この章の罪の未遂は、罰する。
要点刑法 141 条は、あへん煙に関する罪(136 条〜140 条)の未遂をすべて処罰すると定める規定。未遂は明文がある場合のみ罰せられるため、本条がその根拠となる。
Q · あへんを吸おうとして失敗しただけでも、罪になるの?
なる。刑法 141 条で未遂も処罰対象になる
刑法 141 条は、あへん煙に関する罪(136 条〜140 条)の未遂をすべて処罰すると定めます。未遂は明文がある場合のみ罰せられる(44 条)ため、本条があることで、輸入・製造・所持・吸食を試みて失敗した行為も未遂として成立します。ただし現実の事件は、刑法ではなくあへん法や麻薬及び向精神薬取締法で立件されることが圧倒的に多いです。
教科書には載っているが、現役の検察官でもまず使わない条文がある。刑法第14章「あへん煙に関する罪」がそれだ。あへんの輸入、製造、販売、所持、吸食、その全部に条文が割かれ(136条から140条)、141条が、それらの「未遂」までまとめて罰すると宣言する。ここであなたが押さえるべき急所はこうだ。刑法では、未遂は明文がある場合しか罰せられない(刑法44条)。つまり141条という一行がなければ、あへんを密輸しようとして税関で止められた人間は、未遂では一切罰せられない。さらに皮肉なのは、現代のあへん事件が裁かれるのは、この刑法の章ではなく、あへん法や麻薬及び向精神薬取締法という別の法律であることだ。刑法のこの章は、条文だけが残ってほぼ眠っている。141条は、その眠った章に立つ門番である。
刑法 141 条は、あへん煙に関する罪(同法第 14 章)の未遂を処罰する旨を定める規定である。刑法 44 条が「未遂は各本条に定めがある場合に限り罰する」としているため、本条は 136 条から 140 条までの各罪について未遂処罰の根拠を一括して与える機能を持つ。
あへん煙に関する罪(136 条〜140 条)の未遂を一括して処罰すると定める規定です。未遂は明文がある場合のみ罰せられるため、本条がその根拠になります。
犯罪の実行に着手したものの結果が発生しなかった場合に成立します。ただし処罰には各本条の明文が必要で、明文がなければ未遂は罰せられません(刑法 44 条)。
輸入・製造(136 条)など重い類型ほど刑が重く、吸食や所持はより軽い段階があります。未遂は刑法 43 条本文により減軽できる場合があります(任意的減軽)。
未遂を処罰するには各本条に明文の定めを要すると規定する条文です。刑法 141 条はこの原則を受け、あへん罪の章に未遂処罰の明文を置いた実装例です。
実務上はあへん法や麻薬及び向精神薬取締法といった特別法で立件されることが圧倒的に多いです。刑法のあへんの章は条文として残るものの、主役は特別法に移っています。
未遂でも処罰対象となり得ます。逮捕後は最大 23 日の身柄拘束の中で検察官が起訴・不起訴を決めます。適用罪名が刑法か特別法かで法定刑が変わるため弁護人の確認が重要です。
覚醒剤は覚醒剤取締法、大麻は大麻取締法という特別法で規律されているためです。刑法本体に薬物専用の章があるのは、明治期の社会状況を反映したあへんだけです。
適用される条文の法定刑によって異なります(刑事訴訟法 250 条)。輸入・製造など重い類型ほど時効期間は長く、軽い類型は短くなります。最新の改正状況は要確認です。
未遂でも141条により処罰対象となり、有罪なら前科がつきます。ただし刑法43条本文で刑を減軽できる場合があります(任意的減軽)。現実にはあへん法違反として立件されることが多いです。業界裏話ヒント:同じ行為に刑法と特別法の両方の処罰根拠があるとき、検察官は立証のしやすい方・量刑の見合う方を選んで起訴します。どちらで起訴されるかに余地が生じる場面があり、弁護人が早期に罪名構成へ働きかけるかどうかで結果が変わる
明治期の制定当時、あへんは深刻な社会問題で、独立した章が設けられました。現在は使用がほぼ消滅し、薬物規制の主役はあへん法・麻薬及び向精神薬取締法・覚醒剤取締法に移っています。業界裏話ヒント:刑法本体に薬物専用の章があるのはあへんだけで、覚醒剤も大麻も特別法で裁かれます。司法試験でこの章が単独で問われることは稀で、出題されるとすれば『未遂は明文がある場合のみ罰する(44条)』の典型例としてです
必ずではありません。刑法43条本文は未遂の刑を『減軽することができる』と定める任意的減軽で、裁判所が減軽しない選択も可能です。業界裏話ヒント:中止未遂(自分の意思でやめた、刑法43条但書)なら必要的減免で必ず軽くなるか免除されます。同じ未遂でも『他人に止められたのか、自ら止めたのか』で天と地ほど違う。捜査段階でどちらの事実を主張・立証するかが決定的です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 本条の役割 | 刑法 141 条:あへん罪の章の未遂を一括して処罰対象とする | — |
| 適用範囲 | 136〜140 条のあへん罪の未遂 | — |
| 効果 | 未遂を処罰可能にする根拠 | — |
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