会社更生法 第26条(包括的禁止命令に関する公告及び送達等)
クイックジャンプ
- 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定があった場合には、その旨を公告し、その裁判書を開始前会社(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人。次項において同じ。)及び申立人に送達し、かつ、その決定の主文を知れている更生債権者等及び開始前会社(保全管理人が選任されている場合に限る。)に通知しなければならない。
- 2.包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定は、開始前会社に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。
- 3.前条第五項の規定による取消しの命令及び同条第六項の即時抗告についての裁判(包括的禁止命令を変更し、又は取り消す旨の決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
この条文の基本情報
包括的禁止命令に関する公告及び送達等とは何ですか?
定義包括的禁止命令に関する公告及び送達等とは、会社更生法第26条に定められた規定で、「包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定があった場合には、その旨を公告し、その裁判書を開始前会社(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第26条(包括的禁止命令に関する公告及び送達等)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第26条の条文原文は「包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定があった場合には、その旨を公告し、その裁判書を開始前会社(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理…」で始まります。
- 会社更生法第26条は第一款に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第26条の前の条は会社更生法第25条です。
- 会社更生法第26条の次の条は会社更生法第27条です。
- 会社更生法第26条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第26条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第26条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/26
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法26条は、包括的禁止命令の公告・送達・通知の方法を定める。命令の効力は公告時ではなく、開始前会社への裁判書送達時から生ずる(2項)。
Q · 包括的禁止命令って、公告を見てから対応すれば差押えは間に合うんですか?
間に合いません。公告時ではなく会社への送達時から効力が生じます
会社更生法26条により、包括的禁止命令の効力は、開始前会社(保全管理人が選任されていればその者)に対する裁判書が送達された時から生じます(2項)。公告はあくまで事後の周知方法にすぎず、効力発生の基準ではありません。したがって公告を目にしてから差押えに動いても、その時点で命令は既に効力を持ち、あなたを含む全債権者の強制執行・仮差押え・仮処分は封じられています。一方、送達時より前に完了していた執行は原則として覆りません。回収できるか否かは送達時刻との分単位の前後で決まります。
解説
取引先の会社が資金繰りに行き詰まった。あなたは債権を回収しようと、相手の預金口座や在庫の差押えに動く。ところがある日、裁判所から「包括的禁止命令」の通知が届く。これ一枚で、あなたを含む全債権者の個別の強制執行が一斉に止まる。会社更生法26条は、この命令がいつ、誰に、どう伝わり、いつ効力を持つかを定める。最大の急所は2項だ。命令の効力は、公告された時ではなく、開始前会社(保全管理人がいればその者)に裁判書が送達された時に生ずる。つまり公告を見てから動いても遅い。送達の瞬間に、もう世界が変わっている。あなたが「知れている債権者」であれば通知も届くが、効力はその通知を待たない。まだ動ける窓と、もう動けない瞬間。その境目が、この一条に書いてある。
法的な位置づけ
会社更生法26条は、包括的禁止命令ならびにその変更・取消しの決定に関する公告・送達・通知の手続と効力発生時期を定める規定である。命令の効力は、開始前会社(保全管理人選任時はその者)に対する裁判書の送達がされた時から生ずるものとし、公告は事後の周知方法として位置づけられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.命令の効力発生時点を裁判所記録で特定 包括的禁止命令の通知または公告を確認したら、効力発生の基準である「開始前会社(保全管理人選任時はその者)への裁判書送達時」を裁判所記録で特定する。公告日や自分への通知到達日ではなく、会社への送達時刻を押さえる
- 2.自分の執行が送達前に完了しているか確認 自分の強制執行・仮差押え・仮処分が、会社への送達時より前に完了しているか確認する。完了済みであれば原則として維持される余地があるため、執行完了時刻を分単位で立証できる資料を保全する
- 3.不服があれば即時抗告を検討 命令が不当に自分の権利を害すると考えるなら、25条6項の即時抗告を検討する。その裁判書は当事者に送達され(3項)、不服申立期間や次の手続の起算点が現実に動き出す。期間は裁判の告知から原則1週間(最新の改正状況を要確認)
- 4.手続開始後は債権届出へ戦略を切り替え 更生手続が正式に開始した後は個別回収を諦め、更生手続内での債権届出へ戦略を切り替える。届出期間を徒過すると更生計画での弁済対象から外れるおそれがあるため、期日管理を最優先にする
よくある質問 AI による整理
Q1包括的禁止命令の効力はいつから生じますか?
開始前会社(保全管理人がいればその者)への裁判書送達時から生じます(会社更生法26条2項)。公告時や通知到達時ではありません。
Q2包括的禁止命令とは何ですか?
更生手続開始前に、全債権者の強制執行・仮差押え・仮処分などを一斉に禁止する裁判所の命令です(25条)。26条はその告知方法と効力発生を定めます。
Q3公告と送達と通知はどう違いますか?
送達は会社への裁判書交付で効力発生の基準(2項)、公告は一般への周知、通知は知れている更生債権者等への個別連絡(1項)です。役割が異なります。
Q4包括的禁止命令が出ても通知が来るまで回収できますか?
できません。効力は会社への送達時を基準とし、あなたへの通知到達を待ちません。通知が郵便受けに入る前に執行は既に止まっています。
Q5送達前に完了した差押えは取り消されますか?
原則として維持される余地があります。効力発生(送達時)より前に完了した執行は禁止の対象外と整理されるため、送達時刻との前後が鍵です。
Q6包括的禁止命令に不服があるときはどうしますか?
25条6項に基づき即時抗告できます。その裁判書は当事者に送達され(26条3項)、その時点が次の手続の起算点になります。
Q7包括的禁止命令の変更・取消しも送達されますか?
されます。変更・取消しの決定も公告のうえ裁判書を会社と申立人に送達し、主文を知れている更生債権者等に通知します(1項)。
Q8知れている更生債権者等とは誰のことですか?
申立段階で会社や保全管理人が把握している債権者等を指し、その者には命令の主文が通知されます(1項)。ただし効力発生は通知到達と無関係です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1包括的禁止命令って、個別の差押えを止める命令と何が違うんですか?
個別の中止命令(24条)は特定の手続を一つ止めるだけですが、包括的禁止命令(25条)は全債権者の強制執行・仮差押え・仮処分などを一斉に禁止します。効力の桁が違う。実務のポイント:この命令が出るのは、個別の中止命令では間に合わない、債権者が殺到する切迫した場面に限られます。逆に言えば、取引先にこれが出たという情報自体が、その会社の危機の深刻度を物語る。耳にしたら与信判断を即座に見直す合図です
Q2公告と送達と通知、なんで三つもあるんですか? どれを見ればいいんですか?
役割が違います。会社への裁判書送達が効力発生の基準(2項)、公告は広く一般への周知、通知は知れている債権者への個別連絡(1項)です。あなたが債権者なら、効力がいつ生じたかは送達時刻で決まり、あなたへの通知が届く前でも命令は既に効いています。実務のポイント:「通知が来てから対応すれば間に合う」と考えると確実に出遅れる。効力は送達時を基準に全債権者を縛るので、通知待ちは禁物。異変を察知したら自分から裁判所の公告を確認しに行く姿勢が、回収の分かれ目になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「公告が出てから対応すれば間に合う」と構えている債権者が多いが、効力は会社への送達時に生ずる(2項)。公告はあくまで事後の広報にすぎない。公告を目にした時点では、あなたの執行は既に封じられている
- 包括的禁止命令の存在は知っていても、それが「個別の中止命令」(24条)とは別物で、全債権者を一網打尽に止める桁違いの効力だと理解していない人が多い。一社だけ止める命令と、全員を同時に止める命令の差は天と地ほどある
- 「自分は知れている債権者だから通知が来るはず、それまでは動ける」という問いの立て方そのものが誤っている。効力発生は通知の到達と無関係で、送達時を基準とする(2項)。あなたへの通知が郵便受けに入る前に、あなたの権利行使はもう止まっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 26条:包括的禁止命令の公告・送達・通知と効力発生時期 | 25条:包括的禁止命令の発令そのもの 24条:他の手続の中止命令等(個別措置) |
| 止める範囲 | (25条の命令を前提に)全債権者の執行を一斉に禁止する命令の効力を確定 | 全債権者の強制執行・仮差押え・仮処分等を包括的に禁止 特定の手続を一つ中止するにとどまる |
| 効力・対象の基準 | 効力は会社への裁判書送達時から(2項)。変更・取消し決定も送達対象 | 包括的禁止命令の発令要件・対象を規律 個別の中止対象を特定して命令 |
| 不服申立て | 25条6項の即時抗告についての裁判書を当事者に送達(3項) | 発令に対する即時抗告は25条6項 中止命令に対する不服は当該規定による |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は会社更生にあたる『重整』で、裁定前に裁判所が強制執行の停止等の保全処分を命じうる。包括的に全債権者を止める発想は近いが、効力発生を送達時に固定する明文は日本に特徴的
韓国の債務者回生法は『포괄적 금지명령(包括的禁止命令)』を明文で持ち、日本法と構造が酷似する。日本法を強く参照した立法経緯がある
ドイツは開始前の保全処分(vorläufige Maßnahmen)として仮の強制執行禁止を命じうる。包括的な停止効を保全処分の枠で実現する点が日本と異なる
米国は申立てと同時に自動的に全債権者の取立て・執行が停止する『自動停止』方式。裁判所の発令や送達を待たず効力が生じる点が、送達時を基準とする日本法と対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 会社が更生手続開始を申し立てた直後、まだ手続は正式に始まっていない。この空白期間に債権者が我先にと資産を押さえれば、再建は始まる前に崩壊する。包括的禁止命令はその空白を埋める一手だ。ただし効力は送達時から生ずるため(2項)、申立側は発令と送達の段取りを同時に詰める
- もし、あなたが明日の朝に相手会社の在庫を差し押さえる予定だったとして、今夜その会社へ包括的禁止命令が送達されたら? 翌朝のあなたの執行は空振りに終わる。送達の前か後か、たった数時間の差が、回収できるか泣き寝入りかを分ける
- 命令の取消しを求めて即時抗告した。その裁判書は当事者に送達される(3項)。送達されて初めて、不服申立てや次の手続の起算点が現実に動き出す。書面が手元に届く一点を押さえていないと、争う時間そのものを失う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 包括的禁止命令の通知または公告を確認したら、効力発生時点(開始前会社または保全管理人への裁判書送達時、2項)を裁判所記録で特定する2. 自分の強制執行・仮差押え・仮処分がその送達時より前に完了しているか確認、完了済みなら原則として維持される余地がある3. 命令が不当に自分の権利を害すると考えるなら、25条6項の即時抗告を検討、その裁判書は当事者に送達される(3項) 4. 手続開始後は個別回収を諦め、更生手続内での債権届出へ戦略を切り替える
訴えられた側:1. 開始前会社または保全管理人として、命令発令と同時に送達の段取りを確保、効力は送達時に生ずるため遅滞は資産流出に直結する2. 知れている更生債権者等への通知を漏れなく行う(1項)、ただし効力は通知の到達を待たない点を踏まえて優先順位を組む3. 命令の変更・取消しや即時抗告に備え、保全の必要性を裏付ける資料を整える4. 公告手続と並行して、対外的な周知と効力発生のタイミングを一体で管理する
時効(請求できる期限):包括的禁止命令の効力は、開始前会社(保全管理人選任時はその者)への裁判書送達時から生ずる(2項)。即時抗告は25条6項に基づき提起でき、不服申立期間は裁判の告知から原則1週間(民事訴訟法の即時抗告期間に準ずる、最新の改正状況をご確認ください)。執行の可否は送達時刻を基準に判断される
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)会社更生法全部改正 旧会社更生法(昭和27年法)を全面的に作り直した新法で、迅速な再建を支えるため包括的禁止命令制度が創設され、本条もその公告・送達・効力発生時期を定める規定として新設された
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:会社更生法全部改正(旧昭和27年法を全面改訂)。迅速な再建を支えるため包括的禁止命令制度が整備され、本条はその公告・送達・通知と効力発生時期を定める規定として置かれた
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める