会社更生法 第175条(募集株式を引き受ける者の募集)
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- 募集株式を引き受ける者の募集に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
- 一会社法第百九十九条第二項に規定する募集事項
- 二第二百五条第一項の規定により、更生計画の定めに従い、更生債権者等又は株主の権利の全部又は一部が消滅した場合において、これらの者が会社法第二百三条第二項の申込みをしたときは募集株式の払込金額の全部又は一部の払込みをしたものとみなすこととするときは、その旨
- 三更生債権者等又は株主に対して会社法第二百三条第二項の申込みをすることにより更生会社の募集株式の割当てを受ける権利を与えるときは、その旨及び当該募集株式の引受けの申込みの期日
- 四前号に規定する場合には、更生債権者等又は株主に対する募集株式の割当てに関する事項
この条文の基本情報
募集株式を引き受ける者の募集とは何ですか?
定義募集株式を引き受ける者の募集とは、会社更生法第175条に定められた規定で、「募集株式を引き受ける者の募集に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第175条(募集株式を引き受ける者の募集)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第175条の条文原文は「募集株式を引き受ける者の募集に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。」で始まります。
- 会社更生法第175条は第一節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第175条の前の条は会社更生法第174条の3です。
- 会社更生法第175条の次の条は会社更生法第176条です。
- 会社更生法第175条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第175条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第175条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/175
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法175条は、更生計画に募集株式の条項を置く際の必要的記載事項を定める。消滅した債権を払込みに振り替えるみなし払込みも可能だが、株式の割当てには申込みの期日が付される。
Q · 倒産した取引先の更生計画に「募集株式」と書いてあったら、私の債権はどうなるの?
減額された債権を再建会社の株式に振り替えられる場合があります
会社更生法175条は、更生計画に募集株式の条項を置くときの必要的記載事項を定めます。第二号により、更生計画で権利が消滅した更生債権者等が会社法203条2項の申込みをすれば、払込みをしたものとみなされます。つまり現金を用意せず、減額された債権そのものを払込みに振り替えて再建会社の株主になれる(債権の株式化=DES)。第三号は割当てを受ける権利と申込みの期日、第四号は割当てに関する事項を定めます。償却して損を確定させるか、株主として再建の果実に賭けるか、その選択肢がこの条文の裏にあります。
解説
取引先の倒産で売掛金が回収できなくなったとき、多くの人は「貸し倒れで終わり」と考える。だが会社更生手続では、消えたはずの債権が、再建された会社の株式に姿を変えることがある。会社更生法175条は、更生計画の中に「募集株式を引き受ける者の募集」の条項を置くとき、何を必ず定めなければならないかを規律する。一見すると事務的な必要記載事項のリストだが、その第二号と第三号にこそ仕掛けがある。更生計画で権利の全部または一部が消滅した更生債権者や株主が、新株の申込みをしたとき、払込みをしたものとみなす(つまり消えた債権を払込みに振り替える)、あるいは彼らに新株の割当てを受ける権利を与える。これがデット・エクイティ・スワップ、債権の株式化である。あなたが債権者なら、回収不能額をゼロで償却するか、再建後の株主として将来の値上がりに賭けるか、その選択肢がこの条文の裏に隠れている。
法的な位置づけ
会社更生法175条は、更生計画に募集株式を引き受ける者の募集の条項を設ける場合の必要的記載事項を規律する規定である。会社法199条2項の募集事項のほか、更生債権者等の消滅した権利を払込みに振り替えるみなし払込み、割当てを受ける権利、申込みの期日、割当てに関する事項を定めることを要する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.取引先の会社更生開始を知ったら債権を届け出る 取引先が会社更生を申し立てたら、まず自社の債権を更生債権として裁判所が定める期間内に届け出る。届出を逃すと権利が確定せず、株式化も配当も受けられない
- 2.更生計画案の募集株式条項を確認する 更生計画案が示されたら、175条の募集株式条項の有無を確認し、二号のみなし払込み(債権の株式化=DES)と三号の割当てを受ける権利・申込期日が組み込まれているかを精査する
- 3.株式化(DES)と現金償却の損得を試算する 株式化を選ぶ場合、再建会社の事業計画・スポンサーの素性・将来の上場可能性を評価し、現金弁済率による償却と将来の株式価値を比較して試算する
- 4.申込みの期日までに株式化の可否を決断する 175条三号の申込みの期日を厳守し、株式化を選ぶなら会社法203条2項の申込みを期日内に行う。判断に迷うなら倒産・事業再生に強い弁護士へ相談する
よくある質問 AI による整理
Q1債権の株式化(DES)とは何ですか?
負っている債権を現金弁済の代わりに株式へ振り替える手法です。会社更生法175条二号のみなし払込みにより、消滅した更生債権を払込みに充当して再建会社の株主になれます。
Q2会社更生と民事再生の違いは何ですか?
会社更生は株式会社専用で管財人が経営権を握り担保権も手続に取り込む強力な再建型です。民事再生は経営陣が残り中小企業も使えますが、担保権は別除権として手続外に外れます。
Q3更生債権の届出はいつまでにすればいいですか?
裁判所が定める届出期間内です。期間を過ぎると原則として権利が失権し、配当も株式化も受けられなくなります。通知が届いたら期限を最優先で確認してください。
Q4デット・エクイティ・スワップのメリットは何ですか?
会社は現金を使わず債務を消して資本を厚くでき、債権者は再建成功時の株式の値上がりを狙えます。ただし再建が失敗すれば株式は無価値になるリスクを負います。
Q5更生会社の株式を受け取ると課税されますか?
債権の株式化では券面額と評価額の差に税務上の論点が生じ得ます。法人債権者は債権譲渡損益や評価額の扱いが問題になるため、税理士への確認が必要です。
Q6募集株式の申込みの期日を過ぎたらどうなりますか?
175条三号の申込みの期日を過ぎると、募集株式の割当てを受ける権利は失われます。株式化を選ぶなら、期日前に再建計画を精査して決断する必要があります。
Q7会社更生の更生計画は誰が決めるのですか?
管財人等が更生計画案を作成し、関係人集会で更生債権者・株主が決議します。可決後に裁判所が認可して初めて効力が生じ、募集株式の条項も確定します。
Q8更生会社の株式に将来性はありますか?
再建が成功しスポンサーが付けば価値が回復し再上場する例もありますが、再度の倒産で無価値になる例もあります。事業計画とスポンサーの素性の精査が判断の鍵です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取引先が会社更生に入りました。私の売掛金はもう戻ってこないんですか?
全額は難しいですが、ゼロとは限りません。更生計画で更生債権は一定割合に減額されますが、175条の募集株式条項があれば、減額された分を再建会社の株式に振り替える(DES)選択肢が用意されることがあります。実務のポイント:現金弁済率だけ見て「○%しか戻らない」と諦める債権者が多いが、株式化を選んだ債権者が再建成功後に大きく報われた例もある。逆に再建が失敗すれば株は無価値。弁済率と株式化、両方を天秤にかけるのが玄人の動きだ
Q2債権を株式に換えるのに、新しくお金を払い込む必要はあるんですか?
原則として現金の払込みは不要です。175条二号は、更生計画で権利が消滅した債権者が会社法203条2項の申込みをしたとき、払込みをしたものとみなすと定めます。つまり消えた債権そのものが払込みに充当されます。実務のポイント:この「みなし払込」を知らないと、「株式化したいが手元資金がない」と機会を見送る人がいる。実際は追加の現金を出さずに株主になれる設計。条項に二号の定めがあるかを必ず確認する
Q3更生会社の株主にされたら、株主としての責任を負わされるんですか?
株式会社の株主は有限責任なので、出資額(株式化された債権額)を超えて会社の債務を負うことはありません。ただし、再建が失敗して再び倒産すれば、その株式の価値はゼロになり得ます。実務のポイント:DES で株主になると、それまでの「債権者」という立場から「リスクを取る出資者」へ法的地位が変わる。倒産時の弁済順位でも、債権者は株主より優先される。株式化は救済であると同時に、弁済順位の最後尾に回ることでもある。この二面性を理解した上で選ぶ
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社更生に入った取引先からは、もう何も取れない」という前提であなたは諦めようとしている。だがその問いの立て方自体がずれている。問うべきは「いくら現金で取れるか」ではなく「カットされた分を、現金の償却で確定させるか、株式に振り替えて将来に賭けるか」だ。175条はその選択肢の存在を前提に組まれている
- 債権の株式化(DES)を「債権者に有利な救済策」だと理解している人は多い。だが半分しか見ていない。会社側から見れば、これは現金を一円も使わずに債務を消し、同時に資本を厚くする財務手術だ。あなたが債権者として株式を受け取るとき、救済されているのではなく、再建リスクを引き受ける株主に立場を変えている。再建が失敗すれば株は紙くず、この非対称を見落とすと判断を誤る
- 「新株を引き受けるには現金を払い込む必要がある」と思い込んでいないか。175条二号は、更生計画で権利が消滅した債権者が申込みをすれば、払込みをしたものとみなすと定める。現金を用意せずに、消えた債権そのものを払込みに振り替えられる。これを知らないと、株式化の機会を「手元資金がないから」と見送ってしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 会社更生法175条:更生計画の募集株式条項の必要的記載事項 | 会社更生法205条:みなし払込み及び割当ての特則(効果規定) 会社法199条:平時の募集株式の募集事項決定 |
| 適用場面 | 会社更生手続における再建・資本再構築の局面 | 175条の条項を実際に実行する場面 通常の株式会社の増資(平時) |
| 現金払込み | 二号で消滅債権を払込みに振替(みなし払込みを定め得る) | みなし払込みの効果と割当てを規定 原則として現金の払込みが必要 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も会社更生(重整)計画の中で募集株式・債権の株式化を扱う。重整計画の記載事項として処理される点で日本と構造が近い
韓国は債務者回生法で回生計画における新株発行(出資転換)を規定。DES が再建の中核手段である点は日本と共通
ドイツは ESUG 改正(2012)で倒産計画における債権の株式化を明文化。株主の権利を計画に取り込める点が特徴
米国 Chapter 11では再建計画に debt-for-equity swap を広く組み込める。会社更生法の母法的位置にある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先のメーカーが会社更生を申し立てた。あなたの会社の売掛金3,000万円は更生債権として大幅にカットされる見込み。だが更生計画に175条の募集株式条項があれば、カット分を再建会社の株式へ振り替える選択肢が出てくる。償却して終わりにするか、株主として残るか、申込期日までに決断しなければならない
- 更生計画案に募集株式の割当てが盛り込まれ、申込みの期日まであと10日。期日を逃せば株式化の権利は消える。経理に確認する時間さえ惜しい
- あなたが再建途上の更生会社の経営に関わっているなら、175条は資金調達と債務圧縮を同時に進める設計図になる。スポンサーに新株を引き受けさせ、既存の債権者には債権の株式化を提示する。この条項の組み方ひとつで、再建後の株主構成が決まる
- もし、あなたが個人で未上場ベンチャーの社債を持っていて、その会社が会社更生に入ったら? 社債が紙くずになるのか、株式に転換されて再建後に化けるのか、その分岐は更生計画の募集株式条項にかかっている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引先が会社更生を申し立てたら、まず自社の債権を更生債権として届け出る(これを逃すと権利が確定しない) 2. 更生計画案が示されたら、175条の募集株式条項の有無を確認し、債権の株式化(DES)が選択肢にあるか精査する3. 株式化を選ぶ場合、再建会社の事業計画・スポンサー・将来の上場可能性を評価し、現金償却との損得を試算する4. 申込みの期日(175条三号)を厳守。期日を過ぎると株式化の権利は消える。判断に迷うなら倒産・事業再生に強い弁護士へ
訴えられた側:1. 更生会社側で募集株式条項を設計するなら、会社法199条の募集事項を正確に定める(欠けると条項が無効化するリスク) 2. 債権者への株式化(175条二号のみなし払込)と、スポンサーへの新株発行を組み合わせ、債務圧縮と資金調達を同時に設計する3. 割当てに関する事項(175条四号)で債権者間の公平性を確保。不公平な割当ては計画の認可を妨げる4. 申込期日と割当ての条件を明確に定め、関係人集会での可決と裁判所の認可を見据える
時効(請求できる期限):本条自体に時効はないが、更生計画案で定められる「募集株式の引受けの申込みの期日」(175条三号)が実質的な期限となる。この期日を過ぎると株式の割当てを受ける権利は失われる。さらに更生債権の届出期間(裁判所が定める)を逃すと、そもそも権利行使の前提を失う(最新の手続日程を裁判所の通知でご確認ください)
学説
通説:更生計画における権利変更は公正かつ衡平でなければならず、債権の株式化(DES)も更生債権者間・株主間の衡平を害しない割当てを要するとされる。175条四号の割当てに関する事項は、この公正衡平の要請を具体化する条項として理解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)会社法整備に伴う改正 新会社法の制定(平成17年)に合わせ、引用条文を旧商法の規定から会社法199条・203条等へと整理。本条の母法たる会社更生法は平成14年(2002年)に全部改正で新設された
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:会社更生法の全部改正(平成14年法律第154号)により制定。再建の機動性を高めるため、更生計画における募集株式・債権の株式化の枠組みを整備した
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う整備改正により、引用条文を旧商法の規定から会社法199条・203条等へと整理した
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