略取され、誘拐され、又は売買された者を所在国外に移送した者は、二年以上の有期拘禁刑に処する。
要点刑法226条の3は、略取・誘拐・売買された者を所在国外へ移送した者を二年以上の有期拘禁刑に処する。移送した運び屋も実行犯でなくても処罰される。
Q · 誘拐犯じゃなくて、頼まれて空港まで運んだだけでも罪になるの?
なります。運ぶ行為自体が独立して罰せられます。
刑法226条の3は、略取・誘拐・売買された者を所在国外へ移送した者を二年以上の有期拘禁刑に処します。誘拐の実行犯でなくても、被害者を国境の外へ運べば独立して処罰の対象になります。ただし「被害者が略取・売買された者だと知っていたか」という故意が争点になり、報酬の不自然な高さやパスポートを他人が握っていた事情から故意が推認されます。未遂も刑法228条で処罰されます。
国境を越えた瞬間、救出はほぼ不可能になる。226条の3が守ろうとしているのは、まさにその一線だ。略取・誘拐・人身売買の被害者を、その人が今いる国の外へ運び出した者を、二年以上の拘禁刑(刑務所に拘束される刑、旧「懲役」)で罰する。ポイントは三つ。第一に、自分で誘拐した者でなくてもよい。誰かが攫った被害者を、頼まれて空港まで運んだ運転手も、この条文の射程に入る。第二に、「所在国外」とは被害者が今いる国の外。日本から海外へだけでなく、海外で攫われた人を別の国へ移すのも含む。第三に、最低刑が二年と重い。なぜなら一度国外に出されると、日本の警察も司法も手が届かなくなり、被害者は事実上消えるからだ。技能実習生が借金漬けで別の国の現場へ転売される、国際結婚を装って連れ出される、その背後にこの条文が走っている。
刑法226条の3は被略取者等所在国外移送罪を定める規定であり、略取・誘拐・売買された者を、その者が現に所在する国の外へ移送した者を二年以上の有期拘禁刑に処する。移送行為自体を独立した構成要件とし、略取誘拐や人身売買そのものを罰する各規定とは別個に成立する点に特徴がある。
略取・誘拐・売買された者を、その者が今いる国の外へ移送する罪です。刑法226条の3が根拠で、二年以上の有期拘禁刑が科されます。
二年以上の有期拘禁刑です。有期拘禁刑の上限は20年で、罰金刑や執行猶予がつきにくい重い類型です。最低刑が二年と高い点が特徴です。
2022年改正で「懲役」と「禁錮」を一本化した自由刑です。2025年6月1日施行で、本条の刑も従来の懲役から拘禁刑に置き換わりました。
長期15年以上の有期拘禁刑にあたる罪として公訴時効は10年とされます(刑事訴訟法250条、最新の改正状況をご確認ください)。起算点は犯罪行為が終わった時です。
なります。刑法228条が本条の未遂を処罰します。ただし既遂と未遂では量刑に大きな差が出るため、引き返した経緯は防御上重要です。
略取・誘拐・売買された実習生を国外へ送れば成立しえます。「本人が同意していた」と主張しても、借金や脅迫下の同意は自由な意思とは扱われません。
人身売買罪(226条の2)は人を売り買いする行為、国外移送罪(226条の3)はその被害者を国の外へ運ぶ行為を罰します。国境を越えた点で扱いが跳ね上がります。
略取は暴行・脅迫で連れ去ること、誘拐は欺罔・誘惑で連れ去ること、売買は人を対価で取引することです。本条はいずれの被害者の国外移送も対象とします。
226条の3は「移送した者」を独立して処罰するので、誘拐の実行犯でなくても、被害者を国外へ運べば二年以上の拘禁刑です。ただし「被害者が略取・売買された者だと知っていたか」(故意)が争点になります。業界裏話ヒント:実務では報酬の不自然な高さ、パスポートを他人が握っていた、被害者が怯えていた、といった事情から故意が推認されます。知らなかったと主張するなら、依頼の経緯やメッセージ記録を早期に保全しておくことが防御の生命線になる
なりえます。略取・誘拐・売買された被害者の「同意」は、借金・脅迫・偽計の下にあれば自由な意思とは扱われません(226条、226条の2の構造)。形式的な同意があっても、自由な状態でなければ国外移送は処罰対象です。業界裏話ヒント:技能実習や国際結婚を装ったケースでは加害側が契約書のサインや笑顔の写真を持ち出しますが、捜査機関は渡航前の借金額・監視状況・連絡の自由度を重視します。表面的な同意の証拠は、むしろ偽装の痕跡として読まれることがある
国外に出た後でも諦める必要はありません。日本での略取・誘拐・売買が立証できれば226条の3で起訴可能で、公訴時効も比較的長い(刑事訴訟法250条、最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:鍵は受け入れ国との連携です。外務省の領事ルート、インターポール手配、現地の人身取引対策NGOの三方向を同時に動かすと発見率が上がります。日本の警察だけに任せて待つのが最も悪手で、家族側から在外公館とNGOに直接当たることで動きが速くなる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 処罰される行為 | 226条の3:被害者を所在国外へ移送する行為 | — |
| 客体の前提 | 既に略取・誘拐・売買された者 | — |
| 実行犯であることの要否 | 不要(運んだだけの者も独立して成立) | — |
| 法定刑 | 二年以上の有期拘禁刑 | — |
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