営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
要点刑法 225 条は、営利・わいせつ・結婚・加害の目的で人を略取又は誘拐した者を一年以上十年以下の拘禁刑に処する。目的が連れ去りに伴う点で逮捕監禁罪より重い。
Q · 別れた相手を無理やり車に乗せて連れ去ったら、誘拐罪になるの?
目的次第で略取誘拐罪(刑法 225 条)に問われます
刑法 225 条の略取誘拐罪は、営利・わいせつ・結婚・加害という特定の目的で人を連れ去ると成立し、一年以上十年以下の拘禁刑が科されます。暴行・脅迫で連れ去れば「略取」、欺罔・誘惑で連れ出せば「誘拐」です。被害者の年齢は問わず成人も対象になります。同じ連れ去りでも目的が乗ると、単純な逮捕監禁罪(220 条)より格段に重くなります。わいせつ目的の場合は 2017 年改正で非親告罪となり、示談しても起訴されうる点に注意が必要です。
別れた相手を無理やり車に乗せて連れ去る、借金のかたに人を拘束して風俗店で働かせる、結婚を口実に女性を遠方へ連れ出して逃げ場を奪う。手口はバラバラに見えるが、刑法 225 条はこれらを一本の線で串刺しにする。「営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する」。ここであなたが握っておくべき鍵は二つ。第一に、この罪は「目的」で重さが決まる。同じ「連れ去り」でも、金儲け・性的目的・結婚・危害目的のどれかが乗ると、ただの監禁や暴行ではなくこの重罪に跳ね上がる。第二に「略取」は暴力や脅迫で連れ去ること、「誘拐」は騙して連れ出すこと。被害者の同意があったように見えても、その同意が嘘や錯誤で引き出されたものなら誘拐は成立する。さらに 2017 年の改正で、わいせつ目的の拐取は被害者の告訴がなくても起訴できる非親告罪になった。「示談すれば事件にならない」という古い常識は、もう通用しない。
略取誘拐罪とは、営利・わいせつ・結婚又は生命・身体への加害の目的をもって、暴行・脅迫により人を連れ去る「略取」、又は欺罔・誘惑により人を連れ出す「誘拐」を処罰する刑法上の罪をいう。被害者の年齢を問わず、特定の目的が伴う点で逮捕監禁罪と区別される。法定刑は一年以上十年以下の拘禁刑である。
略取は暴行・脅迫により人を連れ去ること、誘拐は欺罔・誘惑により人を連れ出すことです。手段の違いであり、いずれも刑法 225 条では同じく拘禁刑の対象になります。
刑法 225 条の法定刑は一年以上十年以下の拘禁刑です。罰金刑はなく、有罪なら原則として拘禁刑となるため、量刑では解放の有無や被害弁償が重要になります。
法定刑(拘禁刑 10 年以下)を基準に公訴時効は 7 年が原則です。被害者が解放されず拘束が継続している場合は継続犯とされ、解放時から起算されます。
金銭的利益を得る目的で人を連れ去る・連れ出す行為です。労働や売春を強いるための勧誘、身代金目的などが典型で、目的が乗ることで重い略取誘拐罪となります。
処罰されます。刑法 228 条が略取誘拐罪の未遂を処罰対象としており、連れ去りが完了しなくても着手があれば未遂として立件されえます。
逮捕監禁罪(220 条)は身体の自由を奪う行為一般を対象とし、略取誘拐罪は営利・わいせつ等の特定目的を伴う連れ去りを対象とします。目的の有無で罪名と刑が変わります。
逮捕後の身柄拘束は最大 23 日(逮捕 72 時間+勾留 10 日+延長 10 日)で、その間に検察官が起訴・不起訴を判断します。早期の弁護人選任が重要です。
危険が継続している場合は 110 番で居場所と状況を即時通報します。並行して弁護士や被害者支援窓口に相談し、やり取りの証拠を時系列で保全することが立件の鍵です。
なりえます。誘拐の核心は、嘘や錯誤で同意を引き出した点にあります。「いい仕事を紹介する」「家族が呼んでいる」と偽って連れ出せば、被害者が自分の意思で動いたように見えても誘拐(225 条)が成立します。業界裏話ヒント: 捜査・公判では「真意に基づく同意だったか」が激しく争われます。勧誘時の会話記録やメッセージが残っているかが勝負を分けるので、被害者側は連れ去り前後のやり取りを消さずに確保しておくことが、立件の生命線になります
ありえます。親であっても、危害目的や海外移送目的が絡んだり、暴力的・計画的な奪取だったりすると略取誘拐罪に問われた最高裁判例があります(最決平成 17.12.6)。単なる連れ去り別居と刑事事件の境界は微妙です。業界裏話ヒント: 親権争いでは「先に子を確保した方が有利」という俗説が独り歩きしていますが、手口が悪質だと刑事リスクを背負い、家事審判でも不利に働きます。連れ去りで優位を取るより、面会交流の調停・審判で正面から争う方が、長期的には子の親権を得やすい
以前は親告罪で告訴の取下げが効きましたが、2017 年の改正で旧 229 条の親告罪規定が削除され、わいせつ目的の拐取は非親告罪になりました。示談しても検察官は独自に起訴できます(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント: 非親告罪化後も、被害弁償と示談は量刑では今なお大きな意味を持ちます。「起訴を防げないから示談は無意味」ではなく、起訴後の執行猶予や刑の軽重に直結するため、加害者側は早期の被害弁償をなお最優先にすべきです
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 成立要件(目的) | 刑法 225 条:営利・わいせつ・結婚・加害の目的を要する | — |
| 被害者 | 年齢を問わない(成人も対象) | — |
| 法定刑 | 一年以上十年以下の拘禁刑 | — |
| 親告罪性 | 原則非親告罪(わいせつ目的は 2017 年改正で非親告罪化) | — |
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