国会法 第50条
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委員会の議事は、出席委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第50条は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第50条の条文原文は「委員会の議事は、出席委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。」で始まります。
- 国会法第50条は第五章 委員会及び委員に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第50条の前の条は国会法第49条です。
- 国会法第50条の次の条は国会法第50条の2です。
- 国会法第50条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第50条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第50条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/50
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法50条は、委員会の議事を出席委員の過半数で決すると定める。可否同数のときは委員長が決する。基準は在籍委員ではなく出席委員である。
Q · 国会の委員会で賛成と反対が同じ数になったら、どうやって決めるの?
委員長がどちらにするかを決める(国会法50条)
国会法50条により、委員会の議事は出席委員の過半数で決まり、可否同数のときは委員長が決します。委員長は慣行上、通常の表決には加わらず、同数のときにだけこの決裁権を使います。決裁権をどちらの側に使うべきかについて条文上の縛りはなく、学説上も議論が分かれています。なお、過半数の基準は在籍委員ではなく出席委員なので、欠席者が出ると可決に必要な票数も変わります。
解説
ニュースの「委員会で可決」という一行を、多くの人は「法案がほぼ通った」と同じ意味で受け取る。国会法50条が定めるのは、その委員会での決め方である。出席委員の過半数で決め、賛否が同数のときだけ委員長が決着をつける。見落とされがちな点が二つある。第一に、基準は在籍委員全体ではなく「出席委員」の過半数だ。会議を開くには委員の半数以上の出席(49条の定足数、つまり会議を成立させる最低人数)が要る。そのうえで、出席したまま賛成しなければ結果として反対と同じ重みになり、退席すれば分母から消える。採決の場面で野党が席を立つか残るかを戦術として使い分けるのはこのためだ。第二に、可否同数のときの決定権は委員長にある。与野党が会期の冒頭から委員長ポストを激しく争う理由がここにある。2024年の衆院選で与党が過半数を割ったあと、予算委員長が野党に渡ったことが大きく報じられたのもそのためだ。この数字の仕組みが分かると、政治ニュースの読み方が一段変わる。
法的な位置づけ
国会法50条は、国会の各議院に置かれる委員会の表決方法を定める規定である。委員会の議事は出席委員の過半数で決し、可否同数のときは委員長の決するところによる。日本国憲法56条2項が本会議について定める過半数議決と議長決裁の構造を、委員会の段階に適用したものと位置づけられる。
よくある質問 AI による整理
Q1国会の委員会の採決はどう決まる?
国会法50条により、出席委員の過半数で決まります。賛否が同数の場合に限り、委員長が結論を決めます。
Q2委員会の定足数とは?
委員会を開いて議決するために必要な最低出席数で、国会法49条により委員の半数以上とされています。これを欠くと議決できません。
Q3委員長の決裁権とは?
委員会の表決で可否同数になったとき、委員長が可決か否決かを決める権限です。国会法50条後段が根拠です。
Q4委員会で欠席すると採決にどう影響する?
過半数の分母は出席委員なので、欠席者が出ると可決に必要な票数が下がります。出席して反対するか、欠席するかで結果が変わり得ます。
Q5委員会で可決されたら法案は成立する?
成立しません。委員会の議決後、本会議で議決され、原則として両院で可決されて初めて法律になります(憲法59条)。
Q6委員長はどうやって選ばれる?
常任委員長は各議院の本会議で選挙されるのが原則ですが、実務上は議長に選任を委任し、会派間の協議でポストを配分するのが通例です。
Q7強行採決は違法?
「強行採決」は法律用語ではありません。最高裁は議事手続の有効性を裁判所が判断すべきでないとしており、裁判で無効とされることはまずありません。
Q8委員会採決を経ずに本会議で採決できる?
できる場合があります。国会法56条の3の中間報告の手続により、委員会審査中の案件を本会議で直接審議し、議決することがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1委員長って、普段の採決では投票しないんですか?
慣行として、委員長は通常の表決には加わらず、可否同数になったときに国会法50条に基づいて決裁権を使う。本会議の議長について憲法56条2項が定める構造と同じだ。実務のポイント:委員長を出した会派は、その委員会で「投票できる頭数」が一人減る。拮抗した委員会では、委員長を取ることが票の上では損になる場面すらある。ポストの配分は、名誉職の単純な奪い合いではない
Q2強行採決って、あとから裁判で無効にできないんですか?
ほぼできない。最高裁は、両院の自主性を尊重し、法律制定の議事手続に関する事実を裁判所が審理して有効か無効かを判断すべきではないとした(最大判昭和37.3.7)。国会法50条違反を理由に法律の無効を求める訴えは、まず通らない。実務のポイント:混乱した採決のあと、野党が委員長の解任決議案を出すことが多い。司法という出口がない以上、議院の内部で争う数少ない手段だからである
間違えやすい点 AI による整理
- 「委員会で何票差だったか」を見ても、得られる情報は少ない。本当に問うべきは、在籍委員のうち何人が出席していたかである。過半数の分母は出席者数によって動くので、欠席が一人出ただけで可決ラインそのものが変わる
- 委員長が同数のときに決めることは知られている。だが、その行使に条文上の縛りがないことの重みはあまり知られていない。学説には「現状維持の側に投じるべきだ」とする見解もあるが、法律上の義務ではなく、実務上も解釈が分かれている。つまり、委員長の所属会派がそのまま結論を左右しうる
- 市民の感覚では「混乱の中の強行採決は違法で無効」に見える。しかし最高裁は、両院の自主性を尊重し、法律制定の議事手続について裁判所が有効か無効かを判断すべきではないとしている(最大判昭和37.3.7)。この落差のため、手続の荒れは裁判ではなく、選挙と議院内部でしか正されない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 国会法50条:委員会の表決方法(出席委員の過半数、同数は委員長決裁) | 国会法49条:委員会の定足数(委員の半数以上の出席) 国会法56条:委員会審査後の本会議付議と付議不要決定 |
| 数の基準 | 分母は出席委員 | 分母は委員全体(在籍委員) 委員会の決定を前提に本会議の扱いを定める |
| 委員長の役割 | 可否同数のときに決裁権を行使する | 定足数の充足が開会の前提(委員長の裁量外) 委員会の審査結果を本会議に報告する |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の立法院委員会も出席委員の過半数による表決を基本とし、可否同数のときは主席が決する仕組みが置かれている点で日本と近い
韓国は委員会の議決に在籍委員過半数の出席と出席委員過半数の賛成を要する。可否同数は否決とされ、委員長の決裁権はない点が日本と異なる
米国下院の委員会では可否同数の動議は否決扱いとなり、委員長に特別の決裁権はない。委員長の権限は議事日程の設定に集中している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 与野党が拮抗する国会で、ある委員会の賛否が20対20で並んだらどうなる? 委員長の判断で決まる。その委員長が野党出身なら、政府の重要法案が委員会の段階で止まることもありうる
- 地元選出の議員が採決の日に委員会を欠席した。ニュースでは小さな扱いだった。だがその一人の不在で分母が変わり、可決に必要な票数が一票下がっていた
学説
現状維持説:可否同数は変更を正当化する多数が存在しないことを意味するため、委員長は決裁権を現状維持(否決)の側に行使すべきとする見解。ただし法律上の義務ではなく、実務上の扱いは分かれている。
自由裁量説:国会法50条は決裁権行使の方向を定めていない以上、委員長は自らの判断で可否いずれにも決し得るとする見解。委員長の所属会派が結論を左右しうる根拠となる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:日本国憲法の施行に合わせて国会法が制定され、常任委員会中心の審議制度とともに委員会の表決方法が規定された。
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