要点会社更生法 211 条は、更生計画認可の決定の時に、計画で定めた新役員が就任し、従前の取締役・監査役等が自動退任すると定める規定。株主総会の決議を経ずに経営陣が交代する。
Q · 会社更生に入ると、経営陣はいつ、どうやって入れ替わるの?
更生計画認可の決定の時に、旧役員が退任し新役員が就任します
会社更生法 211 条により、更生計画で新しい取締役・監査役・代表取締役等の氏名や選任方法を定めた場合、これらの者は更生計画認可の決定の時にそのまま就任します(1〜3 項)。同じ瞬間に、更生会社の従前の取締役・監査役・代表取締役等は自動的に退任します(4・5 項)。株主総会の選任決議も解任決議も不要で、本人の同意や辞令も要りません。就任した役員の任期も、会社法の通常ルールではなく更生計画の定めるところによります(6 項)。誰を計画に書き込むかを制した者が、認可の瞬間に会社の経営権を握ることになります。
あなたが上場企業の取締役だとして、会社が会社更生手続に入ったとする。あなたはいつ、どうやってその座を失うのか。普通の会社なら、取締役を辞めさせるには株主総会の解任決議が要る(会社法339条)。だが会社更生は違う。更生計画に新しい役員の氏名が書き込まれ、その計画が裁判所に認可された瞬間、あなたを含む旧経営陣は全員、自動的に退任する。株主総会も、あなたの同意も、辞令も要らない。そして計画が指名した人物が、同じ瞬間に新しい取締役、代表取締役、監査役へと一斉に入れ替わる。会社更生の現場では、株主の株式が100パーセント減資でゼロになることも珍しくない。つまり、あなたを選んだ株主たちも、もう発言権を持たない。211条は、会社の頭脳を丸ごと載せ替える、その一点のスイッチである。
会社更生法 211 条は、更生計画に基づく役員等の就任および退任の特例を定める規定である。更生計画で取締役・会計参与・監査役・代表取締役・執行役・会計監査人等の氏名または選任・選定の方法を定めた場合、これらの者は更生計画認可の決定の時に就任し、更生会社の従前の役員は同時に退任する。就任した役員の任期も更生計画の定めるところによる。
更生計画で定めた役員が更生計画認可の決定の時に就任し、従前の役員が同時に退任すると定める特例規定です。株主総会を経ずに経営陣が入れ替わります。
更生計画認可の決定の時です。この一点で、計画に名前が載った新役員が就任し、従前の取締役・監査役・代表取締役等が自動的に退任します(211 条 4 項)。
残れます。211 条 4 項ただし書と 1 項により、更生計画に役員として氏名が書き込まれていれば、認可の時にそのまま引き続き在任できます。
更生計画認可の決定の時に退任します(211 条 4 項・5 項)。解任通知や辞令は不要で、認可決定の効力で当然に地位を失います。
スポンサーが送り込む経営陣は、更生計画にその氏名を書き込み、計画が認可されれば株主総会を開かずに就任します。計画策定段階が勝負どころです。
更生計画の定めるところによります(211 条 6 項)。会社法 332 条の通常の任期ルールではなく、計画が独自に任期を設定できます。
株式が 100 パーセント減資でゼロになると、株主は経済的実体を失い、役員選任プロセスからも締め出されます。経営陣は管財人・スポンサー・裁判所の認可で決まります。
更生手続中の会社の事業経営権と財産管理処分権は更生管財人に専属します(会社更生法 72 条)。旧経営陣は認可時に退任するまで経営権を持ちません。
原則として退任します。211条4項が、更生会社の従前の取締役や監査役は更生計画認可の決定の時に退任すると定めているからです。ただし同項ただし書と1項により、更生計画にその人物の名が役員として書き込まれていれば、引き続き在任できます。業界裏話ヒント:旧経営陣が再建後も残れるかは、管財人が破綻の原因に旧経営陣の責任をどう見るかで決まる。粉飾や放漫経営なら一掃、外的要因による破綻なら現経営陣の続投もありうる。
更生計画で就任した役員の任期は、211条6項により更生計画の定めるところによります。会社法の通常の任期ルール(会社法332条)ではなく、計画が独自に任期を設定できるのです。その任期が満了した後の選任は、通常の手続に戻ります。業界裏話ヒント:更生計画はあえて短い任期を設定し、再建の進捗を節目で見直す設計にすることがある。任期の長短そのものが、再建の主導権を誰が握り続けるかという無言のメッセージになっている。
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|---|---|---|
| 役員選任・退任の主体 | 会社更生法 211 条:更生計画 + 裁判所の認可決定 | — |
| 効力発生の時点 | 更生計画認可の決定の時に自動で就任・退任 | — |
| 株主の関与 | なし(100 パーセント減資で株主が消滅する場合も) | — |
| 役員の任期 | 更生計画の定めるところによる(211 条 6 項) | — |
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