国会法 第104条の3
クイックジャンプ
第百四条の規定により、その内容に特定秘密又は重要経済安保情報である情報を含む報告又は記録が各議院又は各議院の委員会に提出されたときは、その報告又は記録は、その議院の議員又は委員会の委員及びその事務を行う職員に限り、かつ、その審査又は調査に必要な範囲で、利用し、又は知ることができるものとする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第104条の3は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第104条の3の条文原文は「第百四条の規定により、その内容に特定秘密又は重要経済安保情報である情報を含む報告又は記録が各議院又は各議院の委員会に提出されたときは、その報告又は記録は、その議…」で始まります。
- 国会法第104条の3は第十二章に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第104条の3の前の条は国会法第104条の2です。
- 国会法第104条の3の次の条は国会法第105条です。
- 国会法第104条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第104条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第104条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/104_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法104条の3は、国会に提出された特定秘密・重要経済安保情報を含む報告や記録を利用できる者を議員・委員・事務職員に限り、審査・調査に必要な範囲に限定する。
Q · 国会に提出された特定秘密は、誰でも見られるの?
見られるのは議員・委員・担当職員だけ
国会法104条の3により、104条に基づき国会へ提出された報告・記録に特定秘密または重要経済安保情報が含まれる場合、それを利用し知ることができるのは、その議院の議員または委員会の委員と、その事務を行う議院の職員に限られます。さらに利用範囲も審査・調査に必要な限度に制限されます。国民への公開や議員秘書への共有は条文上予定されていません。
解説
国会議員なら国家の秘密を何でも自由に扱える、と考えがちだが、条文の作りはむしろ逆である。国会法104条に基づいて内閣などから国会へ出された報告や記録に、特定秘密(防衛・外交・スパイ防止・テロ防止の4分野で、大臣が指定した特に秘匿すべき情報)や重要経済安保情報(サプライチェーンや基幹インフラに関わる経済安全保障上の秘密)が含まれていた場合、その中身に触れられる人は三種類に限られる。その議院の議員、または委員会の委員、そしてその事務を担当する議院の職員である。しかも、その審査や調査に必要な範囲でしか使ったり知ったりできない。つまり議員であっても、秘密を党の会議で共有したり、選挙演説の材料にしたりはできない。議員秘書は条文が挙げる三種類のどれにも当たらない。秘密は国会に入った瞬間に「公開」されるのではなく、国会の中に作られた小部屋に移されるだけである。この構造を知っておくと、ニュースで「政府は国会に資料を出した」と聞いたとき、誰がそれを見られて、誰が語れないのかを冷静に読み解ける。
法的な位置づけ
国会法104条の3は、国政調査等のため各議院または委員会に提出された特定秘密・重要経済安保情報を含む報告または記録について、利用・知得の主体を当該議院の議員、委員会の委員および事務を行う職員に限定し、その範囲を審査または調査に必要な限度に制限する規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1国会法104条の3とは何ですか?
国会に提出された特定秘密や重要経済安保情報を含む資料について、見られる人と使える範囲を限定する規定です。対象は議員・委員・担当職員に限られます。
Q2重要経済安保情報とは何ですか?
サプライチェーンや基幹インフラなど経済安全保障上、特に秘匿が必要な情報として指定されたものです。本条では特定秘密と並んで閲覧制限の対象になっています。
Q3議員秘書は国会の特定秘密を見られる?
条文が挙げるのは議員、委員会の委員、その事務を行う職員の三種類で、議員個人の秘書は含まれていません。秘書への共有は本条の範囲外と考えられます。
Q4国会に提出された秘密資料は情報公開請求できる?
本条は利用・知得を議員や担当職員に限っており、国会提出によって国民に公開されるわけではありません。公開されるのは審査会の報告書など限られた形です。
Q5議員が秘密を党の会議で話すのは違法?
本条は審査・調査に必要な範囲での利用に限定しています。党の会議での共有はこの範囲を外れる可能性が高く、特定秘密保護法の罰則や懲罰が問題になりえます。
Q6特定秘密を国会に出す根拠条文はどこ?
国会側の提出要求は国会法104条、政府側の提供要件は特定秘密保護法10条が定めます。本条はその後の国会内での取扱いを規律します。
Q7国会の職員なら誰でも秘密資料を見られる?
見られません。本条は「その事務を行う職員」に限っており、当該審査・調査の事務を担当する職員だけが対象です。部署が違えば閲覧できません。
Q8情報監視審査会と国会法104条の3の関係は?
情報監視審査会は特定秘密の指定・運用を監視する機関で、国会法102条の13などに根拠があります。提出された秘密の取扱範囲を定めるのが本条です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国会議員が特定秘密を外でしゃべったら、本当に逮捕されるんですか?
国会法104条の3は閲覧範囲を限定し、特定秘密保護法は提供を受けた秘密を漏らした者を罰する規定を置く(同法23条)。院外での漏えいは処罰対象になりうる。ただし国会会期中は憲法50条の不逮捕特権があり、議院の許諾なく逮捕はできない。実務のポイント:実際に先に動くのは刑事手続よりも議院の懲罰(国会法121条以下)である。議席を失う除名まで制度上はありうるため、政治生命への影響はこちらのほうが早く大きい。(最新の改正状況をご確認ください)
Q2議員から秘密っぽい話を聞いた記者って、罪になるんですか?
聞いただけで直ちに罪になるわけではない。特定秘密保護法22条は、公益目的で、法令違反や著しく不当な方法によらない取材を正当な業務行為とする。一方で漏えいをそそのかす行為は、同法の教唆などの規定で処罰対象となりうる。実務のポイント:境界線は「聞いた」か「漏らすよう働きかけた」かにある。経験のある記者ほど取材メモに質問の文言をそのまま残す。後で問題になったとき、自分の質問の仕方を証明できるのはメモだけだからだ
間違えやすい点 AI による整理
- 「国会に出した資料は国民に公開される」と思われがちだが、本条の対象となる報告や記録は、議員・委員・担当職員だけが審査や調査に必要な範囲で扱える。国会提出は公開を意味しない
- 議員本人が見られるなら、その手足である秘書も当然見られると考える人は多い。だが本条が挙げるのは「その事務を行う職員」であり、議員個人の秘書は含まれていない。議員事務所の実務感覚と条文の線引きには、はっきりしたズレがある
- 「議員には免責特権があるから秘密を話しても罰せられない」という見方は、問いの立て方がずれている。憲法51条が守るのは議院で行った演説・討論・表決であり、記者への漏えいやSNSでの発信はそもそも対象外である。議場の発言で秘密を明かした場合に刑事責任を問えるかは、実務上、解釈が分かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 国会法104条の3:提出された特定秘密・重要経済安保情報の利用・知得範囲 | 国会法104条:内閣・官公署への報告・記録の提出要求 国会法52条:委員会の傍聴制限と秘密会 |
| 誰を縛るか | 議員・委員・事務職員(利用範囲を審査・調査の必要範囲に限定) | 提出を求められた内閣・官公署その他 委員会の会議への出席・傍聴者 |
| 秘密保護の方法 | 情報の中身ごとに閲覧者と目的を限定 | 秘密保護は直接定めず、提出義務の根拠を置く 会議自体を非公開にする(決議による秘密会) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も立法院の調査権と国家機密の知悉範囲管理を別法で規律する。議員による機密閲覧の具体的手続は個別確認が必要
韓国は国会に情報委員会を置き、委員会の会議を非公開とし、委員の秘密保持義務を定める仕組みを持つ
ドイツは議会統制委員会が情報機関を監視し、連邦議会の秘密保護規則で閲覧者と取扱いを厳格に管理する
米国は上下院の情報特別委員会に秘密情報が報告され、委員・クリアランス保持スタッフに閲覧が限定される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 議員の政策秘書として10年勤めたあなたは、議員が委員会から持ち帰った秘密資料の要約を頼まれた。条文が挙げるのは議員、委員、事務を行う職員だけで、秘書はそのどれでもない。断る理由は、手元のこの一文にある
- もし、委員会で特定秘密の説明を受けた議員が、その内容を記者に「オフレコで」話したらどうなる? 審査・調査に必要な範囲を明らかに外れる。特定秘密保護法の漏えい罪と、議院による懲罰の両方が視野に入る
- あなたは衆議院事務局の職員として、情報監視審査会の資料管理を担当することになった。異動の内示から着任まで2週間。誰に何を見せてよいか、閲覧記録をどう残すか、その線引きを着任前に頭に入れておく必要がある
- 記者のあなたは、ある議員から防衛関連の秘密らしき情報をほのめかされた。取材を続けてよいのか。特定秘密保護法は取材行為に配慮規定を置くが、「漏らしてくれ」とそそのかせば別の罪の入口に立つ
- 防衛装備の部品メーカーに勤めるあなた。自社が関わる重要経済安保情報が国会審議の対象になったと知った。国会に出たら情報が公になると心配するが、条文上、知りうるのは限られた議員と職員だけである
取るべき行動
被害を受けた側:秘密情報を提供した行政機関や関与企業の立場で、国会から情報が漏れたと疑われる場合:1. 漏えいの範囲(誰が、いつ、何を)を内部記録や報道から特定する2. 提供元の行政機関を通じて、議院に事実確認と保護措置の点検を求める3. 刑事責任が問題となる場合は捜査機関への告発を検討する。議員の懲罰は議院の自律に委ねられ、外部からは直接動かせない点に注意
訴えられた側:秘書・職員・記者として漏えいへの関与を疑われた場合:1. 資料に接した経緯(誰から、どの範囲で、受け取りを断ったか)を時系列で書き出す2. 自分が本条の三種類の閲覧者に当たるかを確認する3. 記者であれば、特定秘密保護法22条の取材配慮規定に沿った取材だったかを整理する4. 捜査機関の任意聴取の段階から刑事弁護に強い弁護士に相談する
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。漏えいへの刑事罰は特定秘密保護法・重要経済安保情報保護活用法によるもので、公訴時効は法定刑の上限に応じて刑事訴訟法250条で決まる(拘禁刑の上限が10年なら7年、5年なら5年、3年なら3年。いずれも犯罪行為が終わった時から起算)。(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年) 特定秘密保護法の施行と情報監視審査会の設置に合わせて新設されたとみられる。特定秘密を含む報告・記録の閲覧範囲を限定(要検証)
- 令和6年(2024年)前後 重要経済安保情報保護活用法の制定に伴い、対象に「重要経済安保情報」を追加する改正がなされたとみられる。改正年・施行日は要検証
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:特定秘密保護法の施行および情報監視審査会の設置に合わせた国会法改正で、特定秘密を含む報告・記録の利用範囲を限定する規定として設けられたとされる(改正法番号・施行日は要検証)
- 2.令和6年(2024年) 改正:重要経済安保情報保護活用法の制定に伴い、対象に重要経済安保情報が加えられたとされる(施行日は要検証)
- 国会法 第104条内閣等への報告・記録の提出要求
- 国会法 第104条の2特定秘密等を含む報告等の提出手続(現行効力を要確認)
- 国会法 第102条の13情報監視審査会の設置
- 国会法 第52条委員会の秘密会
- 国会法 第121条議員の懲罰手続
- 特定秘密の保護に関する法律 第10条国会への特定秘密の提供要件
- 特定秘密の保護に関する法律 第23条特定秘密漏えいの処罰
- 重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律 第10条国会への重要経済安保情報の提供(現行効力を要確認)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める