会社更生法 第66条(取締役等の報酬等)
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- 更生会社の取締役、会計参与、監査役、執行役及び清算人は、更生会社に対して、更生手続開始後その終了までの間の報酬等(会社法第三百六十一条第一項に規定する報酬等をいう。次項において同じ。)を請求することができない。ただし、第七十二条第四項前段の規定により更生会社の機関がその権限を回復している期間中は、この限りでない。
- 2.前項ただし書の場合における取締役、会計参与、監査役、執行役及び清算人が受ける個人別の報酬等の内容は、会社法第三百六十一条第一項(同法第四百八十二条第四項において準用する場合を含む。)及び第三項、第三百七十九条第一項及び第二項、第三百八十七条第一項及び第二項並びに第四百四条第三項の規定にかかわらず、管財人が、裁判所の許可を得て定める。
この条文の基本情報
取締役等の報酬等とは何ですか?
定義取締役等の報酬等とは、会社更生法第66条に定められた規定で、「更生会社の取締役、会計参与、監査役、執行役及び清算人は、更生会社に対して、更生手続開始後その終了までの間の報酬等(会社法第三百六十一条第一項に規定する報酬等をい…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第66条(取締役等の報酬等)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第66条の条文原文は「更生会社の取締役、会計参与、監査役、執行役及び清算人は、更生会社に対して、更生手続開始後その終了までの間の報酬等(会社法第三百六十一条第一項に規定する報酬等をい…」で始まります。
- 会社更生法第66条は第二節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第66条の前の条は会社更生法第65条です。
- 会社更生法第66条の次の条は会社更生法第67条です。
- 会社更生法第66条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第66条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第66条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/66
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法66条は、更生会社の取締役や監査役等が手続開始後その終了までの報酬を請求できないと定める。例外は機関の権限回復期間中に管財人が裁判所の許可で報酬を定める場合のみ。
Q · 会社が更生手続に入ったら、社長や役員の報酬はどうなるの?
原則ゼロ。管財人が裁判所の許可で定めた場合のみ受け取れます
会社更生法66条により、更生会社の取締役・会計参与・監査役・執行役・清算人は、更生手続開始後その終了までの間、報酬等を請求できません。経営権が管財人に専属的に移るためです(72条)。例外は、裁判所が機関の権限を回復させた期間中のみで、その場合の個人別報酬額は会社法の決定手続によらず、管財人が裁判所の許可を得て定めます(66条2項)。終了後に停止期間分を遡って請求することもできません。
解説
上場企業の社長として高額の役員報酬を受け取っていた人が、会社更生手続の開始と同時に、その報酬請求権を完全に失う。会社更生法66条は、更生会社の取締役・会計参与・監査役・執行役・清算人は、手続開始後その終了までの間、報酬等を一切請求できないと定める。理由は明快だ。更生手続が始まると、会社の経営権は管財人に専属的に移る(72条)。経営の実権を握らない取締役に、会社法上の報酬を払い続ける理由はない。ただし例外がある。裁判所が会社の機関に権限を回復させた期間(72条4項前段)は、報酬を受け取れる。だがその金額は、もはや株主総会や定款では決まらない。管財人が裁判所の許可を得て、一人ひとりの報酬額を定める。つまり、あなたが取締役として報酬を受け取れるか、いくらかは、株主でも取締役会でもなく、管財人と裁判所の判断に委ねられる。
法的な位置づけ
会社更生法66条は更生会社の役員報酬の停止を定める規定であり、取締役・会計参与・監査役・執行役・清算人は更生手続開始後その終了までの間、会社に対し報酬等を請求できないとする。例外として機関の権限回復期間中は、管財人が裁判所の許可を得て個人別の報酬額を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.更生申立て前に生活資金を会社外へ確保 開始決定の瞬間に報酬請求権は消えるため、申立て前のうちに当面の生活資金を役員報酬以外の形で確保する。申立て後では遅く、社長でも無収入で手続を戦うことになる
- 2.申立て代理人と管財人候補の協議経路を作る 申立て代理人を通じ、開始後も創業者・役員の知見が業務継続に不可欠かを整理し、管財人候補と水面下で処遇を調整しておく。何も準備せず開始決定を迎えると無収入が確定する
- 3.機関の権限回復の必要性を業務内容とともに説明 既に手続が始まっているなら、管財人に対し機関の権限回復(72条4項)の必要性と、その期間の報酬の妥当性を具体的な業務内容とともに説明し、許可の判断材料を自ら提供する
- 4.個人保証の処理方針を会社更生と別軌道で詰める 個人保証がある場合、会社の更生とは別に保証債務の追及が続くため、保証債務の処理方針(経営者保証ガイドライン等)を弁護士と並行して詰める
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法66条とは何ですか?
更生会社の取締役・会計参与・監査役・執行役・清算人が、更生手続開始後その終了までの間、報酬等を請求できないと定める規定です。経営権が管財人に移るためです。
Q2更生手続中の役員報酬は誰が決めますか?
機関の権限回復期間中のみ、会社法の決定手続によらず管財人が裁判所の許可を得て個人別に定めます(66条2項)。株主総会や定款は効力を失います。
Q3会社更生と民事再生で役員報酬の扱いは違いますか?
違います。民事再生は原則 DIP 型で経営陣が地位と報酬を保ちますが、会社更生は管財人に経営権が専属するため66条で報酬請求権が停止します。
Q4更生手続中に管財人が許可した役員報酬は共益債権になりますか?
なります。手続開始後の管財人の業務遂行に伴う報酬は共益債権として、一般の更生債権に優先して随時弁済されます。
Q5機関の権限回復とは何ですか?
更生手続中に裁判所が会社の機関に一定の権限を回復させること(72条4項前段)です。この期間中に限り役員は報酬を受け取れます。
Q6取締役を辞任すれば報酬は復活しますか?
復活しません。66条は地位の有無ではなく更生手続の進行を基準に報酬を止めるため、辞任しても止まった報酬は戻りません。
Q7管財人が定める役員報酬に上限はありますか?
明文の上限はありませんが、裁判所の許可が要件で、過大な額は債権者の信頼を損なうため業務内容に見合う相当額に限られます。
Q8会社更生で役員報酬が止まるのはいつからいつまでですか?
更生手続開始の決定時から手続終了時までの全期間です(66条1項)。機関の権限回復期間中だけが例外となります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社更生になったら、社長の私は本当に一円も給料がもらえないんですか?
役員報酬としては請求できません(66条1項)。経営権が管財人に移るため、報酬の根拠が失われるからです。ただし機関の権限回復期間中に管財人が裁判所の許可で報酬を定める道はあります(66条2項)。実務のポイント:実務では、申立て代理人が事前に管財人候補と協議し、開始後も創業者の知見が必要な場合の処遇を水面下で調整しておくことが多い。何も準備せず開始決定を迎えると無収入が確定する。
Q2更生手続が終わったら、止まっていた期間の報酬をまとめて請求できますか?
できません。66条1項は手続開始後その終了までの間の報酬請求権そのものを否定しており、後から遡って請求する権利は生じません。請求できるのは、機関の権限回復期間中に管財人が許可を得て定めた分だけです。実務のポイント:この点を誤解して終結後に未払報酬を主張する元役員は少なくないが、停止は権利の不発生であって支払いの繰延べではない。終結を待っても戻らない。
Q3監査役や会計参与も止められるんですか、経営者じゃないのに?
止められます。66条1項は取締役・会計参与・監査役・執行役・清算人をすべて対象にしています。会社法387条(監査役の報酬)や379条(会計参与の報酬)の決定権も、更生手続中は効力を失います。実務のポイント:監査役は経営に関与しないため不公平に見えるが、更生手続では監査役の職務自体が管財人の監督下に吸収される。報酬を求めるなら、権限回復期間中に職務の実在を管財人に示す必要がある。
間違えやすい点 AI による整理
- 「役員報酬は株主総会で決めたものだから、会社更生でも守られる」と考える人がいる。だがその問いの立て方が間違っている。更生手続が始まれば、報酬に関する株主総会の決議権も定款の効力も、管財人と裁判所の許可に置き換わる(66条2項)。誰が決めるのかという土台ごと入れ替わる
- 「取締役を辞めなければ報酬は出続ける」と思いがちだが、66条は取締役の地位の有無ではなく、更生手続の進行を基準に報酬請求権を止める。地位は残っても、報酬は止まる
- 報酬が止まることは知っていても、その深刻さを見落としている人が多い。止まるのは将来分だけでなく、手続中に発生するはずの報酬請求権そのものが法律上生じない。終結後に遡って請求する道も最初から塞がれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 66条:役員の報酬請求権を停止 | 72条:管財人への管理処分権の専属 会社法361条:平時の取締役報酬の決定手続 |
| 誰が決めるか | 回復期間中のみ管財人が裁判所許可で定める | 管財人(裁判所の監督下) 株主総会または定款 |
| 更生手続中の効力 | 原則として報酬請求権が不発生 | 経営権が役員から管財人へ移転 効力を失い66条2項に置換 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の公司重整でも重整人に業務経営・財産管理処分権が移り、董事の職権が停止する点で構造が類似する。
韓国は会社更生を含む倒産法を統合。管理人型では経営権が管理人に移り、役員報酬の扱いも管財人型に近い。
ドイツは開始決定で管理処分権が管財人へ移転。役員報酬は倒産財団の負担として制限・裁判所監督下に置かれる。
米国 Chapter 11は DIP 型が原則で経営陣が残るが、役員・専門職の報酬は裁判所の承認に服する。trustee 選任時は経営権が移る。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは創業した会社の代表取締役だが、資金繰りが行き詰まり会社更生を申し立てた。開始決定が出た翌月、自分の役員報酬の振込が止まる。生活費はどうする。報酬請求権は法律上消えており、管財人に直談判するしかない。申立て前に手を打たなければ、社長自身が無収入で手続を戦うことになる
- もし、あなたが更生会社の監査役を続けながら、その間の報酬を当然もらえると思っていたら? 66条は監査役の報酬も止める。会社法387条で守られていたはずの監査役の報酬決定権は、更生手続中はここで効力を失う
- 管財人が裁判所の許可で取締役の権限を一部回復させた。その期間だけ、あなたは報酬を受け取れる。ただし金額は管財人が決める。株主総会の出る幕はない
- 更生手続の終結まであと数か月。あなたは終結後に未払報酬を遡って請求できると考えているが、66条は終了までの間の報酬請求権そのものを否定している。終結を待っても、その期間分は一円も戻らない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 更生手続を申し立てる前に、当面の生活資金を役員報酬以外の形で確保する。開始決定後は報酬請求権が消える2. 既に手続が始まっているなら、管財人に対し機関の権限回復(72条4項)の必要性と、その期間の報酬の妥当性を具体的な業務内容とともに説明する3. 回復期間中の報酬は管財人が裁判所の許可を得て定める(66条2項)ので、許可の判断材料を自ら提供する4. 個人保証がある場合は、会社の更生とは別に保証債務の処理方針を弁護士と詰める
訴えられた側:1. 管財人として就任したら、取締役等の報酬請求権が手続開始時点で停止していることを前提に資金繰りを組む2. 業務継続上、特定の役員の協力が不可欠なら、機関の権限回復を裁判所に申し立て、66条2項に基づき個人別の報酬額を許可を得て定める3. 許可した報酬は共益債権として処理されるため、一般更生債権者への影響を見積もる4. 報酬額は会社法の決定手続に縛られないが、過大な額は債権者の信頼を損なうため相当性を確保する
時効(請求できる期限):報酬請求権の停止は、更生手続開始の決定時から手続終了時までの全期間に及ぶ(66条1項)。例外的に報酬を受けられるのは、裁判所が機関の権限を回復させた期間中のみ(72条4項前段)。手続終了後に停止期間分を遡って請求することはできない
学説
通説:66条の役員報酬停止は、更生手続開始により会社の経営権が管財人に専属する(72条)ことの金銭面での裏打ちと理解される。経営の実権を失った役員に会社法上の報酬を払い続ける根拠がないためで、限られた更生財産を債権者弁済へ振り向ける趣旨も含む。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:旧会社更生法の制定により、更生会社の役員報酬請求権を手続中停止する規律が置かれた。
- 2.平成14年(2002年) 改正:会社更生法の全部改正により現行66条へ再編。報酬等を会社法361条1項の報酬等と定義し、機関の権限回復期間中は管財人が裁判所の許可を得て個人別報酬を定める仕組みを明確化した。
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