要点刑法 148 条は、行使の目的で通貨を偽造・変造する行為と、偽造通貨を行使・交付・輸入する行為を、無期または三年以上の拘禁刑で処罰する通貨偽造罪を定める。
Q · 一万円札を偽造したり、偽札を使ったりすると、どれくらい重い刑になるの?
上限は無期、下限でも三年以上の拘禁刑です
刑法 148 条 1 項は、行使の目的で通貨を偽造・変造した者を無期または三年以上の拘禁刑に処します。2 項は、偽造通貨を行使し、行使の目的で人に交付し、または輸入した者も同じ刑とします。窃盗や詐欺と違い被害額で刑が変わらず、1 枚でも上限は無期です。保護法益が通貨制度への社会的信用であるため、自分で作っていなくても偽物と知って使えば作った人と同罪になります。なお 2025 年 6 月施行の改正で「懲役」は「拘禁刑」に統合されました。
一万円札をカラーコピーして使う。たったそれだけの行為に、無期拘禁刑という殺人罪並みの刑が待っている。刑法148条は「行使の目的で、通用する貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造した者は、無期又は三年以上の拘禁刑に処する」と定める。なぜ紙切れ1枚が、人の命を奪うのとほぼ同じ重さで裁かれるのか。守られているのはあなたの財布ではなく、「お金そのものへの信用」だ。社会全体が「この札は本物だ」と信じられるからこそ経済が回る。その信用に穴を開ける行為だから、被害額の多寡に関係なく最初から極めて重い。さらに知っておくべきは、2項が「偽造通貨を使った人、人に渡した人、輸入した人」も同じ刑にする点だ。自分で作っていなくても、偽札と知って使えば作った人と同罪になる。そして2025年6月1日施行の改正で「懲役」は「拘禁刑」に統合された。古い解説書の「3年以上の懲役」は、もう正確ではない。
刑法 148 条は通貨偽造罪を定める規定であり、行使の目的で通用する貨幣・紙幣・銀行券を偽造または変造する行為(1 項)、および偽造・変造通貨を行使・交付・輸入する行為(2 項)を処罰対象とする。法定刑は無期または三年以上の拘禁刑であり、保護法益は個人の財産ではなく通貨制度に対する公共の信用である。
刑法 148 条が定める罪で、行使の目的で通貨を偽造・変造したり、偽造通貨を行使・交付・輸入する行為を処罰します。法定刑は無期または三年以上の拘禁刑と極めて重いのが特徴です。
自分で作っていなくても、偽物と知って使えば 148 条 2 項により作った人と同じ無期または三年以上の拘禁刑になります。ただし受け取った後に偽物と気づいて使った場合は 152 条の軽い類型です。
刑法 148 条 2 項により、偽造・変造通貨の行使・交付・輸入は 1 項と同じく無期または三年以上の拘禁刑です。被害額の大小で刑はほとんど変わりません。
2025 年 6 月施行の改正で「懲役」と「禁錮」を一本化した新しい刑罰です。148 条の刑も「無期又は三年以上の拘禁刑」に改められ、古い解説書の「懲役」表記は正確ではありません。
無期の拘禁刑にあたる罪のため公訴時効は 15 年です(刑事訴訟法 250 条)。起算点は偽造を終えた時または行使した時です。最新の改正状況はご確認ください。
絶対に使わず、最寄りの警察署や交番に届け出てください。気づいた後に使えば 152 条の犯罪者になりますが、届け出れば被害者として扱われます。受け取った経緯を記録するのが安全です。
罰せられます。刑法 151 条が偽造および行使等の未遂を処罰対象としています。偽造を完成させていなくても着手段階で処罰され得ます。
下限が三年以上の拘禁刑と重く、保護法益が通貨制度への信用であるため、初犯でも実刑となる可能性が高い重大犯罪です。早期の弁護方針の確立が量刑を左右します。
148条1項は「行使の目的」があって初めて成立するので、単にコピーしただけで使う意図がなければ同条では問えません。ただし枚数や保管状況から目的が推認されることはあり、また通貨及証券模造取締法が紛らわしい物の製造自体を禁じています。業界裏話ヒント:市販のコピー機やプリンター、画像ソフトの多くには、紙幣の特定パターンを検知して印刷を止めたり黒く潰す仕組み(ユーリオン等)が組み込まれており、そもそも綺麗にコピーできないよう設計されている
捨てるより届けるのが正解です。偽物と気づいた後に使えば152条(収得後知情行使等)の犯罪になりますが、これは刑が額面の3倍以下の罰金まで軽くなる類型です。気づかず使えば原則不可罰。最も安全なのは警察に届けることです。業界裏話ヒント:偽札を所持しているだけでは罪に問われないが、「使った」瞬間に立場が変わる。届け出れば被害者として扱われ、受け取った経緯の記録が善意を証明する。黙って財布にしまい込むのが一番危ない
別の条文になります。日本で通用する通貨の偽造は148条ですが、日本国内で流通する外国通貨の偽造や行使は149条(外国通貨偽造及び行使等)で、刑は2年以上の有期拘禁刑とやや軽くなります。業界裏話ヒント:「通用する」とは現に強制通用力を持つことを指す。すでに廃止され強制通用力を失った旧紙幣などを模造しても148条の対象外となることがあり、その場合は別の取締法で評価される
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象・行為 | 148 条:国内で通用する通貨の偽造・変造、および偽造通貨の行使・交付・輸入 | — |
| 法定刑 | 無期または三年以上の拘禁刑 | — |
| 悪質性の前提 | 当初から偽造の故意・行使の目的がある | — |
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