他人の信書を隠匿した者は、六月以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
要点刑法 263 条の信書隠匿罪は、他人の信書を隠匿した者を六月以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金若しくは科料に処す。開封せず隠すだけで成立し、親告罪である。
Q · 家族が自分宛ての郵便をこっそり隠したら、罪になるの?
なります。刑法 263 条の信書隠匿罪です
刑法 263 条により、他人の信書を隠匿した者は六月以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金若しくは科料に処されます。成人していれば親子でも法的には『他人』であり、あなた宛ての信書を隠せば成立します。封を開けて読む必要はなく、受取人が受け取れなくなった時点で犯罪は完成します。ただし本罪は親告罪(264 条)で、被害者が告訴しなければ捜査機関は動けません。告訴は犯人を知った日から六か月以内(刑訴法 235 条)です。
郵便受けから自分宛ての一通が消えている。同居の親が「あなたのためを思って」就職先からの封書を抜き取っていた。配偶者が離婚調停の書類をあなたに渡さず引き出しの奥に隠していた。これらはすべて刑法263条の信書隠匿に当たりうる。条文はこう言う。「他人の信書を隠匿した者は、六月以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する」。ここであなたが握るべき急所は二つ。第一に、開封していなくても成立する。封を開けて中を読むのは別の罪(133条信書開封罪)で、263条はただ「届くのを妨げた」だけで犯罪になる。第二に、これは親告罪(264条)。つまり被害者であるあなたが告訴しなければ、警察も検察も動けない。逆に言えば、起訴の引き金を引く権限はあなたの手の中にある。家族だからと泣き寝入りしてきた人にとって、この一条は黙っていた拳に名前を付けてくれる
信書隠匿罪は、他人の信書を隠匿する行為を処罰する刑法 263 条の犯罪である。信書とは特定人から特定人に宛てた意思や事実を伝達する文書を指し、隠匿とは受取人が信書を受け取り利用できない状態に置く行為をいう。封を開封したか内容を了知したかを問わず、到達を妨げた時点で成立する。開封行為を罰する信書開封罪(133 条)とは別個の犯罪である。
特定人から特定人に宛てて意思や事実を伝達する文書をいいます。手紙やはがき、裁判所からの通知、本人確認書類などが該当します。チラシや無宛名のDMは含まれません。
被害者などの告訴がなければ検察官が起訴できない犯罪です。信書隠匿罪は刑法 264 条により親告罪とされ、起訴の引き金を引く権限は被害者本人にあります。
犯人を知った日から六か月以内です(刑訴法 235 条)。一日でも過ぎると、証拠が揃っていても起訴できなくなるため、気づいた日付の記録が重要です。
隠匿行為時から三年です(刑訴法 250 条、長期五年未満の拘禁刑)。ただし告訴期間の六か月を過ぎると、時効が残っていても起訴できません。
令和 4 年改正で懲役と禁錮を一本化した刑です(令和 7 年 6 月 1 日施行)。信書隠匿罪は六月以下の拘禁刑で、古い解説書の『懲役』表記は現行と一致しません。
成立しません。本罪には隠匿の故意が必要で、意図的に受取人から遠ざける行為が処罰対象です。うっかりの置き忘れや誤配の放置は隠匿とは区別されます。
なりえます。社内便も特定人宛ての信書であれば対象で、同僚宛て一通を引き出しに隠し受け取れなくした時点で成立します。中を読まなくても犯罪です。
刑事とは別に、不法行為(民法 709 条)として民事の損害賠償・慰謝料を請求できます。隠匿で期日を逃した等の損害があれば、その回復も交渉の対象になります。
成立しうります。あなたが成人していれば、親子でも法的には『他人』であり、あなた宛ての信書を隠せば刑法263条の信書隠匿罪に当たります。中を読んでいなくても、あなたが受け取れなくなった時点で成立。業界裏話ヒント:この罪は親告罪(264条)なので、あなたが告訴しない限り立件されません。逆に言えば、警察に持っていく前に『これは犯罪になる』と親に正確に伝えるだけで、隠した手紙の返還や今後の不干渉を引き出せることが多い。刑事告訴は最後のカードとして温存するのが現実的
違います。封をした信書を正当な理由なく開けたら刑法133条の信書開封罪、開けずに受取人から遠ざけて隠したら263条の信書隠匿罪です。両方やれば両罪が問題になります。業界裏話ヒント:『開けてないからセーフ』は通用しません。むしろ隠匿は『読んでいない』言い訳が立つぶん家庭内で軽く考えられがちですが、立派に独立した犯罪。捜査機関は封の状態と隠し場所から、開封か隠匿か、あるいは両方かを切り分けてきます
別の罪に移ります。他人の信書を破棄すれば、内容や性質に応じて私用文書等毀棄罪(259条)や器物損壊罪(261条)が問題になり、法定刑は信書隠匿より重くなることがあります。業界裏話ヒント:『隠した』のか『捨てた』のかで適用条文も時効も変わります。隠匿は返還できる状態が前提なので、現物が出てくれば隠匿、すでに処分されていれば毀棄系へ。被害者側は、現物の有無を最初に確認しておくと、どの罪で攻めるかの戦略が立てやすい
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 行為態様 | 263 条 信書隠匿:受取人が受け取れない状態に置く | — |
| 内容の了知 | 不要(読まなくても成立) | — |
| 法定刑 | 六月以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金・科料 | — |
| 親告罪か | 親告罪(264 条) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。