国会法 第83条の2
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- 参議院は、法律案について、衆議院の送付案を否決したときは、その議案を衆議院に返付する。
- 2.参議院は、法律案について、衆議院の回付案に同意しないで、両院協議会を求めたが衆議院がこれを拒んだとき、又は両院協議会を求めないときは、その議案を衆議院に返付する。
- 3.参議院は、予算又は衆議院先議の条約を否決したときは、これを衆議院に返付する。衆議院は、参議院先議の条約を否決したときは、これを参議院に返付する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第83条の2は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第83条の2の条文原文は「参議院は、法律案について、衆議院の送付案を否決したときは、その議案を衆議院に返付する。」で始まります。
- 国会法第83条の2は第十章に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第83条の2の前の条は国会法第83条です。
- 国会法第83条の2の次の条は国会法第83条の3です。
- 国会法第83条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第83条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第83条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/83_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法83条の2は、参議院が衆議院の送付した法律案を否決したとき、議案を衆議院に返付すると定める。返付後、衆議院は三分の二以上で再可決できる。
Q · 参議院で否決された法案は、そのまま廃案になるの?
ならない。衆議院に戻され、三分の二の再可決で成立し得る
国会法83条の2第1項により、参議院が衆議院の送付した法律案を否決すると、議案は衆議院に返付されます。衆議院は出席議員の三分の二以上で再可決すれば法律にでき(憲法59条2項)、両院協議会を求めることもできます(国会法84条)。予算・衆議院先議の条約は同条3項で返付され、両院協議会で一致しなければ衆議院の議決が国会の議決になります(憲法60条2項・61条)。会期中に処理されなければ、会期不継続(国会法68条)により廃案となります。
解説
「参議院で否決」というニュースを見て、法案はそこで消えたと思うのが普通だ。実際には消えない。国会法83条の2が定めるのは「返付」という手続である。参議院が衆議院から送られた法律案を否決すると、議案そのものが衆議院に戻される。戻った議案は、衆議院が出席議員の三分の二以上で再び可決すれば法律になる(憲法59条2項)。衆議院が両院協議会(両院の代表が集まり、妥協案を探す会議)を求める道もある。予算や衆議院が先に審議した条約の場合、参議院が否決しても両院協議会で一致しなければ衆議院の議決がそのまま国会の議決になる(憲法60条2項、61条)。返付は、議案を先に審議した院へ戻し、次の一手を打たせるための装置である。仕組みを知っていれば、「否決」の見出しを読んだ時点で、衆議院の議席配分を確かめて結末を予測できる。知らない人は、数日後に法律が成立したと聞いて驚くことになる。
法的な位置づけ
国会法83条の2は、参議院が衆議院から送付された法律案を否決した場合、または衆議院の回付案に同意せず両院協議会が開かれない場合に、議案を衆議院に返付する旨を定める規定である。予算・衆議院先議の条約を参議院が否決した場合、参議院先議の条約を衆議院が否決した場合の返付も定め、憲法59条から61条の手続を具体化する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.否決の対象となった議案の種類を確認する 参議院で否決されたのが法律案か、予算か、条約かを確認する。法律案なら三分の二の再可決ルート、予算・衆議院先議の条約なら両院協議会を経た衆議院優越ルートと、返付後の流れが変わる
- 2.返付先の院と現在の所在を確かめる 否決なら返付(国会法83条の2)、修正なら回付(同83条)と行き先と次の手続が異なる。いまどちらの院の手元にあるかを議案経過情報で確認する
- 3.衆議院の三分の二に届くか票読みする 与党と協力会派の議席を合算し、出席議員の三分の二に届くかを計算する。欠席・棄権の見込みも加味し、再可決の現実性を見積もる
- 4.会期の残り日数を確認する 会期末までに衆議院本会議で再可決の日程が組めるかを確認する。間に合わなければ、継続審査(国会法47条2項)か次期国会への再提出になる
- 5.働きかけ先と時期を切り替える 利害関係者として意見を伝える場合、返付後は働きかけ先を衆議院議員へ切り替える。陳情・要望書の提出記録を残しておく
よくある質問 AI による整理
Q1返付とは何ですか?
後議の院が議案を否決したとき、その議案を先に審議した院へ戻す手続です。国会法83条の2が定め、戻された院が再可決や両院協議会を検討します。
Q2参議院で否決された法案はどうなる?
衆議院に返付されます。衆議院が出席議員の三分の二以上で再可決すれば法律になり、再可決も両院協議会での成案もなく会期が終われば廃案です。
Q3衆議院の再可決に必要な議席は?
出席議員の三分の二以上の賛成です(憲法59条2項)。総議員ではなく出席議員が基準のため、欠席者の数で必要な票数が変わります。
Q4ねじれ国会とは?
衆議院と参議院で多数派が異なる状態です。与党が衆議院で三分の二を持たない場合、参議院の否決は法律案について事実上の拒否権として働きます。
Q5予算案は参議院で否決されても成立する?
成立します。否決された予算は衆議院に返付され、両院協議会で一致しなければ衆議院の議決が国会の議決になります(憲法60条2項)。
Q6再可決はいつまでにできる?
返付された議案は同じ会期内に処理する必要があります。会期が終わると、継続審査とされない議案は会期不継続の原則で廃案になります(国会法68条)。
Q7条約を参議院が否決したら?
衆議院先議の条約は衆議院に返付され、両院協議会で一致しなければ衆議院の議決が国会の承認になります(憲法61条・60条2項準用)。
Q8衆議院が条約を否決することはある?
あります。条約は参議院が先に審議することもでき、参議院先議の条約を衆議院が否決したときは参議院に返付されます(本条3項後段)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1参議院で否決されたのに、なんで法律が成立したんですか?
国会法83条の2により、否決された法律案は衆議院に返付される。衆議院が出席議員の三分の二以上で再び可決すれば、法律になる(憲法59条2項)。成立までの時間は、返付当日の再可決なら数時間で済む。実務のポイント:再可決の可能性は、与党単独の議席だけで判断できない。協力会派を含めた三分の二かどうか、出席議員の数え方まで含めて票読みされている。記者が衆議院の欠席予定を気にするのはこのためだ
Q2予算って参議院が反対したら通らないんですか?
予算は通る。参議院が否決すると本条3項で衆議院に返付され、両院協議会を開いても意見が一致しなければ、衆議院の議決が国会の議決になる(憲法60条2項)。参議院が30日以内に議決しない場合も同じ結果になる。実務のポイント:予算案が3月初めまでに衆議院を通過すれば、参議院の対応に関係なく、30日ルールで年度内の成立が確定する。予算委員会の日程攻防が2月末に集中するのはこの計算のためだ
間違えやすい点 AI による整理
- 否決された法案は廃案になると思われがちだが、法律案の場合、議案は衆議院に返付されて生き続ける。衆議院が三分の二で再可決すれば法律になる(憲法59条2項)。廃案になるのは、衆議院が再可決も両院協議会もせずに会期が終わった場合などである(国会法68条の会期不継続)
- 「参議院は衆議院のコピーで、いてもいなくても同じ」という見方は、返付の仕組みを知ると半分正しく半分誤りだとわかる。予算と条約では衆議院の優越が強い。一方、法律案の再可決には三分の二という高い壁があり、与党が三分の二を持たないねじれ状態では、参議院の否決が事実上の拒否権として働く。参議院の重みは条文ではなく、その時々の議席配分で決まる
- 「否決」「修正」「審議未了」を区別せずにニュースを読むと、法案の行方を読み違える。参議院が修正すれば議案は「回付」され(国会法83条)、否決すれば「返付」される(本条)。行き先も、衆議院が次に取れる手段も異なる。問うべきは「通ったかどうか」ではなく「いまどの院の手元にあるか」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動場面 | 国会法83条の2:後議の院が議案を否決したとき(法律案・予算・条約) | 国会法83条:後議の院が議案を修正したとき(回付) 国会法84条:法律案で両院の議決が異なるときの両院協議会請求 |
| 議案の行き先 | 先議の院へ返付(参議院否決→衆議院へ) | 先議の院へ回付され、修正への同意・不同意を判断 両院協議会で成案を作成し、両院で審議 |
| その後に取れる手段 | 法律案は三分の二再可決または両院協議会、予算・条約は両院協議会で不一致なら衆議院の議決が優先 | 同意すれば成立、不同意なら両院協議会または再可決 衆議院は任意に請求でき、参議院の請求は衆議院が拒める |
| 会期との関係 | 会期内に処理されなければ国会法68条により廃案 | 同じく会期不継続の原則が及ぶ 成案が会期内に両院で可決されなければ不成立 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾の立法院は一院制のため院間の返付はない。行政院が覆議を求め、立法院が全委員の過半数で原決議を維持できる覆議制度が、再議決という点で近い
韓国も一院制。大統領の再議要求に対し、国会が在籍議員過半数の出席・出席議員三分の二以上で再議決する。三分の二要件は日本の再可決と共通する
ドイツは連邦参議院の異議に対し、連邦議会が同等以上の多数で退けられる。両院の調整役として両院協議会(Vermittlungsausschuss)を置く点も日本と似る
フランスは両院の間で法案を往復させ(navette)、合同同数委員会でもまとまらなければ、政府の求めで国民議会が最終議決できる
米国の両院は対等で、院間の優越はない。三分の二要件は大統領拒否権を覆す場面で使われ、両院の不一致は協議会委員会(conference committee)で調整する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 参議院で否決された法案について、テレビは「廃案の公算」と伝えている。だが衆議院では与党が三分の二を持っている。本当に終わったのか、それとも数日後に復活するのか? 返付の行き先と衆議院の議席数を確かめれば、答えは自分で出せる
- あなたは業界団体の担当者として、ある規制法案の成立を止めたいと考えている。参議院で否決にこぎつけ、チームは祝杯ムードだ。ところが返付された議案は衆議院に戻っており、会期末まで残りは10日しかない。再可決に向けた日程が組まれる前に、衆議院の議員へ働きかけを集中させなければ、この勝利は数日で消える
- 予算案が参議院で否決された。それでも年度内に予算は成立する。両院協議会で一致しなければ衆議院の議決が優先されるからだ
取るべき行動
被害を受けた側:成立すると不利益を受ける法案が参議院で否決されても、安心するのは早い。1. 返付後に衆議院が取れる手段(再可決、両院協議会)を確認する2. 衆議院の与党と協力会派の議席が三分の二に届くか数える3. 届く場合、働きかけ先を衆議院議員に切り替え、パブリックコメントや陳情の記録を残す4. 会期末の日付を確認し、時間切れ廃案の可能性も見積もる
訴えられた側:推進したい法案が参議院で否決されたときに取れる手段は次のとおり。1. 返付を受けて、衆議院で三分の二の再可決が可能か票読みをする2. 届かない場合は、両院協議会(国会法84条)で成案を得られるか、修正の落としどころを探る3. 会期内に処理できなければ廃案になるため、継続審査の手続(国会法47条2項)や次の国会への再提出を視野に入れる4. 予算や条約であれば、両院協議会で不一致になれば衆議院の議決が優先されることを前提に日程を組む
時効(請求できる期限):本条そのものに期限はない。ただし関連する期限が三つある。法律案では、参議院が衆議院の可決案を受け取ってから国会休会中を除き60日以内に議決しなければ、衆議院は否決とみなせる(憲法59条4項)。予算では、参議院が受け取ってから国会休会中を除き30日以内に議決しなければ、衆議院の議決が国会の議決になる(憲法60条2項、条約は61条で準用)。会期が終われば、継続審査とされなかった議案は廃案になる(国会法68条)
学説
通説:衆議院の優越は、任期が短く解散もある衆議院のほうが直近の民意をより反映するという理由で正当化される。返付は、その優越を議案の種類ごとに異なる強さで発動させるための手続上の前提と位置づけられる
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