会社更生法 第213条の2(事業譲渡等に関する特例)
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第百七十四条第六号の規定により更生計画において事業譲渡等(会社法第四百六十七条第一項第一号又は第二号に掲げる行為に限る。)をすることを定めた場合には、同法第二十三条の二の規定及び同法第二十四条第一項の規定により読み替えて適用する商法第十八条の二の規定は、更生会社の債権者については、適用しない。
この条文の基本情報
事業譲渡等に関する特例とは何ですか?
定義事業譲渡等に関する特例とは、会社更生法第213条の2に定められた規定で、「第百七十四条第六号の規定により更生計画において事業譲渡等(会社法第四百六十七条第一項第一号又は第二号に掲げる行為に限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第213条の2(事業譲渡等に関する特例)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第213条の2の条文原文は「第百七十四条第六号の規定により更生計画において事業譲渡等(会社法第四百六十七条第一項第一号又は第二号に掲げる行為に限る。」で始まります。
- 会社更生法第213条の2は第二節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第213条の2の前の条は会社更生法第213条です。
- 会社更生法第213条の2の次の条は会社更生法第214条です。
- 会社更生法第213条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第213条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第213条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/213_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法213条の2は、更生計画にもとづく事業譲渡では、残存債権者が譲受会社へ直接請求できる会社法23条の2等を更生会社の債権者に適用しないと定める特例である。
Q · 更生中の会社が稼ぎ頭の事業を別会社に売ったら、その会社に直接請求できますか?
更生計画にもとづく譲渡なら請求できません
会社更生法213条の2により、更生計画にもとづいて事業譲渡(会社法467条1項1号・2号の行為)が行われる場合、詐害的事業譲渡の残存債権者に譲受会社への直接請求を認める会社法23条の2・商法18条の2は、更生会社の債権者には適用されません。会社更生は裁判所の監督下で全債権者を公平に扱う集団的手続だからです。債権者の回収は譲渡先への追及ではなく、更生計画の配当に一本化されます。
解説
取引先が会社更生手続に入った。あなたはその会社に売掛金2000万円を持つ債権者だ。ある日、その会社で最も儲かっている製造部門が、まるごと別会社へ売却されると知る。普通の事業譲渡なら、あなたには逃げ道がある。会社法23条の2や商法18条の2が、債務逃れ目的の譲渡について、譲受会社へ直接支払いを請求する権利を残存債権者に残しているからだ。ところが会社更生法213条の2は、その扉を閉ざす。更生計画にもとづいて事業譲渡(事業の全部または重要な一部の譲渡)が行われる場合、更生会社の債権者は、譲受会社へ請求する権利を使えない。なぜか。更生手続は裁判所の監督のもとで全債権者を一律に扱う集団的な債務処理であり、個別の債権者が手続の外で譲渡先を追えば、再建の枠組みそのものが崩れるからだ。あなたの戦場は譲渡先ではなく、更生計画の中にある。
法的な位置づけ
会社更生法213条の2は、更生計画にもとづく事業譲渡について残存債権者の保護を制限する特例規定である。更生計画で会社法467条1項1号・2号の事業譲渡を定めた場合、詐害的事業譲渡の残存債権者に譲受会社への直接請求を認める会社法23条の2および商法18条の2は、更生会社の債権者には適用されない。
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法213条の2とは何ですか?
更生計画にもとづく事業譲渡について、残存債権者が譲受会社へ直接請求できる会社法23条の2・商法18条の2を、更生会社の債権者には適用しないと定める特例規定です。
Q2詐害的事業譲渡とは何ですか?
債務逃れの目的で優良事業だけを別会社へ移す譲渡です。通常は会社法23条の2により、残存債権者が譲受会社へ直接支払いを請求できます。
Q3更生計画にもとづく事業譲渡で債権者は何ができますか?
譲渡先を追うことはできません。更生債権を期間内に届け出て、更生計画の配当を受けるのが唯一の回収ルートです。譲渡代金が配当原資になります。
Q4更生債権の届出期間を過ぎるとどうなりますか?
債権は失権し、計画配当も譲渡先への請求も両方失います。届出期間は裁判所が更生手続開始決定で定めるため、まずこの期限を確認することが回収の生命線です。
Q5会社法23条の2はどんな規定ですか?
詐害的な事業譲渡が行われた場合、残存債権者が譲受会社に対し、承継財産の価額を限度に直接支払いを請求できると定める規定です。213条の2が更生時にこれを排除します。
Q6計画外の事業譲渡(会社更生法46条)でも譲受会社を追えませんか?
213条の2の特例は「更生計画にもとづく」譲渡に限られます。手続開始後・計画前の46条による裁判所許可の譲渡では適用関係が変わる場合があり、譲渡が計画内か計画外かの見極めが重要です。
Q7スポンサーが更生会社の事業を買うとき注意点は?
譲渡が更生計画に正式に組み込まれているかを確認します。計画にもとづく譲渡なら213条の2で旧債権者の追及を遮断でき、その確実性を買収価格に反映できます。
Q8関係人集会で譲渡条件に異議を出せますか?
出せます。計画認可前の関係人集会が、譲渡価格や弁済率に意見を述べられる唯一の窓口です。認可後は譲渡先を追う道も計画を覆す道も閉じています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1更生中の会社が事業を売ったら、買った会社に直接お金を請求できないって本当ですか?
本当だ。会社更生法213条の2が、更生計画にもとづく事業譲渡について、譲受会社への直接請求(会社法23条の2、商法18条の2)を更生会社の債権者から外している。あなたの回収は更生計画の配当に一本化される。実務のポイント:この封鎖は「更生計画にもとづく」譲渡に限られる。手続開始前や、計画外の譲渡(会社更生法46条の裁判所許可による事業譲渡)では適用関係が変わることがある。譲渡が計画内か計画外かを最初に見極めるのが、回収可能性を分ける分岐点だ
Q2じゃあ、更生手続に入られたら債権者は泣き寝入りですか?
泣き寝入りではない。譲渡先を追えない代わりに、更生計画の中で弁済を受ける。優良事業が高く売れれば、その売却代金が原資となって弁済率が上がる仕組みだ。実務のポイント:事業譲渡型の更生計画では、譲渡価格そのものが債権者への配当原資を左右する。だから関係人集会で「もっと高く売れるはずだ」「この譲渡条件は安すぎる」と異議を述べることに実益がある。価格に納得できないなら、計画認可の前に声を上げるのが唯一の窓口だ
間違えやすい点 AI による整理
- 「事業譲渡で財産が逃げたら、譲渡先を訴えればいい」と考える人は多い。会社法23条の2がそれを認めているからだ。だが更生計画にもとづく譲渡では、213条の2がこの請求権を更生会社の債権者から取り上げる。一般の知識だけで動くと、勝てない訴訟に費用と時間を注ぐことになる
- 更生手続に入ったら全債権者が平等だと知っている人は多い。だが、その「平等」がどこまで個別行動を縛るかまでは知らない。213条の2は、譲渡先への直接請求という、普段なら当然に使える救済手段まで奪う。平等の代償は、あなたが想像するより重い
- 「どうやって譲渡先から回収するか」を考えている時点で、問いの立て方が誤っている。更生手続では、回収の主戦場は譲渡先ではなく、更生債権の届出と更生計画における弁済率だ。問いを「計画でいくら配当されるか」に切り替えないと、最初から空回りする
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 更生計画にもとづく事業譲渡(会社更生法213条の2) | 手続開始後・計画前の裁判所許可による譲渡(会社更生法46条) 通常時の詐害的事業譲渡(会社法23条の2) |
| 残存債権者の譲受会社への請求権 | 排除される(会社法23条の2・商法18条の2不適用) | 適用関係が変わる場合があり、請求余地が残ることがある 認められる(承継財産の価額を限度に直接請求可) |
| 債権者の回収ルート | 更生計画の配当に一本化(譲渡代金が原資) | 更生手続内の処理が原則だが個別検討の余地 譲受会社への直接請求 |
| 法的根拠 | 会社更生法213条の2(174条6号の譲渡) | 会社更生法46条 会社法23条の2・商法18条の2 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も裁判所監督下の集団的重整手続を持つが、詐害的事業譲渡の残存債権者保護を明文で排除する個別特例の構造は日本と異なる
韓国は会社更生・破産を統合した単一法典で回生計画に基づく営業譲渡を規律。集団的処理優先の発想は日本と共通
ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)と事業移転再建(übertragende Sanierung)により、譲受人が旧債務の承継責任を負わない処理を認める
米国は Chapter 11の § 363で資産を担保・承継責任から切り離した『free and clear』売却を認め、譲受人を旧債権者の追及から保護する点が機能的に類似
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先が会社更生を申し立てた。その直後、稼ぎ頭の製造ラインがそっくり新設会社へ移されると聞いたら、あなたはまず何をする? 譲渡先を調べに走るのは半分間違い。先に確認すべきは更生債権の届出期間と、計画案でその事業がいくらで売られ、債権者にいくら配分されるかだ
- あなたがスポンサーとして、更生手続中の会社から主力事業を買い取る側に立った。普通の M&A なら売主の旧債権者から「詐害的譲渡だ」と後で請求されるリスクを抱えるが、更生計画にもとづく譲渡なら213条の2がその請求を封じる。買収価格を組む前に、この特例が効くかを必ず確認することになる
- 更生計画が認可された。あなたは譲渡先への請求を準備していた。その訴えは、入口で却下される。
- 更生債権の届出期間まであと5日。譲渡先を追う財産調査に時間を使っているうちに期間が過ぎれば、あなたの債権は失権し、譲渡先も計画配当も同時に失う。今すぐ届出書類へ切り替えるべき場面だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引先が会社更生を申し立てたら、譲渡先の財産調査より先に更生債権の届出期間を確認し、期間内に届け出る。これが回収の生命線2. 提出された更生計画案を精査し、事業譲渡の対象範囲・譲渡価格・自分への弁済率を確認3. 価格や弁済率に不服があれば関係人集会で意見を述べ、計画認可前に異議を出す4. その譲渡が更生計画にもとづくものか、計画外の譲渡(会社更生法46条)かを見極める。後者なら譲受会社への請求余地が残る場合がある(最新の解釈状況をご確認ください)
訴えられた側:1. 更生手続中の会社から事業を買う側なら、譲渡が更生計画に正式に組み込まれているかを確認する。213条の2の特例は計画にもとづく譲渡にしか及ばない2. 計画認可決定を得てから譲渡を実行し、認可前の前倒し実行は旧債権者の追及リスクを残す3. 買収契約に、旧債権者からの請求が生じた場合の表明保証・補償条項を入れて二重に防御4. 計画内譲渡であれば会社法23条の2等による残存債権者の請求を遮断できるため、その確実性を買収価格に反映できる
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。実務上の期限は更生債権の届出期間(裁判所が更生手続開始決定で定め、起算点は開始決定の公告時、通常は開始決定から一定期間)。この期間を過ぎると債権は失権し、計画配当も譲渡先への請求も両方失う(最新の手続運用をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)会社法改正整備法、平成27年(2015年)施行 会社法23条の2・商法18条の2による詐害的事業譲渡の残存債権者保護規定の創設に合わせ、更生計画にもとづく事業譲渡では同保護を更生会社の債権者に適用しない特例として新設された
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:会社法23条の2・商法18条の2による詐害的事業譲渡の残存債権者保護規定の創設に合わせ、更生計画にもとづく事業譲渡では同保護を更生会社の債権者に適用しない特例として新設(平成27年・2015年施行)
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