第百七十四条の三の規定により更生計画において更生会社の特別支配株主が株式等売渡請求に係る売渡株式等の取得をすることを定めた場合には、会社法第百七十九条の五、第百七十九条の七及び第百七十九条の八の規定は、適用しない。
要点会社更生法 214 条の 2 は、更生計画で特別支配株主が株式等売渡請求により株式を取得する場合、会社法 179 条の 5・179 条の 7・179 条の 8 を適用しないと定める。
Q · 倒産した会社の株を更生計画で強制買取りされたら、価格に文句を言えないの?
平時の価格決定申立ては使えず、更生計画の認可手続で争う
会社更生法 214 条の 2 により、更生計画(同法 174 条の 3)で特別支配株主が株式等売渡請求の対象株式を取得する場合、会社法 179 条の 5・179 条の 7・179 条の 8 が適用されません。つまり平時なら使える価格決定の単独申立て(179 条の 8)も取得差止請求(179 条の 7)も封じられます。価格や買取条件への不服は、更生計画の認可前の意見提出や認可決定に対する即時抗告という、集団的・手続的な土俵で争うことになります。
あなたが勤め先の持株会や、応援していた企業の株をわずかに持っていたとする。その会社が破綻し、会社更生手続に入った。スポンサーとなった親会社(特別支配株主、議決権の九割以上を握る者)が、あなたを含む少数株主の株を強制的に買い取る。普通の会社なら、買取価格に納得できなければ会社法179条の8で『公正な値段を裁判所が決めてくれ』と一人でも申し立てられる。気に入らなければ179条の7で取得そのものの差止めも狙える。ところが、この買取りが更生計画の中で定められた場合、214条の2が会社法179条の5、179条の7、179条の8の適用を丸ごと外す。価格決定の単独申立ても、差止請求も、平時のルートは全部消える。あなたの不服は、更生計画そのものを舞台に、関係人集会の議決と裁判所の認可という別の土俵で争うしかなくなる。土俵が変われば、武器も期限も全く違うものになる。
会社更生法 214 条の 2 は、株式等売渡請求の特例を定める規定である。更生計画において更生会社の特別支配株主が売渡株式等を取得する旨を定めた場合、会社法 179 条の 5、179 条の 7 及び 179 条の 8 の適用を除外する。これにより少数株主の価格決定申立てと取得差止請求の個別ルートは排除され、不服処理は更生計画の認可手続へ一本化される。
議決権の 9 割以上を握る特別支配株主が、他の株主全員に対し株式を強制的に売り渡すよう請求できる制度です。会社法 179 条が根拠で、少数株主を締め出して完全子会社化する手法です。
更生計画で特別支配株主が売渡株式を取得すると定めた場合に、会社法 179 条の 5・179 条の 7・179 条の 8 を適用除外する規定です。平時の差止めと価格決定申立てが使えなくなります。
価格決定の単独申立ては使えませんが、更生計画案への意見提出や、認可決定に対する即時抗告で争えます。論点は『価格』ではなく『手続の公正かつ衡平性』に移ります。
ある株式会社の総株主の議決権の 10 分の 9 以上を直接・間接に保有する者です。会社法上、株式等売渡請求の主体となれる立場で、更生手続ではスポンサー親会社がこれに該当することがあります。
違法ではありません。少数株主を金銭対価で締め出す適法な手法で、会社法が制度として認めています。ただし対価の公正さや手続の衡平性が争われる余地は残ります。
平時の通常の株式等売渡請求で価格に不満がある場合に、株主が単独で裁判所へ申し立てられます。ただし更生計画による売渡し(会社更生法 214 条の 2)では使えません。
認可決定に対し即時抗告を申し立てます。期間は決定の公告・送達を起点とする短期の不変期間で、一日でも過ぎると認可が確定し争えなくなります。
会社が債務超過の場合、更生計画上、株主は議決権を持たないことがあります(会社更生法の規定、現行効力は要確認)。価格交渉の前提が崩れている点に注意が必要です。
通常の会社法の売渡請求なら179条の8で価格決定を裁判所に申し立てられます。ですが更生計画による売渡し(会社更生法174条の3)では、214条の2がその申立てを丸ごと外します。価格への不服は更生計画の認可手続の中で争うことになります。業界裏話ヒント:破綻会社の株主は、会社が債務超過なら更生計画の議決権すら持たない場合があります。『株主だから価格交渉できる』という前提が崩れていることが多く、争点を価格から手続の衡平性へ切り替えられるかが分かれ目です。
債務超過の更生会社では株主の権利は大幅に削減され、減資で消えることも珍しくありません。本条が関わる売渡請求もその一場面です。ただし会社に残余価値があるケースでは、買取条件の衡平性を不服申立てで争う余地が残ります。業界裏話ヒント:『どうせ価値ゼロ』と諦めて通知を放置する株主が多いのですが、更生計画が『公正かつ衡平』であるかは別問題です。手続の瑕疵や評価の不合理を突けるかどうかは、計画案を実際に読むまで分かりません。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 救済の種類 | 更生計画の認可手続で争う(意見提出+即時抗告) | — |
| 申立ての主体性 | 集団手続の一票+認可決定への不服申立てに集約 | — |
| 適用場面 | 更生計画(174 条の 3)に売渡しを定めた場合 | — |
| 争いの論点 | 更生計画の『公正かつ衡平』性・手続の適法性 | — |
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