国会法 第85条
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- 予算及び衆議院先議の条約について、衆議院において参議院の回付案に同意しなかつたとき、又は参議院において衆議院の送付案を否決したときは、衆議院は、両院協議会を求めなければならない。
- 2.参議院先議の条約について、参議院において衆議院の回付案に同意しなかつたとき、又は衆議院において参議院の送付案を否決したときは、参議院は、両院協議会を求めなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第85条は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第85条の条文原文は「予算及び衆議院先議の条約について、衆議院において参議院の回付案に同意しなかつたとき、又は参議院において衆議院の送付案を否決したときは、衆議院は、両院協議会を求め…」で始まります。
- 国会法第85条は第十章に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第85条の前の条は国会法第84条です。
- 国会法第85条の次の条は国会法第86条です。
- 国会法第85条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第85条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第85条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/85
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法85条は、予算と条約で両院の議決が異なるとき、両院協議会の開催を義務づける規定。協議会で一致しなければ衆議院の議決が国会の議決になる。
Q · 参議院が予算案を否決したら、その予算はどうなるの?
両院協議会が開かれ、決裂すれば衆議院の議決で成立する
国会法85条1項により、参議院が衆議院の送付した予算案を否決すると、衆議院は両院協議会を求めなければなりません。協議会で成案を得るには出席協議委員の3分の2以上の賛成が必要で(国会法92条)、まとまらなければ日本国憲法60条2項により衆議院の議決が国会の議決となります。法律案と違い、衆議院の3分の2による再可決は不要です。
解説
参議院が予算を否決しても、その予算は死なない。国会法85条は、予算と条約について両院の議決が割れたとき、両院協議会(衆参から各10人の代表が集まり、妥協案を探る会議)を開くことを義務にしている。法律案(84条)では、協議会を開くかどうかは各院の判断に任されている。予算と条約に限って開催が強制されるのは、日本国憲法60条と61条が「両院協議会を開いても意見が一致しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする」と定めているからだ。協議会は、衆議院の優越(衆議院の議決が最終的に勝つしくみ)を発動させるために必ず通る関門になっている。注意したいのは、参議院が「否決」した場合と、採決せずに放置した場合とで、たどる道が違う点である。否決なら本条で協議会へ進む。放置なら協議会は開かれず、国会休会中を除いて30日が過ぎた時点で衆議院の議決がそのまま国会の議決になる。ニュースで「予算成立」と聞いたとき、どちらのルートで成立したのかを見分けられれば、その年の政局の力関係が読める
法的な位置づけ
国会法85条は、予算および条約の議決をめぐり両院の意思が一致しない場合に、先議院が両院協議会を求めることを義務づける規定である。法律案に関する同法84条の任意的な協議会と異なり必要的協議会とされ、協議会で成案が得られないときは、日本国憲法60条2項および61条により衆議院の議決が国会の議決となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.衆議院の通過日と参議院の受領日を確認する 衆議院ウェブサイトの議案情報や報道で、予算案(または条約)が衆議院で可決された日と、参議院に送付された日を確認する。30日の起算点は参議院が受け取った時点である
- 2.国会休会中を除いて30日後を計算する 参議院の受領日から国会休会中の期間を除いて30日を数え、自然成立日を出す。その日が3月31日以前なら、参議院の対応にかかわらず年度内成立が見込める
- 3.参議院の議決内容を見極める 参議院が否決したのか、修正して回付したのか、採決していないのかを確認する。否決または回付案への不同意なら国会法85条により両院協議会へ進み、未議決なら30日の満了を待つことになる
- 4.両院協議会の開催日を追い、成立日を確定させる 両院協議会が開かれたら結果を確認する。成案が得られず決裂すれば、その時点で衆議院の議決が国会の議決となり、予算・条約は成立・承認となる
- 5.年度内に成立しない場合の資金計画を用意する 自然成立日や協議会の日程が新年度にずれ込む見通しなら、暫定予算(財政法30条)を前提にした資金繰りや事業開始日の調整を並行して進める
よくある質問 AI による整理
Q1両院協議会とは何ですか?
衆議院と参議院の議決が異なるとき、各院から選ばれた10人ずつの協議委員が妥協案(成案)を探る会議です。国会法84条以下に規定があります。
Q2予算の自然成立はいつですか?
参議院が衆議院可決の予算を受け取ってから、国会休会中を除き30日以内に議決しないとき、衆議院の議決が国会の議決になります(憲法60条2項)。
Q3衆議院の優越とは何ですか?
両院の議決が異なるとき衆議院の議決を優先させる憲法上の仕組みです。予算・条約・首相指名では、両院協議会の決裂後に衆議院の議決が国会の議決となります。
Q4予算は衆議院の3分の2で再可決が必要?
必要ありません。3分の2の再可決は法律案の手続(憲法59条2項)です。予算は協議会が決裂すれば、衆議院の過半数による議決がそのまま国会の議決になります。
Q5両院協議会の協議委員は何人ですか?
衆議院と参議院からそれぞれ10人ずつ、計20人です(国会法88条)。協議委員は各議院で選ばれ、通例は可決・否決した側の多数派から選出されます。
Q6両院協議会は傍聴できますか?
傍聴は認められていません(国会法97条)。そのため協議会の中身は、終了後の報告や記者会見を通じて伝えられるのが一般的です。
Q7首相指名でも両院協議会は開かれる?
開かれます。首相指名の議決が両院で異なる場合も両院協議会が開かれ(国会法86条)、一致しなければ衆議院の議決が国会の議決になります(憲法67条2項)。
Q8両院協議会の成案が否決されたらどうなる?
成案がいずれかの院で可決されなければ、協議は不調に終わったことになります。予算・条約では、その場合も憲法60条2項により衆議院の議決が国会の議決となります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1両院協議会って、実際に話し合いで決まることあるんですか?
法律案では成案がまとまった例があるが、予算と条約ではほとんど例がない。成案になるには出席した協議委員の3分の2以上の賛成が必要で(国会法92条)、委員は両院の多数派から選ばれるのが通例だからだ。実務のポイント:予算の協議会が開かれた日には、決裂を前提に、閣議や執行の準備が同じ日に進められていることが多い。協議会の開催日は、事実上の成立日として読める
Q2参議院から先に審議した条約でも、結局は衆議院が勝つんですか?
勝つ。本条2項により協議会を求めるのは参議院になるが、決裂すれば憲法61条が準用する60条2項によって、衆議院の議決が国会の議決になる。実務のポイント:衆議院が否決し、協議会も決裂した場合には、承認されなかったことが国会の意思として確定する。参議院から先に審議するのは、日程を効率よく回すための工夫であって、参議院の発言力を強める手段ではない
Q3参議院で否決されたら、予算って最初からやり直しなんですか?
やり直しにはならない。衆議院が両院協議会を求め(本条1項)、決裂すれば衆議院の議決が国会の議決になる(憲法60条2項)。衆議院で改めて採決する必要もない。実務のポイント:参議院が否決してくれたほうが、30日の満了を待つより成立が早まる場合がある。与党の幹部が否決をそれほど気にしないことがあるのは、このためだ
間違えやすい点 AI による整理
- 参議院が予算を否決すれば、衆議院は3分の2の多数で再可決しなければならないと思われがちだが、それは法律案の話である(憲法59条2項)。予算と条約に再可決の手続はない。両院協議会が決裂した時点で、衆議院が過半数で可決した議決がそのまま国会の議決になる
- 両院協議会は本気で妥協を探る場だと考えられているが、実態は違う。協議委員は各院の多数派から選ばれるのが通例で、成案になるには出席した協議委員の3分の2以上の賛成が必要とされる(国会法92条)。両院の多数派が対立している局面では、この要件をまず満たせない。予算の協議会は、決裂を確認する場として機能することが多い
- 「参議院が否決するのと、何もしないのとでは結果は同じ」と見る人がいる。どちらも最後は衆議院の議決が勝つが、時間の流れ方が違う。否決なら協議会が決裂した日に成立し、年度末を待たずに決着することもある。放置なら最長30日(国会休会中を除く)かかる。年度内に成立するかどうかの差は、自治体や事業者の資金計画を直撃する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 国会法85条:予算・条約 | 国会法84条:法律案 国会法86条:内閣総理大臣の指名 |
| 両院協議会の開催 | 必要的(求めなければならない) | 任意的(衆議院が求めることができる) 必要的(開かなければならない) |
| 協議会決裂後の扱い | 衆議院の議決が国会の議決となる(憲法60条2項・61条) | 衆議院の出席議員3分の2以上で再可決すれば成立(憲法59条2項) 衆議院の議決が国会の議決となる(憲法67条2項) |
| 参議院が議決しない場合 | 国会休会中を除き30日で衆議院の議決が国会の議決に | 60日以内に議決しなければ否決とみなすことができる(憲法59条4項) 国会休会中を除き10日で衆議院の議決が国会の議決に |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の立法院は一院制で、予算案・条約案も立法院のみが議決するため、両院協議会に相当する調整手続は存在しない。
韓国の国会も一院制であり、予算案の確定と条約への同意を単一の院で行うため、院間調整の手続はない。
ドイツでは連邦議会と連邦参議院の意見が異なる場合に両院協議会(Vermittlungsausschuss)が開かれる。予算法を含む異議法律では、連邦議会が最終的に異議を退けることができる。
米国では歳出法案に両院の一致が必要で、不一致は Conference Committee で調整する。一方の院が優越する仕組みはなく、条約は上院のみが承認する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 参議院で与党が過半数を持っていない、いわゆるねじれ国会で、野党が予算案を否決したらどうなる? 衆議院は両院協議会を求めなければならない。予算の協議会で成案(両院の妥協案)がまとまることはまずなく、決裂した時点で衆議院の議決が国会の議決になる。否決はニュースとしては派手だが、法的な効果は「成立を数日遅らせる」程度にとどまる
- 3月中旬、あなたは地方自治体の財政担当者として、国の新しい補助金を当てにした事業を4月1日から始める予定だ。国の予算が衆議院を通過したのが3月2日なら、参議院が何をしようと、休会がなければ30日後には自然成立する。逆に衆議院通過が3月10日を過ぎていれば、年度内の成立は参議院の出方しだいになり、暫定予算(本予算が成立するまでのつなぎの予算)を前提にした資金繰りを考えておく必要がある
- あなたが参議院の野党議員で、党として予算に反対すると決めたとする。否決すれば本条により両院協議会が開かれ、メディアの前で反対理由を改めて主張する場ができる。採決を引き延ばせば、協議会は開かれず30日の自然成立を待つことになる。どちらの戦術を選ぶかで、反対の見せ方がまったく変わる
- 経済連携協定の国会承認を参議院から先に審議したところ、衆議院が否決した。協議会を求めるのは参議院のほうだ(本条2項)。どちらの院から先に審議しても、最後に勝つのは衆議院である
- 友人に「参議院が反対したのに、なんで予算が通るの? 民主主義としておかしくない?」と聞かれた。答えは憲法60条と国会法85条の組み合わせにある。協議会という話し合いの場を一度通すことが、衆議院の議決を優先させる正統性の根拠になっている
取るべき行動
被害を受けた側:予算や条約の成立を待つ側(自治体、補助金を受ける事業者、輸出入を行う企業など)の場合:1. 衆議院を通過した日を確認し、国会休会中を除いて30日後がいつになるかを計算する2. 参議院で否決されたら、両院協議会の開催日を追う。決裂すればその日に成立する3. 年度内に成立しない可能性があるなら、暫定予算(財政法30条)を前提にした資金計画を並行して作る4. 条約については、承認されたあと批准書を交換し、効力が発生するまでに時間がかかることも計算に入れる
訴えられた側:予算や条約に反対する側(参議院の会派、反対運動の団体など)の場合:1. 参議院で否決しても成立を止めることはできないので、目標は「止めること」ではなく「論点を記録に残すこと」と割り切る2. 否決すれば両院協議会が開かれるので、協議会の場と記者会見で反対理由を示す3. 採決を引き延ばす戦術は自然成立を待つだけになり、世論の支持を得にくい場合もあるため、効果をよく見極める4. 条約の内容を実質的に変えたいなら、国会審議ではなく、締結前の政府交渉の段階で働きかけるほうが効く
時効(請求できる期限):両院協議会そのものに開催期限はない。予算と条約については、参議院が衆議院の可決したものを受け取ってから、国会休会中の期間を除いて30日以内に議決しないとき、衆議院の議決が国会の議決となる(憲法60条2項、61条)。また会期が終わると、議決されていない案件は原則として廃案になる(国会法68条、会期不継続の原則)
学説
通説:本条の協議会は、法律案に関する国会法84条の任意的協議会と区別される必要的協議会であり、憲法60条2項・61条が定める「両院協議会を開いても意見が一致しないとき」という衆議院優越の発動要件を手続上満たすための前提と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:日本国憲法の施行に合わせて国会法が制定され、予算・条約に関する必要的両院協議会の規定として本条が設けられた。
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