前三条の罪の未遂は、罰する。
要点刑法 151 条は、通貨偽造・外国通貨偽造・偽造通貨収得(148〜150 条)の未遂を処罰する。偽札が未完成でも、行使の目的で実行に着手すれば成立する。
Q · 偽札を作りかけてやめた、あるいは作り終える前に捕まったら、罪にならないの?
偽札が未完成でも、実行に着手すれば未遂罪が成立します
刑法 151 条により、通貨偽造(148 条)・外国通貨偽造(149 条)・偽造通貨収得(150 条)の未遂は処罰されます。行使の目的で偽造等の実行に着手していれば、偽札が一枚も完成していなくても未遂犯が成立します。「完成しなかった」「使っていない」は無罪の理由になりません。ただし着手前の準備にとどまる場合は通貨偽造等準備罪(153 条)の領域となり、刑が大きく変わります。未遂は刑法 43 条本文により減軽『できる』にとどまり、自らの意思でやめた中止犯のみ必要的に減免されます。
「前三条の罪の未遂は、罰する」。たった一行のこの条文を軽く見てはいけない。前三条とは通貨偽造(148条)、外国通貨偽造(149条)、偽造通貨の収得(150条)を指す。多くの人は「偽札を実際に使って初めて捕まる」と考えるが、それは誤りだ。本条は、偽札を作り終える前、つまり実行に着手したが完成しなかった段階で処罰の網をかける。さらに偽札を手に入れようとして失敗した行為(150条の未遂)まで含む。鍵は「実行の着手」がいつ始まるか。原版を彫り始めた瞬間か、印刷機を回した瞬間か、その線引きで未遂罪が成立するかどうか、ひいては数年の拘禁刑が決まる。あなたが思うより、法はずっと早い段階で動き出している。
刑法 151 条は、通貨偽造の罪(148 条から 150 条)の未遂を処罰する旨を定める規定である。行使の目的をもって偽造等の実行に着手したが結果が生じなかった場合に成立し、既遂より手前の段階に処罰範囲を及ぼす。刑の減軽は刑法 43 条本文により裁判所の裁量に委ねられる。
行使の目的で偽造等の実行に着手したが、偽札が完成しなかった段階の罪です。刑法 151 条が 148〜150 条の未遂を処罰します。完成も使用も不要です。
行使の目的があれば通貨偽造罪(刑法 148 条)です。完成前でも 151 条の未遂、着手前の準備なら 153 条の通貨偽造等準備罪と、進み具合で適用条文が変わります。
未遂の元になる罪の減軽前の法定刑が基準です。最も重い 148 条は無期を含むため、その未遂の公訴時効は 15 年(刑訴法 250 条 2 項 2 号)。起算点は行為が終わった時点です。
境界は『実行の着手』です。着手後で結果未発生なら 151 条の未遂、着手前の道具集めなどは 153 条の準備罪。法定刑が桁違いに変わるため、争点になりやすい線引きです。
行使(流通させる)目的が客観的に認められれば偽造に当たり、未完成でも 151 条の未遂になり得ます。記念・研究目的が裏づけられれば偽造罪自体が成立しません。
148〜150 条の刑を基準に、43 条本文で減軽『できる』にとどまります。減軽は義務ではないため、未遂でも重い刑が科され得ます。事案により大きく異なります。
自分の意思でやめた中止犯(43 条但書)なら必要的に減軽または免除されます。捕まりそうでやめた場合は中止犯と認められず、減軽は裁判所の裁量にとどまります。
絶対に使わず、すぐ警察へ届けてください。偽物と知って使えば自分が行使罪(148・152 条)に問われます。入手経緯をメモし、現物はそのまま保管します。
流通させる目的があれば、作り終える前でも148条の偽造未遂として151条で処罰されえます。完成も使用も不要です。ただし「行使の目的」が要件なので、純粋な研究や記念目的だと客観的に裏づけられれば偽造罪自体が成立しません。業界裏話ヒント:実務で目的の有無は、作った枚数・精巧さ・隠匿の有無・前後の言動から推認されます。一枚だけ雑にコピーして放置、と、何枚も精巧に刷って財布に入れていた、では結論が真逆になる
必ずではありません。刑法43条本文は「減軽することができる」とするだけで、減軽は裁判所の裁量です。義務的に軽くなるのは43条但書の中止犯、つまり自分の意思でやめた場合だけ。業界裏話ヒント:「捕まりそうになって慌ててやめた」のか「良心からやめた」のかは、減軽が任意か必要的かを分ける決定的な違いです。逮捕直後にどう語るかが、ここに直結する
はい。149条(外国通貨偽造及び行使等)の未遂も151条の「前三条」に含まれます。対象は日本国内に流通している外国の貨幣・紙幣・銀行券です。業界裏話ヒント:「日本国内に流通している」ことが149条の要件です。骨董的価値しかない廃止済みの旧紙幣などは「通貨」に当たらないことがあり、その場合は適用される罪が別の条文に移る
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 処罰される段階 | 151 条:実行の着手後・結果が発生していない段階 | — |
| 法定刑の重さ | 151 条:148〜150 条の刑を基準に減軽し得る | — |
| 減軽の可否 | 151 条:43 条本文で任意的減軽、中止犯なら必要的減免 | — |
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