会社更生法 第27条(包括的禁止命令の解除)
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- 裁判所は、包括的禁止命令を発した場合において、第二十四条第一項第二号に規定する強制執行等の申立人である更生債権者等に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該更生債権者等の申立てにより、当該更生債権者等に限り当該包括的禁止命令を解除する旨の決定をすることができる。この場合において、当該更生債権者等は、開始前会社の財産に対する当該強制執行等をすることができ、当該包括的禁止命令が発せられる前に当該更生債権者等がした当該強制執行等の手続は、続行する。
- 2.前項の規定は、裁判所が第二十四条第一項第六号に規定する外国租税滞納処分又は同条第二項に規定する国税滞納処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認める場合について準用する。
- 3.第一項(前項において準用する場合を含む。次項及び第六項において同じ。)の規定による解除の決定を受けた者に対する第二十五条第八項の規定の適用については、同項中「当該包括的禁止命令が効力を失った日」とあるのは、「第二十七条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による解除の決定があった日」とする。
- 4.第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
- 5.前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
- 6.第一項の申立てについての裁判及び第四項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
包括的禁止命令の解除とは何ですか?
定義包括的禁止命令の解除とは、会社更生法第27条に定められた規定で、「裁判所は、包括的禁止命令を発した場合において、第二十四条第一項第二号に規定する強制執行等の申立人である更生債権者等に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第27条(包括的禁止命令の解除)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第27条の条文原文は「裁判所は、包括的禁止命令を発した場合において、第二十四条第一項第二号に規定する強制執行等の申立人である更生債権者等に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは…」で始まります。
- 会社更生法第27条は第一款に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第27条の前の条は会社更生法第26条です。
- 会社更生法第27条の次の条は会社更生法第28条です。
- 会社更生法第27条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第27条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第27条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/27
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法27条は、包括的禁止命令で不当な損害を受けるおそれのある更生債権者に限り、裁判所が命令を解除し強制執行を続行できると定める例外規定である。
Q · 会社が更生手続に入って差押えが全部止まったら、もう何もできないの?
不当な損害を示せれば、あなた一社だけ解除できます
会社更生法27条により、包括的禁止命令で強制執行を止められた債権者でも、他の債権者と比べて「不当な損害」を被るおそれがあると裁判所が認めれば、その一社に限って命令を解除し、強制執行を続行できます。執行対象が生鮮品や暴落必至の資産など、あなただけが特別な不利益を受ける事情が鍵です。会社側が即時抗告しても5項により執行は止まらないため、一審で解除を勝ち取れるかが勝負になります。
解説
取引先の大企業が会社更生を申し立てた瞬間、あなたが長年かけて準備してきた差押えが、裁判所の包括的禁止命令で一斉に凍結される。「もう何もできない、あとは更生計画で雀の涙の配当を待つだけか」と諦めかける。だが会社更生法27条は、その凍結の壁に一つだけ抜け穴を空けている。包括的禁止命令によってあなたに「不当な損害」が生じるおそれがあると裁判所が認めれば、あなた一社に限って凍結を解除し、止まっていた強制執行を続行できる。ポイントは「不当な」の一語だ。他の債権者と同じ程度の不利益では足りない。あなただけが被る特別な損害、たとえば執行対象が腐敗しやすい物だった、担保の価値が急落する事情があった、そういう個別事情を裁判所に示せるかどうかで、あなたが全債権者の列の最後尾に並ぶのか、一人だけ先に動けるのかが分かれる。
法的な位置づけ
会社更生法27条は包括的禁止命令の個別解除を定める規定であり、包括的禁止命令により強制執行等を妨げられた更生債権者等に不当な損害のおそれがある場合、裁判所が当該債権者に限って命令を解除し、強制執行の実施・続行を認めるものである。集団的処理の原則に対する例外として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の損害が「他の債権者とどう違うか」を整理 執行対象が生鮮品・季節在庫・暴落必至の資産で価値が溶ける、代替回収手段がない、といった自分だけの特別な不利益を洗い出す。横並びの不利益では27条は通らない
- 2.不当な損害を疎明する資料を準備 財産の評価額・劣化見込み・執行の進捗を示す書類を揃え、時間が経つと無価値化することを客観的に裏付ける。時間的切迫こそが立証の核心
- 3.更生事件の裁判所に解除を申し立てる 包括的禁止命令を発した裁判所に、当該債権者自身が申立人となって27条の解除を申し立てる。命令が効力を有する間、対象価値が落ちきる前ほど立証が鮮明になる
- 4.却下されたら速やかに即時抗告を検討 解除が認められなければ27条4項の即時抗告を検討する。ただし即時抗告に執行停止の効力はない(5項)ため、一審の解除決定を取りにいくのが基本戦略
よくある質問 AI による整理
Q1包括的禁止命令とは何ですか?
会社更生の申立て後、すべての債権者による強制執行・仮差押え等を一律に禁止する裁判所の命令です(会社更生法25条)。再建のため抜け駆けを封じます。
Q2会社更生法27条の解除要件は?
包括的禁止命令によって、その更生債権者等に「不当な損害を及ぼすおそれ」があると裁判所が認めることです。漫然と困るだけでは足りません。
Q3「不当な損害」とはどういう意味ですか?
他の更生債権者と横並びの不利益では足りず、その債権者だけが格段に重い損害を被る相対的な特別さを指します。執行対象の性質や時間的切迫が判断材料です。
Q4会社更生手続が始まると差押えはどうなりますか?
包括的禁止命令が出れば、新たな強制執行はできず、既に進めていた手続も中止されます。例外的に27条で解除を得た一社だけが続行できます。
Q5解除の申立てはどこの裁判所にしますか?
包括的禁止命令を発した更生事件の裁判所に対して申し立てます。命令が効力を有する間に、当該債権者自身が申立人となります。
Q6解除が却下されたらどうすればいいですか?
却下決定に対しては即時抗告ができます(27条4項)。ただし即時抗告に執行停止の効力はないため、一審決定を取れるかが実質的に重要です。
Q7破産手続でも同じ解除制度はありますか?
あります。破産法27条に対応する包括的禁止命令の個別解除規定があり、構造はほぼ同じです。民事再生にも類似の制度があります。
Q8担保権者も包括的禁止命令で止まりますか?
会社更生では担保権の実行も手続に取り込まれるため、包括的禁止命令で止まり得ます。担保価値の急落があれば27条の不当な損害を主張する余地があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1更生手続が始まったら、もう差押えはできないんじゃないんですか?
原則は止まりますが例外があります。会社更生法27条は、包括的禁止命令によって『不当な損害』を被るおそれのある債権者に限り、その人だけ解除して執行を続けられると定めます。実務のポイント:『不当』とは単に損をするではなく、他の債権者と比べてあなただけが格段に重い損害を被ること。執行対象が生鮮品や暴落必至の資産なら、その性質を前面に出すと通りやすい。漫然と『困る』では裁判所は動きません。
Q2解除してもらえたとして、会社が文句を言ってきたら結局また止まりますか?
止まりません。27条4項で会社側は即時抗告できますが、5項でその抗告に執行停止の効力はないと明記されています。つまり解除さえ勝ち取れば、相手が争っている間もあなたは執行を進められる。実務のポイント:この『抗告しても止まらない』設計は実務で極めて重要です。逆に申立てを却下された債権者が抗告しても同じく止まらないので、まず一審の解除決定を取れるかが全て。一審勝負と心得るべきです。
Q3税金の取り立ても止められているけど、これも解除できるんですか?
できます。27条2項が1項を準用し、外国租税滞納処分や国税滞納処分を行う側にも不当な損害のおそれがあれば、同じく解除を申し立てられます。実務のポイント:倒産手続では『私人の債権者 対 会社』ばかり注目されますが、徴税当局も同じ土俵のプレイヤーです。当局が解除を取りに動くと、一般債権者の回収原資はさらに細る。自分の順位だけでなく税の動きも読むのが、回収戦略の上級編です。
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社が更生手続に入ったら、債権者は手も足も出ない」と多くの人が問題を立てるが、その問いの立て方自体がずれている。本当の問いは「自分は他の債権者と違う、特別な不利益を被っているか」だ。27条はその一点だけを審査する。一律に諦める前に、自分の損害が『不当』と言えるかを問い直すべきだ。
- 「不当な損害があれば解除される」ことは知っていても、そのハードルの高さを知らない人が多い。ただ損をするだけでは足りない。他の更生債権者と比べて、あなただけが格段に重い損害を被るという相対的な特別さが要る。執行対象の性質、時間的切迫、代替手段の有無、そこまで具体的に詰めて初めて裁判所は動く。
- 「解除されても、会社側が抗告すれば執行はまた止まる」と思われがちだが逆だ。27条5項は、即時抗告に執行停止の効力を与えていない。解除を勝ち取れば、相手が抗告しても、その間あなたは執行を進められる。スピードで一歩先んじた側が有利を保てる設計になっている。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 27条:包括的禁止命令の個別解除(不当な損害を受ける一社のみ) | 25条:包括的禁止命令の発令(全債権者を一律凍結) 26条:包括的禁止命令の変更・取消し(全体に対する見直し) |
| 効果の及ぶ範囲 | 申立てをした当該債権者一社に限定 | すべての更生債権者等に一律 命令全体(全債権者)に対して効力変動 |
| 発動の要件 | 当該債権者に不当な損害を及ぼすおそれ | 個別の中止命令では再建目的の達成が困難なおそれ等 命令を維持する必要がなくなった等の事情変更 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の公司重整では重整裁定前の保全・緊急処分により執行を止め得るが、日本の包括的禁止命令ほど類型化された個別解除規定はなく、裁判所の処分の変更で調整する構造に近い。
韓国の債務者回生法も포괄적 금지명령(包括的禁止命令)を定め、特定債権者への取消し・適用除外の余地を認める。日本の27条と機能的に近い。
ドイツ倒産法は開始決定前の暫定的保全措置として執行を停止し得るが、個別解除は裁判所の処分裁量の枠内で扱われ、独立の解除条文という形ではない。
米国連邦倒産法はオートマティック・ステイ(§362(a))に対し for cause の relief from stay(§362(d))を定める。個別債権者が申立てにより停止解除を得る点で27条と最も近い対応関係にある。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの差押えの対象が季節商品の在庫や生鮮品で、更生手続の数か月を待つ間に価値がほぼゼロになるとしたら? これこそ27条の「不当な損害」の典型だ。一律凍結のままでは無価値化する財産について、あなた一社だけ解除を勝ち取れる可能性がある。
- あなたは中小の下請けで、元請けの大企業への売掛金を回収するため、ようやく相手の銀行預金の差押命令を取った。その三日後、相手が会社更生を申し立て、包括的禁止命令で執行が止まる。あと数日で自社の資金繰りが詰むあなたに、全体の更生計画を待つ余裕はない。27条の解除申立てが唯一の現実的な活路になる。
- 逆に、あなたが更生を申し立てた会社の保全管理人だったら。一社の解除を許せば、雪崩を打って他の債権者も追随し、再建の前提が崩れる。だからあなたは「不当な損害はない」と全力で争う側に立つ。
- 担保を取っていない一般債権者のあなたは、本来なら更生手続で他の無担保債権者と横並びの配当しか望めない。だが包括的禁止命令が出る前にすでに強制執行へ着手していたなら話は別だ。27条で解除されれば、その着手済みの手続はそのまま続行される。動き出しが一日早かったかどうかが、回収率を大きく変える。
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず自分の損害が他の更生債権者と『どう違うか』を整理する。執行対象が劣化・暴落しやすい、代替回収手段がない、といった個別事情が鍵だ2. その特別な損害を疎明する資料(財産の評価、劣化見込み、執行の進捗)を揃え、裁判所に27条の解除を申し立てる3. 申立ては命令の効力が続く間に。対象価値が落ちきる前ほど『不当な損害』を立証しやすい4. 却下されたら速やかに即時抗告を検討する
訴えられた側:1. 解除で全体の再建計画が崩れる場合、その債権者の損害は『他と同程度で不当ではない』と反論する2. 解除より穏当な代替手段(一部弁済、担保提供、別途の保全)を提示し、不当な損害のおそれ自体を消す3. 解除決定が出ても5項で抗告に執行停止効はないため、執行を止めたいなら別途の手当てを並行検討する4. 解除決定に不服なら即時抗告を行う
時効(請求できる期限):特定の出訴期間という形ではなく、包括的禁止命令が効力を有する間に解除を申し立てる必要がある。申立てや即時抗告についての裁判書は当事者に送達され(6項)、即時抗告は送達から原則1週間以内(会社更生法上の即時抗告期間、最新の運用をご確認ください)。なお即時抗告に執行停止の効力はない(5項)。
学説
通説:27条の解除は包括的禁止命令の集団的・一律処理を維持しつつ、個別債権者の不当な損害を回避するための例外的安全弁と位置づけられる。要件たる『不当な損害』は相対的・特別な損害を要し、執行対象の性質、時間的切迫、代替手段の有無を総合考慮するとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)会社更生法全部改正 旧会社更生法(昭和27年法律第172号)を全面的に改め、新たに包括的禁止命令の制度を導入。本条はその安全弁として、不当な損害を受ける債権者の個別解除を新設した
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:会社更生法全部改正(平成14年法律第154号)。旧会社更生法を全面的に改め包括的禁止命令制度を導入し、その安全弁として不当な損害を受ける債権者の個別解除を新設した。
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