国会法 第102条の4
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参議院の緊急集会において採られた措置に対する衆議院の同意については、その案件を内閣から提出する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第102条の4は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第102条の4の条文原文は「参議院の緊急集会において採られた措置に対する衆議院の同意については、その案件を内閣から提出する。」で始まります。
- 国会法第102条の4は第十一章に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第102条の4の前の条は国会法第102条の3です。
- 国会法第102条の4の次の条は国会法第102条の5です。
- 国会法第102条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第102条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第102条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/102_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法102条の4は、参議院の緊急集会で採られた措置への衆議院の同意について、その案件を内閣が提出すると定める。次の国会開会後10日以内に同意がなければ措置は効力を失う。
Q · 緊急集会で決めたことを衆議院に同意してもらう案件は、誰が出すの?
内閣です。衆議院議員や参議院ではありません
国会法102条の4により、参議院の緊急集会で採られた措置について衆議院の同意を求める案件は内閣が提出します。緊急集会は内閣が求めるもので(憲法54条2項、国会法99条)、措置の必要性について責任を負う内閣が、新しい衆議院に措置の継続の可否を問い直す仕組みです。次の国会開会後10日以内に衆議院の同意がなければ、措置は効力を失います(憲法54条3項)。
解説
衆議院が解散され、議員が一人もいない期間に大災害や安全保障上の危機が起きたとする。そのとき国会の代わりに動くのが参議院の緊急集会(日本国憲法54条2項)である。ただし、そこで決めた法律や予算は「仮の措置」にすぎない。新しい衆議院ができたあと、国会が開会してから10日以内に衆議院が同意しなければ、その措置は効力を失う(憲法54条3項)。本条は、この同意を求める案件を誰が衆議院に出すのかを決めている。答えは内閣である。衆議院議員でも参議院でもない。ここがポイントだ。緊急集会を求めるのは内閣総理大臣であり(国会法99条)、措置を必要とした政治責任も内閣にある。その内閣が自ら「この措置を続けてよいか」と新しい衆議院に問い直す。一文だけの条文だが、民主的な正統性を後から取り直す手続の始動ボタンを内閣に持たせている。緊急事態条項をめぐる改憲論議を読むとき、この仕組みを知っているかどうかで、議論の中身が見えるかどうかが変わる。
法的な位置づけ
国会法第102条の4は、参議院の緊急集会(日本国憲法54条2項)において採られた臨時の措置について、同条3項が求める衆議院の事後の同意を得るための案件の提出者を内閣と定める手続規定である。衆議院議員や参議院による発議ではなく、緊急集会を求めた内閣の側が同意案件を提出する点に特色がある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.緊急集会で採られた措置を一覧化する 緊急集会で議決された法律・予算などの措置を洗い出し、それぞれの根拠と執行状況(執行済みか、未執行か)を整理する。同意案件の対象範囲を確定するための作業である
- 2.次の国会の開会日を確定し期限を逆算する 総選挙後の特別会の召集日程が決まった時点で、開会日から10日以内という憲法54条3項の期限を逆算し、提出日と議決目標日を設定する。期間計算の細部は先例を確認する
- 3.内閣として同意案件を作成・閣議決定する 国会法102条の4に基づき、内閣が提出者となる同意案件を作成し、閣議決定を経る。措置ごとの必要性の説明資料もあわせて準備する
- 4.衆議院に提出し期限内の議決を図る 国会開会後速やかに同意案件を衆議院に提出し、期限内に議決が得られるよう審議日程を調整する。同意が得られない場合に備え、効力を失った後の取扱いも並行して整理する
よくある質問 AI による整理
Q1参議院の緊急集会とは何ですか?
衆議院の解散中に国に緊急の必要が生じたとき、内閣の求めで参議院だけが集まり、国会に代わって暫定的な措置を議決する制度です(憲法54条2項)。
Q2緊急集会を求めることができるのは誰?
内閣です(憲法54条2項)。手続としては、内閣総理大臣が集会の期日を定め、案件を示して参議院議長に請求します(国会法99条)。
Q3衆議院議員は同意案件を提出できる?
できません。国会法102条の4は同意案件の提出者を内閣と定めています。議員ができるのは、内閣が提出した案件の審議と採決への参加です。
Q4緊急集会の措置の「10日以内」はいつから数える?
憲法54条3項は「次の国会開会の後十日以内」と定め、起算点は次の国会の開会です。期間計算の細部は国会の先例によるため、個別に確認が必要です。
Q5緊急集会の措置には参議院の同意も必要?
不要です。憲法54条3項が事後の同意を求めているのは衆議院だけです。参議院は緊急集会で議決した当事者のため、改めて同意する仕組みになっていません。
Q6緊急集会で予算は議決できる?
できます。昭和28年(1953年)の緊急集会では暫定予算などが議決されました。ただし措置は暫定的なもので、衆議院の事後の同意が必要です。
Q7緊急集会で憲法改正は発議できる?
できないと解されています。憲法96条の発議には各議院の総議員の3分の2以上の賛成が必要で、衆議院のない緊急集会ではこの要件を満たせないためです。
Q8衆議院が同意案件を否決したらどうなる?
措置は効力を失います(憲法54条3項)。期限内に議決に至らない場合も同じです。通説では将来に向かって失効すると解されています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1緊急集会って、今まで本当に開かれたことあるんですか?
あります。昭和27年(1952年)に中央選挙管理会委員の任命に関して、昭和28年(1953年)に暫定予算などについて、計2回開かれました。いずれも、その後の国会で衆議院の同意が得られています。実務のポイント:2回とも、本条の内閣提出ルートで同意案件が処理されました。前例が少ないので、実務の手順は国会の先例集に頼る部分が大きいです
Q2衆議院が同意しなかったら、その間に払われたお金とかは返さないといけないの?
憲法54条3項は「その効力を失ふ」と書いているだけです。通説では将来に向かって効力を失うと解されるため、効力があった間の行為は原則として有効のまま残ります。実務のポイント:ただし、同意されなかった前例はなく、実際の処理がどうなるかは未知数です。学説が分かれうる点だと理解しておくのが安全です
間違えやすい点 AI による整理
- 「緊急集会で決めたことは、衆議院が同意しないと最初からなかったことになる」と思われがちだが、憲法54条3項は「その効力を失ふ」と書いているだけである。通説は将来に向かって効力を失う(遡って無効にはならない)と解しており、措置が有効だった期間の行為はそのまま残る
- 問いの立て方そのものがずれている場合がある。「衆議院は緊急集会の措置を自分で審査できるのか」と考える人が多いが、本条の構造では、審査の対象になる案件は内閣が提出して初めて衆議院の議題に乗る。議員が主導して審査を始める道ではない
- 緊急集会は戦後に2回しか開かれていない(昭和27年、昭和28年)。そのため「使われない死文」と見られやすいが、首都直下地震や解散中の有事が想定される今、本条がなければ、非常時の措置を国会の正統性につなぎ直す道筋が空白になる。使われていない回数と重要度は別の話である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 国会法102条の4:緊急集会の措置に対する衆議院の事後の同意 | 国会法99条:緊急集会の請求(開始の場面) 国会法101条:緊急集会中の議員による議案発議 |
| 手続の主体 | 内閣が同意案件を衆議院に提出 | 内閣総理大臣が参議院議長に請求 参議院議員(示された案件に関連するものに限る) |
| 手続の時期 | 次の国会開会後(憲法54条3項の10日以内) | 衆議院解散中、国に緊急の必要があるとき 緊急集会の会期中 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では総統が発布した緊急命令を立法院が追認し、不同意なら直ちに失効する。立法院解散後に発布された場合の追認手続も定めがある。行政の決定を議会が事後に追認する構造は日本と共通するが、暫定的な決定をするのが議会の一院か総統かが異なる
韓国では大統領の緊急財政経済処分・命令について遅滞なく国会の承認を得る必要があり、承認が得られなければその時から効力を失う。将来効の構造が日本の通説と近い
ドイツでは防衛事態に連邦議会が機能しない場合、合同委員会が議会の権能を代行し、その法律は連邦議会が後から廃止できる。代行機関を議会側に置く点で日本の緊急集会に近い
フランスではオルドナンスの承認法律案を政府が提出し、期限までに提出されなければ失効する。行政側が事後承認の手続を起動する点で、本条の内閣提出の構造と共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 衆議院が解散中で、総選挙まであと3週間というときに大地震が起きた。被災地支援の補正予算が必要になったら、どうなる? 内閣総理大臣が参議院の緊急集会を求め、そこで暫定的に議決する。ただし新しい衆議院の同意が得られなければ、その予算措置は将来に向かって効力を失う
- 新内閣の官房スタッフとして、緊急集会でとられた措置の一覧を引き継いだ。特別会が開会した日から数えて10日以内に同意案件を衆議院に出し、議決まで終わらせなければならない。提出が遅れれば、措置は自動的に効力を失う
- ニュースで「緊急事態に国会が機能しなくなる」と改憲論が語られていた。友人に「参議院の緊急集会があるでしょ」と言ったら、「でもそれって後で無効になるんでしょ?」と返された。正確には、衆議院が同意すれば有効のまま残る。同意案件は内閣が出す
- 衆議院議員として、緊急集会でとられた措置に強く反対している。自分で「不同意決議案」を出したいが、本条により同意案件の提出者は内閣である。議員にできるのは、内閣が出した案件に反対票を投じることだ
取るべき行動
被害を受けた側:緊急集会でとられた措置で、補助金や規制など自分の利益が左右される立場なら、1. その措置が緊急集会で議決されたものかを官報で確認する2. 次の国会開会日から10日以内に内閣が同意案件を出すかどうかを追う3. 同意されずに効力を失った場合、効力を失う前に受けた給付や許可がどうなるかを所管省庁に照会する。通説では遡って無効にはならないが、個別の扱いは確認が要る
訴えられた側:措置を実行する行政側にいるなら、1. 緊急集会で議決された措置の一覧と根拠を整理する2. 特別会召集の日程が出た時点で、同意案件の提出準備を内閣官房・内閣法制局と並行して進める3. 効力を失った場合に備え、執行済みの行為と未執行の行為を分けて記録する。10日の期限は延長されない前提で動く
時効(請求できる期限):次の国会開会の後10日以内に衆議院の同意がなければ、措置は効力を失う(日本国憲法54条3項)。起算点は次の国会の開会日。期間の計算方法の細部は先例によるため、個別に確認が必要
学説
通説(将来効説):憲法54条3項の「その効力を失ふ」は将来に向かっての失効を意味し、措置が有効であった期間の行為は遡って無効にならないと解する。同意が得られなかった前例はなく、実務上の処理は未確定の部分が残る。
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