要点刑法 257 条は、配偶者・直系血族・同居の親族との間で盗品等の罪(256 条)を犯した者の刑を免除する。免除は無罪ではなく有罪は残り、親族関係は本犯者との間で判断される。
Q · 家族が盗んできた物と知って受け取ったら、罪にならないの?
犯罪は成立し有罪。ただし一定の親族間なら刑だけが免除される
盗品だと知って受け取れば刑法 256 条の盗品等譲受け罪が成立します。ただし相手が配偶者・直系血族・同居の親族またはこれらの者の配偶者であれば、257 条により刑が免除されます。重要なのは、これは無罪ではなく『有罪だが刑を科さない』規定である点です。有罪判決として記録され前科になり得ます。さらに、問われる親族関係はあなたと盗品の持ち主との間ではなく、あなたと盗んだ本人(本犯者)との間にあるかどうかで判断されます。
実家暮らしのあなたの兄が、どこかから高価な腕時計を持ち帰った。盗品だと薄々気づきながら、安く譲ってもらう。この瞬間あなたは刑法256条の盗品等譲受け罪を犯している。だが257条が効く。配偶者、親子などの直系血族、同居の親族、そしてこれらの者の配偶者との間でこの罪を犯したとき、刑は免除される。ここで多くの人が誤解する。免除とは無罪ではない。犯罪は成立し有罪、ただ刑罰だけが科されない。さらに決定的なのは、この親族関係はあなたと本犯者(盗んだ兄)との間に必要であって、盗まれた物の持ち主との間ではないという点だ(最決昭和38.11.8)。法は家庭に立ち入らないという思想が、この一条に凝縮している。
刑法 257 条は盗品等に関する罪の親族間の特例を定める規定であり、配偶者または直系血族・同居の親族およびこれらの者の配偶者との間で前条(256 条)の罪を犯した者について、その刑を免除する。犯罪の成立自体は否定されず、刑罰権の発動のみが差し控えられる点に特徴がある。第 2 項により、親族でない共犯にはこの免除は適用されない。
配偶者・直系血族・同居の親族およびその配偶者との間で盗品等の罪を犯した者の刑を免除する刑法 257 条の規定です。犯罪は成立し、刑罰だけが科されません。
なります。盗品と知って取得すれば 256 条の盗品等有償譲受け罪が成立します。ただし相手が一定の親族なら 257 条で刑が免除されます。
無罪は犯罪が成立しないこと、刑の免除は有罪だが刑罰を科さないことです。免除でも有罪判決として記録に残り、前科になり得ます。
兄弟姉妹は同居が条件です。別居の兄なら 257 条の免除は受けられません。配偶者と直系血族は別居でも免除されます。
有償譲受け・運搬・保管・有償処分あっせん(256 条 2 項)は 7 年、無償譲受け(1 項)は 3 年です(刑訴 250 条 2 項)。
払う可能性があります。刑事の免除と民事責任は別軌道で、所有権に基づく返還や不当利得返還(民法 703 条等)の対象になり得ます。
257 条 2 項により親族でない共犯には免除は及びません。同じ行為でも親族は刑免除、非親族の共犯は処罰対象として残ります。
養子縁組による法定血族は直系血族に含まれ得ます。法律上の親族関係があるかが基準で、内縁は判例上対象外とされています。
盗品だと知らなかったなら、そもそも256条の盗品等譲受け罪は成立しません。故意(盗品だという認識)が必要だからです。知っていて受け取り、かつ相手が配偶者や親などなら257条で刑が免除されます。業界裏話ヒント:実務では「薄々おかしいと思った」程度で未必の故意が認定されることがある。安すぎる値段、出所を濁す説明、これらが揃うと『知らなかった』が通りにくい。受け取る前に出所を確かめた記録が、後で身を守る
つく可能性があります。257条は無罪ではなく『有罪だが刑を免除する』規定なので、有罪判決自体は言い渡されます(刑の免除判決)。前科として扱われ得る点が、無罪との決定的な違いです。業界裏話ヒント:多くの人は『免除=なかったこと』と誤解するが、起訴され有罪判決が出れば記録は残る。だからこそ弁護側は刑免除で満足せず、そもそも不起訴(起訴猶予)に持ち込むことを狙う。免除の一歩手前で止めるのが本当のゴール
判例の考え方では、内縁関係は257条・244条の『配偶者』に含まれず、刑の免除は受けられないとされています(244条に関する最決平成18.8.30の趣旨)。法律上の婚姻関係があるかどうかが分かれ目です。業界裏話ヒント:親族特例は家庭の自律を尊重する一方、その範囲を戸籍上の関係に厳格に絞る。同棲十年でも婚姻届を出していなければ、この盾は使えない。籍を入れているかという形式が、刑罰の有無を分ける
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象犯罪 | 257 条:盗品等に関する罪(256 条)の親族特例 | — |
| 効果 | 一定の親族間は刑を必ず免除(必要的免除) | — |
| 親族関係を見る相手 | 本犯者(盗んだ本人)との間(最決昭和 38.11.8) | — |
| 共犯の扱い | 親族でない共犯には不適用(2 項) | — |
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