国会法 第3条
クイックジャンプ
臨時会の召集の決定を要求するには、いずれかの議院の総議員の四分の一以上の議員が連名で、議長を経由して内閣に要求書を提出しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第3条は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第3条の条文原文は「臨時会の召集の決定を要求するには、いずれかの議院の総議員の四分の一以上の議員が連名で、議長を経由して内閣に要求書を提出しなければならない。」で始まります。
- 国会法第3条は第一章 国会の召集及び開会式に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第3条の前の条は国会法第2条の3です。
- 国会法第3条の次の条は国会法第4条です。
- 国会法第3条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第3条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第3条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法3条は、臨時会の召集要求の方式を定める。いずれかの議院の総議員の四分の一以上が連名で、議長を経由して内閣に要求書を提出する必要がある。
Q · 野党が臨時国会を開けと要求したら、内閣は必ず開かないといけないの?
衆院117人以上が議長経由で要求書を出せば、内閣に召集決定義務が生じる
国会法3条は、いずれかの議院の総議員の四分の一以上の議員が連名で、議長を経由して内閣に要求書を提出することを求めています。この要件を満たせば、憲法53条後段により内閣は臨時会の召集を決定しなければなりません。要求した議員の所属政党は関係ありません。ただし、要求から召集までの期限は憲法にも本条にも書かれておらず、どの程度の期間なら許されるかが争われています。
解説
117人。衆議院でこの人数の議員が名前を連ねれば、内閣は臨時会を開く決定をしなければならない。義務の根拠は憲法53条後段にあり、国会法3条はその要求の「出し方」を定める手続条文である。必要な形式は三つ。議員の連名であること、議長を経由すること、要求書という書面であること。どれかを外すと、要求が適法に出されたといえなくなるおそれがある。ところが、憲法にも本条にも「何日以内に開け」とは一字も書かれていない。この空白のため、平成27年(2015年)の要求では臨時会が開かれないまま翌年の常会を迎えた。平成29年(2017年)の要求では約3か月後にようやく召集されたが、その冒頭で衆議院が解散された。あなたが選挙区の議員に「なぜ国会が開かれないのか」と問うなら、確かめるべきは「要求が出たか」より「出てから何日放置されているか」である。数字と日付で問いただす有権者は、政治家にとって最も言い逃れしにくい相手になる。
法的な位置づけ
国会法3条は、憲法53条後段に基づく臨時会召集要求の手続規定であり、いずれかの議院の総議員の四分の一以上の議員が連名で、議長を経由して内閣に要求書を提出することを要件とする。適法な要求があれば内閣は召集を決定する義務を負うが、召集までの期限は法定されていない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.必要な署名数を確定する 要求する議院の総議員数の四分の一を計算する。法定議員数を基準とする扱いが一般的で、衆議院は117人、参議院は62人。数え方の争いを避けるため、数人分の余裕を見込んで目標数を決める
- 2.連名の署名を集める 会派を超えて賛同議員を募り、要求書に連名で署名してもらう。所属政党は要件に関係しないため、与党議員の署名も有効
- 3.議長を経由して内閣に提出する 完成した要求書を所属議院の議長に提出し、議長を経由して内閣に送付してもらう。宛先は内閣であり、議長に出して終わりではない点に注意する
- 4.提出日を記録し経過日数を公表する 提出日を公式記録として残し、要求から何日経ったかを定期的に公表する。召集の遅れは日数の記録があって初めて具体的に追及できる
- 5.召集が遅れた場合は立法・政治の手段で対応する 国会質疑、質問主意書、召集期限を定める国会法改正案の提出などを組み合わせる。議員個人による国家賠償請求は最高裁で退けられている点に留意する
よくある質問 AI による整理
Q1臨時国会とは何ですか?
常会(通常国会)とは別に、必要に応じて召集される国会です。憲法上の名称は「臨時会」で、補正予算や緊急の法案審議のために開かれることが多くあります。
Q2臨時国会の召集要求には何人必要?
いずれかの議院の総議員の四分の一以上です。法定議員数を基準にすると、衆議院は465人の四分の一で117人、参議院は248人の四分の一で62人になります。
Q3臨時国会の要求書の出し方は?
要件を満たす議員が連名で署名した要求書を作り、所属する議院の議長を経由して内閣に提出します。宛先は内閣で、議長は要求書を取り次ぐ役割です。
Q4臨時国会を開かないのは違憲?
合理的な期間を超えて召集しなければ違憲となりうる、という見解が有力です。ただし期間の明文規定がなく、最高裁は議員個人の国家賠償請求を認めていません。
Q5参議院の議員だけで臨時国会を要求できる?
できます。要件は「いずれかの議院」の総議員の四分の一以上なので、参議院だけで62人以上が連名すれば、衆議院の議員が加わらなくても要求は成立します。
Q6臨時国会の召集要求は拒否できる?
拒否はできません。憲法53条後段は、要件を満たす要求があれば内閣は召集を決定しなければならないと定めています。内閣の裁量が及ぶのは召集の時期です。
Q7冒頭解散とは何ですか?
召集された国会の冒頭で衆議院を解散することです。平成29年(2017年)には召集要求から約3か月後に臨時会が開かれましたが、その冒頭で解散されました。
Q8臨時国会の召集を決めるのは誰?
召集の決定は内閣が行い、天皇が内閣の助言と承認に基づいて召集します(憲法7条)。召集詔書で集会の期日が公布されます(国会法1条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1臨時国会って、野党が要求したら何日以内に開かないといけないの?
法律上の期限はない。憲法53条後段も国会法3条も、要求があれば召集を決定しなければならないと定めるだけである。ただ、下級審判決では内閣に合理的期間内に召集する法的義務があるとの判断が示され、最高裁でも宇賀克也裁判官が反対意見で20日以内を目安とした。実務のポイント:自民党の平成24年(2012年)憲法改正草案自体が「20日以内」の明記を提案している。与党側の文書にも期限が必要だと書かれていた事実は、論戦で効く
Q2四分の一って、欠員がいても定数で数えるの?
国会法3条の「総議員」は憲法53条の用語を受けたもので、先例上は法定議員数を基準とする扱いが一般的とされる。衆議院なら465人の四分の一で117人、参議院なら248人の四分の一で62人である。ただし学説には現在の議員数を基準とする見解もあり、実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:署名集めを担う事務所は、欠員の有無にかかわらず法定数を基準に一人二人上乗せして集める。数え方の争いを最初から封じるためだ
間違えやすい点 AI による整理
- 「野党が要求すれば臨時国会が開かれる」ことは広く知られている。しかし、開く時期を法的に強制する手段がほとんどないことは知られていない。最高裁は令和5年(2023年)、召集が遅れたことを理由とする議員個人の国家賠償請求を退けた。司法による歯止めは、少なくとも議員個人の賠償請求という形では働かなかった
- 「要求したのが野党なら、内閣は無視できるのでは」という問いは、前提から誤っている。憲法53条後段は所属政党を一切問わず、総議員の四分の一という人数要件だけを定めている。要件を満たせば、内閣は召集を決定しなければならない。争われているのは義務があるかどうかではなく、義務を果たすまでの「合理的な期間」がどれだけかである
- 要求する側から見れば「議長に出せば手続は終わり」だが、条文上、議長は要求書を取り次ぐ経由機関にすぎず、要求の宛先は内閣である。議長が要求を握りつぶす権限は予定されていない。逆に、議長を通さず内閣へ直接出すと、形式の不備を指摘される余地を自分から作ることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 召集の契機 | 国会法3条:いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求 | 国会法2条:毎年1月中に常会を召集 国会法2条の3:任期満了による総選挙・参院通常選挙の後 |
| 召集時期の定め | なし(合理的期間の解釈に委ねられる) | 1月中と明記 任期開始日から30日以内と明記 |
| 内閣の裁量 | 召集の決定は義務、時期は裁量の範囲が争点 | 時期は法定、裁量は日付選択程度 期限内での召集が義務 |
| 会期 | 両議院一致の議決で定める(国会法11条) | 150日(国会法10条) 両議院一致の議決で定める(国会法11条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
総統の咨請または立法委員四分の一以上の請求で臨時会を開く。人数要件の比率は日本と同じだが、請求の宛先や議事の範囲の定め方が異なる
在籍議員四分の一以上の要求で臨時会を集会する。国会法で議長による公告の期日が定められており、日本のような期限の空白が生じにくい
議員の三分の一、連邦大統領または連邦首相の要求があれば、連邦議会議長は議会を召集する義務を負う。召集権が行政府ではなく議会側にある点が日本と異なる
大統領が非常の場合に両院を召集できる。議員少数派による召集要求の制度は憲法上定められていない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大規模災害で被災地支援の補正予算が必要なのに、国会が夏から閉じたままだとしたら、誰が国会を開かせられるのか? 答えは衆議院117人、または参議院62人の連名による要求書である。予備費で足りない支出は、国会が開かれない限り一円も動かない
- あなたが官邸で国会日程を担当する職員なら、要求書が届いた日から「何日で召集するか」を説明する責任を負う。補正予算の編成や外交日程を理由に延ばすことはできる。ただし理由の説明がないまま放置すれば、それはそのまま将来の訴訟記録や国会質疑の材料になる
- 議員事務所の秘書として署名集めを任された。集まったのは116人。一人足りなければ、要求は成立しない
- あと10日のうちに臨時国会が開かれなければ、成立を待っている業界支援法案の施行日に間に合わない。要求書はすでに出ている。あなたが業界団体の担当者なら、今すぐできるのは地元議員との面会と、要求からの経過日数を明記した要望書の提出である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 衆議院なら117人以上、参議院なら62人以上の連名を確保する。法定数ちょうどで止めず、数人の余裕を持たせる2. 要求書は議長を経由して内閣へ提出するという形式を厳守する3. 提出日を公式記録に残し、経過日数を定期的に公表する4. 議員個人による国家賠償請求は最高裁で退けられているため、期限を定める国会法改正案の提出や国会質疑など、立法・政治の手段を組み合わせる
訴えられた側:1. 連名、四分の一以上、議長経由、書面という形式要件を確認し、満たしていれば召集を決定する義務があることを前提に動く2. 召集が遅れる場合は、補正予算の編成や外交日程など具体的な理由を記録し、公表する3. 国家賠償請求は退けられたが、最高裁の反対意見は20日以内を合理的期間の目安としている。長期の放置には政治的リスクと憲法上の批判が残る4. 召集直後の冒頭解散は違憲論を招きやすいことを想定しておく
時効(請求できる期限):憲法53条にも国会法3条にも、要求から召集までの期限の定めはない。最判令和5.9.12における宇賀克也裁判官の反対意見は、要求から20日以内を合理的期間の目安とした。召集の遅れを理由とする国家賠償請求の時効は、損害と加害者を知った時から3年(国家賠償法4条、民法724条)であるが、議員個人の請求は最高裁で認められていない(最新の判例状況をご確認ください)
学説
法定議員数説:「総議員」は法定議員数を指すとする見解。欠員の有無で要件が変わらないため安定的で、先例上もこの扱いが一般的とされる。
現在議員数説:「総議員」は欠員を除いた現に在職する議員数を指すとする見解。実際に在職する議員の意思を反映させる点を重視する。
合理的期間説:召集の時期には内閣の裁量があるとしても、合理的な期間を超えて召集しないことは憲法53条後段に反するとする見解。期間の長さについては見解が分かれる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国会法の制定に伴い新設。日本国憲法53条後段の召集要求を、議員の連名・議長経由・要求書提出という手続で具体化した。
- 国会法 第1条召集詔書で集会期日を公布する手続
- 国会法 第2条常会の召集時期、臨時会との対比
- 国会法 第2条の3選挙後の臨時会は期限付きの召集義務
- 国会法 第11条臨時会の会期を両議院一致で議決
- 国家賠償法 第1条召集遅延訴訟で請求根拠とされた条文
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める