戸籍法 第21条
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- 成年に達した者は、分籍をすることができる。但し、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、この限りでない。
- 2.分籍の届出があつたときは、新戸籍を編製する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 戸籍法第21条は、日本の戸籍法に含まれる条文です。
- 戸籍法第21条の条文原文は「成年に達した者は、分籍をすることができる。但し、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、この限りでない。」で始まります。
- 戸籍法第21条は第三章 戸籍の記載に置かれています。
- 戸籍法の公布日は昭和22年12月22日です。
- 戸籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 戸籍法第21条の前の条は戸籍法第20条の4です。
- 戸籍法第21条の次の条は戸籍法第22条です。
- 戸籍法第21条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第21条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 - 本サイト収録
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第21条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000224/21
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点戸籍法21条により、18歳以上の成年者は親の同意なく分籍届を出し、自分が筆頭者となる新戸籍を作れる。ただし戸籍の筆頭者とその配偶者は分籍できない。
Q · 親に反対されていても、子どもは分籍できますか?
できる。18歳以上なら親の同意は要らず、届出だけで済む
戸籍法21条1項により、成年(18歳)に達した者は親の同意なしに分籍できます。届出は本籍地または住所地の市区町村に出し(戸籍法100条)、受理されると本人が筆頭者の新戸籍が編製されます(同条2項)。ただし戸籍の筆頭者とその配偶者は分籍できません。また、分籍しても親子関係や相続権は変わらず、親は引き続き戸籍謄本を請求できます(戸籍法10条)。
解説
戸籍から抜ければ親と縁が切れる。ネットでよく見るこの期待を、戸籍法21条は静かに裏切る。成年(現在は18歳)に達していれば、親の同意は要らない。役所に分籍届を出すだけで、親の戸籍を出て自分が筆頭者(戸籍の先頭に記載される人)となる新しい戸籍が作られる。本籍地も日本中から自由に選べる。ところが変わるのは「記録の置き場所」だけである。親子関係、相続権、扶養義務はまったく動かない。親はあなたの新しい戸籍謄本を今までどおり請求できる(戸籍法10条)。元の戸籍には分籍した事実と新本籍が記録される。しかも、一度出たら元の戸籍には戻れない。分籍の本当の効用は別の所にある。親が家庭裁判所の許可を得て氏を変えても、あなたの氏は巻き込まれない。本籍を今の住所地に置くこともできる。何が変わり、何が変わらないのかを知った人だけが、この届出を正しく使える。
法的な位置づけ
分籍とは、成年に達した者が届出により現在の戸籍から離れ、自己を筆頭者とする新戸籍を編製させる戸籍上の手続である。根拠規定は戸籍法第21条であり、戸籍の筆頭者およびその配偶者は分籍できない。分籍は戸籍の編製単位を分けるにとどまり、親族関係その他の身分関係を変動させない。
手順
- 1.分籍の目的を確認する 氏の変更から独立したいのか、本籍を移したいのか、住所を隠したいのかを整理する。住所を隠すことが目的なら、分籍ではなく住民基本台帳の支援措置を検討する
- 2.要件と新本籍を決める 成年に達していること、戸籍の筆頭者でもその配偶者でもないことを確認する。そのうえで新本籍の所在地(地番または住居表示)を決める
- 3.分籍届を提出する 分籍届書に記入し、本籍地または住所地の市区町村役場の戸籍窓口に提出する(戸籍法100条)。受理されると新戸籍が編製される(戸籍法21条2項)
- 4.新戸籍の反映と本人通知制度への登録を確認する 編製まで数日〜1、2週間かかる場合がある。完了後に新しい戸籍謄本を取って記載を確認し、新本籍地の自治体に本人通知制度があれば登録する
よくある質問 AI による整理
Q1分籍とは何ですか?
成年者が親などの戸籍から離れて、自分が筆頭者となる新しい戸籍を作る届出です。根拠は戸籍法21条で、身分関係は変わりません。
Q2分籍は何歳からできますか?
成年に達すればできます。2022年4月の民法改正で成年年齢が18歳になったため、現在は18歳から親の同意なしで分籍できます。
Q3分籍届はどこに出せばいいですか?
本籍地か、届出人の住所地の市区町村役場に提出します(戸籍法100条・25条)。郵送で受け付ける自治体もあるので、事前に確認すると確実です。
Q4分籍届の必要書類は何ですか?
分籍届書と本人確認書類が基本です。2024年3月以降、本籍地以外に届け出る場合も、原則として戸籍謄本の添付は不要になりました。
Q5分籍に費用はかかりますか?
分籍届そのものの手数料はかかりません。分籍後の新しい戸籍謄本を取るときは、通常の交付手数料(1通450円)が必要です。
Q6分籍のデメリットは何ですか?
元の戸籍に戻れないこと、戸籍謄本に分籍の事実が記載されること、相続手続で集める戸籍が増えることが主なデメリットです。
Q7分籍すると親に通知されますか?
親に個別の通知は届きません。ただし親の戸籍には分籍の事実と新本籍が記載されるため、親が自分の謄本を取れば分かります。
Q8分籍後の本籍地はどこでも選べますか?
日本国内で地番や住居表示が実在する場所なら、どこでも選べます。現住所に置けば、将来の戸籍謄本の取得も楽になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1分籍したら親の借金を相続しなくて済みますか?
済まない。分籍しても子は第一順位の相続人のままである(民法887条)。借金を引き継がない方法は、家庭裁判所への相続放棄の申述だけであり、原則として相続開始を知った時から3か月以内に行う(民法915条、938条)。実務のポイント:「戸籍を抜いたから関係ない」と3か月を放置し、放棄の期限を過ぎてしまう相談は少なくない。守りたいのが財布なら、使う道具は分籍ではなく相続放棄である
Q2分籍したことって、結婚相手の家に知られちゃいますか?
戸籍謄本には分籍の事実が記載されるので、謄本を見せれば分かる。ただし、結婚相手の親があなたの戸籍を勝手に取ることは原則できない。第三者による請求には正当な理由が必要だからである(戸籍法10条の2)。実務のポイント:身元調査目的の不正取得は過去に何度も事件になっている。本籍地や住所地の自治体に本人通知制度があれば登録しておくとよい。誰かが謄本を取った事実があなたに届く
Q3やっぱり親の戸籍に戻りたくなったら、どうすればいいですか?
戻る方法はない。戸籍法には、分籍した人が元の戸籍に復帰する手続が定められていない。できるのは、転籍(戸籍法108条)で本籍地を移すことだけであり、親と同じ本籍地に置いても別の戸籍のままである。実務のポイント:迷っているうちは分籍しなくても実害はほとんどない。婚姻すればどのみち新しい戸籍が作られる(戸籍法16条)。数年後に結婚を考えているなら、分籍を急ぐ理由は薄い
Q4結婚してるけど、夫の戸籍から私だけ抜けられますか?
抜けられない。本条1項の但書が、戸籍の筆頭者とその配偶者の分籍を認めていないからである。夫婦は同じ戸籍に記載される仕組みなので、戸籍を分ける道は離婚して新しい戸籍を作るか、婚姻前の戸籍に戻るかしかない(戸籍法19条)。実務のポイント:相談の本当の中身が「義実家との距離」であるケースは多い。戸籍は義父母の戸籍とはすでに別であり、戸籍上の問題はたいてい存在しない
間違えやすい点 AI による整理
- 「分籍すれば親子の縁が法的に切れる」と信じられているが、日本法には親子関係を当事者の意思で解消する仕組みそのものがない(特別養子縁組という例外を除く)。分籍後も親が亡くなればあなたは相続人であり(民法887条)、親が困窮すれば扶養義務が問題になりうる(民法877条)
- 「親に住所を知られないために分籍すべきか」という問い自体が的を外している。住所を記録しているのは戸籍ではなく住民票と戸籍の附票であり、親(直系尊属)はどちらも原則として請求できる。DV やストーカーから身を守りたいなら、市区町村で住民基本台帳の支援措置を申し出る方が直接効く
- 分籍が「後戻りできない」ことは知られていても、その重みは軽く見られがちだ。戸籍法には分籍した人が元の戸籍に戻る手続が存在しない。後で本籍地を変えることはできる(転籍)が、親と同じ戸籍に戻る道はない。勢いで出す届出ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 新戸籍が作られるきっかけ | 戸籍法21条:成年者本人の分籍届 | 戸籍法16条:婚姻の届出 戸籍法108条:転籍の届出(戸籍は新しくなるが構成員は同じ) |
| 届け出る人 | 筆頭者・配偶者以外の成年者本人 | 婚姻する夫婦 戸籍の筆頭者とその配偶者 |
| 元の戸籍との関係 | 本人だけが離れ、元の戸籍には分籍の事実が記載される | 夫婦が親の戸籍から離れ、夫婦の新戸籍に入る 戸籍全体が丸ごと新本籍へ移る |
| 身分関係への影響 | なし(親子・相続・扶養は存続) | 婚姻による夫婦関係が生じる なし(本籍の場所が変わるだけ) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では戸籍は世帯(戸)単位で、分戸によって別の戸を立てられる。身分関係に影響しない点は日本の分籍と似ているが、住所登録と一体である点が異なる
韓国は2008年に戸主制・戸籍制度を廃止し、個人単位の家族関係登録簿に移った。そのため分籍という概念自体がない
中国の戸口は居住管理と結び付いた世帯登録で、分戸の要件は地方の規定に委ねられている。身分関係の公証を目的とする日本の戸籍とは性格が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 実家との関係に疲れ果てた22歳の会社員が、昼休みに「分籍 縁切り」と検索し、午後に半休を取って区役所へ向かおうとしている。届出は一枚で終わる。ただ、その一枚で親から住所を隠せるわけではない。本当に必要なのは住民票の支援措置の方かもしれない
- 娘が勝手に分籍していたと知った父親が、区役所の窓口で「親の許可なく受理したのはおかしい」と詰め寄っている。しかし成年者の分籍に親の同意は要らない。窓口がこの届出を拒む法的根拠はない
- もし親が家庭裁判所に氏の変更を申し立てたら、同じ戸籍にいるあなたの氏はどうなる? 氏の変更は同じ戸籍に記載された全員に及ぶ。分籍済みなら、あなたの氏はそのまま残る
- 留学ビザの申請に戸籍謄本が必要で、締切まであと5日。本籍は遠く離れた祖父母の町。分籍で本籍を移そうと焦るより先に、2024年3月に始まった広域交付を思い出したい。本人が窓口へ行けば、最寄りの市区町村で戸籍謄本を取得できる
- 結婚して夫が筆頭者の戸籍に入った妻が、夫の家族と揉めて「私だけ分籍したい」と考えた。ただし配偶者は分籍できない。本条但書がその道を最初から閉じている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 目的をはっきりさせる。氏の独立や本籍の変更が目的なら分籍は有効だが、住所を隠したいなら分籍では足りない2. DV・つきまといの危険があるなら、先に警察や配偶者暴力相談支援センターに相談し、住民票と戸籍の附票の交付制限(支援措置)を市区町村に申し出る3. 分籍届は本籍地または住所地の市区町村に提出する(戸籍法100条)。筆頭者・配偶者でないことを確認する4. 新本籍の自治体で本人通知制度に登録する
訴えられた側:1. 子が成年なら、親に分籍を止める手段はない。窓口で抗議しても受理は覆らない2. 分籍しても親子関係は続いているので、相続や扶養の話し合いは今後も続く前提で考える3. 子の戸籍謄本や附票を取れる立場を、つきまといや居所探しに使うのは危険である。ストーカー行為等の規制等に関する法律に触れるおそれがあり、支援措置の対象にもなる4. 関係を修復したいなら、書面ではなく第三者を介した対話の場を選ぶ
時効(請求できる期限):特定の時効や期限はない。成年(18歳)に達した日以降いつでも届出ができ、届出が受理されると効力が生じる。ただし、婚姻して戸籍の筆頭者または配偶者になると分籍はできない
学説
通説:分籍は戸籍の編製単位を分ける戸籍法上の行為にすぎず、民法上の親族関係・相続関係・扶養関係には何の影響も及ぼさない。分籍後も元の戸籍の者との身分関係はそのまま存続する
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)4月1日 民法改正の施行 本条の文言は改正されていない。ただし民法4条の改正で成年年齢が20歳から18歳に引き下げられ、分籍できる年齢も連動して18歳になった
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:戦後の家制度廃止に伴う現行戸籍法の制定により、成年者の分籍の規定が置かれた(昭和23年1月1日施行)。なお、2022年4月の民法改正で成年年齢が18歳に引き下げられたが、本条の文言は改正されていない
- 戸籍法 第6条夫婦と同氏の子を単位とする編製原則
- 戸籍法 第100条分籍の届出義務と添付書類
- 戸籍法 第10条直系尊属による戸籍謄本の請求権
- 戸籍法 第16条婚姻による新戸籍の編製
- 戸籍法 第107条氏の変更は同籍者全員に及ぶ
- 民法 第4条成年年齢18歳が分籍の年齢要件を決める
- 民法 第887条分籍後も子の相続権は存続する
- 住民基本台帳法 第20条戸籍の附票の写しの交付と請求権者
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