要点刑法225条の2は、安否を憂慮する者の憂慮に乗じて財物を交付させる目的で人を略取・誘拐する罪を定める。法定刑は無期又は3年以上の拘禁刑で、財物を要求する行為だけでも既遂となる。
Q · 身代金目的の誘拐って、子どもをさらった場合だけの罪ですか?
成人でも、相手が親でなくても成立する重罪です
刑法225条の2の身代金目的略取罪は、被害者の年齢を問いません。近親者に限らず、恋人・友人・雇い主など「あの人が無事か心配だ」という安否憂慮者の感情につけ込んで財物を交付させる目的で人を略取・誘拐すれば成立します。法定刑は無期又は3年以上の拘禁刑で、殺人罪に次ぐ重さです。さらに2項により、略取後に財物を要求する行為をしただけで、一円も受け取らなくても同じ刑になります。一本の電話やメッセージが既遂のラインを越えます。
ニュースで「身代金目的の誘拐」と聞くと、自分とは別世界の凶悪事件に思える。だがこの条文の射程は、あなたが想像するよりはるかに広い。225条の2が罰するのは「子どもをさらって親に金を要求する」典型例だけではない。条文は「近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させる目的」と書く。つまり被害者は子どもに限らないし、金を払わされる相手も親に限らない。恋人、友人、雇い主、誰であれ「あの人が無事か心配だ」という感情につけ込んで金を出させようとした瞬間、無期又は3年以上の拘禁刑という、殺人罪に次ぐ重さの罪が成立する。さらに恐ろしいのは2項だ。略取した後で金を「要求しただけ」でも、一円も受け取らなくても同じ刑になる。一本の電話、一通のメッセージが既遂のラインを越える。
刑法225条の2が定める身代金目的略取罪とは、近親者その他略取・誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させる目的で人を略取し又は誘拐する罪をいう。略取後に財物を交付させ又は要求する行為も同罪に含まれ、被害者の年齢や要求の相手方を問わない。法定刑は無期又は3年以上の拘禁刑である。
無期又は3年以上の拘禁刑です(刑法225条の2)。殺人罪に次ぐ重さで、罰金刑はなく執行猶予も付きにくい重罪です。
営利目的略取(刑法225条)は1年以上10年以下ですが、身代金目的略取(225条の2)は無期もある重罪です。安否憂慮者の心情につけ込む点が加重事由です。
対象です。無期を含む重大事件のため、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律2条により、裁判員裁判で審理されます。
無期の拘禁刑に当たる罪のため、公訴時効は15年です(刑事訴訟法250条2項2号)。被害者を死亡させた場合は時効が廃止される余地があります。
すぐ110番してください。日本の誘拐捜査は報道協定により秘密裏に動く体制があり、通報イコール報道ではありません。即時通報が生還率を最も高めます。
あります(刑法228条)。略取・誘拐に着手したが未遂に終わった場合に処罰されます。ただし要求行為は受領がなくても既遂となる点に注意が必要です。
なりません。実際の略取がなければ225条の2は成立せず、詐欺罪(刑法246条)の問題になります。本物の身柄拘束の有無で適用条文が変わります。
処罰されます。刑法228条の3が身代金目的略取等予備罪を定めており、着手前の準備段階でも処罰の対象となります。
ほとんど変わりません。225条の2第2項は、金を『要求する行為』をしただけで第1項と同じ無期又は3年以上の拘禁刑と定めています。交付させたか要求だけかで法定刑は同じです。業界裏話ヒント:受け取り額を争うより、犯行後に被害者を『公訴提起前に安全に解放したか』(刑法228条の2)の方が量刑への影響が圧倒的に大きい。解放の事実を立証する方が刑は下がる
チャラにはなりません。罪は成立したまま、刑が減軽されるだけです(刑法228条の2)。条件は『公訴が提起される前』に『安全な場所に解放した』こと。起訴後の解放では減軽されません。業界裏話ヒント:この解放減軽は、立法者が犯人に被害者を生かして返すインセンティブを与えるために置いた条文。犯行が露見した後でも、一刻も早く安全に解放することが本人にとっても最善になるよう設計されている
状況次第で身代金目的略取(刑法225条の2)になりえます。人を略取・誘拐し、その安否を憂慮する者の憂慮に乗じて財物を交付させる構図に当てはまるからです。単なる監禁罪(刑法220条)とは刑の重さが桁違いです。業界裏話ヒント:正当な債権の取り立てという意識でも、人の身柄を金銭要求の道具にした瞬間、法は最も重い部類の罪として扱う。取り立ては内容証明と法的手続きで、身柄を絡めた瞬間に別世界に入る
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 目的・要件 | 安否憂慮者の憂慮に乗じ財物を交付させる目的での略取・誘拐 | — |
| 法定刑 | 無期又は3年以上の拘禁刑 | — |
| 金銭要求の位置づけ | 財物を要求する行為だけで既遂(2項、受領不要) | — |
| 解放による減軽 | 公訴提起前の安全な解放で必要的減軽(刑法228条の2) | — |
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