受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年4月5日読了 6 分6 分6 分

国会法 第102条の3

クイックジャンプ

参議院の緊急集会において案件が可決された場合には、参議院議長から、その公布を要するものは、これを内閣を経由して奏上し、その他のものは、これを内閣に送付する。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 国会法第102条の3は、日本の国会法に含まれる条文です。
  2. 国会法第102条の3の条文原文は「参議院の緊急集会において案件が可決された場合には、参議院議長から、その公布を要するものは、これを内閣を経由して奏上し、その他のものは、これを内閣に送付する。」で始まります。
  3. 国会法第102条の3は第十一章に置かれています。
  4. 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
  5. 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 国会法第102条の3の前の条は国会法第102条の2です。
  7. 国会法第102条の3の次の条は国会法第102条の4です。
  8. 国会法第102条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第102条の3
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079
  • 本サイト収録国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第102条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/102_3

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点国会法102条の3は、参議院の緊急集会で可決された案件のうち、公布を要するものは参議院議長が内閣を経由して奏上し、その他のものは内閣に送付すると定める。

Q · 衆議院が解散中に緊急集会で可決された法律は、誰がどうやって公布の手続に回すの?

参議院議長が内閣を経由して天皇に奏上します

国会法102条の3により、参議院の緊急集会で可決された案件のうち、法律のように公布を要するものは、参議院議長が内閣を経由して天皇に奏上します。予算など公布を要しないものは内閣に送付されます。通常の国会では最後に議決した院の議長が奏上します(国会法65条)。緊急集会では参議院しか存在しないため、出口は必ず参議院議長になります。成立した措置は臨時のもので、次の国会の開会後10日以内に衆議院の同意がなければ効力を失います(憲法54条3項)。

解説

衆議院が解散され、議員が一人もいない期間に国として急ぎの決定が必要になったら、誰が決めるのか。憲法54条2項は、内閣が参議院の緊急集会を求められると定めている。本条は、その緊急集会で決まったことを外に出すための「出口」を定めた条文である。可決された案件のうち、法律のように公布(国民に正式に知らせて効力を発生させる手続)が必要なものは、参議院議長が内閣を経由して天皇に奏上(天皇に報告して公布を求めること)する。予算のように公布を要しないものは、内閣に送付する。通常の国会では、最後に議決した院の議長が奏上する(国会法65条)。しかし緊急集会の場には参議院しかないため、出口は必ず参議院議長になる。見落とされやすいのは、ここで成立した措置が「臨時のもの」にすぎない点である。次の国会が開会してから10日以内に衆議院が同意しなければ、その措置は効力を失う(憲法54条3項)。

法的な位置づけ

国会法第102条の3は、参議院の緊急集会(日本国憲法54条2項)で可決された案件の事後処理を定める規定である。公布を要する案件は参議院議長が内閣を経由して奏上し、公布を要しない案件は参議院議長から内閣に送付される。通常の国会における奏上手続(国会法65条)の特則にあたる。

よくある質問 AI による整理

Q1参議院の緊急集会とは何ですか?

衆議院が解散している間に国の緊急の必要が生じたとき、内閣の求めで参議院だけが開く集会です。日本国憲法54条2項が根拠で、法律や予算を可決できます。

Q2緊急集会は誰が開くことができますか?

緊急集会を求めることができるのは内閣だけです(憲法54条2項ただし書)。参議院議員や参議院議長が自ら開くことはできません。

Q3緊急集会は過去に何回開かれましたか?

現行憲法のもとでは、昭和27年(1952年)と昭和28年(1953年)の2回だけです。2回目では暫定予算などが可決されました。

Q4緊急集会で成立した法律はいつまで有効ですか?

公布されれば効力を持ちますが、次の国会の開会後10日以内に衆議院の同意がなければ、将来に向かって効力を失います(憲法54条3項)。

Q5緊急集会の議決は天皇が拒否できますか?

できません。公布は内閣の助言と承認による国事行為であり(憲法7条)、天皇に法律の可否を判断する権限はありません。

Q6緊急集会で可決された予算はどう扱われますか?

予算は公布を要しないため、国会法102条の3により参議院議長から内閣に送付されます。法律のように天皇へ奏上されることはありません。

Q7国会法102条の3と65条の違いは?

65条は通常の国会で最後に議決した院の議長が奏上する原則を定めます。102条の3は、緊急集会では参議院議長が奏上・送付するという特則です。

Q8衆議院の同意が得られなかったら過去の処分は無効?

通説では、失効は将来に向かってのみ生じます。失効までにその措置にもとづいて行われた処分や契約は、原則として有効なまま残ります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1緊急集会で決まった法律って、普通の法律と同じように効くの?

公布されれば、通常の法律と同じように効力を持つ。ただし臨時の措置にとどまり、次の国会が開会してから10日以内に衆議院の同意がなければ効力を失う(憲法54条3項、国会法102条の4)。実務のポイント:失効は過去にさかのぼらないとするのが通説である。そのため、失効するまでにその法律にもとづいて行われた処分や契約は、原則として有効なまま残る。争うときは「いつの時点の処分か」を最初に特定する

Q2なんで衆議院議長じゃなくて参議院議長が天皇に出すの?

通常の国会では、最後に議決した院の議長が奏上する(国会法65条)。しかし緊急集会は衆議院の解散中に開かれ、衆議院議員は解散によって全員その身分を失っている。議決の主体は参議院だけなので、出口も参議院議長になる(本条)。実務のポイント:緊急集会での会議の進め方は、ふだんの参議院規則とは別の「参議院緊急集会規則」で定められている。試験でも実務でも、通常の会期の手続をそのまま当てはめると間違える

間違えやすい点 AI による整理

  • 「衆議院が解散している間、国会は何も決められない」という問いの立て方そのものが誤っている。憲法54条2項の緊急集会は、法律も予算も可決できる。本条は、可決後の公布や送付まで手順を定めている。決める回路も、外に出す回路も、最初から用意されているのである
  • 緊急集会で可決されれば話は終わり、と考える人は多い。実際には、その措置は臨時のものにとどまり、次の国会が開会してから10日以内に衆議院の同意を得られなければ効力を失う(憲法54条3項)。可決はゴールではなく、衆議院のチェックを待つ仮のスタートにすぎない。なお、失効は過去にさかのぼらず、将来に向かってのみ生じるとするのが通説である
  • 「天皇に奏上する」と聞くと、天皇が可否を判断するように見えるかもしれない。しかし法的な見方は違う。現行憲法のもとで、公布は内閣の助言と承認による形式的な国事行為(憲法7条)であり、天皇に拒否権はない。内閣を経由するという本条の文言は、責任の所在が内閣にあることを示している
比較の観点この条文ほかの条文
適用場面国会法102条の3:衆議院解散中の参議院の緊急集会国会法65条:通常の国会(両院が存在する会期)
国会法66条:奏上された後の法律の公布
奏上・送付の主体参議院議長(内閣を経由)最後に議決した院の議長(内閣を経由)
(奏上後の段階であり、主体の定めなし)
公布を要しない案件参議院議長から内閣に送付内閣に送付
対象外
効力の安定性臨時の措置。次の国会開会後10日以内に衆議院の同意がなければ失効(憲法54条3項)恒久的な効力(改正・廃止まで)
公布期限を定め、効力発生のタイミングを担保

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
中華民國憲法增修條文第2條第3項・第4條第6項

台湾の立法院は一院制のため緊急集会の制度はない。総統の緊急命令を立法院が事後追認する仕組みで、解散中は新たに選ばれた立法院が追認する。事後の民主的チェックという発想は日本の10日要件と共通する

韓国
대한민국헌법 제76조

韓国の国会は一院制で解散制度がない。大統領の緊急命令は遅滞なく国会の承認を得る必要があり、承認がなければその時点から効力を失う

ドイツ
Grundgesetz Art. 115e

ドイツでは防衛事態に連邦議会が集会できないとき、合同委員会が議会の地位を代行する。緊急時に限定した代替立法機関を置く点で日本の緊急集会と機能が近い

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 衆議院の解散中に大規模な地震が起き、復旧のための予算が今すぐ必要になったら、どうなるのか。内閣が参議院の緊急集会を求め、そこで可決された予算は、本条により参議院議長から内閣に送付される。一方で、新しくつくる法律のほうは、内閣を経由して奏上され、公布されてはじめて効力を持つ
  • 行政書士試験まであと3週間。過去問で「緊急集会で可決された法律は衆議院議長が奏上する」という選択肢に出会う。誤りである。解散中は衆議院議長が奏上することはできず、出口は参議院議長であり、しかも内閣を経由する

学説

通説(将来効説):衆議院の同意が得られなかった緊急集会の措置は、将来に向かってのみ効力を失う。失効前に行われた処分や契約の効力は遡って否定されない。

通説(天皇の公布権の形式性):本条の奏上は、公布という形式的な国事行為(憲法7条)を求める手続にすぎず、天皇に可否の判断権はない。内閣経由とされることで、責任の所在が内閣にあることが示される。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

国会法の全文を見る所属する編章節を開く:第十一章

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›