会社更生法 第174条の2(更生会社による株式の取得)
クイックジャンプ
- 更生会社による株式の取得に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
- 一更生会社が取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)
- 二更生会社が前号の株式を取得する日
この条文の基本情報
更生会社による株式の取得とは何ですか?
定義更生会社による株式の取得とは、会社更生法第174条の2に定められた規定で、「更生会社による株式の取得に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第174条の2(更生会社による株式の取得)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第174条の2の条文原文は「更生会社による株式の取得に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。」で始まります。
- 会社更生法第174条の2は第一節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第174条の2の前の条は会社更生法第174条です。
- 会社更生法第174条の2の次の条は会社更生法第174条の3です。
- 会社更生法第174条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第174条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第174条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/174_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法174条の2は、更生計画の株式取得条項に「取得する株式の数」と「取得日」の記載を義務づける規定。取得日の到来で既存株主の株式は更生会社に取得され消滅する。
Q · 会社更生で株を取られるとき、計画書には何が書いてあるの?
取得する株式の数と取得日を必ず記載します
会社更生法174条の2により、更生計画の株式取得条項には「更生会社が取得する株式の数(種類株式発行会社では種類及び種類ごとの数)」と「その株式を取得する日」の二項目を必ず定めなければなりません。会社更生では既存株主の株式が無償または極めて低廉で取得・消滅することが多く、取得日が到来すればあなたは株主の地位を失います。この二項目の記載漏れは更生計画の瑕疵となり、認可手続で問題化します。
解説
あなたが証券口座に持っている株。その会社がある日、会社更生手続を申し立てた。多くの人は「経営を立て直すなら、株もいくらか残るだろう」と考える。現実は逆だ。会社更生では、既存株主の株式が更生計画によって無償で取得され、消滅することが珍しくない。2010年の日本航空がまさにそれで、株主の持ち分は100% 減資で紙くずになった。本条は、その「更生会社による株式の取得」を更生計画に書き込むとき、何を必ず明記すべきかを定める。取得する株式の数、そして取得する日。たった二つだが、この二行が、あなたの株がいつ消えるかを法的に確定させる。種類株式を発行している会社なら、種類ごとの数まで書かせる。あなたが投資家なら、この条項は他人事ではない。あなたが管財人や再建を担う側なら、この二項目を落とせば計画案そのものが瑕疵を帯びる。
法的な位置づけ
会社更生法174条の2は、更生計画における更生会社による株式の取得に関する条項の必要的記載事項を定める規定であり、取得する株式の数(種類株式発行会社では株式の種類及び種類ごとの数)と当該株式を取得する日の二項目の明記を義務づける。既存株主の株式消滅の範囲と時点を手続的に確定する機能を担う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.投資先の会社更生申立てを直ちに把握 保有株の会社が会社更生手続開始を申し立てたら、まず上場廃止のスケジュールを確認する。開始決定の前後で上場廃止となり、市場での売却機会が急速に失われる
- 2.売却か保有かを早期に判断 上場廃止までのわずかな期間に、損失を確定して市場で売却するか、塩漬けを覚悟で保有するかを決める。会社更生では株主はほぼ全損が実務の相場であることを前提に判断する
- 3.更生計画案の株式取得条項を確認 更生計画案が公告・送達されたら、株式取得条項の有無、取得する株式の数(174条の2第1号)、取得日(同第2号)を確認する。取得日以降は株主の地位を失う
- 4.対価・不服申立ての要否を検討 取得対価がある場合はその内容を確認し、不服があれば更生計画認可前の手続で意見を述べる。認可決定への不服は即時抗告で争うが提起期間が極めて短いため、計画案段階から内容を把握しておく
よくある質問 AI による整理
Q1株式取得条項とは何ですか?
更生会社が既存株主の株式を取得する旨を更生計画に定める条項です。会社更生法174条の2により、取得する株式数と取得日の記載が義務づけられています。
Q2会社更生で株はどうなりますか?
更生計画に株式取得条項が入れば、取得日に既存株主の株式は更生会社に取得され消滅します。無償または極めて低廉な取得が多く、事実上の全損になりがちです。
Q3更生会社が取得する株式の数は誰が決めますか?
更生計画を起案する管財人が定め、計画認可手続を経て確定します。種類株式発行会社では種類及び種類ごとの数まで記載が必要です(174条の2第1号)。
Q4株式の取得日はいつになりますか?
更生計画で個別に定められます(174条の2第2号)。資本減少や新株発行、スポンサー出資のスケジュールと整合させて設計されるのが通例です。
Q5100% 減資されると株主はどうなりますか?
保有株式が全部消滅し、議決権・配当・残余財産分配権をすべて失います。2010年の日本航空では既存株主の持ち分が無価値になりました。
Q6種類株式を持っていると扱いは違いますか?
違う場合があります。174条の2第1号は種類及び種類ごとの数の明記を求めるため、計画書のその記載で自分の種類株がどう扱われるか確認できます。
Q7更生計画に取得日の記載を忘れたらどうなりますか?
174条の2第2号違反となり、更生計画の瑕疵として認可手続で修正を迫られます。株式数の記載漏れ(第1号違反)も同様に致命的です。
Q8株式取得に対価は支払われますか?
本条は対価の多寡を保証する規定ではありません。会社更生では無償または僅少な対価での取得が多く、株主は債権者より後順位の残余権者だからです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1持っている株の会社が会社更生を申し立てました。株はまだ売れますか?
更生手続開始決定の前後で上場廃止となることが多く、市場での売却機会は急速に失われます。さらに更生計画に株式取得条項(本条)が入り取得日が到来すれば、あなたの株式は更生会社に取得され消滅します。実務のポイント:会社更生イコール株主はほぼ全損、というのが実務の相場です。再建ニュースに期待して買い増すのは最も危険な行動の一つ。株主が報われるのは例外中の例外だと知っておくべきです
Q2更生計画で株を取られるとき、お金はもらえないんですか?
会社更生では既存株式が無償または極めて低廉で取得されることが多く、対価があっても僅少です。本条は取得する株式数と取得日の記載を義務づけますが、対価の多寡を保証する規定ではありません。実務のポイント:株主は債権者より弁済順位が後ろの残余権者です。債権者すら満額弁済されない更生手続で、株主に分配が回ることはまず期待できない。価格を交渉する土俵ではなく、地位が消える土俵だと理解するのが先決です
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社更生は経営を立て直す手続だから、株主の株も守られる」と思われがちだが逆である。再建のためにこそ既存株主の責任を問い、株式を取得・消滅させて資本を入れ替える。守られるのは事業であって、既存株主の持ち分ではない
- 株式が取得されること自体は知っていても、その『取得日』が法的にどれほど決定的かを知る人は少ない。本条2号が定める取得日は、あなたが株主としての地位を失う正確な日であり、それ以降は議決権も配当も残余財産分配権も一切ない。日付一つが、あなたの権利の生死を分ける
- 「いくらで買い取ってもらえるのか」と価格を気にする人が多いが、問いの立て方が違う。会社更生における株式取得は多くの場合、無償または極めて低廉で行われる。会社法上の任意の取得とは前提が違い、価格交渉の土俵にそもそも乗らないことを先に理解すべきだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処理対象 | 174条の2:更生会社による株式の取得(既存株式の消滅) | 174条:資本金の額の減少 175条:新株予約権に関する条項 |
| 必要的記載事項 | 取得する株式の数(種類株式は種類ごとの数)+取得日 | 減少する資本金の額等 対象となる新株予約権の内容等 |
| 株主への効果 | 取得日に株主の地位を失う(議決権・配当・残余財産分配権の消滅) | 持株比率・資本の希薄化 潜在的株式取得権の処理 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は会社更生(重整)における重整計畫の必要的記載事項として株主権利の変更を定める。再建のために既存株主の権利を調整する構造は日本と共通する
韓国は統合倒産法の회생계획の中で出資者権益の調整を行う。株主が後順位の残余権者である点は日本と同じ
ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)の中で株主・社員の権利に介入でき、デット・エクイティ・スワップや持分の処理が可能。計画による株主権の変更という構造が共通する
米国 Chapter 11では再建計画で既存株式持分の処理・消滅を定める。日本の会社更生制度の母法であり、絶対優先原則の下で株主は債権者に劣後する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保有株の会社が会社更生を申し立てたと報道で知った。あなたの株はどうなる? 更生計画案に株式取得条項が入れば、指定された取得日にあなたの株式は更生会社に取得され消滅する。市場で売って逃げられる時間は、上場廃止までのわずかな期間しか残っていない
- あなたが管財人として更生計画案を起案している。株式取得条項に取得日だけ書いて、取得する株式数を書き忘れた。これは本条1号違反であり、計画の認可手続で問題化して修正を迫られる。種類株式発行会社なら、種類ごとの数の記載漏れも同じく致命的になる
- 種類株式を持つ少数株主。普通株主とは取得の扱いが違うはずだと感じる。本条は種類及び種類ごとの数の明記を義務づけるので、計画書のその一行を確認すれば、自分の株がどう扱われるかが分かる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 投資先が会社更生手続開始を申し立てたら、まず上場廃止のスケジュールを確認。多くは開始決定後ほどなく上場廃止となり、市場での売却機会が消える2. 損失を確定して売るか、塩漬けを覚悟で保有するかを早期に判断3. 更生計画案が公告・送達されたら、株式取得条項の有無と取得日(本条2号)を確認。取得日以降は株主の地位を失う4. 取得対価がある場合はその内容を確認し、不服があれば計画認可前の手続で意見を述べる
訴えられた側:1. 更生計画に株式取得条項を入れる際は、本条1号の株式数(種類株式発行会社なら種類及び種類ごとの数)と2号の取得日を必ず明記、漏れは計画の瑕疵となる2. 取得日は新株発行・資本減少・スポンサー出資のスケジュールと整合させる3. 既存株主への影響が大きいため、説明と手続的公正を確保し、後の異議・抗告リスクを下げる4. 種類株式がある場合は、種類ごとの取扱いの公平性に注意する
時効(請求できる期限):本条自体に時効はないが、株主にとって決定的なのは更生計画で定められる『取得日』(本条2号)。その日に株主の地位を失う。更生計画認可決定への不服は即時抗告で争うが、提起期間は極めて短いため、計画案の段階から内容を把握しておく必要がある(最新の手続規定をご確認ください)
学説
通説:会社更生は破綻企業の事業を存続させることを目的とし、その実現のために破綻の責任を負う既存株主の株式を取得・消滅させて資本を入れ替える。守られるのは事業であって既存株主の持ち分ではなく、本条はその株式消滅の範囲と時点を手続的に明確化することで再建の実効性と株主への手続的配慮の均衡を図るとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:会社更生法の全部改正(平成14年法律第154号)。再建手続の現代化に伴い、更生計画における株式・資本の処理に関する条項群が整備された。
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