会社更生法 第210条(株主総会の決議等に関する法令の規定等の排除)
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- 更生計画の遂行については、会社法その他の法令又は定款の規定にかかわらず、更生会社又は第百八十三条に規定する条項により設立される株式会社の株主総会の決議その他の機関の決定を要しない。
- 2.更生計画の遂行については、会社法その他の法令の規定にかかわらず、更生会社又は第百八十三条に規定する条項により設立される株式会社の株主又は新株予約権者は、更生会社又は同条に規定する条項により設立される株式会社に対し、自己の有する株式又は新株予約権を買い取ることを請求することができない。
- 3.更生計画の遂行については、会社法第八百二十八条、第八百二十九条及び第八百四十六条の二の規定にかかわらず、更生会社又は第百八十三条に規定する条項により設立される株式会社の株主等(同法第八百二十八条第二項第一号に規定する株主等をいう。)、新株予約権者、破産管財人又は債権者は、同法第八百二十八条第一項各号に掲げる行為の無効の訴え、同法第八百二十九条各号に掲げる行為が存在しないことの確認の訴え又は同法第八百四十六条の二第二項に規定する売渡株式等の取得の無効の訴えを提起することができない。
この条文の基本情報
株主総会の決議等に関する法令の規定等の排除とは何ですか?
定義株主総会の決議等に関する法令の規定等の排除とは、会社更生法第210条に定められた規定で、「更生計画の遂行については、会社法その他の法令又は定款の規定にかかわらず、更生会社又は第百八十三条に規定する条項により設立される株式会社の株主総会の決議その他の機…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第210条(株主総会の決議等に関する法令の規定等の排除)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第210条の条文原文は「更生計画の遂行については、会社法その他の法令又は定款の規定にかかわらず、更生会社又は第百八十三条に規定する条項により設立される株式会社の株主総会の決議その他の機…」で始まります。
- 会社更生法第210条は第二節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第210条の前の条は会社更生法第209条です。
- 会社更生法第210条の次の条は会社更生法第211条です。
- 会社更生法第210条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第210条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第210条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/210
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法210条は、更生計画の遂行について株主総会決議を不要とし、株主の買取請求と組織行為の無効訴訟を封じる規定。再建の確実性を株主権に優先させる。
Q · 投資先が会社更生に入ったら、株主総会で減資に反対したり、株を買い取らせたりできますか?
できません。会社更生法210条が反対権・買取請求・無効訴訟を封じます
会社更生法210条により、裁判所が認可した更生計画の遂行については、会社法その他の法令や定款にかかわらず株主総会の決議は不要です(1項)。株主・新株予約権者は会社に株式等の買取りを請求できず(2項)、会社法828条・829条・846条の2の無効の訴え等も提起できません(3項)。100%減資で株式が無価値になっても、株主総会も買取請求も無効訴訟も使えず、現実的な出口は上場廃止前の売却か税務上の損失確定に絞られます。
解説
投資先の上場企業が経営破綻し、会社更生手続に入ったとする。あなたは株主だ。普通の感覚なら「株主総会で経営陣を問い詰める」「持ち株を会社に買い取らせる」「不当な減資なら無効を訴える」と考える。会社更生法210条は、その三つの扉をすべて閉じる。更生計画の遂行については、会社法その他の法令や定款の規定にかかわらず、株主総会の決議は不要(1項)、株主の買取請求はできず(2項)、組織に関する行為の無効の訴えも提起できない(3項)。つまり裁判所が認可した更生計画の前では、株主の通常のコーポレートガバナンス上の権利は丸ごと停止する。100%減資で株式が紙くずになっても、株主総会も裁判も使えない。会社を動かしているのは、あなたではなく裁判所が選んだ管財人だ。
法的な位置づけ
会社更生法210条は、更生計画の遂行についての特則であり、会社法その他の法令や定款にかかわらず、株主総会の決議を不要とし、株主・新株予約権者の株式等買取請求権を排除し、会社の組織に関する行為の無効の訴え等の提起を封じる規定である。再建の確実性を個別株主の権利に優先させる機能を持つ。
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法210条とは何ですか?
会社更生法210条は、更生計画の遂行について株主総会の決議を不要とし、株主の買取請求と無効の訴えを封じる規定です。再建の確実性を株主権に優先させます。
Q2会社更生で株主総会は開かれますか?
開かれません。210条1項により、更生計画の遂行に株主総会の決議は要らず、計画は裁判所が選任した管財人によって遂行されます。
Q3更生計画に株主は反対できますか?
原則できません。会社が債務超過と判定されると関係人集会で株主に議決権はなく、計画は株主の同意なしに認可・遂行されます。
Q4100%減資された株主は補償を受けられますか?
原則として補償はありません。債務超過なら法的弁済順位で株主は債権者の後順位となり、残余財産がゼロなら株主の取り分もゼロです。
Q5会社更生法210条の無効訴訟禁止はいつまで及びますか?
更生計画の遂行に関する無効の訴えは210条3項で封じられます。ただし認可決定そのものへの即時抗告は更生手続内の別ルートとして残ります。
Q6新株予約権者も買取請求できないのですか?
できません。210条2項は株主だけでなく新株予約権者の買取請求も明文で排除しています。
Q7更生管財人は株主の同意なく新株を発行できますか?
発行できます。更生計画に新株発行条項があれば、210条1項により株主総会決議を経ずに管財人が新株を発行しスポンサーへ割り当てられます。
Q8会社更生中の株はいつ上場廃止になりますか?
会社更生を申請した株は整理ポストに移され、通常は数週間で上場廃止となります。処分するなら上場廃止前の市場売却が現実的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1持っていた株の会社が会社更生になったら、株はどうなるんですか?
多くの場合、更生計画で100%減資が行われ、既存株式は無価値になります。会社法上の反対株主の買取請求(会社法116条)も、会社更生法210条2項で使えません。上場廃止前に市場で処分するか、税務上の損失として確定させるかが現実的な選択です。実務のポイント:会社更生を申請した株は「整理ポスト」に移され数週間で上場廃止になる。この期間に売れば数円でも回収できるが、「再建したら戻る」と期待して持ち続けた株主の多くは全損する。減資の規模が出る前の初動が分かれ目です。
Q2減資のやり方が不公平だと思ったら、裁判で争えないんですか?
更生計画の遂行に関しては、会社更生法210条3項が会社法828条(組織行為の無効の訴え)、829条(不存在確認の訴え)の提起を封じています。通常の会社訴訟ルートは閉じています。ただし更生計画の認可決定そのものに対しては、即時抗告という別の不服申立てが更生手続内にあります。実務のポイント:弁護士は「無効の訴えは無理だが、認可決定への即時抗告なら可能性がある」と知っている。封じられているのは計画遂行行為への事後的な無効訴訟であって、計画認可という裁判所の判断への不服申立ては別軌道。争うなら入口を間違えないことです。
Q3会社更生と民事再生って、株主にとって何が違うんですか?
会社更生は経営陣が退いて管財人が会社を支配し、株主権は会社更生法210条でほぼ停止します。一方民事再生は原則として経営陣が残り(DIP型)、株主の地位も維持されやすい。同じ倒産でも株主の運命は正反対です。実務のポイント:大企業の再建で「会社更生」が選ばれると、それは既存株主を一掃して新スポンサーに資本を入れ替える合図であることが多い。報道で手続名を見た瞬間、株主は自分の株がどちらの扱いになるかを読み取れる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「株主は会社の所有者だから、最終的には株主総会が会社の命運を握る」と思われている。だが会社更生に入った瞬間、その大原則は逆転する。210条1項により、計画遂行に株主総会の決議は要らない。所有者であるはずの株主が、自社の再建プロセスから完全に締め出される。
- 「減資が不当なら裁判で無効にできるはずだ」という問いの立て方自体が、更生手続では成り立たない。210条3項が会社法828条の無効訴訟、829条の不存在確認訴訟を端から封じているため、「訴えられるか」ではなく「訴える道がそもそも閉じている」が正しい理解だ。
- 株主から見れば「権利を奪われた」だが、債権者から見れば「当然の順位」だ。会社が債務超過なら、法的な弁済順位で株主は債権者の後ろ。残余財産がゼロなら株主の取り分もゼロ。210条はこの順位を手続的に貫徹しているにすぎない。この落差を理解しないと、的外れな怒りで時間を浪費する。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 株主総会の決議 | 会社更生法210条1項:計画遂行に決議は不要 | 会社法295条:株主総会が会社の意思決定機関 |
| 株式の買取請求 | 会社更生法210条2項:買取請求できない | 会社法116条:反対株主は会社に買取請求できる |
| 無効の訴え | 会社更生法210条3項:提起できない | 会社法828条:組織行為の無効を訴えられる 会社法829条:行為の不存在確認を訴えられる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も会社重整中は重整人の申立てにより裁判所が会社法の一部規定の適用を排除でき、株主権が制限される点で共通する。
韓国の회생절차(回生手続)でも回生計画により株主権が大幅に変更・消滅し、株主の個別異議は制限される。
ドイツも ESUG 改正以降、倒産計画(Insolvenzplan)で株主の持分権を計画に取り込み、株主の同意なく資本構成を変更できる。
米国のチャプター11でも絶対優先原則により債務超過なら株主は無配当となり、再編計画で株式が消却される。日本会社更生法のモデルとされる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保有株が会社更生を申請したら、株主総会で減資に反対できるのか。答えはノー。210条1項が株主総会決議そのものを不要とし、計画認可までの数か月が、株主として声を上げられる最後の窓になる。
- あなたが選任された更生管財人だとする。更生計画に基づき新株を発行し、スポンサー企業に割り当てる。既存株主が「手続が不当だ」と無効の訴えを起こそうとしても、210条3項がそれを封じる。株主の妨害を恐れず、計画を粛々と遂行できる。
- 減資と新株発行であなたの持ち分は一気に薄まる。通常の会社法なら反対株主は会社に買取請求できる(会社法116条)。だが更生会社相手には210条2項でそれが使えない。出口は、上場廃止前に市場で売るか、無価値のまま持ち続けるかの二択になる。
- 再建企業のスポンサーになろうとする投資ファンドにとって、210条は安全装置だ。買収後に旧株主から無効の訴えを起こされるリスクがないから、安心して資本を入れられる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず手続の種類を確認。会社更生なら株主権はほぼ停止、民事再生なら株主が残る可能性がある2. 会社が債務超過か否かの認定を追う。債務超過なら関係人集会で株主に議決権はなく、計画は株主の同意なしに進む3. 210条で株主総会・買取請求・無効訴訟の三つが封じられている前提で、現実的な出口は上場廃止前の市場売却か、税務上の損失確定(株式評価損)に絞られる4. 詐害的な手続には裁判所への上申という別ルートもあるため、倒産法に詳しい弁護士に相談する
訴えられた側:1. 更生計画の遂行は管財人の権限と義務(会社更生法72条、209条)。株主総会を開く必要はないが、認可決定の効力範囲内で動くこと2. 210条が無効訴訟を封じるのは「更生計画の遂行についての行為」に限られる。計画と無関係な行為まで免責されると誤解しない3. 新会社設立条項(183条)に基づく組織再編は会社法の通常手続を経ずに実行できるが、登記嘱託など手続要件は別途確認4. 株主への情報提供を怠ると後の紛争リスクが残るため、手続の透明性は維持する
時効(請求できる期限):特定の消滅時効を定めた条文ではない。株主が動ける実質的なリミットは更生計画認可決定の前まで。認可後は210条により株主総会決議・買取請求・無効訴訟がいずれも封じられる。手続上の異議申立てには更生手続内の各期日(関係人集会等)が個別の期限となる(最新の手続状況をご確認ください)。
学説
通説:会社更生法210条は、更生計画遂行の確実性という集団的・公益的目的のために、株主総会決議・買取請求・無効訴訟という個別株主の権利を手続的に停止する規定と解される。会社が債務超過であれば株主の経済的取り分は本来ゼロであり、再建を妨害する力を株主に残す合理性は乏しいとして、再建の確実性を株主権に優先させる立法趣旨が支持されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年) 会社更生法の全部改正による新法制定で本条を整備。旧法下の株主総会決議排除の趣旨を、更生計画遂行に係る決議排除・買取請求排除・無効訴訟排除として現行の形に再構成
- 平成26年(2014年)会社法改正に伴う改正 会社法改正で特別支配株主の株式等売渡請求(売渡株式等の取得の無効の訴え、会社法846条の2)が新設されたことを受け、3項に同条の無効訴訟排除を追加
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:会社更生法の全部改正による新法制定。旧法下の更生計画遂行に係る株主総会決議排除の趣旨を、決議排除・買取請求排除・無効訴訟排除として現行の三項構成に再構成した。
- 2.平成26年(2014年) 改正:会社法改正で特別支配株主の株式等売渡請求(売渡株式等の取得の無効の訴え、会社法846条の2)が新設されたことを受け、3項に同条の無効訴訟排除を追加した。
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