会社更生法 第214条の2(株式等売渡請求に係る売渡株式等の取得に関する特例)
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第百七十四条の三の規定により更生計画において更生会社の特別支配株主が株式等売渡請求に係る売渡株式等の取得をすることを定めた場合には、会社法第百七十九条の五、第百七十九条の七及び第百七十九条の八の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
株式等売渡請求に係る売渡株式等の取得に関する特例とは何ですか?
定義株式等売渡請求に係る売渡株式等の取得に関する特例とは、会社更生法第214条の2に定められた規定で、「第百七十四条の三の規定により更生計画において更生会社の特別支配株主が株式等売渡請求に係る売渡株式等の取得をすることを定めた場合には、会社法第百七十九条の五、第百…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第214条の2(株式等売渡請求に係る売渡株式等の取得に関する特例)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第214条の2の条文原文は「第百七十四条の三の規定により更生計画において更生会社の特別支配株主が株式等売渡請求に係る売渡株式等の取得をすることを定めた場合には、会社法第百七十九条の五、第百…」で始まります。
- 会社更生法第214条の2は第二節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第214条の2の前の条は会社更生法第214条です。
- 会社更生法第214条の2の次の条は会社更生法第215条です。
- 会社更生法第214条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第214条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第214条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/214_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法214条の2は、更生計画で特別支配株主が株式等売渡請求により株式を取得する場合、会社法179条の5・179条の7・179条の8を適用しないと定める。
Q · 倒産した会社の株を更生計画で強制買取りされたら、価格に文句を言えないの?
平時の価格決定申立ては使えず、更生計画の認可手続で争う
会社更生法214条の2により、更生計画(同法174条の3)で特別支配株主が株式等売渡請求の対象株式を取得する場合、会社法179条の5・179条の7・179条の8が適用されません。つまり平時なら使える価格決定の単独申立て(179条の8)も取得差止請求(179条の7)も封じられます。価格や買取条件への不服は、更生計画の認可前の意見提出や認可決定に対する即時抗告という、集団的・手続的な土俵で争うことになります。
解説
あなたが勤め先の持株会や、応援していた企業の株をわずかに持っていたとする。その会社が破綻し、会社更生手続に入った。スポンサーとなった親会社(特別支配株主、議決権の九割以上を握る者)が、あなたを含む少数株主の株を強制的に買い取る。普通の会社なら、買取価格に納得できなければ会社法179条の8で『公正な値段を裁判所が決めてくれ』と一人でも申し立てられる。気に入らなければ179条の7で取得そのものの差止めも狙える。ところが、この買取りが更生計画の中で定められた場合、214条の2が会社法179条の5、179条の7、179条の8の適用を丸ごと外す。価格決定の単独申立ても、差止請求も、平時のルートは全部消える。あなたの不服は、更生計画そのものを舞台に、関係人集会の議決と裁判所の認可という別の土俵で争うしかなくなる。土俵が変われば、武器も期限も全く違うものになる。
法的な位置づけ
会社更生法214条の2は、株式等売渡請求の特例を定める規定である。更生計画において更生会社の特別支配株主が売渡株式等を取得する旨を定めた場合、会社法179条の5、179条の7及び179条の8の適用を除外する。これにより少数株主の価格決定申立てと取得差止請求の個別ルートは排除され、不服処理は更生計画の認可手続へ一本化される。
よくある質問 AI による整理
Q1株式等売渡請求とは何ですか?
議決権の9割以上を握る特別支配株主が、他の株主全員に対し株式を強制的に売り渡すよう請求できる制度です。会社法179条が根拠で、少数株主を締め出して完全子会社化する手法です。
Q2会社更生法214条の2は何を定めていますか?
更生計画で特別支配株主が売渡株式を取得すると定めた場合に、会社法179条の5・179条の7・179条の8を適用除外する規定です。平時の差止めと価格決定申立てが使えなくなります。
Q3更生計画で株を強制買取りされたら争えますか?
価格決定の単独申立ては使えませんが、更生計画案への意見提出や、認可決定に対する即時抗告で争えます。論点は『価格』ではなく『手続の公正かつ衡平性』に移ります。
Q4特別支配株主とは何ですか?
ある株式会社の総株主の議決権の10分の9以上を直接・間接に保有する者です。会社法上、株式等売渡請求の主体となれる立場で、更生手続ではスポンサー親会社がこれに該当することがあります。
Q5キャッシュアウトとスクイーズアウトは違法ですか?
違法ではありません。少数株主を金銭対価で締め出す適法な手法で、会社法が制度として認めています。ただし対価の公正さや手続の衡平性が争われる余地は残ります。
Q6会社法179条の8の価格決定申立てはいつ使えますか?
平時の通常の株式等売渡請求で価格に不満がある場合に、株主が単独で裁判所へ申し立てられます。ただし更生計画による売渡し(会社更生法214条の2)では使えません。
Q7更生計画の認可決定に不服がある場合はどうしますか?
認可決定に対し即時抗告を申し立てます。期間は決定の公告・送達を起点とする短期の不変期間で、一日でも過ぎると認可が確定し争えなくなります。
Q8倒産会社の株主に議決権はありますか?
会社が債務超過の場合、更生計画上、株主は議決権を持たないことがあります(会社更生法の規定、現行効力は要確認)。価格交渉の前提が崩れている点に注意が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1倒産した会社の株でも、買取価格が安すぎたら裁判所に文句を言えますよね?
通常の会社法の売渡請求なら179条の8で価格決定を裁判所に申し立てられます。ですが更生計画による売渡し(会社更生法174条の3)では、214条の2がその申立てを丸ごと外します。価格への不服は更生計画の認可手続の中で争うことになります。実務のポイント:破綻会社の株主は、会社が債務超過なら更生計画の議決権すら持たない場合があります。『株主だから価格交渉できる』という前提が崩れていることが多く、争点を価格から手続の衡平性へ切り替えられるかが分かれ目です。
Q2更生手続に入った会社の株は、結局ただの紙切れになるんですか?
債務超過の更生会社では株主の権利は大幅に削減され、減資で消えることも珍しくありません。本条が関わる売渡請求もその一場面です。ただし会社に残余価値があるケースでは、買取条件の衡平性を不服申立てで争う余地が残ります。実務のポイント:『どうせ価値ゼロ』と諦めて通知を放置する株主が多いのですが、更生計画が『公正かつ衡平』であるかは別問題です。手続の瑕疵や評価の不合理を突けるかどうかは、計画案を実際に読むまで分かりません。
間違えやすい点 AI による整理
- 『買取価格が不当だから179条の8で裁判所に決めてもらおう』と考えること自体が、更生計画による売渡しでは的を外している。214条の2でその申立て権は最初から存在しない。問うべきは『価格をいくらにするか』ではなく『更生計画の認可にどう不服を出すか』である。これは立てた問いそのものが誤っている類型だ。
- あなたから見れば『株主なのだから当然、価格に文句を言える』。だが会社更生法から見れば、債務超過の会社の株主は更生計画の議決権すら持たない場合がある(会社更生法166条、現行効力を要確認)。この落差を知らないまま価格交渉に時間を費やすと、不服を出す土俵にすら立てずに終わる。
- 『手続の窓口が会社法から会社更生法へ変わるだけ』と軽く考えがちだが、変わるのは窓口ではなく救済の質である。一人で起こせた価格決定申立てが、集団的な更生計画手続の中の一票と認可への不服申立てに置き換わる。単独で動かせた手が、多数決と裁判所の裁量に飲み込まれる手へと、力の構造ごと変質する。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 救済の種類 | 更生計画の認可手続で争う(意見提出+即時抗告) | 会社法179条の8:価格決定の単独申立て 会社法179条の7:取得の差止請求 |
| 申立ての主体性 | 集団手続の一票+認可決定への不服申立てに集約 | 株主が単独で起こせる 株主が単独で起こせる |
| 適用場面 | 更生計画(174条の3)に売渡しを定めた場合 | 平時の通常の株式等売渡請求 平時の通常の株式等売渡請求 |
| 争いの論点 | 更生計画の『公正かつ衡平』性・手続の適法性 | 売買価格の当否 取得の法令・定款違反、著しい不当性 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は重整手続を公司法に置き、現金逐出は企業併購法で規律する。日本のように更生計画内で会社法の差止め・価格決定を一括除外する明文の特例条文という形はとっていない。
韓国は会社更生に相当する回生手続を統合倒産法に置き、支配株主の売渡請求を商法で定める。両者の接合は日本ほど明示的な適用除外条文を持たない。
ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)とスクイーズアウトを別法で規律する。本条が範とした AktG のスクイーズアウトは株主の差止め・価格審査(Spruchverfahren)を備える点で対照的。
米国 Chapter 11では再建計画(plan of reorganization)の cram down により株主の権利が改変され、不服は計画の confirmation 手続で争う。個別の株式買取救済ではなく計画認可に集約する点で本条と発想が近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、塩漬けにしていた破綻会社の株について『更生計画で1株○円にて売り渡すことになりました』という通知が届いたら? あなたが取れる手は、平時の価格決定申立てではない。更生計画の認可決定に対する不服申立ての期間内に動くしかなく、残された時間はわずか数日のことが多い。
- あなたがスポンサー企業の立場で、更生会社の少数株主を整理し完全子会社化したい。会社法の通常の売渡請求なら179条の7の差止請求や179条の8の価格決定申立てに足を取られる。だが更生計画に174条の3で組み込めば、214条の2でそれらが外れ、手続が一本に束ねられる。
- 破綻会社の株を握ったまま放置していたら、いつの間にか更生計画で強制買取りが決まっていた。気付いたときには認可済み。打つ手はほぼ残っていない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 届いた通知が『会社法179条の通常の売渡請求』か『更生計画による売渡し(会社更生法174条の3)』かをまず判別する。後者なら179条の8の価格決定申立ては使えない2. 更生計画案を閲覧し、買取条件と自分の扱いを確認3. 認可前なら管財人や裁判所へ書面で意見を出す4. 認可決定が出たら不服申立て(即時抗告)の期間を最優先で確認し、倒産・会社法に強い弁護士へ即相談。一般の株主トラブルとは別領域なので窓口選びを誤らない
訴えられた側:1. 少数株主の整理を会社法の通常売渡請求でやるか、更生計画に組み込むかを設計段階で決める。後者なら214条の2で179条の5、179条の7、179条の8が外れ、差止め・価格決定の個別紛争を回避できる2. ただし更生計画は『公正かつ衡平』要件と裁判所の認可を通すため、買取条件の合理性を疎明できる資料を整える3. 議決権を持つ株主がいる場合は関係人集会の議決を見据えた説明を準備する
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。実務上の期限は更生計画の手続スケジュールに従う。最大の山場は認可決定に対する即時抗告で、決定の公告や送達を起点とする短期の不変期間に服する。期間を一日でも過ぎれば認可が確定し、不服申立ての道は閉じる(最新の手続規定をご確認ください)
学説
通説:214条の2は、多数の利害関係人を更生計画という一つの器で迅速に処理する再建手続の要請から、会社法上の個別救済(価格決定申立て・差止請求)を排除し、不服を認可手続へ集約する設計と理解される。個別救済の喪失は、裁判所の認可審査と『公正かつ衡平』要件という集団的・手続的保護で代替される。
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正、平成27年(2015年5月1日)施行 会社法に特別支配株主の株式等売渡請求(キャッシュアウト)制度が新設されたことに伴い、更生計画でこれを行う場合の特例として新設。会社法179条の5、179条の7、179条の8の個別手続規定の適用を除外し、不服処理を更生手続へ一本化した
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:会社法に特別支配株主の株式等売渡請求(キャッシュアウト)制度が新設されたことに伴い、更生計画でこれを行う場合の特例として新設。会社法179条の5・179条の7・179条の8の個別手続規定の適用を除外し、不服処理を更生手続へ一本化した(平成27年〔2015年5月1日〕施行)。
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