受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

会社更生法 第55条(管財人等の行為によらない更生債権者等の権利取得の効力)

クイックジャンプ
  1. 更生債権者等は、更生手続開始後、更生債権等につき更生会社財産に関して管財人又は更生会社の行為によらないで権利を取得しても、更生手続の関係においては、その効力を主張することができない。
  2. 2.前条第二項の規定は、更生手続開始の決定があった日における前項の権利の取得について準用する。

この条文の基本情報

管財人等の行為によらない更生債権者等の権利取得の効力とは何ですか?

定義管財人等の行為によらない更生債権者等の権利取得の効力とは、会社更生法第55条に定められた規定で、「更生債権者等は、更生手続開始後、更生債権等につき更生会社財産に関して管財人又は更生会社の行為によらないで権利を取得しても、更生手続の関係においては、その効力を主…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 会社更生法第55条(管財人等の行為によらない更生債権者等の権利取得の効力)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
  2. 会社更生法第55条の条文原文は「更生債権者等は、更生手続開始後、更生債権等につき更生会社財産に関して管財人又は更生会社の行為によらないで権利を取得しても、更生手続の関係においては、その効力を主…」で始まります。
  3. 会社更生法第55条は第二節に置かれています。
  4. 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
  5. 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 会社更生法第55条の前の条は会社更生法第54条です。
  7. 会社更生法第55条の次の条は会社更生法第56条です。
  8. 会社更生法第55条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第55条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154
  • 本サイト収録会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第55条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/55

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点会社更生法55条は、更生手続開始後に管財人等の行為によらず取得した権利は手続との関係で効力を主張できないと定める。開始決定日の取得は開始後と推定される。

Q · 取引先が会社更生に入った後で慌てて担保や差押えを取ったら、回収できるの?

更生手続の中では効力を主張できません

会社更生法55条により、更生手続開始後に管財人や更生会社の行為によらず取得した権利は、更生手続の関係ではその効力を主張できません。開始後に押さえた担保や差押えは、配当の場面では存在しないものとして扱われます。ただし手続相対効であり、手続外では権利自体は有効に存続します。さらに2項は前条2項を準用し、開始決定があった日の取得を開始後の取得と推定するため、決定時刻より前の取得を立証できなければ不利な側に置かれます。

解説

取引先の大企業が更生手続に入った。あなたの会社は売掛金3000万円を抱えている。回収不能の恐怖に駆られ、相手の在庫に仮差押えをかけ、あるいは法定担保を滑り込ませようと動く。だが会社更生法55条は冷たく言い放つ。更生手続が開始した後、管財人や更生会社の行為を経ずにあなたが取得した権利は、更生手続との関係ではその効力を主張できない、と。ここで読み違えてはいけないのは、これが「絶対的な無効」ではない点だ。手続の外では権利は生きている。しかし更生手続の中、つまり他の債権者全員との配当競争の場では、その権利は存在しないものとして扱われる。さらに2項は前条の推定を準用し、開始決定があった日に取得した権利は開始後の取得と推定する。「決定当日のうちに登記を入れたから間に合った」という言い訳を、法は先回りして封じている。

法的な位置づけ

会社更生法55条は、更生手続開始後に管財人または更生会社の行為によらず取得された更生会社財産に関する権利について、更生手続との関係でその効力主張を否定する規定である。絶対的無効ではなく手続相対効であり、開始決定日の取得は前条2項の準用により開始後の取得と推定される。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.自分の権利取得時期を確定する 登記の受付日時、確定日付、契約成立日などを資料で固め、自分の権利取得が更生手続開始決定の前か後かを正確に特定する。同日取得かどうかをまず判別する
  2. 2.開始決定の正確な時刻を裁判所記録で確認する 更生手続開始決定の効力は決定の時点で生じるため、裁判所の決定記録から正確な決定時刻を取得する。自分の取得時刻と突き合わせて先後を判断する
  3. 3.同日取得なら反証証拠を準備する 開始決定日の取得は2項の準用により開始後と推定され、立証責任は権利者側に転換する。決定時刻より前に取得したことを示す客観資料(確定日付・登記受付時刻)を集めて反証を組み立てる
  4. 4.手続内で主張できない場合は更生債権を届け出る 55条で遮断される場合は、潔く一般の更生債権として裁判所の定める届出期間内に債権届出を行い、配当の地位を確保する。並行して取戻権・別除権・共益債権の該当性を精査する

よくある質問 AI による整理

Q1会社更生法55条とは何ですか?

更生手続開始後に管財人や更生会社の行為によらず取得した権利は、更生手続の関係では効力を主張できないと定める規定です。抜け駆け的な権利取得を手続内で遮断し、債権者平等を守ります。

Q2手続相対効とはどういう意味ですか?

権利が絶対的に無効になるのではなく、更生手続の中(配当の場面)でのみ効力を主張できないという限定的な効果です。手続外では権利は有効に存続します。

Q3更生手続開始後に取得した担保は無効になりますか?

絶対的に無効になるわけではありませんが、更生手続の関係では効力を主張できません。配当競争の場面では存在しないものとして扱われ、一般の更生債権者の地位に戻されます。

Q4更生債権の届出はいつまでにすればいいですか?

裁判所が更生手続開始決定で定める届出期間内に行う必要があります。期間を過ぎると配当の地位を失うおそれがあるため、最新の手続規定を必ず確認してください。

Q5法定の先取特権も55条で遮断されますか?

自分の意思や相手の行為を介さない法定担保でも、開始後の取得であれば55条の射程に入り、手続内では効力を主張できません。タイミングが後なら遮断されます。

Q6開始決定の時刻はどこで確認できますか?

裁判所の更生手続開始決定の記録で確認できます。開始決定の効力は決定の時点で生じるため、自分の権利取得が決定時刻の前か後かが争点になります。

Q7会社更生と民事再生の違いは何ですか?

会社更生は株式会社専用で管財人が経営権を握る強力な手続、民事再生は個人・法人とも使え原則として経営陣が残るより簡易な手続です。開始後の権利取得制限は両者に類似規定があります。

Q8取戻権や別除権は55条の影響を受けますか?

開始前から存在する担保権に基づく別除権や、第三者の所有物を取り戻す取戻権は性質が異なります。開始前からの権利かどうかを精査する必要があるため、弁護士に確認してください。

この条文についての質問 AI による整理

Q1取引先が会社更生になったら、急いで差押えや担保設定をすればいいんですよね?

それが最大の誤解である。会社更生法55条により、更生手続開始後に管財人や更生会社の行為によらず取得した権利は、手続との関係では効力を主張できない。開始後に押さえた担保や差押えは、手続の中では存在しないものとして扱われる。実務のポイント:弁護士は取引先の更生開始後にあわてて保全を勧めることはまずない。むしろ平時のうちに担保を取るか、危ない兆候が出た段階で取引額を絞る。動くべきタイミングは破綻が見えてからではなく、その前なのである

Q2開始決定の当日に登記を入れたら、ギリギリ間に合いますか?

原則として間に合わない。55条2項は前条2項の推定を準用し、開始決定があった日の権利取得を開始後の取得と推定する。あなたが決定の時刻より前に取得したことを立証しない限り、推定であなたが不利な側に置かれる。実務のポイント:開始決定の効力は決定の瞬間に生じるため、本当の争点は「日」ではなく「時刻の先後」である。裁判所の決定記録に残る正確な時刻と、自分の登記受付時刻や確定日付を突き合わせられるかが、推定を覆せるか諦めるかの分岐点になる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「効力を主張できない」を「権利が無効になる」と同じだと思い込む人が多い。実際は手続相対効であり、更生手続の外では権利は有効なまま生きている。手続の中、つまり配当の場面でのみ主張できないという深刻な限定であって、絶対的無効ではない。この違いを知らないと、更生手続終了後や別の局面での権利行使の可能性まで諦めてしまう
  • 「開始決定前に動けば間に合う」と単純に考えがちだが、立てている前提が甘い。55条2項は前条2項を準用し、開始決定があった日に取得した権利を開始後の取得と推定する。つまり同じ日であれば、原則としてあなたが不利な側に推定が働く。間に合うかどうかは「日」ではなく「決定時刻との先後」であり、しかもその立証責任はあなたにのしかかる
比較の観点この条文ほかの条文
規律対象55条:開始後の権利取得(管財人等の行為によらないもの)の効力主張54条:開始後の更生会社の法律行為の効力
56条:開始後の登記及び登録の効力
効果手続相対効(手続内では効力を主張できない)更生会社の行為を手続との関係で無効化
対抗要件具備の効力を手続との関係で制限
推定規定開始決定日の取得を開始後と推定(54条2項準用)開始決定日の行為を開始後と推定
開始決定日の登記を開始後と推定する規律

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
公司法 第296条・破産法

台湾も重整裁定後の重整債権の行使を手続内に集約し、個別の抜け駆け回収を制限する。集団的処理と債権者平等の要請は日本と共通する。

韓国
채무자 회생 및 파산에 관한 법률(債務者回生法)

韓国は破産・回生を統合した債務者回生法で、回生手続開始後の権利取得を制限し手続内処理に集約する。構造は日本の倒産法制に近い。

ドイツ
Insolvenzordnung(InsO)§ 91

ドイツ InsO § 91は手続開始後における財団財産上の権利取得を原則として排除する。日本55条の発想に近い参照点である。

アメリカ
11 U.S.C. § 549・§ 362

米国連邦倒産法は § 362の自動的停止と § 549の申立後取引の否認により、申立後の個別権利取得を制限する。手続的構成は異なるが目的は共通する。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 下請けのあなたが、元請けの大企業の資金繰り悪化を聞きつけ、未回収の請負代金を守ろうと相手の機械設備に仮差押えを申し立てた。だが申立てが認められた日には、すでに更生手続開始の決定が出ていた。55条により、その仮差押えは更生手続の中では効力を主張できない。あなたは一般の更生債権者として、他の債権者と横並びの配当を待つ立場に戻される
  • もし、更生手続開始の決定が下りたその当日に、あなたが滑り込みで抵当権設定登記を完了させたら、間に合うのか。55条2項は前条2項を準用し、開始決定日の権利取得は開始後と推定する。あなたが「決定時刻より前に取得した」と立証できない限り、その担保は手続の中では無かったことにされる。残された反証の時間は、ほぼない
  • 親会社が倒れ、保証債務を引き継いだ子会社が更生手続に入った。あなたが法定の先取特権で優先回収を狙っても、開始後に発生した権利取得なら55条で遮断される

取るべき行動

被害を受けた側:1. まず自分の権利取得が更生手続開始決定の「前」か「後」かを、登記の受付日時・確定日付・決定の時刻で確定させる2. 開始決定日の取得なら2項の推定が不利に働くので、決定時刻より前に取得したことを示す証拠を集めて反証を準備する3. 手続内で主張できない場合は、潔く一般の更生債権として裁判所の定める届出期間内に債権届出を行い、配当の地位を確保する4. 取戻権・別除権・共益債権に該当する余地がないか、開始前からの担保権の有無を弁護士と精査する

訴えられた側:1. あなたが管財人または他の更生債権者で、特定の債権者の抜け駆け的な権利取得を排除したい場合、その取得が開始決定後であることを55条で主張する2. 開始決定日の取得については2項の推定を援用し、相手に「決定時刻より前」の立証責任を負わせる3. 開始前の取得であっても、危機時期の偏頗行為であれば否認権(別の規定)の行使を並行検討する4. 主張の前提として、開始決定の時刻と相手の権利取得時期を客観資料で固める

時効(請求できる期限):効力の基準時は更生手続開始決定の時点。開始決定があった日における権利取得は、55条2項が前条2項を準用し、開始後の取得と推定される。届出による権利行使は、裁判所が更生手続開始決定で定める更生債権等の届出期間内に行う必要がある(最新の手続規定をご確認ください)

学説

通説:55条が定める効力否認は絶対的無効ではなく手続相対効であり、当該更生手続との関係においてのみ権利の効力を主張できないにとどまる。手続外での権利の存続は妨げられず、抜け駆け的な個別権利取得を遮断して債権者平等と更生会社の財産保全を図る集団的処理の要請から正当化される。

改正沿革 AI による整理

  • 平成14年(2002年)会社更生法全部改正 旧会社更生法(昭和27年)を全部改正した現行会社更生法(平成14年法律第154号、平成15年施行)で、破産法の対応規定にならい、開始後の更生会社の行為によらない権利取得の手続相対的な効力否認と開始決定日の取得についての推定を現行55条として整備した

改正の年表

  1. 1.平成14年(2002年) 改正:旧会社更生法(昭和27年)を全部改正した現行会社更生法(平成14年法律第154号、平成15年施行)において、破産法等の対応規律にならい、開始後の更生会社の行為によらない権利取得の手続相対的な効力否認と、開始決定日の取得についての推定を現行55条として整備した。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

会社更生法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›