国会法 第92条
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- 両院協議会においては、協議案が出席協議委員の三分の二以上の多数で議決されたとき成案となる。
- 2.両院協議会の議事は、前項の場合を除いては、出席協議委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第92条は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第92条の条文原文は「両院協議会においては、協議案が出席協議委員の三分の二以上の多数で議決されたとき成案となる。」で始まります。
- 国会法第92条は第十章に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第92条の前の条は国会法第91条の2です。
- 国会法第92条の次の条は国会法第93条です。
- 国会法第92条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第92条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第92条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/92
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法92条は、両院協議会で協議案が出席協議委員の三分の二以上で議決されたとき成案となると定める。それ以外の議事は過半数で決し、可否同数は議長が決する。
Q · 両院協議会で妥協案をまとめるには、何人の賛成が必要なの?
出席協議委員の三分の二以上の賛成が必要です
国会法92条1項により、両院協議会の協議案は出席協議委員の三分の二以上の多数で議決されたときに成案となります。協議委員は各院十人ずつ(国会法89条)なので、全員出席なら二十人中十四人の賛成が必要です。成案以外の議事は過半数で決し、可否同数なら議長が決めます(同条2項)。ただし議長の決裁で成案を成立させることはできません。
解説
二十人のうち十四人。両院協議会で「成案」(衆参両院の妥協案)を作るには、これだけの賛成が要る。両院協議会は、衆議院と参議院の議決が食い違ったときに開かれる調整の場である。各院から協議委員十人ずつ、計二十人で構成される(国会法89条)。本条1項は、成案の成立に出席協議委員の三分の二以上を求めている。ここで効いてくるのが慣例だ。各院の協議委員は、その院で多数を占めた側から選ばれるのが通例である。そのため協議会の中は十対十で真っ二つに割れていることが多く、どちらかの陣営から最低四人が寝返らないと成案は生まれない。ねじれ国会のニュースで「両院協議会、不調」の見出しが毎回のように並んだのは、この算数のせいである。2項の「可否同数は議長が決める」は成案以外の議事にしか使えない。議長の一票で妥協案をひっくり返すことはできない。協議会が決裂したあとは、憲法が用意した衆議院優越のルートか、衆議院の再可決へと舞台が移る。協議会の開催が報じられた時点で、勝負の場は実はもう次の段階へ動き始めている
法的な位置づけ
国会法92条は両院協議会の議決要件を定める規定であり、協議案が出席協議委員の三分の二以上の多数で議決されたときに成案となる旨を規定する。成案以外の議事については出席協議委員の過半数による議決とし、可否同数の場合は協議会の議長が決するものとする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.衆参の議決が食い違った案件の種類を確認する 対象が予算・条約・首相指名なのか、法律案なのかを確認する。前者は協議会が不調でも衆議院の議決が国会の議決になり、後者は衆議院の三分の二再可決か修正協議が必要になる
- 2.協議委員の構成を数える 各院十人ずつの協議委員がどの会派から選ばれたかを確認する。十対十で割れているなら、成案に必要な十四票には相手陣営から最低四人の賛成が要る
- 3.事前の党首会談・幹部協議の有無を調べる 協議会の前に党首会談や幹事長会談で合意ができているかを確認する。事前合意がなければ不調の可能性が高く、協議会の外のルートに注目を移す
- 4.不調後の出口と会期末を照合する 法律案なら衆議院与党が三分の二の議席を持つか、会期末まで何日残っているかを確認する。再可決の見込みがなければ廃案と次国会での再提出を前提に対応計画を立てる
よくある質問 AI による整理
Q1両院協議会の成案とは何ですか?
衆参の議決が食い違ったとき、両院協議会で出席協議委員の三分の二以上の賛成を得て成立した妥協案のことです(国会法92条1項)。
Q2両院協議会は何人で構成されますか?
衆議院・参議院から協議委員を十人ずつ選び、計二十人で構成されます(国会法89条)。全員出席なら成案には十四人の賛成が必要です。
Q3両院協議会の成案が成立したら、すぐ法律になりますか?
なりません。成案は協議会を求めた議院が先に審議し、その後もう一方の議院でも議決される必要があります(国会法93条)。成案の修正はできません。
Q4両院協議会が不調になったらどうなりますか?
予算・条約・首相指名は衆議院の議決が国会の議決になります。法律案は衆議院の三分の二再可決がなければ、会期末で原則廃案になります。
Q5両院協議会の可否同数は誰が決めますか?
成案以外の議事に限り、協議会の議長が決します(国会法92条2項)。議長は各院の協議委員の議長が交代で務めます(同90条)。
Q6両院協議会で成案が成立した例はありますか?
あります。平成6年(1994年)の政治改革関連法は、党首会談で事前合意を得たうえで両院協議会の成案として成立した例として知られています。
Q7両院協議会は必ず開かれますか?
予算・条約・首相指名では議決が異なれば開催が必要です(憲法60条・61条・67条)。法律案では衆議院が求めた場合などに開かれる任意的なものです。
Q8両院協議会の定足数は何人ですか?
各院の協議委員それぞれ三分の二以上の出席が必要です(国会法91条)。各院十人なら、それぞれ七人以上が出席しなければ議事を開けません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1両院協議会って、結局ほとんど決裂するんでしょ? なんでわざわざ開くの?
予算・条約・首相指名では、両院の議決が異なれば協議会を開くことが憲法上必須で(日本国憲法60条2項、61条、67条2項)、開かないと衆議院優越の効果が発生しないからである。成案に三分の二が必要(国会法92条1項)で、委員は各院の多数派から選ばれるのが慣例なので、決裂は織り込み済みのことが多い。実務のポイント:本当に妥協が成立するときは、協議会の前に党首会談などで話がついている。協議会の前日に党幹部の会談予定が報じられたかどうかが、成案が出るかを見分ける最大のシグナルである
Q2可否同数なら議長が決めるって、議長一人の判断で法律の中身が決まっちゃうの?
決まらない。議長の決裁は国会法92条2項により成案以外の議事に限られ、成案は必ず出席協議委員の三分の二以上が必要である。さらに議長は両院の協議委員がそれぞれ互選した議長が交代で務め、最初の議長はくじで決める(国会法90条)。実務のポイント:議長の決裁が実際に効くのは、協議会を続けるか打ち切るかといった進め方の場面である。審議を引き延ばして会期切れを狙う駆け引きは、ここで決まることがある
間違えやすい点 AI による整理
- 「両院協議会で成案がまとまれば、その内容で法律が成立する」と考えるのは前提が違う。成案は、協議会を求めた議院が先に審議し、次にもう一方の議院の議決も必要になる(国会法93条)。しかも成案は修正できず、可決か否決かの二択しかない。協議会の合意はゴールではなく、二回の本会議採決への切符にすぎない
- 三分の二という数字は多くの人が知っている。ただ、その重さを実感している人は少ない。協議委員は慣例として各院の多数派から選ばれるため、構造的に十対十の対立になる。三分の二とは、相手陣営から最低四人を説得しなければならないという意味である。だからこそ成案の成立はまれで、平成6年(1994年)の政治改革関連法のように、党首同士のトップ会談で事前に合意ができたケースが目立つ
- 「可否同数なら議長が決める」という2項を見て、議長の一票で両院の妥協案が決まると思うかもしれない。法律の目線は違う。議長の決裁が使えるのは1項以外の議事(議事の進め方など)だけで、成案は必ず三分の二が必要である。議長職も各院の協議委員から選ばれた議長が交代で務める(国会法90条)ので、一方の院が議長の座を握り続けることもない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 国会法92条:成案の成立要件と、その他の議事の議決方法 | 国会法91条:協議会を開いて議決するための定足数 国会法93条:成立した成案を各院がどう審議するか |
| 必要な数 | 成案は出席協議委員の三分の二以上、その他は過半数(可否同数は議長) | 各院の協議委員それぞれ三分の二以上の出席 各院の本会議での議決 |
| 修正の可否 | 協議会の中で協議案を練り直すことは可能 | (出席要件のため修正は問題にならない) 成案は修正できず、可決か否決かの二択 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾の立法院は一院制のため、両院間の調整機関は存在しない。院内の党団協商が実質的な合意形成の場となっている
韓国国会は一院制であり、両院協議会に相当する制度はない
連邦議会と連邦参議院の対立は両院協議会(Vermittlungsausschuss)で調整される。日本と同じく両院から同数の委員で構成される
国民議会と元老院から同数で構成する合同同数委員会(CMP)が妥協案を作る。不成立の場合は国民議会が最終的に議決できる点で、衆議院優越と発想が近い
米国では両院協議会の報告書は各院協議委員の過半数の署名で成立し、日本の三分の二要件より低い敷居で運用される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの業界の規制緩和法案が、衆議院は通ったのに参議院で否決された。両院協議会が開かれると報じられ、社内は「これで決まる」と期待している。だが協議会は十対十で割れており、成案に必要な十四票には四票足りない。社内に報告すべき本当の論点は、会期末までに衆議院で三分の二の再可決ができるかどうかである
- 国会の会期末まで残り三日。重要法案の両院協議会が二回連続で不調に終わった。成案が出なければ法案は会期不継続の原則で廃案になり、次の国会で一からやり直しになる。ロビイングで頼るべき相手は協議委員ではなく、衆議院の採決日程を握る議院運営委員会のほうだ
- 首相指名の両院協議会が決裂したら、誰が首相になるのか? 衆議院の指名がそのまま国会の議決になる(日本国憲法67条2項)。協議会の不調は、手続を一つ消化したにすぎない
取るべき行動
被害を受けた側:あなたの業界に必要な法案が両院で割れた場合の打ち手。1. 協議会の構成を確認する。十対十で割れていれば成案は難しいと見て、次の手に切り替える2. 衆議院与党の議席が三分の二に届くかを数え、再可決の可能性を見積もる3. 届かないなら、修正協議に向けて参議院多数派の政策担当者に、受け入れ可能な修正案を早めに示す4. 会期末の日程から逆算して、廃案になったときの次の国会への再提出計画も同時に立てる
訴えられた側:あなたが反対している法案が協議会に回った場合の打ち手。1. 三分の二要件があるため、協議委員から四人以上が寝返らない限り成案は生まれない。協議委員の顔ぶれを確認する2. ただし協議会が決裂しても、衆議院の再可決や、参議院が60日以内に議決しないことによる否決みなし(日本国憲法59条4項)のルートが残る。衆議院側の数と日程を重点的に監視する3. 成案が出た場合も、各院の本会議での否決が最後の防衛線になる(国会法93条)
時効(請求できる期限):両院協議会そのものに開催期限はないが、会期内に成案が成立しなければ法律案は原則として廃案になる(国会法68条、会期不継続の原則)。予算・条約は、参議院が衆議院の可決案を受け取ってから30日以内に議決しなければ衆議院の議決が国会の議決になる(日本国憲法60条2項、61条)。首相指名は10日以内(同67条2項)。法律案は参議院が60日以内に議決しないと、衆議院は否決とみなすことができる(同59条4項)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:日本国憲法の施行に合わせて国会法が制定され、両院協議会の成案に出席協議委員の三分の二以上を求める本条が設けられた
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