国会法 第121条の3
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- 閉会中、委員会その他議院内部において懲罰事犯があるときは、議長は、次の国会の召集の日から三日以内にこれを懲罰委員会に付することができる。
- 2.議員は、閉会中、委員会その他議院内部において生じた事犯について、第百二十一条第三項に規定する定数の議員の賛成で、次の国会の召集の日から三日以内に懲罰の動議を提出することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第121条の3は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第121条の3の条文原文は「閉会中、委員会その他議院内部において懲罰事犯があるときは、議長は、次の国会の召集の日から三日以内にこれを懲罰委員会に付することができる。」で始まります。
- 国会法第121条の3は第十五章に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第121条の3の前の条は国会法第121条の2です。
- 国会法第121条の3の次の条は国会法第122条です。
- 国会法第121条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第121条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第121条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/121_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法121条の3は、閉会中に委員会など議院内部で生じた懲罰事犯について、次の国会の召集日から三日以内に議長の付託または議員の動議で懲罰手続に乗せられると定める。
Q · 国会が閉じている間に議員が委員会で暴言を吐いたら、懲罰はできないの?
次の国会の召集日から三日以内なら懲罰手続に乗せられる
国会法121条の3により、閉会中に委員会その他議院内部で生じた懲罰事犯は、次の国会に持ち越して扱えます。議長は召集の日から三日以内に懲罰委員会へ付託でき、議員も衆議院40人以上、参議院20人以上の賛成があれば同じ三日以内に懲罰動議を提出できます。ただし本条が定めるのは手続の入口だけです。実際に懲罰を科すには、懲罰委員会の審査と本会議の議決が必要です。
解説
国会が閉じていれば議員の不始末は不問になる、という見方は誤りである。会期が終わっても、閉会中審査(国会が閉じている間も、議院の議決で特に付託された案件を委員会が審査し続ける仕組み)で委員会は動いており、議員は議院の中で発言し、行動し続ける。本条は、その空白期間に起きた懲罰事犯(議院の秩序を乱し、懲罰の対象となる行為)を、次の国会に持ち越して裁くための通路である。道は二つある。一つ目は、議長が次の国会の召集日から三日以内に懲罰委員会へ付すこと。二つ目は、議員が衆議院なら40人以上、参議院なら20人以上の賛成を集め、同じく三日以内に懲罰の動議を出すこと。ここで見落とされやすいのが「三日」という短さである。召集日の慌ただしさの中で賛成者を集められなければ、閉会中の事犯は事実上、手続の外へこぼれ落ちる。政治ニュースで「懲罰動議」の文字を見たら、まず事犯がいつ起きたのかを確かめるとよい。それだけで、その動議が手続に乗るのか、ただの演出で終わるのかが見えてくる。
法的な位置づけ
国会法第121条の3は、国会閉会中に委員会その他議院内部で生じた懲罰事犯について、次の国会の召集の日から三日以内に限り、議長による懲罰委員会への付託、または同法121条3項所定数の議員の賛成による懲罰動議の提出を認める規定であり、会期制のもとで生じる懲罰権の時間的空白を補う手続的特則である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.事犯の記録を確保する 閉会中の委員会などで問題行動があった直後に、委員会の会議録と映像を確保し、委員長から議長への報告を求める。閉会から召集までは数か月空くことがあるため、すぐ示せる記録が後の判断材料になる
- 2.議院内部の事犯かを確認する 問題の行為が委員会その他議院内部で生じたものかを確認する。院外での発言やSNS投稿は本条の対象とならない可能性が高く、別の手段(党内処分・辞職勧告決議など)を検討する
- 3.閉会中に賛成者を集める 議長が付託しない場合に備え、召集日前の閉会中のうちに、衆議院なら40人以上、参議院なら20人以上の賛成署名を会派をまたいで集めておく
- 4.召集日から三日以内に提出する 次の国会の召集の日から三日以内に、議長の付託を確認するか、懲罰動議を提出する。期間の数え方は各議院の先例で確認し、余裕をもって召集日当日の提出を目指す
よくある質問 AI による整理
Q1国会法121条の3とは何ですか?
閉会中に委員会など議院内部で起きた懲罰事犯を、次の国会の召集日から三日以内に懲罰手続へ乗せるための規定です。
Q2懲罰動議 何人の賛成が必要?
衆議院は40人以上、参議院は20人以上の議員の賛成が必要です。本条2項は国会法121条3項の定数をそのまま用いています。
Q3閉会中の懲罰事犯 いつまでに動議を出す?
次の国会の召集の日から三日以内です。議長の付託も議員の動議も同じ期限です。召集日を算入するかどうかなど期間の数え方は各議院の先例によります。
Q4閉会中に起きた議員の暴言は懲罰できる?
委員会その他議院内部で起きたものであれば可能です。ただし次の国会の召集日から三日以内に付託または動議が必要です。
Q5国会議員の懲罰の種類は?
戒告、陳謝、一定期間の登院停止、除名の4種類です(国会法122条)。除名には出席議員の三分の二以上の賛成が必要です(憲法58条2項)。
Q6議員の懲罰は誰が決める?
懲罰委員会が審査し、議院の本会議が議決します。議長の付託や議員の動議はその入口にすぎず、提出されただけでは懲罰は確定しません。
Q7国会の外での失言も懲罰の対象になる?
本条の対象は「委員会その他議院内部」の事犯です。院外での言動を懲罰対象にできるかは解釈が分かれ、通常は党内処分や政治責任で扱われます。
Q8閉会中審査とは何ですか?
国会閉会中も、議院の議決で特に付託された案件を委員会が審査し続ける仕組みです(国会法47条2項)。本条の懲罰事犯はこの場面で生じ得ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1衆議院が解散されたら、閉会中の懲罰の話はどうなるの?
解散されれば議員は身分を失う。落選した人には懲罰を科すことができない。再選された議員について前の任期中の事犯を問えるかは、実務上、解釈が分かれており、問わないとする見方が有力である(国会法121条の3は同じ議院の継続を前提としている)。実務のポイント:解散が近いと噂される時期の不祥事は、懲罰に至る前に解散で手続ごと消えることが少なくない。追及する側は、懲罰よりも議員辞職勧告決議や党内処分の線に切り替えることが多い
Q2懲罰動議って、少ない人数でも出せるんですか?
本条2項は、国会法121条3項の定数、つまり衆議院40人以上、参議院20人以上の賛成を要件にしている。小さな会派は単独では出せず、他の会派の協力が要る。実務のポイント:動議を出すことと、懲罰が実際に科されることは別の話である。出しただけで記者会見を開き、世論に問題を訴える効果を狙う、という使われ方が実際には多い。動議が出たというニュースは、出口ではなく入口として読むべきである
間違えやすい点 AI による整理
- 「閉会中は委員会も休んでいるのだから、議院内で懲罰事犯は起きない」と思われがちだが、それは誤りである。国会法47条2項にもとづく閉会中審査で委員会は開かれており、議員が議院の中で問題行動を起こす場面は現実にある。本条はまさにその場面のために置かれている
- 懲罰動議が出たと聞けば、懲罰は確実に科されると受け取る人が多い。しかし本条が定めるのは、懲罰委員会へ付託する、あるいは動議を出す、という入口だけである。そのあと懲罰委員会の審査と本会議の議決を通らなければ懲罰は科されない。除名には出席議員の三分の二以上の賛成が要る(日本国憲法58条2項)。そのため与党が数で受け止めれば、ほとんどの動議は入口で止まる
- SNSでの暴言やテレビ番組での失言も本条で罰せられる、と考えるのはそもそも問いの立て方が誤っている。本条の対象は「委員会その他議院内部」で起きた事犯である。議院の外での言動を懲罰の対象にできるかは、実務上、解釈が分かれている。外での問題は、まず政党内の処分や政治責任の問題として扱われるのが通例である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる事犯の時期 | 国会法121条の3:閉会中に議院内部で生じた事犯 | 国会法121条:会期中に生じた事犯(原則) 国会法121条の2:会期末に生じ付託されなかった事犯 |
| 手続の期限 | 次の国会の召集の日から三日以内 | 動議は事犯があった日から三日以内 次の国会での持越し手続による |
| 手続の主体 | 議長の付託、または定数の賛成による議員の動議 | 議長の付託、または衆40人・参20人以上の賛成による動議 議長の付託、または議員の動議 |
| 制度上の役割 | 閉会期間の懲罰権の空白を埋める | 懲罰手続の基本型を定める 会期終了間際の事犯の取りこぼしを防ぐ |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では立法委員の紀律違反を紀律委員会が審議する仕組みがあり、議会内部の自律的規律という点で共通する
韓国国会法も議員の懲戒事由と懲戒要求の手続を定め、倫理特別委員会が審査に関わる
ドイツ連邦議会は議長による秩序措置(Ordnungsruf、会議からの排除など)を議事規則で定め、議長の権限が中心となる
米国連邦議会の各院は議員を懲罰でき、出席議員の三分の二の賛成で除名できる。日本の憲法58条2項と構造が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 8月の閉会中審査で、ある委員が参考人に向かって人格攻撃を繰り返し、委員会室が騒然となった。委員長が議長に報告しても、議院は閉会中なので本会議で懲罰を議決できない。秋の臨時会の召集日から三日以内に議長が懲罰委員会へ付さなければ、この件は宙に浮く
- 召集日の朝、野党の国対担当であるあなたの手元にある賛成署名は31人分しかない。衆議院の動議に必要なのは40人以上である。期限は三日後に切れる
- 閉会中に院内で暴言を吐いた議員の側に立ったらどうなるか? 召集日から三日が過ぎれば、本条による付託や動議の道はなくなる。ただ、別の手続で問題にされる余地が残らないかは、議院の先例と規則で確かめる必要がある
- 支持する議員の懲罰がニュースになり、友人から「国会が閉じている間の話なのに、なぜ今さら罰せられるの?」と聞かれた。本条を知っていれば、閉会中の事犯にも次の国会への持ち越しの道があることを一言で説明できる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 閉会中の委員会などで暴言や妨害を受けた議員や関係者は、その場で委員長に記録を求め、会議録と映像を確保する2. 委員長から議長へ報告してもらうよう働きかけ、召集日に議長が付託するかどうかの見通しを確かめる3. 議長が動かない場合に備え、閉会中のうちに会派をまたいで賛成者を集めておく(衆議院40人以上、参議院20人以上) 4. 召集日から三日以内に動議を出す
訴えられた側:1. まず、事犯とされた行為が「議院内部」で起きたものかどうかを確かめる。議院の外での言動なら、本条の対象になるかを争う余地がある2. 召集日から三日以内に付託も動議もなければ、本条による手続には乗らない3. 付託された場合は、懲罰委員会で弁明の機会を最大限使い、懲罰の種類(戒告、陳謝、登院停止、除名、国会法122条)を軽くするための事情を示す4. 自ら謝罪や会派の処分を先に受け、懲罰の必要性そのものを薄める
時効(請求できる期限):次の国会の召集の日から三日以内(議長の付託、議員の動議ともに同じ)。期間の数え方(召集日を算入するか)は各議院の先例による(最新の運用をご確認ください)
学説
通説:国会議員に対する懲罰は憲法58条2項にもとづく議院自律権の行使であり、司法審査は及ばない。本条は会期制のもとで閉会中の事犯を取りこぼさないための手続的補完規定と位置づけられる
院外言動の扱いに関する見解:懲罰の対象を議院内部の行為に限るか、院外の言動にも及ぼせるかについては見解が分かれる。本条は文言上「委員会その他議院内部」の事犯に限定している
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