国会法 第113条
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議員は、その資格のないことが証明されるまで、議院において議員としての地位及び権能を失わない。但し、自己の資格争訟に関する会議において弁明はできるが、その表決に加わることができない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第113条は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第113条の条文原文は「議員は、その資格のないことが証明されるまで、議院において議員としての地位及び権能を失わない。但し、自己の資格争訟に関する会議において弁明はできるが、その表決に加…」で始まります。
- 国会法第113条は第十三章に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第113条の前の条は国会法第112条です。
- 国会法第113条の次の条は国会法第114条です。
- 国会法第113条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第113条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第113条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/113
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法113条は、議員はその資格のないことが証明されるまで議員としての地位と権能を失わないと定める。ただし自己の資格争訟の会議では弁明のみ可能で、表決には加われない。
Q · 資格を疑われた国会議員は、疑惑が出た時点で議員ではなくなるの?
院が資格なしと議決するまで、議員のままです
国会法113条により、議員はその資格のないことが証明されるまで、議院における議員としての地位と権能を失いません。疑惑が報じられても、本会議での表決や発言は続けられます。資格を失わせるには、議員が文書で議長に資格争訟を提起し(同法111条)、委員会審査を経て、出席議員の3分の2以上の多数で議決する必要があります(憲法55条)。なお本人は自己の資格争訟の会議で弁明はできますが、表決には加われません。
解説
国会議員に「そもそも被選挙権がなかったのでは」という疑いが浮上しても、その議員は翌日も本会議場に座り、法案に賛否を投じる。国会法113条がそう保障しているからだ。資格がないことが「証明されるまで」、議員としての地位と権能(議員として持つ権限、例:表決権・発言権・質問権)はそのまま残る。疑いだけで議席を空けさせれば、多数派が気に入らない少数派議員を告発一本で黙らせることができてしまう。それを防ぐための推定規定である。ただし例外が一つある。自分の資格争訟(議員の資格の有無を議院自身が裁く手続、憲法55条)を扱う会議では、弁明はできるが表決には加われない。自分の事件の裁判官を兼ねることは許されない。さらに議席を奪うには出席議員の3分の2以上の賛成が要る(憲法55条但書)。「疑惑の議員がなぜ辞めないのか」とニュースに苛立ったとき、その答えの半分はこの条文にある。
法的な位置づけ
国会法113条は、資格争訟(憲法55条)の係属中における議員の地位を定める規定であり、議員は資格のないことが証明されるまで議院における地位及び権能を保持するとの推定を置く。同時に、当該議員は自己の資格争訟に関する会議において弁明はできるが、表決からは除斥される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.争う軌道を仕分ける 争いの対象が選挙・当選の効力なのか、当選後の議員の資格なのかを最初に区別する。前者は公職選挙法の選挙訴訟・当選訴訟(高等裁判所、30日以内)、後者は議院の資格争訟となる
- 2.資格欠缺の事実を公的資料で固める 被選挙権の欠格事由(公職選挙法10条・11条等)に当たる事実を、戸籍・住民票・判決謄本などの公的資料で裏付ける
- 3.議員が文書で議長に提起する 資格争訟は議員のみが提起でき、文書で議長に提起する(国会法111条2項)。会期不継続の原則(同法68条)を踏まえ、委員会審査に十分な会期が残る時期を選ぶ
- 4.委員会審査と弁明 提起後は委員会の審査を経る(国会法111条1項)。提起された議員は弁護人を依頼でき(同法112条)、委員会での弁明と反論を記録に残す
- 5.本会議で議決する 委員会審査の後、本会議で議決する。資格なしとするには出席議員の3分の2以上の多数が必要(憲法55条但書)。当該議員は弁明できるが表決には加われない(国会法113条但書)
よくある質問 AI による整理
Q1資格争訟とは何ですか?
国会議員が被選挙権などの資格を有するかどうかを、裁判所ではなく所属する議院自身が裁く手続です。根拠は憲法55条と国会法111条から113条です。
Q2国会法113条の推定規定とは?
資格のないことが証明されるまで、議員は議院における地位と権能を失わないとする規定です。疑惑の段階では表決権も発言権も維持されます。
Q3資格争訟は誰が提起できますか?
議院の議員だけが提起でき、文書で議長に提起する必要があります(国会法111条2項)。有権者や政党が直接提起することはできません。
Q4議員の資格を失わせるには何票必要?
憲法55条但書により、出席議員の3分の2以上の多数による議決が必要です。単純過半数では議席を失わせることはできません。
Q5資格争訟の対象の議員は表決できる?
自己の資格争訟に関する会議では表決に加われません(国会法113条但書)。弁明は認められますが、自分の事件に一票を投じることはできません。
Q6資格争訟で弁護人はつけられますか?
提起された議員は弁護人を依頼でき、うち一人分の費用は国費で支弁されると定められています(国会法112条)。最新の条文で人数等を確認してください。
Q7疑惑の議員が投じた一票は無効になる?
なりません。113条により資格なしと証明されるまで権能は失われないため、それまでに行使された表決は有効に数えられます。
Q8辞職勧告決議で議員を辞めさせられる?
辞職勧告決議には法的拘束力がなく、議席を失わせる効果はありません。議席喪失は資格争訟、懲罰による除名、選挙訴訟などの手続に限られます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1資格争訟って、実際に使われたことあるんですか?
憲法55条と国会法111条から113条が手続を用意しているが、戦後の国会で資格争訟が本会議の議決まで進んだ例は一般に知られていない。多くの疑惑は自発的辞職、選挙訴訟、刑事手続の側で決着してきた。実務のポイント:先例が乏しい制度ほど、実際に提起されれば審査の細部は議院規則と議院運営委員会での協議で詰められることになる。その協議を誰が主導するかで、勝負の半分は決まる
Q2院が資格なしと決めたら、裁判所で取り消してもらえますか?
憲法55条は議員の資格争訟の裁判を各議院に委ねており、一般にその議決を裁判所で争うことはできないと解されている。だからこそ113条は、確定までの地位保障と本人の表決除斥で手続の公正を担保している。実務のポイント:疑義を出す側から見れば、選挙訴訟として高等裁判所の判断を求めるか、資格争訟として院の判断に委ねるか、どちらの軌道に事件を乗せるかの選択そのものが戦略になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「当選無効の争いは院が裁く」と思われがちだが、選挙や当選の効力を争うのは公職選挙法に基づく選挙訴訟・当選訴訟であり、高等裁判所が第一審となる。資格争訟は、議員が被選挙権などの資格を有するかを院自身が裁く別の軌道である。両者を混同すると、どこに何を申し立てるべきかを誤る
- 「疑惑の議員をなぜ辞めさせられないのか」という問い自体が出発点を誤っている。法は議席を奪う手段を、疑惑の深刻さではなく手続で設計している。辞職勧告決議には法的拘束力がなく、議席を失わせる制度は資格争訟、懲罰による除名(憲法58条2項、出席議員の3分の2)、選挙訴訟などに限られる。問うべきは「どの手続に乗るか」である
- 本人が表決に加われないことは知っていても、その重みまでは知られていない。資格争訟の議決は、憲法が各議院に委ねた裁判であり、一般に裁判所での取消しは求められないと解されている。院の判断が最終判断になりうるからこそ、当事者の表決除斥と3分の2要件が数少ない安全装置として働いている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 議席喪失の原因 | 国会法113条:資格争訟で資格なしと証明・議決されるまで地位を保持 | 国会法109条:法律に定めた被選挙資格を失ったとき当然に退職者となる 国会法122条:懲罰の一種としての除名 |
| 院の議決の要否 | 必要(委員会審査の後、本会議で議決) | 不要(法律上当然に退職) 必要(懲罰委員会の審査を経て本会議で議決) |
| 必要な多数 | 出席議員の3分の2以上(憲法55条但書) | 議決を要しない 除名は出席議員の3分の2以上(憲法58条2項) |
| 問われるもの | 議員としての資格の有無(被選挙権等) | 当選後の被選挙資格の喪失 院内の秩序をみだした行為 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では立法委員の当選無効は裁判所での当選無効の訴えで争われ、議院自身が資格を裁く日本型の資格争訟制度は置かれていない
韓国も国会が議員の資格を審査し、その処分について法院に提訴できないとする点で日本と近い構造をとる
ドイツは連邦議会が選挙審査を行うが、その決定に対し連邦憲法裁判所への不服申立てが認められ、司法の最終判断が及ぶ点で日本と異なる
米国は各院が議員の資格を判定するが、Powell 判決は憲法所定の資格以外を理由とする議席拒否を許さないとし、司法判断の余地を認めた
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし地元選出の議員に、立候補時点で日本国籍を有していなかったのではという疑惑が報じられたら、その議員がすでに投じた採決の一票は無効になるのか? 答えは否である。院が資格なしと議決するまで、その一票は有効に数えられる
- あなたは新人議員の政策秘書だ。対立会派が、あなたの議員の被選挙資格を問題にして資格争訟を議長に提起した。委員会審査の日程が組まれるまで、弁明書の準備と弁護人の手配に残された時間はわずか数日。委員会でも本会議でも弁明には立てるが、本会議の表決の瞬間、あなたの議員は自分の運命に一票を投じることができない
- 法案が一票差で可決された。賛成側に資格を疑われる議員がいた。それでも可決は覆らない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 争う対象が「選挙・当選の効力」か「当選後の議員の資格」かを最初に仕分ける。前者なら公職選挙法の選挙訴訟・当選訴訟で、期限は30日と短い2. 資格争訟は議員しか提起できず、文書で議長に提起する(国会法111条)。有権者の立場なら議員を通じて働きかける3. 被選挙権の欠格(公職選挙法10条・11条)に当たる事実を、戸籍・住民票・判決謄本など公的資料で固める4. 議決に出席議員の3分の2が必要なことを前提に、会派を超えた賛同の見通しを立てる
訴えられた側:1. 疑惑が出ても議席と表決権は残る。慌てて辞職を表明する前に、資格の有無を客観資料で確認する2. 提起されたら弁護人を依頼でき、一人分の費用は国費で支弁される(国会法112条、最新の改正状況をご確認ください) 3. 委員会での弁明に全力を注ぐ。本会議では弁明はできても表決には加われない4. 被選挙資格の喪失が明白な場合、国会法109条による当然退職との関係も弁護人と検討する
時効(請求できる期限):本条に固有の期限はなく、資格争訟の提起期限も国会法上は定められていない(手続の細部は衆参各議院規則を要確認)。ただし会期不継続の原則(国会法68条)により、会期内に議決に至らなければ審査未了となりうる。選挙そのものの効力を争う選挙訴訟は選挙の日から30日以内(公職選挙法204条)、当選訴訟は当選人決定の告示の日から30日以内(同法208条)
学説
通説(推定規定の趣旨):113条の推定は、多数派が資格争訟を濫用して少数派議員の表決権を奪うことを防ぐためのもの。疑義の段階では地位を停止せず、確定判断まで権能を保持させる
通説(議院自律権):資格争訟の裁判は憲法55条により各議院に専属し、その議決に司法審査は及ばないと解される。それゆえ当事者の表決除斥と3分の2要件が手続保障の中核となる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:日本国憲法の施行に合わせて国会法が制定され、資格争訟の手続(111条から113条)が設けられた
- 国会法 第111条資格争訟の提起と委員会審査
- 国会法 第112条資格争訟における弁護人の依頼
- 国会法 第109条被選挙資格喪失による当然退職
- 国会法 第122条懲罰による除名、議席喪失の別経路
- 公職選挙法 第10条被選挙権の要件、資格の実体的基準
- 公職選挙法 第204条選挙訴訟、裁判所で争う別軌道
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