会社更生法 第211条(更生会社の取締役等に関する特例)
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- 第百七十三条の規定により更生計画において取締役(更生会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項及び次項において同じ。)、会計参与、監査役、代表取締役、各委員会の委員、執行役、代表執行役、会計監査人、清算人又は代表清算人の氏名又は名称を定めたときは、これらの者は、更生計画認可の決定の時に、それぞれ、取締役、会計参与、監査役、代表取締役、各委員会の委員、執行役、代表執行役、会計監査人、清算人又は代表清算人となる。
- 2.第百七十三条の規定により更生計画において取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人又は清算人の選任の方法を定めたときは、これらの者の選任は、更生計画に定める方法による。
- 3.第百七十三条第一項第二号から第四号まで若しくは第八号又は第二項第二号の規定により更生計画において代表取締役、各委員会の委員、代表執行役又は代表清算人の選定の方法を定めたときは、これらの者の選定は、更生計画に定める方法による。
- 4.更生会社の従前の取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人又は清算人は、更生計画認可の決定の時に退任する。ただし、第一項の規定により引き続き取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人又は清算人となることを妨げない。
- 5.前項の規定は、更生会社の従前の代表取締役、各委員会の委員、代表執行役又は代表清算人について準用する。
- 6.第一項から第三項までの規定により取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人又は清算人に選任された者の任期及びこれらの規定により代表取締役、各委員会の委員、代表執行役又は代表清算人に選定された者の任期は、更生計画の定めるところによる。
この条文の基本情報
更生会社の取締役等に関する特例とは何ですか?
定義更生会社の取締役等に関する特例とは、会社更生法第211条に定められた規定で、「第百七十三条の規定により更生計画において取締役(更生会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第211条(更生会社の取締役等に関する特例)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第211条の条文原文は「第百七十三条の規定により更生計画において取締役(更生会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。」で始まります。
- 会社更生法第211条は第二節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第211条の前の条は会社更生法第210条です。
- 会社更生法第211条の次の条は会社更生法第211条の2です。
- 会社更生法第211条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第211条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第211条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/211
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法211条は、更生計画認可の決定の時に、計画で定めた新役員が就任し、従前の取締役・監査役等が自動退任すると定める規定。株主総会の決議を経ずに経営陣が交代する。
Q · 会社更生に入ると、経営陣はいつ、どうやって入れ替わるの?
更生計画認可の決定の時に、旧役員が退任し新役員が就任します
会社更生法211条により、更生計画で新しい取締役・監査役・代表取締役等の氏名や選任方法を定めた場合、これらの者は更生計画認可の決定の時にそのまま就任します(1〜3項)。同じ瞬間に、更生会社の従前の取締役・監査役・代表取締役等は自動的に退任します(4・5項)。株主総会の選任決議も解任決議も不要で、本人の同意や辞令も要りません。就任した役員の任期も、会社法の通常ルールではなく更生計画の定めるところによります(6項)。誰を計画に書き込むかを制した者が、認可の瞬間に会社の経営権を握ることになります。
解説
あなたが上場企業の取締役だとして、会社が会社更生手続に入ったとする。あなたはいつ、どうやってその座を失うのか。普通の会社なら、取締役を辞めさせるには株主総会の解任決議が要る(会社法339条)。だが会社更生は違う。更生計画に新しい役員の氏名が書き込まれ、その計画が裁判所に認可された瞬間、あなたを含む旧経営陣は全員、自動的に退任する。株主総会も、あなたの同意も、辞令も要らない。そして計画が指名した人物が、同じ瞬間に新しい取締役、代表取締役、監査役へと一斉に入れ替わる。会社更生の現場では、株主の株式が100パーセント減資でゼロになることも珍しくない。つまり、あなたを選んだ株主たちも、もう発言権を持たない。211条は、会社の頭脳を丸ごと載せ替える、その一点のスイッチである。
法的な位置づけ
会社更生法211条は、更生計画に基づく役員等の就任および退任の特例を定める規定である。更生計画で取締役・会計参与・監査役・代表取締役・執行役・会計監査人等の氏名または選任・選定の方法を定めた場合、これらの者は更生計画認可の決定の時に就任し、更生会社の従前の役員は同時に退任する。就任した役員の任期も更生計画の定めるところによる。
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法211条とは何ですか?
更生計画で定めた役員が更生計画認可の決定の時に就任し、従前の役員が同時に退任すると定める特例規定です。株主総会を経ずに経営陣が入れ替わります。
Q2会社更生で役員はいつ交代しますか?
更生計画認可の決定の時です。この一点で、計画に名前が載った新役員が就任し、従前の取締役・監査役・代表取締役等が自動的に退任します(211条4項)。
Q3更生計画に名前があれば役員は残れますか?
残れます。211条4項ただし書と1項により、更生計画に役員として氏名が書き込まれていれば、認可の時にそのまま引き続き在任できます。
Q4会社更生 従前の役員 退任 いつ
更生計画認可の決定の時に退任します(211条4項・5項)。解任通知や辞令は不要で、認可決定の効力で当然に地位を失います。
Q5会社更生 スポンサー 経営陣 送り込み
スポンサーが送り込む経営陣は、更生計画にその氏名を書き込み、計画が認可されれば株主総会を開かずに就任します。計画策定段階が勝負どころです。
Q6会社更生 役員 任期 どう決まる
更生計画の定めるところによります(211条6項)。会社法332条の通常の任期ルールではなく、計画が独自に任期を設定できます。
Q7会社更生100パーセント減資 株主 影響
株式が100パーセント減資でゼロになると、株主は経済的実体を失い、役員選任プロセスからも締め出されます。経営陣は管財人・スポンサー・裁判所の認可で決まります。
Q8会社更生 管財人 経営権
更生手続中の会社の事業経営権と財産管理処分権は更生管財人に専属します(会社更生法72条)。旧経営陣は認可時に退任するまで経営権を持ちません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社更生に入ったら、今の社長は必ずクビになるんですか?
原則として退任します。211条4項が、更生会社の従前の取締役や監査役は更生計画認可の決定の時に退任すると定めているからです。ただし同項ただし書と1項により、更生計画にその人物の名が役員として書き込まれていれば、引き続き在任できます。実務のポイント:旧経営陣が再建後も残れるかは、管財人が破綻の原因に旧経営陣の責任をどう見るかで決まる。粉飾や放漫経営なら一掃、外的要因による破綻なら現経営陣の続投もありうる。
Q2更生計画で決まった取締役は、後で株主総会で解任できないんですか?
更生計画で就任した役員の任期は、211条6項により更生計画の定めるところによります。会社法の通常の任期ルール(会社法332条)ではなく、計画が独自に任期を設定できるのです。その任期が満了した後の選任は、通常の手続に戻ります。実務のポイント:更生計画はあえて短い任期を設定し、再建の進捗を節目で見直す設計にすることがある。任期の長短そのものが、再建の主導権を誰が握り続けるかという無言のメッセージになっている。
間違えやすい点 AI による整理
- 「取締役を辞めさせるには株主総会の決議が必要」と思い込んでいるが、会社更生では更生計画の認可だけで旧経営陣が全員退任する(211条4項)。株主総会の解任決議は要らず、本人の抵抗も効かない
- 「会社更生でも、結局は株主が新しい経営陣を選ぶのだろう」という問いの立て方そのものが誤っている。更生会社の株主はしばしば100パーセント減資で株式を失っており、選任プロセスから完全に締め出されている。誰が経営者になるかは、管財人とスポンサー、そして裁判所の認可で決まる
- 「役員が入れ替わる」ことは知っていても、その入れ替えが認可決定の時に一斉に自動的に起こる重さを見落としている。任期も選定方法も全部更生計画の定め次第で、従前の任期はそこでリセットされる(211条6項)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役員選任・退任の主体 | 会社更生法211条:更生計画 + 裁判所の認可決定 | 会社法329条:株主総会の選任決議 会社法339条:株主総会の解任決議 |
| 効力発生の時点 | 更生計画認可の決定の時に自動で就任・退任 | 株主総会の選任決議の効力発生時 株主総会の解任決議の効力発生時 |
| 株主の関与 | なし(100パーセント減資で株主が消滅する場合も) | あり(株主が議決権を行使) あり(株主が議決権を行使) |
| 役員の任期 | 更生計画の定めるところによる(211条6項) | 会社法332条の法定・定款による任期 解任により任期の途中でも終了 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の公司重整も、重整人・重整監督人や新経営体制を重整計畫で定め、法院の認可を経て効力を生じる点で類似する
ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)と ESUG による自己管理手続で機関再編を行うが、株主の権利を計画に組み込む手続がより明文化されている
米国 Chapter 11の再建計画も新経営陣や取締役の選任を計画に定め、裁判所の confirmation により効力を生じる。日本の会社更生法はこの構造を継受した
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- スポンサー企業として破綻会社の再建を引き受ける。あなたが送り込む経営陣は、株主総会を一度も開かずに、更生計画の認可と同時に就任する。通常の買収なら株主総会決議という関門があるが、ここではその一手間が消える。誰を入れるかを計画に書き込めた者が、会社の支配権を握る
- あなたは更生会社の代表取締役。更生計画案が裁判所に提出された。認可期日まであと数週間。その計画にあなたの名前が役員として載っているか載っていないか、たったそれだけで、認可決定の瞬間にあなたが残るか去るかが決まる。今この数週間が、あなたの去就の分水嶺だ
- もし、あなたが投資した会社が会社更生に入り、次の経営陣が誰になるか株主に一切諮られないまま決まったとしたら? それがこの条文が動いている世界である
学説
通説:211条は、迅速な事業再建の要請から、株主総会の選任・解任決議という会社法の原則を排除し、役員の就任・退任を更生計画と認可決定に一元化した特則と解される。株主が100パーセント減資で経済的実体を失う場面が多いことが、株主の選任権排除を正当化する根拠とされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)制定・平成15年(2003年)施行 旧会社更生法の全部改正により現行法が成立し、更生計画認可の時点における役員等の就任・退任の特例として本条を整備した
- 平成26年(2014年)会社法改正・平成27年(2015年)施行 監査等委員会設置会社の新設に対応し、1項などに監査等委員である取締役等の文言を追加した
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:旧会社更生法の全部改正により現行法(平成14年法律第154号)が成立し、更生計画認可の時点における役員等の就任・退任の特例として本条を整備した
- 2.平成26年(2014年) 改正:会社法改正(監査等委員会設置会社の新設)に対応し、1項などに監査等委員である取締役等の文言を追加した(平成27年施行)
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