国会法 第57条の3
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各議院又は各議院の委員会は、予算総額の増額修正、委員会の提出若しくは議員の発議にかかる予算を伴う法律案又は法律案に対する修正で、予算の増額を伴うもの若しくは予算を伴うこととなるものについては、内閣に対して、意見を述べる機会を与えなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第57条の3は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第57条の3の条文原文は「各議院又は各議院の委員会は、予算総額の増額修正、委員会の提出若しくは議員の発議にかかる予算を伴う法律案又は法律案に対する修正で、予算の増額を伴うもの若しくは予算…」で始まります。
- 国会法第57条の3は第六章 会議に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第57条の3の前の条は国会法第57条の2です。
- 国会法第57条の3の次の条は国会法第58条です。
- 国会法第57条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第57条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第57条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/57_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法57条の3は、予算を伴う法律案や予算の増額修正を議決する前に、各議院・委員会が内閣に意見を述べる機会を与えるよう義務づける。内閣の同意は不要。
Q · 国会法57条の3の「内閣の意見聴取」って何のための手続?
予算を伴う法案の議決前に内閣へ発言機会を与える法定手続です
国会法57条の3は、予算総額の増額修正、委員会提出または議員発議の予算を伴う法律案、予算の増額を伴う法律案修正について、各議院や委員会が議決前に内閣へ意見を述べる機会を与えるよう義務づけています。予算を作成・提出する権限は憲法86条により内閣にあるため、財政上の影響を採決前に公の場で示させる趣旨です。内閣の意見に拘束力はなく、反対意見が述べられても国会は可決できます。
解説
議員立法に「お金がかかる」と分かった瞬間、国会は内閣に必ずマイクを渡さなければならない。国会法57条の3はそう定める。対象は四つ:予算総額を増やす修正、委員会提出や議員発議の予算を伴う法律案、予算を増やす(または伴うことになる)法律案修正である。ポイントは「意見を聴く機会を与える」義務にとどまり、内閣の同意は要らない点だ。内閣が反対しても、国会は可決できる。それでもこの一言には重みがある。予算を作って提出する権限(予算編成権)は憲法86条で内閣だけに与えられている。財源の当てがない給付法案を通すと、施行段階で財務省が予算を組めずに止まる。その衝突を採決前に表に出すための仕掛けが本条である。国会中継で大臣が「政府としては異存はございません」と一言述べる場面がある。あれは儀礼ではなく、本条にもとづく法定手続だ。この一言の有無と言い回しで、法律が成立後に本当に動くかを先読みできる。
法的な位置づけ
国会法第57条の3は、予算を伴う議員立法および予算の増額修正に関する内閣の意見聴取を定めた手続規定である。各議院またはその委員会は、予算総額の増額修正、予算を伴う法律案、予算の増額を伴う法律案修正について、議決前に内閣へ意見陳述の機会を与える義務を負う。内閣の意見に法的拘束力はない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.法案・修正案が本条の対象か判定する 議員発議・委員会提出の法律案、または法律案修正・予算修正が「予算を伴う」か「予算の増額を伴う」かを確認する。対象なら国会法56条・57条・57条の2の賛成者要件も同時にチェックする
- 2.所管省庁・財務省に事前説明する 経費の規模と財源の考え方を所管省庁と財務省に説明し、意見聴取での答弁方針(異存なし/やむを得ない/反対)の感触を確かめる
- 3.理事会で意見聴取の段取りを確定する 委員会理事会で、採決前に委員長が内閣の意見を求める手順を議事進行に組み込む。会期末で日程が詰まるほど手順の脱落リスクが高まるため、議事次第に明記する
- 4.採決前に内閣の意見を聴取し記録する 委員長(本会議修正の場合は議長)が内閣の意見を求め、国務大臣が答弁する。答弁は議事録に残るため、成立後の予算要求や陳情で引用できるよう該当箇所を控える
よくある質問 AI による整理
Q1国会法57条の3とは何ですか?
予算を伴う法律案や予算の増額修正を議決する前に、各議院・委員会が内閣に意見を述べる機会を与えるよう義務づけた国会法の手続規定です。
Q2予算を伴う法律案とはどんな法案ですか?
成立・施行すると国の歳出が必要になる法律案です。給付金の創設、補助制度の新設、新たな行政組織の設置などが典型で、議員発議には通常より多い賛成者が必要です(国会法56条)。
Q3内閣の意見聴取はいつ行われますか?
対象となる法律案や修正案を議決する前です。委員会では採決の直前、本会議で修正する場合はその議決の前に、委員長や議長が内閣の意見を求めます。
Q4内閣の意見を述べるのは誰ですか?
通常は法案を所管する国務大臣、または財務大臣が内閣を代表して答弁します。答弁内容は所管省庁と財務省が事前に調整するのが一般的です。
Q5内閣の意見聴取を省略して採決したら違法?
国会法上の義務に反する手続上の瑕疵となります。ただし議院の自律権との関係で裁判所が法律の効力を否定する可能性は低く、議院内で政治的に追及されるのが実際です。
Q6政府提出の予算関連法案にも内閣の意見聴取はある?
ありません。本条の対象は委員会提出・議員発議の法律案と、国会側が加える修正です。内閣提出法案は内閣自身が予算との整合を確認したうえで提出しています。
Q7内閣の意見聴取の議事録はどこで見られますか?
国立国会図書館の「国会会議録検索システム」で委員会・本会議の議事録を検索できます。法案名と「内閣の意見」で絞り込むと該当箇所を探しやすくなります。
Q8地方議会にも同じような意見聴取の仕組みはある?
構造は似ています。地方自治法は予算提出権を首長に与え、議会の増額修正は首長の予算提出権を侵さない範囲に限られます(同法97条2項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国会中継で大臣が「異存ありません」って言うだけの場面、あれ何の意味があるんですか?
国会法57条の3にもとづく法定手続です。予算を伴う議員立法や増額修正を議決する前に、内閣に意見を述べる機会を与えなければなりません。内閣の答弁に拘束力はありませんが、予算編成権を持つ内閣の公式な態度として議事録に残ります。実務のポイント:答弁の言い回しは事前に所管省庁と財務省が調整しています。「異存はない」と「やむを得ない」では温度差があり、施行後の予算規模を占う材料として霞が関では細かく読まれています
Q2内閣が反対って言ったら、その法案は廃案になるんですか?
なりません。本条が保障するのは意見を述べる機会だけで、国会は内閣の反対を聞いたうえで可決できます。立法権は国会にあるからです(憲法41条)。ただし成立後、予算は内閣が作ります(憲法86条)。実務のポイント:内閣が反対した議員立法が成立した場合、施行日を「別に法律で定める日」とするなど、予算措置を先送りする手法がとられることがあります。成立したから明日から給付が始まるとは限らないため、附則の施行日規定まで確認しておくとよいでしょう
間違えやすい点 AI による整理
- 「内閣が反対したら予算を伴う議員立法は成立しない」と思われがちだが、本条が保障するのは意見を述べる機会だけで、同意権でも拒否権でもない。国会は内閣の反対意見を聞いたうえで可決できる。拘束力がないからこそ、内閣側は表現の強弱で態度を伝える。実務では「異存はない」「やむを得ない」「反対である」の使い分けが、事実上の政治的メッセージになる
- 国会での手続は与野党の駆け引きにすぎないと見る人から見れば、本条は形式的な一手間に映る。しかし法的には、憲法86条が内閣に専属させた予算編成権と、憲法41条の国会の立法権との調整規定である。予算の裏付けがない法律が成立すると、法律上の義務は生じるのに執行する予算がない状態が生まれうる。その落差を最初に記録する場が本条の意見聴取だ
- 「国会は予算を増額修正できない」と考える人もいるが、問いの立て方がずれている。増額修正自体は本条が前提として想定している。争点は、予算の同一性を損なうほどの大修正まで許されるかである。政府見解は限界があるとし、学説では国会の修正権を広く認める立場もある。実務上、解釈が分かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 国会法57条の3:予算を伴う法律案・増額修正の議決前の内閣意見聴取 | 国会法56条:予算を伴う法律案の発議 国会法57条:予算増額を伴う法律案修正動議 |
| 仕組み | 内閣に意見を述べる機会を与える義務(同意は不要) | 発議に通常より多い賛成者を要求(加重要件) 修正動議に通常より多い賛成者を要求(加重要件) |
| かかる段階 | 議決の前 | 法律案の発議時 修正動議の提出時 |
| 財政規律への効き方 | 財政上の帰結を議事録に可視化する | 安易な発議を入口で絞る 安易な増額修正を入口で絞る |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は立法院による行政院予算案の支出増額提議そのものを憲法で禁じる。日本は増額を前提に内閣の発言機会を保障するにとどまり、規律の強度が大きく異なる
韓国は政府の同意なく支出予算を増額できないと憲法で定め、議員発議には費用推計書の添付を求める。日本より事前の財政統制が強い
ドイツは支出を増やす法律に連邦政府の同意を要件とする。日本の本条は同意ではなく意見の機会のみであり、政府の権限は弱い
フランスは公的負担を増やす議員提案・修正をそもそも受理しない。日本は受理・可決を許したうえで内閣の意見を記録させる
米国は議会予算局(CBO)が法案の費用見積りを作り、議会内部で財政影響を可視化する。行政府の意見聴取ではなく議会側の分析で規律する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが署名活動を続けてきた難病患者支援の議員立法が、委員会採決の当日を迎えた。残り数時間。委員長が「国会法第五十七条の三により内閣の意見を聴取します」と告げ、厚生労働大臣が「やむを得ないものと考えます」と答えた。「異存はない」ではなく「やむを得ない」。この温度差が、施行後の予算規模を示すシグナルになる
- 野党が子育て給付の大幅増額修正案を出した。内閣が意見を述べる前に採決したら、どうなるのか? 意見を述べる機会を与えないまま議決すれば、手続上の瑕疵を議院運営委員会で追及されることになる。修正案提出者の側から見れば、手続を一つ飛ばしただけで、政策の中身ではなく手続論で潰される口実を与える
- 議員秘書として予算を伴う法律案を準備している。経費見積りが甘いと、内閣の意見聴取の場で財務大臣に財源の欠落を指摘される。それが法案の評価を決めてしまう
取るべき行動
被害を受けた側:予算を伴う議員立法の成立を待つ当事者団体や市民の場合:1. 法案の付託委員会と採決予定日を衆参両院のサイトで確認する2. 採決当日の議事録(数日後に公開)で、本条にもとづく内閣意見の答弁を探す3. 答弁が「反対」や留保付きなら、紹介議員に財源の手当てと施行時期の見通しを照会する4. 成立後は答弁を引用し、所管省庁の概算要求に向けて要望書を出す
訴えられた側:予算を伴う法案や修正案を出す議員・秘書・委員会スタッフの場合:1. 発議段階で経費見積りを示す資料を整え、所管省庁と財務省に事前に説明しておく2. 委員会採決の前に、委員長が内閣の意見を聴取する段取りを議事進行に入れる(本会議での修正も同様) 3. 意見聴取を欠いたまま採決すると手続上の瑕疵として追及されうるため、理事会で手順を確認する4. 内閣の反対が予想されるなら、財源の代替案を答弁前に提示する
時効(請求できる期限):本条には時効や期限の定めがなく、私法上の消滅時効の問題も生じない。実務上の時間的限界は「議決前」である。委員会では採決の前、本会議で修正する場合はその議決の前に、内閣に意見を述べる機会を与えなければならない。会期末に向けて日程が詰まるほど、この手順を飛ばすリスクが高まる
学説
政府見解:国会は予算を修正できるが、内閣の予算提案権を損なうほど予算の同一性を失わせる大修正は許されないとする立場。本条の意見聴取はこの調整の場として位置づけられる
修正権広範説:財政民主主義(憲法83条)と国会の最高機関性を重視し、国会の予算修正権に原則として限界を設けない立場。内閣意見は参考にとどまるとする
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和30年(1955年) 新設:国会法改正で、予算を伴う法律案の発議・修正動議の賛成者要件の加重とあわせて新設され、議員立法の財政規律を強化
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