 項は 5 年、3 項・4 項は 7 年、5 項は 10 年が目安で、犯罪行為終了時から進行します。
略取・誘拐(224 条以下)は暴行・脅迫や欺罔で人を連れ去る行為、人身売買は対価による身柄の取得・移転を処罰します。同じ第 33 章の隣接類型です。
被害者が国外へ出ると救出も立件も一気に困難になるためです。5 項は最低 2 年の有期拘禁刑で、執行猶予が付きにくい領域に入ります。
親告罪ではありません。被害者の告訴がなくても捜査・起訴が可能です。被害者の同意も犯罪の成立を妨げない点に注意が必要です。
まず警察(110 番)と最寄りの警察署。外国人なら入管や各国大使館、国外移送の兆候があれば空港・港を含め至急通報します。出国前が分水嶺です。
重くなります。未成年者を買い受けた場合は 2 項により 3 月以上 7 年以下の拘禁刑で、成人の単純買受け(5 年以下)より上限が引き上げられます。
対価を払って人の身柄の引き渡しを受ければ、226 条の 2 第 1 項の買受けに該当しうる。実習生本人の同意は構成要件を否定しない。ただし監理団体を介した正規の転籍手続を踏み、対価が人そのものではなく適法な紹介役務への報酬であれば評価は変わる。業界裏話ヒント:摘発例では紹介料という名目でも、実態が人の引き渡しの対価と認定されれば処罰される。名目より、金銭と引き渡しの結びつきが見られる。ブローカーが介在する取引そのものが危険信号だ
226 条の 2 は被害者の同意を犯罪不成立事由にしていないからだ。人を対価の客体にする行為そのものを処罰する趣旨で、本人が納得していても買受け・売渡しの罪は成立する。業界裏話ヒント:弁護側が被害者の同意を主張しても本条では決め手にならない。争点はむしろ対価性と目的に移る。営利・わいせつ・結婚・加害の目的があったかで、5 年以下と 10 年以下の境界が動くため、捜査はこの目的の立証に注力する
228 条が 226 条の 2 の未遂を処罰対象にしている。取引の合意や準備が進み引き渡しに着手していれば、完了前でも未遂罪が成立しうる。業界裏話ヒント:逆に言えば、引き渡し前に取引を中止すれば既遂を免れ、中止未遂(刑法 43 条但書)として刑の減免を受ける余地が残る。摘発の気配を感じた時点で金銭授受と引き渡しを止めるかどうかが、実刑と執行猶予を分ける分岐点になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 処罰される行為 | 226 条の 2:対価による人の買受け・売渡し | — |
| 手段の要否 | 暴行・脅迫不要。対価(金銭等)の授受が中心 | — |
| 被害者の同意 | 同意があっても成立(人格の非商品性) | — |
| 法定刑の幅 | 3 月以上 5 年以下〜2 年以上の有期(目的・国外移送で加重) | — |
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