会社更生法 第182条の3(株式交換)
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- 株式交換(更生会社が株式交換をする株式会社(以下「株式交換完全子会社」という。)となる株式交換であって、その発行済株式の全部を取得する会社(以下「株式交換完全親会社」という。)が株式会社であるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
- 一株式交換契約において定めるべき事項
- 二株式交換完全親会社が株式交換に際して更生債権者等に対して金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項
- 一当該金銭等が株式交換完全親会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交換完全親会社の資本金及び準備金の額に関する事項
- 二当該金銭等が株式交換完全親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
- 三当該金銭等が株式交換完全親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
- 四当該金銭等が株式交換完全親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項
- 五当該金銭等が株式交換完全親会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法
- 三前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の金銭等の割当てに関する事項
- 2.株式交換(更生会社が株式交換完全子会社となる株式交換であって、株式交換完全親会社が合同会社であるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
- 一株式交換契約において定めるべき事項
- 二更生債権者等が株式交換に際して株式交換完全親会社の社員となるときは、当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額
- 三株式交換完全親会社が株式交換に際して更生債権者等に対して金銭等(株式交換完全親会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項
- 一当該金銭等が当該株式交換完全親会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
- 二当該金銭等が当該株式交換完全親会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法
- 四前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の金銭等の割当てに関する事項
- 3.株式交換(更生会社が株式交換完全親会社となるものに限る。)に関する条項においては、株式交換契約において定めるべき事項を定めなければならない。
この条文の基本情報
株式交換とは何ですか?
定義株式交換とは、会社更生法第182条の3に定められた規定で、「株式交換(更生会社が株式交換をする株式会社(以下「株式交換完全子会社」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第182条の3(株式交換)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第182条の3の条文原文は「株式交換(更生会社が株式交換をする株式会社(以下「株式交換完全子会社」という。」で始まります。
- 会社更生法第182条の3は第一節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第182条の3の前の条は会社更生法第182条の2です。
- 会社更生法第182条の3の次の条は会社更生法第182条の4です。
- 会社更生法第182条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第182条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第182条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/182_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法182条の3は、更生計画に株式交換条項を設ける際の記載事項を定める。親会社が株式会社か合同会社かで記載内容が分岐し、更生債権者等への金銭等の割当ても明記する。
Q · 取引先の更生計画に株式交換が入っていたら、私の売掛金の条件はどこに書いてあるの?
更生計画の株式交換条項に弁済の対価と割当てが書かれます
会社更生法182条の3は、更生計画に株式交換条項を組む際の必要的記載事項を定めます。更生会社が完全子会社となる場合、親会社が株式会社なら株式交換契約事項と更生債権者等への金銭等・その割当てを、親会社が合同会社なら社員となる者の氏名・住所・出資の価額まで記載しなければなりません。更生会社が完全親会社となる場合は契約事項を定めます。あなたが現金で返ると思っていた更生債権が株式や持分に化けるかどうか、その割当ては全てこの条項で確定します。
解説
取引先の大企業が会社更生手続に入った。あなたの数千万円の売掛金は更生債権になり、いつ・いくら・どんな形で戻るのかは、これから作られる「更生計画」が決める。その計画の中に株式交換の条項が組まれていたら、あなたは現金ではなくスポンサー会社(親会社)の株式や持分を受け取る側に回るかもしれない。会社更生法182条の3は、その株式交換条項に何を書かなければならないかを定める。親会社が株式会社なら株式交換契約の事項と交付する金銭等の内容・割当て、親会社が合同会社なら社員になる場合の氏名・出資の価額まで特定する。重要なのは、通常の会社法なら株主総会の特別決議が必要な株式交換が、更生手続では計画によって実行され、無価値になった株主の同意なしに進むという点だ。あなたが現金を期待していたのに株式を渡される、その条件のすべてがこの記載事項に凝縮されている。
法的な位置づけ
会社更生法182条の3は、更生計画における株式交換条項の必要的記載事項を定める規定である。更生会社が株式交換完全子会社となる場合は親会社が株式会社か合同会社かで記載事項が分岐し、金銭等の交付内容とその割当て、合同会社では社員の氏名・住所・出資価額を特定する。更生会社が完全親会社となる場合は株式交換契約事項を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.更生計画案で弁済の対価を真っ先に確認 届いた更生計画案で、自分の更生債権が「金銭」「株式会社の株式」「合同会社の持分」のどれで弁済されるか、株式交換条項の割当て事項を最初に確認する
- 2.渡される株式・持分の換金性と評価額を精査 株式での弁済なら上場か未上場か、合同会社の持分か株式かを確認し、評価額の根拠資料を取り寄せて、現金弁済と比べた実質的な弁済率を試算する
- 3.割当ての不公平を関係人集会の前に主張 割当てが不公平、または評価が過大と判断したら、関係人集会での議決権行使期限までに反対の意思を示し、書面で意見を提出する。スポンサー選定の交渉段階なら現金弁済の選択肢を残すよう主張する
- 4.認可決定への即時抗告は期間内に 計画認可の決定に重大な手続違反があれば即時抗告を検討する。公告等を起算点とする法定期間があり、徒過すると計画が確定するため、弁護士と期限を確認して動く
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法182条の3とは何ですか?
更生計画に株式交換の条項を入れる場合の必要的記載事項を定める規定です。親会社が株式会社か合同会社かで記載内容が分岐し、更生債権者等への金銭等の割当ても明記します。
Q2更生計画の株式交換とは何ですか?
倒産した更生会社をスポンサー等の完全子会社にする組織再編を、更生計画の中で実行する手法です。通常の会社法より手続が一部省略されます。
Q3更生債権が株式で弁済されたら換金できますか?
上場株なら市場で売却できますが、未上場の親会社株式や合同会社の持分だと換金が難しく、実質的な弁済率が額面より下がることがあります。割当ては計画で確定します。
Q4親会社が合同会社の場合は何を記載しますか?
更生債権者等が社員となるときは、その氏名・名称・住所および出資の価額まで特定して記載します。持分以外の金銭等を交付するならその内容と割当ても定めます(182条の3第2項)。
Q5更生計画案に反対するにはどうすればよいですか?
関係人集会での議決権行使または書面投票の期限までに反対の意思を示し、書面で意見を提出します。認可決定後は計画が確定し対価変更はほぼできません。
Q6会社更生と民事再生で株式交換の扱いは違いますか?
会社更生は株主権の変更や組織再編を計画で広く実行でき、株主総会決議に代わります。民事再生は再生債務者が事業を継続する型で、組織再編の取り込み方が異なります。
Q7更生計画の認可後に弁済の対価を変更できますか?
原則できません。認可決定で計画は確定し、株式交換の割当てや対価は固定されます。争うなら認可前の関係人集会の段階が勝負どころです。
Q8スポンサーによる子会社化はどう行われますか?
スポンサーを株式交換完全親会社とする条項を更生計画に組み込み、更生会社を100% 子会社化します。M&A の買収スキームと倒産処理がこの条項で直結します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取引先が会社更生に入ったら、私の売掛金が株で返ってくることもあるんですか?
あります。更生計画に株式交換などの組織再編条項が入っていれば、現金ではなくスポンサー(親会社)の株式や合同会社の持分で弁済される設計があり得ます(182条の3)。どの対価になるかは計画の割当て事項で決まります。実務のポイント:現金弁済と株式弁済が混在する計画では、どの債権者にどの対価を割り当てるかにスポンサーの思惑が出ます。未上場株を渡される枠に入れられると換金できず、実質的な弁済率は額面より大きく下がる。割当ての枠組みは関係人集会で議決される前にしか動かせない
Q2更生会社が株式交換するのに、株主総会の決議はいらないって本当ですか?
本当です。通常の会社法では株式交換に株主総会の特別決議が必要ですが(会社法783条など)、会社更生では更生計画がその決議に代わります。債務超過で株式が無価値の会社では、株主は議決権を失っているのが通常です。実務のポイント:これは更生手続の最大の威力の一つで、反対株主による組織再編の妨害を構造的に封じています。逆に言えば、株主の立場で株式交換を止める道はほぼなく、争うなら株主ではなく更生債権者・更生担保権者としての議決権をどう使うかが、現実的な戦場になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「株式交換は株主が決めるものだから、更生会社の株主総会で止められる」と考えるのは、問いの立て方そのものが間違っている。更生手続では計画が株主総会決議に代わり、無価値となった株主は議決の場から外れている。止める主体は、もう株主ではない
- 更生債権者は「どうせ株式で弁済されるなら同じだろう」と思いがちだが、受け取るのが上場株か未上場株か、株式会社の株式か合同会社の持分かで、換金性も責任も税務も全く違う。割当ての中身を読まないと、現金弁済より大幅に不利な対価を掴まされる、その深刻さに気付けない
- 「会社更生は会社法の世界の外」と思われがちだが、株式交換契約の記載事項そのものは会社法767条以下を引いてくる。更生法は会社法の手続を一部省くだけで、設計の中身は会社法と地続きだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 182条の3:株式交換条項の必要的記載事項 | 167条:更生計画で定めるべき事項の総則 168条:更生債権者等の権利変更条項 |
| 規律する対象 | 組織再編(株式交換)の設計と対価の割当て | 計画全体の構成・記載の枠組み 債権・担保権そのものの変更内容 |
| 親会社の類型による分岐 | 株式会社か合同会社かで記載事項が分岐(各項) | 分岐なし(総則的規定) 分岐なし(権利変更の一般則) |
| 会社法との関係 | 会社法767条以下の契約事項を引用しつつ手続を一部省略 | 更生法固有の計画法理 更生法固有の権利変更法理 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は公司重整の中で股份轉換を行う構造で、組織再編の取り込みは日本の更生計画と機能的に近い。
韓国は会生計画の中で株式交換を含む組織再編を実行でき、株主権の調整も計画で行う点が日本に類似する。
ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)で持分・社員権を直接変更でき、債権の株式化(debt-equity swap)を計画で実行する点が共通する。
米国 Chapter 11では再建計画の中で株式の発行・交換・組織再編を広く設計でき、会社更生法の母法的位置づけにある。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし取引先の更生計画で、あなたへの弁済が現金ではなく親会社の株式に変わっていたら、どう動く? 割当比率はこの株式交換条項に書かれ、関係人集会での議決権行使の期限まであと2週間。読み解けなければ、不利な対価のまま可決されてしまう
- あなたが更生会社の管財人だ。スポンサーの合同会社を親会社にする株式交換を計画に組む。社員となる更生債権者等の氏名・出資価額の記載を一つ落とせば、計画条項が不備とされ認可審査でつまずく
- 現金で返ってくると思っていた更生債権が、気付けば未上場の親会社株式に化けていた。換金できず、議決権もわずか。受け取る対価が株式・持分・金銭のどれになるかは、この条項の割当て事項であらかじめ決まっていた。計画が確定した後では、もう動かせない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 届いた更生計画案で、自分の更生債権が「金銭」「株式」「合同会社の持分」のどれで弁済されるか、株式交換条項の割当て事項を真っ先に確認する2. 株式での弁済なら、その株式の換金性(上場か未上場か)と評価額の根拠を精査3. 割当てが不公平、または評価が過大と判断したら、関係人集会での議決権行使で反対の意思を示し、書面で意見を提出4. 計画認可後でも重大な手続違反があれば即時抗告を検討、ただし法定の期間制限に注意
訴えられた側:1. 株式交換条項を計画に組むなら、親会社が株式会社か合同会社かで記載すべき事項が分岐する(182条の3各項)、漏れは認可審査での致命傷2. 合同会社が親会社なら、社員となる更生債権者等の氏名・名称・住所・出資の価額まで特定して記載3. 金銭等を交付するなら、その内容と割当てを明確に定める4. 通常の会社法の株主総会決議は不要だが、計画の公正・衡平性は認可要件、対価の合理性を説明できる資料を準備する
時効(請求できる期限):更生債権の弁済方法への異議は、関係人集会での議決権行使または書面投票の期限までに示す必要がある。更生計画認可の決定に対しては即時抗告ができるが、公告等を起算点とする法定期間があり、徒過すると計画が確定する(具体的な期間は現行法をご確認ください)。通常の消滅時効ではなく、手続上の期限が支配する点に注意
学説
通説:182条の3の記載事項は、株式交換契約の中身を会社法767条以下から引きつつ、更生手続では株主総会決議等を計画で代替する点に特徴がある。記載の漏れは認可審査での不備に直結し、対価の割当ては計画の公正・衡平性審査の対象になると解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:会社更生法の全面改正(旧法の全部改正)により現行法が成立。再建型倒産処理として組織再編を計画に取り込む枠組みが整備された。
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