会社更生法 第173条(更生会社の取締役等)
クイックジャンプ
- 次の各号に掲げる条項においては、当該各号に定める事項を定めなければならない。
- 一更生会社の取締役に関する条項(次号から第四号までに掲げるものを除く。)取締役の氏名又はその選任の方法及び任期
- 二更生会社が更生計画認可の決定の時において代表取締役を定める場合における更生会社の取締役に関する条項(次号に掲げるものを除く。)取締役及び代表取締役の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
- 三更生会社が更生計画認可の決定の時において監査等委員会設置会社となる場合における更生会社の取締役に関する条項監査等委員(会社法第三十八条第二項に規定する監査等委員をいう。第百八十三条第十号及び第二百十一条第一項において同じ。)である取締役及びそれ以外の取締役並びに代表取締役の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
- 四更生会社が更生計画認可の決定の時において指名委員会等設置会社となる場合における更生会社の取締役に関する条項取締役及び各委員会(会社法第四百条第一項に規定する各委員会をいう。以下同じ。)の委員の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
- 五更生会社が更生計画認可の決定の時において会計参与設置会社となる場合における更生会社の会計参与に関する条項会計参与の氏名若しくは名称又はその選任の方法及び任期
- 六更生会社が更生計画認可の決定の時において監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。次項第三号において同じ。)となる場合における更生会社の監査役に関する条項監査役の氏名又はその選任の方法及び任期
- 七更生会社が更生計画認可の決定の時において会計監査人設置会社となる場合における更生会社の会計監査人に関する条項会計監査人の氏名若しくは名称又はその選任の方法及び任期
- 八更生会社が更生計画認可の決定の時において指名委員会等設置会社となる場合における更生会社の執行役に関する条項執行役及び代表執行役の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
- 2.更生会社が更生計画認可の決定の時において清算株式会社となる場合には、次の各号に掲げる条項において、当該各号に定める事項を定めなければならない。
- 一更生会社の清算人に関する条項(次号に掲げるものを除く。)清算人の氏名又はその選任の方法及び任期
- 二更生会社が更生計画認可の決定の時において代表清算人を定める場合における更生会社の清算人に関する条項清算人及び代表清算人の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
- 三更生会社が更生計画認可の決定の時において監査役設置会社となる場合における更生会社の監査役に関する条項監査役の氏名又はその選任の方法及び任期
この条文の基本情報
更生会社の取締役等とは何ですか?
定義更生会社の取締役等とは、会社更生法第173条に定められた規定で、「次の各号に掲げる条項においては、当該各号に定める事項を定めなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第173条(更生会社の取締役等)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第173条の条文原文は「次の各号に掲げる条項においては、当該各号に定める事項を定めなければならない。」で始まります。
- 会社更生法第173条は第一節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第173条の前の条は会社更生法第172条です。
- 会社更生法第173条の次の条は会社更生法第174条です。
- 会社更生法第173条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第173条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第173条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/173
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法173条は、更生計画で更生会社の取締役・監査役・会計監査人などの役員等に関する条項を定めることを義務づけ、氏名または選任の方法と任期を記載させる規定である。
Q · 会社更生になったら、今の取締役は更生計画で勝手に入れ替えられるの?
はい。株主総会ではなく更生計画が役員を定めます
会社更生法173条により、更生計画は更生会社の取締役・代表取締役・監査役・会計監査人・執行役などについて、その氏名または選任の方法および任期を定めなければなりません。通常の選任は株主総会の決議(会社法329条)ですが、更生手続では株主が権利を失うことが多く、計画が役員人事を決めます。重要なのは、氏名を直接書くか、選任の方法だけを定めるかを選べる点で、実際の選任・選定は211条の手続によります。監査等委員会設置会社や指名委員会等設置会社への移行も計画で組み込めます。
解説
経営破綻した会社が再建を目指すとき、誰がその会社を率いるのか。会社更生法173条は、その答えを更生計画の中に書き込ませる。あなたがこの会社の取締役なら、自分の名前が計画に載るか、それとも消えるかがここで決まる。あなたが債権者や新たなスポンサーなら、新しい経営陣を送り込む足場がこの条文だ。通常、取締役の選任は株主総会の決議による(会社法329条)。だが更生手続では株主はしばしば権利を失い、更生計画が取締役、代表取締役、監査役、会計監査人、執行役、さらに監査等委員会設置会社や指名委員会等設置会社への移行まで、会社の統治構造を丸ごと再設計する。重要なのは、計画は氏名を直接定めても、選任の方法だけを定めてもよいという点だ。誰を据えるか今は決めず、選び方だけ先に固定する。この一手が、再建後の主導権争いの伏線になる。
法的な位置づけ
会社更生法173条は、更生計画における更生会社の役員等に関する条項を定める規定であり、取締役・代表取締役・監査役・会計監査人・執行役などについて、その氏名またはその選任の方法および任期を計画中に記載すべきことを義務づける。会社法329条の株主総会決議による選任原則の特則として機能する。
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法とは何ですか?
経営破綻した株式会社の事業を維持しながら再建を図る手続を定める法律です。裁判所が選任した管財人のもとで更生計画を策定し、債権者やスポンサーの関与で会社を立て直します。
Q2更生計画とはどういうものですか?
更生会社の債務の弁済方法、資本構成、役員人事などを定める再建の設計図です。関係人集会の決議と裁判所の認可を経て効力が生じ、会社の将来を法的に拘束します。
Q3更生会社の取締役は誰が選ぶのですか?
株主総会ではなく更生計画が定めます。173条が氏名または選任の方法と任期の記載を義務づけ、実際の選任・選定は211条の手続によります。株主はしばしば権利を失います。
Q4監査等委員会設置会社への移行は更生計画でできますか?
できます。173条1項3号が、認可決定時に監査等委員会設置会社となる場合の役員条項を定めることを認め、機関設計を計画段階で一新できます。
Q5清算株式会社になる場合の役員条項はどうなりますか?
173条2項により、清算人・代表清算人の氏名または選任の方法と任期、監査役設置会社となる場合の監査役条項を定めなければなりません。
Q6会社更生と民事再生で役員の扱いは違いますか?
会社更生は管財人が経営権を握り計画で役員を再設計するのが原則です。民事再生は従来の経営者が業務を続ける DIP 型が多く、役員の入れ替えは限定的です。
Q7更生会社の会計監査人は更生計画で定めますか?
会計監査人設置会社となる場合、173条1項により会計監査人の氏名もしくは名称または選任の方法と任期を計画で定める必要があります。
Q8更生計画で定めた役員はいつから就任しますか?
更生計画認可の決定により計画の定めに従って効力が生じ、選任の方法を定めた場合は211条の手続を経て選任・選定されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社更生に入ったら、今の社長や取締役は全員辞めさせられるんですか?
必ず全員ではありません。更生計画の取締役条項(173条)が誰を据えるかを定め、氏名を直接書くことも、選任の方法と任期だけを定めることもできます。実際の選任・選定は211条の手続によります。再建に必要な人材なら留任もある。実務のポイント:管財人は事業価値を残すため、現場を回せる役員を意図的に留任させることがあります。「倒産=経営陣全員退場」は報道のイメージで、実務では誰を残すかが再建設計の一部です
Q2更生計画で取締役の「名前」じゃなくて「選び方」だけ決めるって、どういうことですか?
173条は氏名を直接定める方法と、選任の方法・任期だけを定める方法の両方を認めています。認可の時点で適任者が固まっていない、または後の状況で柔軟に選びたい場合に方法だけを定める。実務のポイント:選任方法をどう設計するかでスポンサーや管財人の影響力が変わります。「方法だけ」の条項は一見中立に見えて、実際は後から実権を握るための布石になっていることがある。計画を読むときはこの差を見抜くことです
間違えやすい点 AI による整理
- 「取締役は株主が選ぶもの」と思っているが、更生手続では違う。株主はしばしば100% 減資で権利を失い、取締役の選任は更生計画が定める。株主総会の決議は不要になる。会社の所有者が変わる瞬間に、選任権も静かに移動している
- 更生計画が「取締役の氏名」ではなく「選任の方法」だけを定められることは知られているが、その怖さは知られていない。氏名を決めず方法だけ固定するということは、再建後に実際に誰が座るかをめぐる争いを後回しにするということだ。方法の設計を握った者が、後から実権を取る
- 「更生に入ったら経営陣は全員クビ」と考えがちだが、問いの立て方そのものが違う。重要なのは全員残るか全員消えるかではなく、計画のどの条項に、どの選任方法で、誰の影響力が組み込まれるかだ。オール・オア・ナッシングではなく、条項ごとの設計の問題である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 173条:更生計画に書く役員等条項の必要的記載事項 | 167条:更生計画で定める事項の一般規定 211条:役員等の選任・選定の実行手続 |
| 機能する段階 | 計画に何を記載するか(設計) | 計画全体の枠組み(前提) 計画後の実際の選任・選定(実行) |
| 氏名と選任方法 | 氏名を直接定めるか、選任の方法と任期のみを定めるか選べる | 記載事項の総則を規定 選任方法を定めた場合の具体的手続を規定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の会社重整では重整人を裁判所が選任し関係人会議が関与する。再建段階で経営権を組み替える発想は共通だが、計画による包括的な機関再設計の明文度は日本が高い
韓国は会社更生と個人再生を統合した回生手続を採用し、管理人の選任を中心に再建を進める。経営権の処遇は事案により柔軟
ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)で組織再編や機関に関する定めを置ける。自己管理(Eigenverwaltung)型では従来の経営陣が残る余地がある
米国 Chapter 11の更生計画は、公正衡平の原則に適合する方法で役員・取締役の選任条項を定めることを要求する。日本会社更生法の母法的存在
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは中堅メーカーの取締役。会社が更生手続開始決定を受け、管財人が更生計画案の起草に入った。あと数か月で、あなたの氏名が新しい取締役条項に載るか、それとも選任方法だけが定められて事実上の退場かが決まる。今のうちに管財人やスポンサー候補との距離を読み違えると、再建後の会社にあなたの席はない
- もし、あなたの会社が出資する取引先が会社更生に入ったら? スポンサーとして再建を支えるなら、更生計画の取締役条項に自社が送り込む人材を組み込めるかが交渉の核心になる。氏名を直接書かせるか、選任方法を握るか、その設計次第で再建後の支配力が変わる
学説
通説:173条各号は更生計画における役員等条項の必要的記載事項を定め、氏名を直接定める方法と、選任の方法および任期のみを定める方法のいずれも認められると解される。実際の選任・選定は211条の手続によるとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)公布、平成27年(2015年)施行 会社法改正による監査等委員会設置会社制度の新設に伴い、更生計画における監査等委員会設置会社への移行条項(第1項第3号)が追加された。改正前にはこの機関類型が存在しなかったため、本号は新設にあたる。なお全改正回数は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:新会社更生法(平成14年法律第154号)として旧会社更生法(昭和27年法律第172号)を全面改正。更生計画における役員等条項の記載事項を整理した
- 2.平成26年(2014年) 新設:会社法改正による監査等委員会設置会社制度の新設に伴い、更生計画における監査等委員会設置会社への移行条項(1項3号)が追加された。なお全改正回数は人的検証が必要
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める