会社更生法 第215条(募集株式を引き受ける者の募集に関する特例)
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- 第百七十五条の規定により更生計画において更生会社が募集株式を引き受ける者の募集をすることを定めた場合には、株主に対して会社法第二百二条第一項第一号の募集株式の割当てを受ける権利を与える旨の定款の定めがあるときであっても、株主に対して当該権利を与えないで募集株式を発行することができる。
- 2.第百七十五条第三号の規定により更生計画において更生債権者等又は株主に対して同号の募集株式の割当てを受ける権利を与える旨を定めた場合には、更生会社は、これらの者に対し、次に掲げる事項を通知し、かつ、当該権利を有する更生債権者等の更生債権等につき無記名式の新株予約権証券若しくは無記名式の社債券が発行されているとき又は社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第四章の規定(同法その他の法令において準用する場合を含む。)の適用があるときは、次に掲げる事項を公告しなければならない。
- 一当該更生債権者等又は株主が割当てを受ける募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び数)
- 二第百七十五条第三号の期日
- 三第百七十五条第三号の募集株式の割当てを受ける権利を譲り渡すことができる旨
- 3.前項の規定による通知又は公告は、同項第二号の期日の二週間前にしなければならない。
- 4.第百七十五条第三号の募集株式の割当てを受ける権利を有する者は、更生会社が第二項の規定による通知又は公告をしたにもかかわらず、同項第二号の期日までに募集株式の引受けの申込みをしないときは、当該権利を失う。
- 5.第二項に規定する場合において、第百七十五条第三号の募集株式の割当てを受ける権利を有する更生債権者等又は株主がその割当てを受ける募集株式の数に一株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。
- 6.第一項に規定する場合には、会社法第百九十九条第五項、第二百七条、第二百十条及び第二編第二章第八節第六款の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
募集株式を引き受ける者の募集に関する特例とは何ですか?
定義募集株式を引き受ける者の募集に関する特例とは、会社更生法第215条に定められた規定で、「第百七十五条の規定により更生計画において更生会社が募集株式を引き受ける者の募集をすることを定めた場合には、株主に対して会社法第二百二条第一項第一号の募集株式の割…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第215条(募集株式を引き受ける者の募集に関する特例)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第215条の条文原文は「第百七十五条の規定により更生計画において更生会社が募集株式を引き受ける者の募集をすることを定めた場合には、株主に対して会社法第二百二条第一項第一号の募集株式の割…」で始まります。
- 会社更生法第215条は第二節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第215条の前の条は会社更生法第214条の2です。
- 会社更生法第215条の次の条は会社更生法第216条です。
- 会社更生法第215条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第215条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第215条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/215
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法215条は、更生計画で募集株式の引受人を募集する場合、株主の優先引受権を与えずに新株を発行できると定める。検査役調査や発行差止請求も適用除外となる。
Q · 会社更生に入った会社は、株主の同意なしに新株を発行して持株を薄められるの?
更生計画があれば優先引受権を外して発行できる
会社更生法215条1項により、更生計画で募集株式の引受人を募集すると定めた場合、定款に株主の優先引受権の定めがあっても、その権利を与えずに新株を発行できます。さらに6項で会社法の検査役調査(207条)や発行差止請求(210条)も適用除外となります。一方2項以下は、更生債権者等や株主に割当てを受ける権利を与える場合の通知・公告と2週間ルール(3項)、申込みをしないと権利を失う旨(4項)を定めています。平時の会社法の株主保護が、更生計画というルールブックで上書きされる構造です。
解説
あなたが株を持っていた会社が経営破綻し、会社更生手続に入った。普通の増資なら、会社法202条があなたを守る。定款で既存株主に新株を優先的に引き受ける権利が保障されているからだ。ところが会社更生法215条1項は、その盾を外す。更生計画でスポンサーや債権者に新株を割り当てると決めれば、あなたの優先引受権を無視して増資できる。さらに6項で、検査役の調査(会社法207条、出資財産の価値を専門家が点検する手続)も発行差止請求(同210条、不公正な発行を止める権利)も封じられる。一方で2項以下は、更生債権者や株主に割当てを受ける権利を与える場合の通知ルールを定める。期日まで2週間(3項)、その期日までに引受けの申込みをしなければ権利は失われ(4項)、一株未満の端数は切り捨て(5項)。つまりこの一条は、あなたを守る平時の会社法ルールを停止し、更生計画という別のルールブックの上で株式が再配分される世界を作る。
法的な位置づけ
会社更生法215条は、更生手続における募集株式発行の特例を定める規定である。更生計画で募集株式の引受人を募集すると定めた場合、株主に優先引受権を与える定款の定めがあっても、これを与えずに新株を発行することを認め、あわせて検査役調査や発行差止請求等の会社法上の規定を適用除外とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の立場(株主か更生債権者か)を確定する 会社更生開始の通知が届いたら、まず自分が株主か更生債権者かを確認し、更生計画案の募集株式条項(会社更生法175条・215条関連)を読む。立場により受け取る権利と通知方法が変わる
- 2.割当てを受ける権利の通知から期日を逆算する 「募集株式の割当てを受ける権利を与える」通知(215条2項)が届いたら、記載された期日を即カレンダー化。通知は期日の2週間前までに行われる(3項)ため、到達日から判断スケジュールを組む
- 3.引き受けるか、譲渡するか、放棄するかを決断する 追加出資して引き受けるなら期日までに必ず申込みをする。出資できないなら、失効(4項)を待つより期日前に第三者へ権利を譲渡し対価を得る道を検討する。一株未満の端数は切り捨て(5項)
- 4.計画自体に不満なら関係人集会で意見を述べる 更生計画の希釈条件に不満があれば、認可後に争うのではなく、関係人集会での議決権行使・意見申述で対抗する。計画策定段階が勝負どころとなる
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法215条とは何ですか?
更生手続での募集株式発行の特例規定です。更生計画で引受人を募集すると定めれば、株主の優先引受権を与えずに新株を発行でき、検査役調査や発行差止請求も適用除外になります。
Q2会社更生で100%減資されることはありますか?
あります。上場企業の更生では既存株主の株式が減資で消滅し、スポンサーや債権者に新株を割り当てる例が多いです。215条はその新株発行の優先引受権を外す根拠となります。
Q3DES(債務の株式化)とは何ですか?
更生計画で更生債権の一部を株式に振り替える手法です。債権者は債権者から株主に変わります。215条はその株式割当ての通知・端数処理の手続を定めています。
Q4募集株式の割当てを受ける権利は譲渡できますか?
できます。215条2項3号で「権利を譲り渡すことができる旨」が通知されます。自分で出資できない場合、失効させる前に第三者へ譲渡して対価を得る道があります。
Q5無記名社債を持っている場合の通知方法は?
通知ではなく公告で行われます(215条2項)。官報等を確認していないと、期日を過ぎて権利を失う危険があります。
Q6割当てを受ける募集株式に端数が出たらどうなりますか?
一株未満の端数は切り捨てられます(215条5項)。端数分の金銭精算ではなく、株式として割り当てられないことになります。
Q7更生計画案にはいつ意見を言えますか?
計画案が確定する前の関係人集会・意見申述の段階です。認可後に争うより、策定段階で意見を入れる方がはるかに効果的です。
Q8会社法202条の優先引受権は更生手続でも守られますか?
守られません。215条1項が会社法202条の適用を排除できる特例だからです。平時の株主保護は更生手続では当然には及びません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1持っていた会社が会社更生に入ったら、私の株はどうなるんですか?
更生計画次第である。多くの場合、既存株主の株式は減資(100%減資もある)で消滅または大幅に希釈され、スポンサーや債権者に新株が発行される。215条1項は株主の優先引受権を外して増資できる根拠だ。実務のポイント:上場企業の更生では「既存株主はほぼゼロ」が実務の相場。再建報道で株価が一時上がっても、計画認可で株式が消えるパターンが多く、ここで飛びつくと痛手を負う。株式の取扱い条項を読むまで動かないのが鉄則
Q2「割当てを受ける権利を与える」と通知が来ました。放っておいたらどうなりますか?
期日までに引受けの申込みをしないと、その権利は自動的に失われる(215条4項)。期日の2週間前までに通知されているはずなので(3項)、放置はそのまま権利放棄を意味する。実務のポイント:この権利は「譲り渡すことができる旨」も通知される(2項3号)。自分が出資できないなら、申込みをせず失効させるより、期日前に第三者へ権利を譲渡して対価を得る道がある。捨てる前に譲渡を検討する人は少ない
間違えやすい点 AI による整理
- 「株主には新株を優先的に引き受ける権利があるから、勝手に希釈されない」と思い込んでいる人が多い。だが会社更生法215条1項は、その権利を更生計画一本で外せる。会社法202条の保護は平時の話であり、更生手続では当然には及ばない
- 「更生に入ると株主の立場が弱くなる」ことは知っていても、その弱まり方の深刻さまでは知らない。6項で検査役調査も発行差止請求も封じられる。平時なら「不公正な発行だ」と差止め(会社法210条)を打てるが、更生手続ではそのカードすら手元にない
- あなたから見れば「割当てを受ける権利をもらった、ありがたい」という場面。だが法律から見れば、2項の通知が届いた瞬間に2週間のカウントダウンが始まっている。期日までに申込みをしなければ権利は自動消滅する(4項)。喜びと締切が同じ一通の通知に同居している
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 募集の前提 | 会社更生法215条:更生計画での引受人募集の定め | 会社更生法175条:募集株式引受人の募集の定め(前提規定) 会社法202条:平時の株主への割当てを受ける権利 |
| 株主の優先引受権 | 定款の定めがあっても与えずに発行できる(1項) | 更生計画で割当てを受ける権利を与える場合の通知ルール 原則として株主に優先的に割り当てる |
| 検査役調査・差止請求 | 会社法207条・210条等を適用除外(6項) | 更生手続固有の公正性審査に服する 検査役調査・発行差止請求が利用可能 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も重整計画にもとづく新株発行・出資調整の枠組みを持つ。重整裁定と関係人会議の承認を要する点で日本の更生計画認可と類似する。
韓国は回生計画にもとづき新株発行・出資転換(DES)を行う。既存株主の権利調整が回生計画で定められる点で日本に近い。
ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)で債権の持分転換(Debt-Equity-Swap)を認め、既存株主の同意要件を緩和する。2012年 ESUG 改正で導入された。
米国はチャプター11の再建計画で証券発行・持分調整を行う。日本の会社更生法はこのチャプター11系の再建型倒産手続を範としている。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 投資先からある日、会社更生手続開始の通知。続いて「募集株式の割当てを受ける権利を与える」通知が届く。期日まであと2週間。申込書を出さなければ権利は消える(4項)。あなたは追加出資するか、権利を捨てるか、限られた日数で決断を迫られる
- 長年保有してきた優良企業の株。市況の急変で会社更生入り。更生計画はスポンサーに新株の大半を割り当て、あなたの優先引受権は215条1項で外された。気付いたときには持株比率が数十分の一に希釈されていた
- もし、あなたが取引先に売掛金を持ったまま、その会社が更生手続に入ったら? 更生計画で債権の一部が株式に振り替えられ(DES)、あなたは債権者から株主になる。215条はその株式割当ての通知と端数処理の手続を定めている
- 無記名社債を持っていた。あなたへの連絡は通知ではなく公告で行われる仕組みだ(2項)。官報を見ていなければ、気付かぬうちに期日を過ぎ、権利を失う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 会社更生開始の通知が来たら、まず自分が株主か更生債権者かを確定し、更生計画案の募集株式条項(会社更生法175条・215条関連)を読む2. 「割当てを受ける権利を与える」通知(215条2項)が届いたら、記載された期日を即カレンダー化、2週間ルール(3項)を踏まえ資金を準備3. 引き受けるなら期日までに必ず申込み、しなければ権利失効(4項)、一株未満は切り捨て(5項) 4. 計画自体に不満なら、関係人集会での議決権行使・意見申述で対抗する
訴えられた側:1. 更生計画で募集株式の引受人募集を定める場合、215条1項で株主の優先引受権を外せるが、計画の認可が前提2. 2項の通知事項(割当株式数・期日・権利を譲り渡せる旨)を漏れなく記載、無記名証券・振替制度適用時は公告も実施3. 通知・公告は期日の2週間前までに完了(3項)、遅れれば手続の瑕疵となる4. 6項で会社法の検査役調査・差止請求等は適用除外だが、更生手続固有の公正性審査は受ける
時効(請求できる期限):通知・公告は割当ての期日の2週間前までに行わなければならない(会社更生法215条3項)。権利者は当該期日までに引受けの申込みをしなければ権利を失う(同4項)。起算点は215条2項2号の期日(=175条3号の期日)
学説
通説:215条は更生会社の再建に必要な資本注入を実現するため、平時の会社法が株主に与える優先引受権・検査役調査・発行差止請求を停止する特例と理解されている。個別の株主保護を切る代わりに、更生計画の認可と関係人集会の議決という手続的正当性で公正性を担保する構造とされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:旧会社更生法制定。米国連邦倒産法の会社更生(Chapter X)を範とし、更生計画による新株発行の特例の原型が置かれた。
- 2.平成14年(2002年) 改正:会社更生法の全部改正(平成14年法律第154号)。手続の迅速化・合理化の中で募集株式の特例が現行215条として整理された。
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