要点会社更生法210条は、更生計画の遂行について株主総会決議を不要とし、株主の買取請求と組織行為の無効訴訟を封じる規定。再建の確実性を株主権に優先させる。
Q · 投資先が会社更生に入ったら、株主総会で減資に反対したり、株を買い取らせたりできますか?
できません。会社更生法210条が反対権・買取請求・無効訴訟を封じます
会社更生法210条により、裁判所が認可した更生計画の遂行については、会社法その他の法令や定款にかかわらず株主総会の決議は不要です(1項)。株主・新株予約権者は会社に株式等の買取りを請求できず(2項)、会社法828条・829条・846条の2の無効の訴え等も提起できません(3項)。100%減資で株式が無価値になっても、株主総会も買取請求も無効訴訟も使えず、現実的な出口は上場廃止前の売却か税務上の損失確定に絞られます。
投資先の上場企業が経営破綻し、会社更生手続に入ったとする。あなたは株主だ。普通の感覚なら「株主総会で経営陣を問い詰める」「持ち株を会社に買い取らせる」「不当な減資なら無効を訴える」と考える。会社更生法210条は、その三つの扉をすべて閉じる。更生計画の遂行については、会社法その他の法令や定款の規定にかかわらず、株主総会の決議は不要(1項)、株主の買取請求はできず(2項)、組織に関する行為の無効の訴えも提起できない(3項)。つまり裁判所が認可した更生計画の前では、株主の通常のコーポレートガバナンス上の権利は丸ごと停止する。100%減資で株式が紙くずになっても、株主総会も裁判も使えない。会社を動かしているのは、あなたではなく裁判所が選んだ管財人だ。
会社更生法210条は、更生計画の遂行についての特則であり、会社法その他の法令や定款にかかわらず、株主総会の決議を不要とし、株主・新株予約権者の株式等買取請求権を排除し、会社の組織に関する行為の無効の訴え等の提起を封じる規定である。再建の確実性を個別株主の権利に優先させる機能を持つ。
会社更生法210条は、更生計画の遂行について株主総会の決議を不要とし、株主の買取請求と無効の訴えを封じる規定です。再建の確実性を株主権に優先させます。
開かれません。210条1項により、更生計画の遂行に株主総会の決議は要らず、計画は裁判所が選任した管財人によって遂行されます。
原則できません。会社が債務超過と判定されると関係人集会で株主に議決権はなく、計画は株主の同意なしに認可・遂行されます。
原則として補償はありません。債務超過なら法的弁済順位で株主は債権者の後順位となり、残余財産がゼロなら株主の取り分もゼロです。
更生計画の遂行に関する無効の訴えは210条3項で封じられます。ただし認可決定そのものへの即時抗告は更生手続内の別ルートとして残ります。
できません。210条2項は株主だけでなく新株予約権者の買取請求も明文で排除しています。
発行できます。更生計画に新株発行条項があれば、210条1項により株主総会決議を経ずに管財人が新株を発行しスポンサーへ割り当てられます。
会社更生を申請した株は整理ポストに移され、通常は数週間で上場廃止となります。処分するなら上場廃止前の市場売却が現実的です。
多くの場合、更生計画で100%減資が行われ、既存株式は無価値になります。会社法上の反対株主の買取請求(会社法116条)も、会社更生法210条2項で使えません。上場廃止前に市場で処分するか、税務上の損失として確定させるかが現実的な選択です。業界裏話ヒント:会社更生を申請した株は「整理ポスト」に移され数週間で上場廃止になる。この期間に売れば数円でも回収できるが、「再建したら戻る」と期待して持ち続けた株主の多くは全損する。減資の規模が出る前の初動が分かれ目です。
更生計画の遂行に関しては、会社更生法210条3項が会社法828条(組織行為の無効の訴え)、829条(不存在確認の訴え)の提起を封じています。通常の会社訴訟ルートは閉じています。ただし更生計画の認可決定そのものに対しては、即時抗告という別の不服申立てが更生手続内にあります。業界裏話ヒント:弁護士は「無効の訴えは無理だが、認可決定への即時抗告なら可能性がある」と知っている。封じられているのは計画遂行行為への事後的な無効訴訟であって、計画認可という裁判所の判断への不服申立ては別軌道。争うなら入口を間違えないことです。
会社更生は経営陣が退いて管財人が会社を支配し、株主権は会社更生法210条でほぼ停止します。一方民事再生は原則として経営陣が残り(DIP型)、株主の地位も維持されやすい。同じ倒産でも株主の運命は正反対です。業界裏話ヒント:大企業の再建で「会社更生」が選ばれると、それは既存株主を一掃して新スポンサーに資本を入れ替える合図であることが多い。報道で手続名を見た瞬間、株主は自分の株がどちらの扱いになるかを読み取れる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
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| 株主総会の決議 | 会社更生法210条1項:計画遂行に決議は不要 | — |
| 株式の買取請求 | 会社更生法210条2項:買取請求できない | — |
| 無効の訴え | 会社更生法210条3項:提起できない | — |
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