国会法 第80条
クイックジャンプ
- 請願は、各議院において委員会の審査を経た後これを議決する。
- 2.委員会において、議院の会議に付するを要しないと決定した請願は、これを会議に付さない。但し、議員二十人以上の要求があるものは、これを会議に付さなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第80条は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第80条の条文原文は「請願は、各議院において委員会の審査を経た後これを議決する。」で始まります。
- 国会法第80条は第九章に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第80条の前の条は国会法第79条です。
- 国会法第80条の次の条は国会法第81条です。
- 国会法第80条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第80条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第80条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/80
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法80条は、請願は委員会審査を経て各議院が議決すると定める。委員会が不要と決めた請願は本会議に付されないが、議員20人以上の要求があれば付される。
Q · 国会に出した請願は、どうやって採択か不採択かが決まるの?
委員会が審査し、その後に議院が議決して決まる
国会法80条1項により、請願はまず所管の委員会が審査し、その後に各議院(衆議院または参議院)が議決します。委員会が「本会議に付する必要はない」と決めた請願は、原則として本会議にかけられません(同条2項本文)。ただし議員20人以上の要求があれば、本会議に付さなければなりません(同項ただし書)。委員会が結論を出さないまま会期が終わると、請願は審査未了となり次の会期に引き継がれません(国会法68条)。
解説
国会に請願書を出せば、議員が全員それを読んで本会議で答えを出してくれる。そう思っているなら、現実とはかなり違う。国会法80条によると、請願はまず委員会が審査し、その後で議院(衆議院または参議院)が議決する。そして委員会が「本会議(議院の会議)にかける必要はない」と決めた請願は、原則としてそこで止まる。止めないための仕組みは1つだけある。議員20人以上が求めれば、その請願は本会議にかけなければならない。もう1つ知っておくべきなのは、委員会が何も決めないまま会期が終わるケースが非常に多いことだ。この場合、請願は「審査未了」として扱われ、次の会期に持ち越されない。つまり請願の行方は、何筆の署名を集めたかよりも、どの委員会で審査されるか、紹介議員がどの会派に属しているか、会期末までに何日残っているかに大きく左右される。署名を集める前にこの流れを知っているかどうかで、運動の組み立て方そのものが変わる。
法的な位置づけ
国会法80条は、国会に提出された請願の審査と議決の手続を定める規定である。請願は各議院において委員会の審査を経た後に議決される。委員会が議院の会議に付することを要しないと決定した請願は会議に付されないが、議員20人以上の要求がある場合は会議に付さなければならない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.所管の委員会を想定する 請願の内容がどの委員会で審査されるかを、衆議院・参議院の委員会一覧から想定する。委員会の会派構成を確認し、採択の見込みを把握する
- 2.紹介議員を確保する 国会法79条により請願書は議員の紹介が必要。できれば複数の会派の議員に紹介を依頼し、委員会で保留になりにくい状態を作る
- 3.会期の序盤に請願書を提出する 委員会の審査日数が最も多く残る会期の序盤に、紹介議員を通じて各議院に提出する。衆参両院で審査を求める場合はそれぞれに提出する(国会法82条)
- 4.委員会の審査状況を追う 議院の公式サイトで請願の審査状況を確認する。保留になっている場合は紹介議員と相談し、本会議付議の要求(議員20人以上)の可能性も検討する
- 5.審査未了なら次の会期に再提出する 会期終了で審査未了になった場合、請願は消えるが再提出は可能。紹介議員の会派構成や提出時期を見直して次の会期の冒頭に出し直す
よくある質問 AI による整理
Q1国会の請願はどの委員会が審査するのですか?
請願の内容を所管する常任委員会などに付託され、その委員会が審査します。例えば保育の請願なら厚生労働に関する委員会が想定されます。
Q2請願の審査未了とはどういう意味ですか?
委員会が会期中に結論を出さないまま会期が終わった状態です。会期不継続の原則(国会法68条)により、その請願は次の会期に引き継がれません。
Q3審査未了になった請願はもう一度出せますか?
出せます。審査未了は請願の否定ではないため、次の会期に同じ趣旨の請願をあらためて紹介議員を通じて提出できます。
Q4議員20人の要求とは何のための制度ですか?
委員会が本会議に付さないと決めた請願を、議員20人以上の要求で本会議に付させる救済の仕組みです(国会法80条2項ただし書)。
Q5採択された請願はその後どうなりますか?
内閣で措置するのが適当と認められたものは内閣に送付され、内閣は処理の経過を毎年議院に報告します(国会法81条)。
Q6請願は衆議院と参議院の両方に出す必要がありますか?
各議院は別々に請願を受け、互いに干渉しません(国会法82条)。両院で審査を求めるなら、それぞれに紹介議員を通じて提出します。
Q7国会への請願の結果はどこで確認できますか?
衆議院・参議院の公式サイトで請願の一覧や審査結果が公開されています。件名や紹介議員から検索できます。
Q8請願が不採択になったら違法になりますか?
違法ではありません。請願権は受理と誠実な処理(請願法5条)を保障するもので、採択まで義務づけるものではありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1請願と陳情って、何が違うんですか?
国会への請願は、紹介議員を通じて提出する必要がある(国会法79条)。80条の委員会審査と議院の議決の対象になるのは請願である。陳情は紹介議員がいなくても出せるが、扱いは議院の運用によって決まり、議決の対象にはならない。実務のポイント:本気で結果を求めるなら、まず紹介議員を確保して請願の形にする。陳情は「意見を伝えた」という記録は残るが、採択という結果にはつながりにくい
Q2署名が多ければ採択されやすいですか?
署名の数は政治的な重みにはなる。しかし80条の手続のうえで採択を決めるのは委員会での審査結果であり、署名の数が採否を直接決めるわけではない。同じ趣旨の請願が多数出ていても、審査未了で終わることはある。実務のポイント:署名を一度にまとめて出すより、会期の早いうちに出し、紹介議員の会派を広げた方が結果につながりやすい。数よりも、出す時期と紹介議員の顔ぶれの方が効く
間違えやすい点 AI による整理
- 「請願が不採択になったのは、訴えが間違っていたからだ」と考える人は多い。しかし実際に決め手になるのは、会派の構成や会期の日程といった手続上の事情であることが多い。不採択や審査未了は、訴えの中身が否定されたことを必ずしも意味しない
- 憲法16条の請願権を「国が要望に応じてくれる権利」だと思うと、問いの立て方そのものがずれてしまう。請願権が保障しているのは、請願を出す自由と、出したことで差別されないこと(請願法6条)、そして請願が受理され誠実に処理されること(同法5条)である。採択まで約束するものではない。だから問うべきは「なぜ応じないのか」ではなく、「どうすれば委員会の関門を通るか」である
- 請願を出す側から見ると、署名1筆1筆は切実な声だ。ところが国会の手続から見ると、請願は数千件ある案件の1つにすぎず、紹介議員がいなければそもそも受け付けられない(国会法79条)。この見え方の差を埋める作業を省くと、どれだけ熱心な運動でも審査未了の山に埋もれてしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 国会法80条:請願の審査と議決 | 国会法56条:議案(法律案など)の委員会審査 国会法79条:請願書の提出方式 |
| 委員会が本会議に付さないと決めた場合 | 原則として会議に付さない。議員20人以上の要求があれば付さなければならない | 原則として会議に付さない。委員会決定の日から休会中を除き7日以内に議員20人以上の要求があれば付さなければならない 該当なし(提出段階の要件を定める) |
| 手続上の要件 | 委員会の審査を経た後に議院が議決 | 委員会に付託して審査 議員の紹介により請願書を提出 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも立法院に提出された請願文書は委員会等で審査される。請願法が請願権行使の一般ルールを定める
韓国でも国会への請願は議員の紹介等を経て提出され、委員会の審査を経る構造をとる
ドイツは基本法で請願権を保障し、連邦議会に常設の請願委員会を置く。議員の紹介は不要で、オンライン請願も制度化されている
米国は憲法修正1条で請願権を保障するが、日本のような請願の議決手続は法律上定められていない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 10万筆の署名を集めた請願なのに、なぜ国会からは「審査未了」の一言しか返ってこないのか? 理由の多くは、委員会が会期中に結論を出さなかったことにある。署名の数そのものは、委員会の審査日程を前に進める力を持たない
- 地元の保育園の存続を求める請願を、地域の母親グループで準備している。紹介議員は1人見つかったが、その議員の会派が委員会で少数派だと、採択までの道は狭くなる。複数の会派の議員に紹介を頼めるかどうかで、結果の見込みが変わる
- 通常国会の会期末まで、あと2週間しかない。今から請願書を出しても、委員会が審査する時間はほとんど残っていない。実務上は会期末より前に受付の締切が設けられることも多く、出すなら次の会期の冒頭を狙った方が筋がよい
- あなたの会社の業界に対する規制強化を求める請願が、市民団体から出された。会社の立場から見ると、委員会で「保留」にとどまれば、その会期で請願はなくなる。ただし同じ請願は次の会期にまた出せるので、「消えたから終わり」とは言えない
- 友人が「請願を出したのに不採択になった、ひどい」と怒っている。けれども不採択は、請願を受け付けなかったという意味ではない。請願法5条により、適法な請願は受理されて誠実に処理される。処理された結果が「採択しない」だったということだ
取るべき行動
被害を受けた側:請願を出す側の場合の進め方である。1. 請願の内容を所管する委員会がどこになるかを想定する2. 紹介議員を、できれば複数の会派から確保する(国会法79条) 3. 会期の序盤に提出する4. 審査未了や保留になった場合は、次の会期に同じ趣旨で出し直す5. どうしても本会議にかけたい場合は、議員20人以上の要求(80条2項ただし書)を集められるか、紹介議員と相談する
訴えられた側:請願の対象となる側(規制を受ける業界や企業)の場合の進め方である。1. 衆議院・参議院の請願の一覧で、同じ趣旨の請願が出ていないか定期的に確認する2. 自社の立場をまとめ、関係する委員会の議員に資料として届ける3. 請願が採択されると内閣に送られ、内閣は処理の経過を議院に報告する(81条)。その後の行政の動きに備えておく
時効(請求できる期限):特定の時効はない。ただし審査未了の請願は、会期不継続の原則(国会法68条)により会期の終了とともに効力を失う。通常国会の会期は150日である(国会法10条)。実務上は会期末より前に受付の締切が設けられることが多い(最新の運用をご確認ください)
学説
通説:憲法16条の請願権は、請願を受理し誠実に処理することを求める権利にとどまり、請願内容に沿った措置や採択を求める権利までは含まないと解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国会法制定により、請願を委員会の審査を経て各議院が議決する手続と、議員20人以上の要求による本会議付議の仕組みが設けられた
- 国会法 第79条請願書は議員の紹介により提出する
- 国会法 第81条採択請願の内閣送付と処理経過の報告
- 国会法 第82条各議院は請願を別々に受け、互いに干渉しない
- 国会法 第68条会期不継続の原則、審査未了の請願の消滅
- 国会法 第56条法律案の委員会審査と同じ20人要求の仕組み
- 請願法 第5条適法な請願の受理と誠実な処理の義務
- 請願法 第6条請願したことを理由とする差別待遇の禁止
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める