要点会社更生法 174 条の 3 は、特別支配株主が更生計画で少数株主の株式を強制取得する際に必ず定めるべき記載事項を規定する。交付金銭が更生債権者等に向かう設計もある。
Q · 倒産した会社の株は、更生計画で勝手に取り上げられるの?
取り上げられうる。対価が株主に届くとは限らない
会社更生法 174 条の 3 により、議決権の 9 割超を握る特別支配株主は、更生計画に株式等売渡請求の条項を組み込み、少数株主の同意なく株式を強制取得(キャッシュアウト)できます。条項には特別支配株主の氏名住所、取得条件(会社法 179 条の 2)、交付金銭の額と割当てを必ず記載しなければなりません。ただし対価は更生債権者等に向かう設計があり(3 号・4 号)、後順位の株主に金銭が必ず届くとは限りません。価格に不服なら取得日の 20 日前の日から前日までに価格決定の申立て(会社法 179 条の 8)が必要です。
投資していた会社が倒産し、会社更生手続に入った。あなたは少数株主として、株が紙くずになる覚悟をしつつ、わずかな再起の望みを抱いている。そこへ分厚い更生計画が届く。その中の一条が、あなたの株を同意なく取り上げる仕掛けだ。会社更生法 174 条の 3 は、9 割超の議決権を握る特別支配株主(スポンサー、会社法 179 条の特別支配株主)が、更生計画を使って少数株主を締め出す(キャッシュアウト)ための条項に、何を必ず書かねばならないかを定める。特別支配株主の氏名住所、会社法 179 条の 2 が求める取得条件、交付される金銭の額。ただし見落としてはならないのは、その金銭が更生債権者等に向かう設計になっている点だ(3 号、4 号)。倒産局面で株主は債権者の後順位、あなたの株が消えても、その対価が必ずあなたの手に入るとは限らない。
会社更生法 174 条の 3 は、更生会社の発行する売渡株式等について特別支配株主が行う株式等売渡請求に係る取得条項の必要的記載事項を定める規定である。特別支配株主の氏名又は名称及び住所、会社法 179 条の 2 第 1 項各号の事項、更生債権者等に交付する金銭の額又は算定方法、及びその割当てに関する事項を、更生計画上明示することを義務づける。
AI 輔助整理,以條文原文為準
9 割超を握る特別支配株主が更生計画に売渡請求条項を組み込めば、同意なく強制取得されます。会社更生法 174 条の 3 が記載事項を定めます。価値が低くても締め出しは行われ得ます。
会社法 179 条 1 項に定める、総株主の議決権の 10 分の 9 以上を保有する株主です。この地位があれば少数株主全員に株式等売渡請求ができます。
通常は会社法 179 条のみで完結しますが、会社更生では裁判所の更生計画認可と計画への組み込みが前提となり、174 条の 3 の記載事項を満たす必要があります。
価格に不服なら取得日の 20 日前の日から取得日の前日までに価格決定を申し立てます(会社法 179 条の 8)。期間を過ぎると価格は確定します。
違法ではありません。法定の記載事項を満たし裁判所が認可した更生計画に基づく強制取得は適法です。財産権保護は対価と価格決定申立てで担保されます。
取得日の 20 日前の日から前日までに、管轄裁判所へ書面で申し立てます。倒産局面では清算価値か継続企業価値かが争点となるため専門家鑑定が鍵です。
株主は更生債権者より後順位です。債権者すら満額弁済されない手続では、株主への配分が残らないことも珍しくありません。まず順位の確認が先決です。
174 条の 3 第 3 号・4 号は、特別支配株主が更生債権者等に金銭を交付する設計を想定します。対価が必ず元株主の口座に入るとは限りません。
あります。9 割超の議決権を持つ特別支配株主が更生計画に株式等売渡請求の条項(会社更生法 174 条の 3)を組み込めば、あなたの同意なく株は取得されます。通常のキャッシュアウト(会社法 179 条)が倒産手続に取り込まれた形です。業界裏話ヒント:スポンサーが完全子会社化を望むのは、買収後の意思決定を 100% 自分で握り、残存株主からの将来の紛争を断つため。株が無価値に近くても締め出しを実行する経済的合理性がそこにある
必ずとは限りません。174 条の 3 は交付金銭が更生債権者等に向かう設計を想定しています(3 号、4 号)。倒産局面で株主は債権者より後順位のため、債権者すら満額弁済されない手続では、株主への配分が残らないこともあります。業界裏話ヒント:取り上げられる=補償される、は平時の発想。倒産では清算価値を基準に株式価値がほぼゼロと評価されることが多く、争って増額が見込めるかは清算貸借対照表次第。まず自分が配分順位に入るかを確認するのが先
裁判所への価格決定の申立てです(会社法 179 条の 8)。ただし申立期間は取得日の 20 日前の日から前日までと極めて短く、これを逃すと取得価格は確定します。業界裏話ヒント:価格決定では会社の公正な価格が争点になりますが、倒産企業では継続企業価値と清算価値のどちらを基準にするかで結論が激変する。再建成功を前提とすれば継続企業価値での増額余地があり、専門家鑑定をどう組むかが勝負を分ける(最新の判例動向をご確認ください)
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|---|---|---|
| 手続の前提 | 会社更生法 174 条の 3:裁判所の更生計画認可と計画への組み込みが前提 | — |
| 対価の流れ | 交付金銭が更生債権者等に向かう設計を想定(174 条の 3 第 3 号・4 号) | — |
| 価格に不服な場合 | 会社法 179 条の 8 を準用し取得日基準で価格決定を申立て | — |
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