国会法 第93条
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- 両院協議会の成案は、両院協議会を求めた議院において先ずこれを議し、他の議院にこれを送付する。
- 2.成案については、更に修正することができない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第93条は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第93条の条文原文は「両院協議会の成案は、両院協議会を求めた議院において先ずこれを議し、他の議院にこれを送付する。」で始まります。
- 国会法第93条は第十章に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第93条の前の条は国会法第92条です。
- 国会法第93条の次の条は国会法第94条です。
- 国会法第93条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第93条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第93条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/93
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法93条は、両院協議会の成案をまず協議会を求めた議院で審議し、可決後に他の議院へ送付すると定める。成案は両院とも修正できず、賛否のみを採決する。
Q · 両院協議会でまとまった成案は、本会議で一部だけ直せるの?
直せない。成案は賛成か反対かの二択で採決する
国会法93条2項により、両院協議会の成案はどちらの議院でも修正できません。手続としては、協議会を求めた議院がまず成案を審議し、可決すれば他の議院へ送付します(同条1項)。各議院に残るのは成案全体を可決するか否決するかの判断だけで、どちらかで否決されれば成案は国会の議決になりません。文言に影響を与えられるのは、協議委員が成案をまとめる前の段階に限られます。
解説
一字も直せない。両院協議会がまとめた妥協案は、まとまった時点で「丸ごと受け入れるか、丸ごと否決するか」の二択になる。衆議院と参議院の議決が食い違うと、各院から選ばれた協議委員(各10名)が集まる両院協議会が開かれる。そこで得られた案が「成案」である。国会法93条はその後の段取りを決めている。まず協議会を求めた議院が先に審議し、可決すれば相手の議院へ送る。そして2項で、どちらの議院も成案を修正できないと定める。修正を許せば両院の議決はまた食い違い、協議会をやり直す無限ループになる。修正禁止は、そのループを断ち切るための仕組みである。この仕組みを知っていれば、ニュースの見方が変わる。「両院協議会で成案」と報じられた時点で、中身の駆け引きはほぼ終わっている。協議会は傍聴禁止(国会法97条)の非公開の場で、その後の本会議は修正のできない賛否の採決にすぎない。法案の中身に意見を届けたいなら、成案ができる前に動かなければ遅い。
法的な位置づけ
国会法93条は、両院協議会の成案の審議手続を定める規定である。成案は、両院協議会を求めた議院が先に審議し、可決後に他の議院へ送付される。同条2項は成案の修正を禁止しており、各議院は成案全体について可決または否決のいずれかを議決する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.衆参の議決の食い違いを確認する 関心のある法案について、衆議院と参議院の議決結果を各院の公式サイトや審議経過情報で確認する。参議院での否決・修正議決のあと、衆議院が両院協議会を求めるか、再可決を選ぶかが分岐点になる
- 2.協議委員の名簿を調べる 両院協議会の開催が決まったら、各院で選ばれた協議委員(各10名)の氏名・所属会派・選挙区を確認する。成案の文言を実際に詰めるのはこの20名である
- 3.成案がまとまる前に要望を届ける 業界団体・地元事務所・所属政党を通じて、協議委員に具体的な修正要望を伝える。成案の確定後は国会法93条2項により一字も修正できないため、働きかけはこの段階に集中させる
- 4.成案確定後は働きかけの段階を切り替える 成案ができた後は、本会議での賛否への働きかけ、付帯決議への反映、施行令・省令のパブリックコメントへの意見提出などに切り替える
よくある質問 AI による整理
Q1両院協議会の成案とは何ですか?
衆参の議決が食い違ったとき、両院協議会で出席協議委員の3分の2以上の多数で議決された妥協案です(国会法92条)。両院の本会議で可決されて初めて国会の議決になります。
Q2成案はどちらの議院が先に審議しますか?
両院協議会を求めた議院が先に審議し、可決したら他の議院へ送付します(国会法93条1項)。法律案では衆議院が協議会を求めるのが典型です。
Q3成案が本会議で否決されたらどうなりますか?
成案は国会の議決になりません。法律案なら衆議院の3分の2以上による再可決(憲法59条2項)がない限り、会期終了で原則として廃案になります。
Q4両院協議会は傍聴できますか?
できません。国会法97条は両院協議会の傍聴を許さないと定めています。成案ができるまでの交渉は非公開の場で行われます。
Q5両院協議会の協議委員は何人ですか?
各議院でそれぞれ10名を選挙し、計20名で構成されます(国会法89条)。協議委員の顔ぶれが成案の中身を大きく左右します。
Q6成案はいつまでに可決しなければなりませんか?
成案そのものに独自の期限はありませんが、会期末までに両院で可決されなければ、会期不継続の原則(国会法68条)により原則として廃案になります。
Q7成案は何分の何の賛成で決まりますか?
両院協議会で協議案が出席協議委員の3分の2以上の多数で議決されると成案になります(国会法92条)。各院10名ずつの構成なので、片方の院だけでは成立しません。
Q8両院協議会の成案で成立した法律の例は?
1994年の政治改革関連法案が代表例です。トップ会談での合意が協議会の成案となり、両院で可決されて成立し、現在の小選挙区比例代表並立制につながりました。
この条文についての質問 AI による整理
Q1成案に一か所だけ納得いかない場合、その部分だけ反対ってできないんですか?
できない。93条2項により成案は修正できないので、採決は全体への賛成か反対かの二択になる。部分的な反対意見は、討論での発言や付帯決議で示すしかない。実務のポイント:付帯決議に法的拘束力はないが、役所は政令や通達を作るときに付帯決議を無視しにくい。実務では、成案に入らなかった論点を付帯決議に回すことで落としどころにすることがある
Q2両院協議会って、どうしてほとんど開かれないんですか?
法律案では、衆議院は両院協議会を求めずに、出席議員の3分の2以上で再可決する道を選べる(憲法59条2項、3項)。与党が衆議院で3分の2を持っていれば、協議会はほぼ不要になる。実務のポイント:協議会の成案は出席協議委員の3分の2以上で決まるとされ、委員は各院10名で、構成は対立しやすい。そのため、協議会の外で党首会談などが先に合意し、協議会がそれを成案として形にするのが実際の流れである(最新の運用状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「両院協議会で成案ができれば法案は成立する」と思われがちだが、成案は両院の本会議でそれぞれ可決されて初めて国会の議決になる。協議会を求めた議院が先に審議し、可決されたものが相手の議院へ送られる(93条1項)。どちらかで否決されれば、成案は国会の議決にならない
- 修正禁止は「議員の発言を封じる非民主的なルール」に見えるが、視点を変えると評価は逆になる。修正を認めれば、各院が自分好みに直して送り返し合い、合意そのものが永遠に成立しない。修正を禁じているからこそ、協議委員は本会議で否決されない水準まで妥協を詰めざるを得ない
- 「両院協議会は形だけの儀式」という見方は、首相指名の協議会にはある程度当てはまる。2007年と2008年には衆参で別人が指名され、協議会で成案を得られず、衆議院の議決が国会の議決になった(憲法67条2項)。一方、法律案では1994年の政治改革関連法案のように、トップ会談で合意した内容が成案になり、両院で可決されて成立した例がある。案件の種類によって、協議会の重みはまったく違う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する段階 | 国会法93条:成案ができた後の両院本会議での審議 | 国会法92条:両院協議会内で協議案を成案とする議決 国会法84条:法律案について両院協議会を求める入口 |
| 主な行為者 | 協議会を求めた議院 → 他の議院の本会議 | 各院10名の協議委員(出席協議委員の3分の2以上で議決) 参議院の回付案に同意しなかった衆議院など |
| 修正の可否 | 不可(93条2項)。全体への可決か否決のみ | 協議会の内部で案文を練り直すことが可能 協議会を求めるか再可決を選ぶかの選択が問題になり、修正の場ではない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の立法院は事実上の一院制のため、両院間の妥協案を審議する制度自体がない。党団協商(会派間協議)が合意形成の場として似た役割を担う
韓国国会は一院制のため両院協議会はない。合意形成は交渉団体間の協議で行われる
ドイツでは連邦議会と連邦参議院の調整を Vermittlungsausschuss が担い、その Einigungsvorschlag に対しては一括の採決が原則とされる点で日本の成案と発想が近い
米国の conference committee がまとめた conference report は各院で修正できず、賛否の採決のみとなる。日本の93条2項と同じ発想の仕組みである
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ねじれ国会で、あなたの業界を直撃する法案が衆議院は通ったのに参議院で否決された。もし両院協議会で成案がまとまったら、どうなる? 本会議で「この一文だけ削ってほしい」と言っても、もう削れない。業界団体が修正を求められるのは、協議委員が案文を練っている数日間だけである
- あなたは参議院議員の政策秘書で、協議会でまとまった成案に党内から「付帯条項を一つ足せ」と迫られている。93条2項がある以上、足すことはできない。残っている選択肢は、成案を否決するか、付帯決議という拘束力のない形で別に意思を示すかのどちらかである
- 会期末まであと3日。協議会で成案がまとまらなければ、法案は会期不継続の原則(国会法68条)により廃案になる
- 大学のゼミで「成案に反対の議員は、本会議で修正動議を出せばいいのでは」と発言した。教授は一言で返した。「出せないんだよ、93条2項があるから」
取るべき行動
被害を受けた側:法案によって不利益を受ける市民や事業者の場合:1. 衆参の議決が食い違った段階で、両院協議会が開かれるかどうかを各院の公報で確認する2. 協議委員の名簿が出たら、所属政党や選挙区を調べ、業界団体や地元を通じて要望を届ける3. 成案ができた後は修正を求めても無駄なので、本会議で否決を働きかけるか、付帯決議や施行令(政令)の段階で意見を出すことに切り替える
訴えられた側:成案を審議する議員や秘書の場合:1. 本会議では修正動議を出せない(93条2項)ので、党として賛成か反対かを早めに決めておく2. 反対意見を記録に残したいときは、討論で発言するか、付帯決議で意思を示す3. 会期末が近い場合、否決すれば廃案になることを計算に入れ、修正できる次の国会に出し直す選択肢と比べる
時効(請求できる期限):法定の時効はない。最も強い時間の制約は会期で、会期末までに両院で議決されなければ、原則として廃案になる(会期不継続の原則、国会法68条)。予算は参議院が受け取ってから30日以内に議決しなければ衆議院の議決が国会の議決になり(憲法60条2項)、首相指名は10日以内である(憲法67条2項)
学説
一般的な理解:成案の修正禁止は、両院の議決の不一致が繰り返されるのを防ぎ、合意を確定させるための規定と理解されている。各院の否決権は残るため、二院制の独立性は「修正の自由」から「拒否の自由」へ形を変えて維持される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:日本国憲法の施行にあわせて国会法が制定され、両院協議会の成案の審議手続と修正禁止が定められた
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