国会法 第83条の3
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- 衆議院は、日本国憲法第五十九条第四項の規定により、参議院が法律案を否決したものとみなしたときは、その旨を参議院に通知する。
- 2.衆議院は、予算及び条約について、日本国憲法第六十条第二項又は第六十一条の規定により衆議院の議決が国会の議決となつたときは、その旨を参議院に通知する。
- 3.前二項の通知があつたときは、参議院は、直ちに衆議院の送付案又は回付案を衆議院に返付する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第83条の3は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第83条の3の条文原文は「衆議院は、日本国憲法第五十九条第四項の規定により、参議院が法律案を否決したものとみなしたときは、その旨を参議院に通知する。」で始まります。
- 国会法第83条の3は第十章に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第83条の3の前の条は国会法第83条の2です。
- 国会法第83条の3の次の条は国会法第83条の4です。
- 国会法第83条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第83条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第83条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/83_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法83条の3は、衆議院が法律案のみなし否決をしたときや予算・条約が衆議院の議決で成立したときに、参議院へ通知し、参議院が直ちに議案を返付する手続を定める。
Q · 参議院が法案を採決しないまま60日たったら、法案はどうやって衆議院に戻るの?
衆議院が通知し、参議院が議案を直ちに返す
国会法83条の3によれば、衆議院が憲法59条4項に基づき参議院の否決をみなした場合、衆議院はその旨を参議院に通知します(1項)。予算・条約で衆議院の議決が国会の議決となった場合も同様に通知します(2項)。通知を受けた参議院は、直ちに送付案または回付案を衆議院に返付しなければなりません(3項)。法律案はその後、出席議員の三分の二以上による再議決を経て初めて成立します。
解説
国会の「衆議院の優越」は、教科書では一行で済まされる。だが憲法が衆議院に与えた権限は、それだけでは現実の手続にならない。参議院の手元には、衆議院から送られた議案そのもの(送付案、回付案)がある。それが戻ってこなければ、衆議院は再議決(出席議員の三分の二以上で再び可決すること)も奏上(成立した法律などを内閣経由で天皇に届けること)もできない。国会法83条の3は、そこをつなぐ条文である。法律案では、参議院が受け取ってから国会休会中を除いて60日以内に議決しないとき、衆議院は「否決したものとみなす」ことができる(憲法59条4項)。予算と条約では、参議院が受け取ってから30日以内に議決しなければ、衆議院の議決がそのまま国会の議決になる(憲法60条2項、61条)。そのどちらかが起きたら、衆議院が参議院に通知し、参議院は直ちに議案を返す。ニュースで「みなし否決」「予算の自然成立」と聞いたら、裏で必ずこの通知と返付が動いている。日数を数えられるあなたは、法案の行方を報道より先に読める。
法的な位置づけ
国会法83条の3は、衆議院の優越が働く場面の事務手続を定める規定である。法律案のみなし否決(憲法59条4項)または予算・条約で衆議院の議決が国会の議決となった場合(憲法60条2項、61条)に、衆議院から参議院への通知義務と、参議院による送付案・回付案の即時返付義務を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.参議院への送付日を確認する 衆議院・参議院の公式サイトの議案情報で、法律案・予算・条約が衆議院から参議院に送付された日付を確認する。
- 2.休会期間を除いて期限日を算出する 法律案は60日、予算・条約は30日を、国会休会中の期間を除いて数え、期限日をカレンダーに書き込む。
- 3.衆議院の議席配分を確認する 法律案の場合、与党・賛成会派が衆議院の出席議員の三分の二以上を確保できるかを議席表で確認し、再議決の現実性を見極める。
- 4.通知・返付・再議決の日程を会期末と照合する みなし否決の議決、参議院への通知(83条の3第1項)、議案返付(同3項)、再議決までが会期末までに収まるかを確認する。予算・条約は通知(同2項)で手続が完了する。
よくある質問 AI による整理
Q1みなし否決とは何ですか?
参議院が法律案を受け取ってから休会中を除き60日以内に議決しないとき、衆議院が参議院の否決とみなせる制度です(憲法59条4項)。
Q2予算の自然成立とはどういう意味?
参議院が予算を受け取って休会中を除き30日以内に議決しないと、衆議院の議決が国会の議決になることです(憲法60条2項)。
Q3国会法83条の3は何を定めている?
みなし否決や予算・条約の衆議院議決優先が生じた際の、衆議院から参議院への通知と、参議院による議案返付の手続を定めています。
Q4衆議院の再議決には何人の賛成が必要?
出席議員の三分の二以上の多数が必要です(憲法59条2項)。総議員ではなく出席議員が基準になります。
Q560日の数え方に休会期間は含まれる?
含まれません。憲法59条4項は「国会休会中の期間を除いて」60日と定めており、休会日数は差し引いて数えます。
Q6会期末までに再議決できないとどうなる?
会期不継続の原則(国会法68条)により、継続審査とならない限り法律案は廃案になります。日程管理が事実上の上限です。
Q7参議院が議案を返さないことはできる?
できません。国会法83条の3第3項は、通知があれば参議院は「直ちに」議案を返付すると定めており、保持し続ける余地はありません。
Q8条約の承認にも衆議院の優越はある?
あります。憲法61条が予算の規定(60条2項)を準用するため、条約も30日で衆議院の議決が国会の議決となります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1参議院が採決しないまま60日たったら、法案は自動的に成立するんですか?
成立しない。60日たって衆議院が「否決とみなす」議決をし、参議院に通知し(国会法83条の3第1項)、議案を返してもらったうえで、出席議員の三分の二以上で再び可決して初めて成立する(憲法59条2項)。実務のポイント:三分の二がなければ、60日待っても何も起きない。この手続が使われるかどうかは、衆議院の議席配分でほぼ決まる。
Q2予算はいつ成立するか、前もって分かるものなんですか?
かなり正確に分かる。予算は参議院が受け取ってから、国会休会中を除いて30日で衆議院の議決が国会の議決になり(憲法60条2項)、その旨が参議院に通知される(国会法83条の3第2項)。実務のポイント:永田町では「3月2日前後までに衆議院を通過すれば年度内成立」が当然の計算として共有されている。予算審議の山場は実際には衆議院であり、参議院の審議日程は結果をあまり左右しない。
間違えやすい点 AI による整理
- 「参議院が反対すれば法案は止まる」と思われがちだが、それは衆議院で与党が三分の二を持っていない場合に限る話である。参議院が採決せずに放置しても、60日がたてば衆議院は否決とみなせるので、黙っていても止める力は生まれない
- 60日たてば法律案は自動的に否決されると思っている人も多い。だが憲法59条4項は「みなすことができる」と書いている。衆議院が自分で「みなす」と決めなければ何も起きず、そこから再議決まで進めるかどうかも衆議院の判断である。予算・条約の自然成立とは仕組みが違う
- 国会の動きを見るとき、「どちらの院が強いか」を問うのは入口として少しずれている。実際に勝敗を決めるのは、送付日、休会日数、衆議院の議席配分の三つの数字である。強弱の印象論ではなく、カレンダーと議席表で判断する話である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 国会法83条の3:みなし否決・予算条約の衆議院議決優先が生じた後の通知と返付 | 国会法83条:一院で議決した議案の他院への送付・回付 国会法85条:予算・条約で両院の議決が異なる場合の両院協議会 |
| 手続の主体 | 衆議院が通知し、参議院が返付する | 議決した院が他院へ送付する 衆議院が両院協議会を求める |
| 時間軸上の位置 | 期限(60日・30日)経過後の出口 | 審議の入口(議案の移動開始) 両院の議決が割れた直後 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の立法院は一院制のため、両院間の議案返付という手続自体が存在しない。行政院による覆議請求の制度があるが、行政と立法の関係を規律するもので性質が異なる
ドイツでは異議法律(Einspruchsgesetz)について、連邦参議院の異議を連邦議会が過半数等で退けられる。同意法律(Zustimmungsgesetz)では連邦参議院の同意が必要で、日本より第二院の権限が強い領域がある
フランスでは政府の要請により国民議会が最終決定権を持つ。予算法律は議会が70日以内に議決しない場合、オルドナンスで施行できる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ガソリン価格に直結する税制の法案が参議院で止まっている。野党は「廃案に追い込む」と息巻くが、本当にそうなるか? 送付日から休会中を除いて60日を数え、衆議院で与党が三分の二を持っているかを確かめれば、答えはほぼ出る。2008年(平成20年)、ガソリン税の暫定税率を戻す租税特別措置法改正は、この道筋で成立した
- あなたは自治体の財政課の職員で、国の予算が年度内に成立するかどうかで補助金の段取りが変わる。参議院の審議が荒れても、衆議院通過から30日たてば予算は自然成立する。3月の何日に決まるかは、カレンダーで先に分かる
- 業界団体の担当者として、反対している法案の参議院審議に望みをかけている。残りはあと10日。参議院が議決しなくても止められない仕組みだと分かれば、今すべきことは時間稼ぎではなく修正の交渉である
取るべき行動
被害を受けた側:法案で不利益を受ける側(業界団体、自治体、個人)の場合:1. 衆議院から参議院に送られた日を衆議院・参議院の公式サイトの議案情報で確認する2. 休会期間を除いて60日後(予算・条約なら30日後)の日付を割り出す3. 衆議院与党が三分の二を持っていれば、参議院での引き延ばしに頼らず、修正や附帯決議に向けた働きかけに力を回す4. 成立した場合に備えて、施行日と経過措置を先に読んでおく
訴えられた側:法案を推す側(与党、所管官庁)の場合:1. 参議院に送った日から、休会期間を除いて日数を管理する2. 法律案で60日を過ぎたら、衆議院で「否決とみなす」議決を行い、三分の二以上の賛成を確保できるか票読みをする3. 会期末までに、みなし否決、通知(本条1項)、議案の返付(本条3項)、再議決まで終わる日程を組む。会期を越えると、継続審査にならない限り廃案になる4. 予算・条約は30日で自然成立するので、年度内成立から逆算して衆議院通過の期限を決める
時効(請求できる期限):特定の時効はない。手続上の期限は次のとおり。法律案は、参議院が衆議院から受け取った後、国会休会中を除いて60日(憲法59条4項)。予算・条約は、参議院が受け取った後、国会休会中を除いて30日(憲法60条2項、61条)。いずれも会期が終わると原則として廃案になるので(国会法68条、会期不継続の原則)、実際には会期末までの残り日数が上限になる
学説
通説:憲法59条4項は「みなすことができる」と規定しており、60日の経過により自動的に否決となるのではなく、衆議院がみなし否決の議決を行って初めて効果が生じる。この点で予算・条約の自然成立とは異なる
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