会社更生法 第211条の2(株式の併合に関する特例)
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第百七十四条第一号の規定により更生計画において更生会社が株式の併合をすることを定めた場合には、会社法第百八十二条の二及び第百八十二条の三の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
株式の併合に関する特例とは何ですか?
定義株式の併合に関する特例とは、会社更生法第211条の2に定められた規定で、「第百七十四条第一号の規定により更生計画において更生会社が株式の併合をすることを定めた場合には、会社法第百八十二条の二及び第百八十二条の三の規定は、適用しない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第211条の2(株式の併合に関する特例)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第211条の2の条文原文は「第百七十四条第一号の規定により更生計画において更生会社が株式の併合をすることを定めた場合には、会社法第百八十二条の二及び第百八十二条の三の規定は、適用しない。」で始まります。
- 会社更生法第211条の2は第二節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第211条の2の前の条は会社更生法第211条です。
- 会社更生法第211条の2の次の条は会社更生法第212条です。
- 会社更生法第211条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第211条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第211条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/211_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法211条の2は、更生計画で株式の併合を定めた場合、会社法182条の2の事前開示と182条の3の差止請求を適用しないと定める適用除外規定である。
Q · 会社更生に入った会社の株、株式併合をやめさせる差止めはできるの?
原則できません。会社法の差止規定が適用除外されます
会社更生法211条の2により、更生計画で株式の併合が定められた場合、会社法182条の2の事前開示と182条の3の差止請求は適用されません。平時なら株主は不当な株式併合をやめろと差し止められますが、更生手続ではこの盾が外れます。残された手段は、関係人集会での異議と、更生計画の認可決定に対する即時抗告だけです。
解説
あなたが持っている株式の発行会社が経営破綻し、会社更生手続に入ったとする。届いた更生計画案には「株式を一万株につき一株に併合する」と書かれている。これはあなたの持ち株を実質ゼロにする百パーセント減資の一手だ。平時の会社法なら、株式併合の前に会社は手続内容を事前に書面で開示しなければならず(会社法百八十二条の二)、不当な併合なら株主は「やめろ」と差止請求できる(会社法百八十二条の三)。ところが会社更生法二百十一条の二は、この二つの株主保護を丸ごと外す。理由は、更生手続では裁判所の監督、関係人集会の決議、更生計画の認可という別の枠組みで手続の公正を担保する建前だからだ。だがその枠組みの中で、債務超過に陥った会社の既存株主はたいてい弁済順位の最後尾。あなたは知らないうちに、平時なら握れた二本の盾を取り上げられている。残された道は、更生計画への異議と認可決定への即時抗告だけだ。
法的な位置づけ
会社更生法211条の2は、第174条第1号により更生計画で更生会社が株式の併合をすると定めた場合に、会社法182条の2の事前開示手続および182条の3の差止請求を適用除外する規定である。更生手続固有の枠組みによる手続保障に振り替えることで、迅速な再建を担保する。
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法211条の2とは?
更生計画で更生会社が株式の併合をすると定めた場合に、会社法182条の2の事前開示と182条の3の差止請求を適用しないとする適用除外規定です。
Q2100% 減資されたら株主は何ができる?
株式併合の差止めは封じられているため、関係人集会で議決権があれば異議を述べ、計画が認可されたら認可決定への即時抗告を期間内に行うのが基本です。
Q3更生計画の認可決定に異議は出せる?
認可決定そのものへの差止めはできませんが、不服があれば即時抗告ができます。期間が短いので倒産法に強い弁護士への早期相談が分かれ目になります。
Q4平時の株式併合の差止請求はどんな権利?
会社法182条の3が定める権利で、法令・定款違反の株式併合で株主が不利益を受けるおそれがあるとき、株主が会社に併合の差止めを求められる制度です。
Q5更生手続中に株主総会は開かれる?
更生計画による組織再編は関係人集会と更生計画の認可で進むため、平時のように株主総会決議で株式併合を決める手続は経ません。
Q6更生会社の株は市場で売却できる?
上場廃止や取引停止になることが多く、流動性は大きく低下します。株式併合・100% 減資で価値が実質ゼロになる前提で考える必要があります。
Q7関係人集会の議決権は株主にもある?
債務超過でない場合など一定の要件で株主にも議決権が認められますが、債務超過の更生会社では株主の議決権が認められないこともあります。
Q8更生計画の即時抗告の期限はいつまで?
認可決定の公告などを起算点とする短期間に限られます。差止めは適用除外で使えないため、この期間を逃すと争う道がほぼ閉じます(最新の改正状況をご確認ください)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社更生に入った会社の株、もう何をしても紙くずになるだけですか?
多くの場合、既存株式は株式併合や百パーセント減資で価値を失います。会社法なら株式併合をやめろと差止請求(百八十二条の三)できますが、更生計画に定められた併合には会社更生法二百十一条の二でその道が閉じています。残る手は関係人集会での異議と認可決定への即時抗告です。実務のポイント:争点を「株式を残せるか」に置くと勝ち目はほぼない。倒産実務では、既存株主の戦いは弁済率やスポンサー選定の公正性へ論点を移したときだけ意味を持つ
Q2なぜ会社更生だと株主の差止めや事前開示が外されるんですか?
更生手続では裁判所の監督、関係人集会の決議、更生計画の認可という別ルートで手続の公正が担保される建前だからです。会社法の個別株主による事前開示(百八十二条の二)や差止(百八十二条の三)をそのまま重ねると、再建のスピードを止めかねないので適用除外にしています。実務のポイント:「別ルートで守られる」とはいえ、債務超過会社の既存株主は弁済順位が最後尾。制度上は守られていても経済的な取り分はほぼ残らないのが実態で、形式的保護と実質的取り分は別物だと割り切るのが実務の出発点になる
間違えやすい点 AI による整理
- 株主から見れば「自分の財産を守る当然の権利」である差止請求も、更生手続から見れば「再建全体を止めかねない個別の妨害」となる。この落差を理解せず平時の感覚で動くと、存在しない権利を探して時間だけを浪費する
- 会社更生に入ると株主保護が薄くなることは何となく知っていても、どの保護がどの条文で外れるかまで知る人は少ない。二百十一条の二が外すのは事前開示(会社法百八十二条の二)と差止請求(会社法百八十二条の三)であって、株主の手続がすべてゼロになるわけではない。関係人集会の議決権や認可決定への即時抗告は残る。どこが残りどこが消えるかの線引きが、戦える範囲を決める
- 「株式併合を止めれば持ち株を守れる」という問いの立て方そのものがずれている。債務超過の更生会社では、既存株式の価値はすでに実質ゼロに近い。守るべきは株式そのものより、更生計画全体が公正か、スポンサー選定や弁済率が妥当かという点だ。問いを株式併合から計画全体へ引き上げないと、本当の争点を見失う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 事前開示の要否 | 更生計画の株式併合:不要(211条の2で会社法182条の2を適用除外) | 平時の株式併合:会社法182条の2で書面開示が必須 会社更生法211条:他の会社法手続も更生計画遂行として適用除外 |
| 差止請求の可否 | 不可(会社法182条の3を適用除外) | 可(会社法182条の3による差止請求) 更生計画遂行に伴う行為は会社法手続を要しない |
| 株主の対抗手段 | 関係人集会での異議・認可決定への即時抗告 | 差止請求・株式買取請求 更生計画への異議・即時抗告 |
| 趣旨 | 更生の迅速性を優先し平時の個別株主保護を外す | 少数株主の保護 更生計画一本での組織再編の貫徹 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も会社重整において重整計画により減資・株式整理が可能で、重整中は通常の会社法上の株主保護が一部制限される点が機能的に類似する。
韓国も回生計画により資本減少・株式併合が可能で、平時の株主保護が制限される構造が日本の会社更生と類似する。
ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)で持分権者の権利に介入でき、資本措置を計画内で一体的に実施できる点が機能的に対応する。
米国 Chapter 11では再建計画で既存持分を変更・消滅させられ、会社更生法はもともとこの米国再建法制を継受している。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 持っていた株が会社の倒産で紙くずになる、それは仕方ないとして、せめて事前の十分な説明と「不当なら止める」権利くらいあるはずでは? 会社更生では、それがない。更生計画に株式併合が定められた瞬間、会社法百八十二条の二の事前開示も百八十二条の三の差止請求も外れ、あなたは平時の株主が握る二つの盾を同時に失う
- あなたが更生会社の管財人だとする。スポンサーを入れて再建するには、既存株主を株式併合で整理し、新たに第三者割当増資をしたい。会社法の事前開示や差止請求を一つずつクリアしていたら再建が止まる。二百十一条の二はその手続的障害を取り除き、更生計画一本で組織再編を貫徹させる
- 更生計画の認可決定が出た。株主として不服なら、即時抗告できるのは決定の効力発生からごく短期間。差止という平時の武器は二百十一条の二で既に封じられている。動けるのは今だけだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 更生計画案が届いたら、株式に関する条項(株式併合・減資の割合)と弁済計画を最優先で確認する2. 会社法の差止請求(百八十二条の三)は二百十一条の二で封じられているので期待しない、戦場は更生手続の内側にある3. 関係人集会で議決権があれば異議を述べ、計画の不認可を求める道を探る4. それでも認可されたら、認可決定への即時抗告を期間内に行う。倒産局面では倒産法に強い弁護士への早期相談が分かれ目になる
訴えられた側:1. 株式併合を更生計画の条項(会社更生法百七十四条一号)として明確に定め、二百十一条の二の適用除外を前提にスケジュールを設計する2. 会社法の事前開示・差止手続を省ける分、株式整理と新株発行・スポンサー出資を一連の更生計画遂行として組む3. ただし適用除外は事前開示と差止に限られ、関係人集会の手続や認可・公告は省略できない4. 株主の即時抗告で遂行が遅れるリスクに備え、計画の公正性と弁済率の合理性を記録で固めておく
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。更生計画の認可決定に不服がある場合の即時抗告は、決定の効力発生(公告)を起算点とする短期間に限られる(会社更生法上の即時抗告期間、最新の改正状況をご確認ください)。差止請求(会社法百八十二条の三)はそもそも適用除外で使えない
学説
立法趣旨:更生手続では裁判所の監督・関係人集会の決議・更生計画の認可という固有の枠組みで手続の公正が担保されるため、会社法の個別株主保護(事前開示・差止)を重ねると再建が滞るとして適用除外したと解される。残る保護は関係人集会の議決権と認可決定への即時抗告である。
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)会社法改正整備法 会社法改正で株式併合の少数株主保護として事前開示(百八十二条の二)と差止請求(百八十二条の三)が新設されたのに伴い、更生計画による株式併合についてこれらを適用除外する本条が新設された。会社更生手続の枠組みと会社法の新保護規定との調整を目的とする(新設、現行効力を要確認)
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:会社法改正で株式併合の少数株主保護として事前開示(会社法182条の2)と差止請求(182条の3)が新設されたのに伴い、更生計画による株式併合についてこれらを適用除外する本条が新設された。更生手続の枠組みと会社法の新保護規定との調整を目的とする。
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