国会法 第56条の4
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各議院は、他の議院から送付又は提出された議案と同一の議案を審議することができない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第56条の4は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第56条の4の条文原文は「各議院は、他の議院から送付又は提出された議案と同一の議案を審議することができない。」で始まります。
- 国会法第56条の4は第六章 会議に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第56条の4の前の条は国会法第56条の3です。
- 国会法第56条の4の次の条は国会法第57条です。
- 国会法第56条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第56条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第56条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/56_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法56条の4は、各議院が他院から送付・提出された議案と同一の議案を審議できないと定める。受け取った院は送付案の修正・否決などで対応する。
Q · 衆議院から法案が送られてきたら、参議院は同じ中身の自分たちの法案を審議できるの?
できない。送られてきた案の修正か否決で対応する
国会法56条の4により、各議院は他の議院から送付又は提出された議案と同一の議案を審議できません。送付を受けた院の審議対象は送られてきた案に一本化され、選択肢は修正・否決・会期末まで議決しないことに絞られます。修正すれば最初の院へ回付され(国会法83条)、参議院が否決しても衆議院の3分の2による再可決の道が残ります(憲法59条2項)。何が「同一」かは条文に基準がなく、各議院の先例に委ねられています。
解説
ニュースで「野党が対案を提出」と聞くと、与党案と対案が横に並んで審議されるように思える。ところが、衆議院と参議院をまたぐと事情が違う。衆議院が可決して参議院に送った法案と中身が同じ法案を、参議院は自分の院で独自に審議できない。参議院から衆議院へ送られた場合も同じである。国会法56条の4は、二つの院が同じ議案を同時に審議して手間が重なるのを防ぐ、交通整理の規定だ。これを知ると、法案の動きの読み方が変わる。送付を受けた院でのやり取りは、「別の案を通す」ことではなく、「送られてきた案を修正するか、否決するか、会期切れまで議決しないか」に絞られる。修正すれば案は最初の院に戻る(国会法83条)。参議院が否決しても、衆議院の3分の2による再可決という出口が残っている(憲法59条2項)。法案を動かしたい側にとっては、どちらの院が先に可決するかという順番そのものが勝負どころになる。なお、何をもって「同一」とするかは条文に基準がなく、各議院の運営と先例(これまでの取扱いの積み重ね)に任されている。
法的な位置づけ
国会法56条の4は、二院制の下での重複審議を防ぐ規定であり、各議院が他の議院から送付又は提出された議案と同一の議案を審議することを禁じる。送付を受けた院の審議対象は送付案に一本化され、同院は修正・否決等によって審査権を行使する。議案の同一性の判断基準は明文になく、各議院の運営と先例に委ねられている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.法案の現在地を確認する 衆議院・参議院の公式サイトの議案審議経過情報で、関心のある法案が先議院か後議院か、委員会審査中か本会議可決済みかを確認する
- 2.先議院の委員会審査中に論点を届ける 最初に審議する院の委員会で審査が続いているうちに、請願(国会法79条以下)や議員への意見提出で論点を届ける。他院へ送付された後は同じ中身の別案で巻き返す道が閉じる
- 3.送付後は修正要求に切り替える 法案が他院に送付されたら、同じ趣旨の自院案を推すのではなく、送付案の修正を求める形に働きかけを切り替える。修正動議には国会法57条の賛成者数の要件がある点に注意する
- 4.会期日程と重ねて見通しを立てる 会期末の日付、閉会中審査の可能性(国会法68条)、修正時の回付日程(国会法83条)、60日みなし否決(憲法59条4項)を一枚のカレンダーに並べ、成立・修正・廃案の見通しを立てる
よくある質問 AI による整理
Q1国会法56条の4とは?
各議院が、他の議院から送付又は提出された議案と同一の議案を審議できないと定める規定です。両院による重複審議を防ぐ交通整理の役割を持ちます。
Q2参院送付とはどういう意味?
衆議院で可決した議案を参議院へ送ることです(国会法83条)。送付された時点で、参議院にある同じ中身の議案は審議できなくなります。
Q3参議院が法案を修正したらどうなる?
修正した案は最初に可決した衆議院へ回付され、衆議院が修正に同意するかを議決します(国会法83条)。同意すれば法律として成立します。
Q4参議院が法案を否決したら廃案になる?
必ずしも廃案ではありません。衆議院が出席議員の3分の2以上で再可決すれば法律になります(憲法59条2項)。両院協議会を求める道もあります。
Q5参議院が60日議決しないとどうなる?
衆議院可決の法律案を参議院が休会期間を除き60日以内に議決しないとき、衆議院は参議院が否決したものとみなせます(憲法59条4項)。
Q6法案が会期末までに通らないとどうなる?
会期中に議決されなかった案件は、閉会中審査に付されたものを除き次の国会に継続しません(国会法68条)。実質的に廃案になります。
Q7同一議案かどうかは誰が判断する?
条文に判断基準はなく、各議院の運営と先例に委ねられています。迷う場合は議院事務局への確認と先例調査が実務上の出発点になります。
Q8国会の法案の審議状況はどこで確認できる?
衆議院・参議院の公式サイトで議案の審議経過情報を確認できます。どちらの院のどの段階にあるかが分かれば、残る選択肢を読めます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1衆議院と参議院で同じ法案を同時に審議したほうが、早く成立するんじゃないですか?
早くはならない。法律案は両院で可決して成立し(憲法59条1項)、一つの院で可決した案を他院に送って審議する順番の仕組みになっている(国会法83条)。並行して審議すると、両院の修正が食い違ったときに収拾がつかなくなる。実務のポイント:政府が出す法案は、内閣が一つの院に提出すると5日以内に同じ案を他院にも送る(国会法58条)。他院はこれで予備審査(正式審査の前の下調べ)を始められるので、実際の審議のスピードはここで稼いでいる
Q2野党の対案って、なんで審議されないまま終わることが多いんですか?
理由は一つではない。同じ院の中で与党案と対案を一緒に審議することはよくあり、中身の違う対案はそもそも56条の4の対象にならない。56条の4が効くのは、他院から送られてきた案と中身が同一の場合だけである。審議されない主な原因は、委員会の日程が与野党の協議で決まることにある。実務のポイント:会期中に議決されなかった案は原則として廃案になる(国会法68条)。対案のねらいが成立ではなく、論点を目に見える形にすることや修正協議の材料づくりにある場合は少なくない
間違えやすい点 AI による整理
- 「なぜ参議院は自分たちの法案を審議しないのか」という問いは、場面によっては立て方がずれている。中身が同一と扱われる法案が衆議院から送られてきていれば、参議院はそもそも自院の同じ案を審議できない。争点は審議するかどうかではなく、送られてきた案をどう修正するかに移っている
- 市民の目には「同じ法案を二つの院が別々に審議するほうが慎重」に見える。しかし法律から見れば、同じ議案を並行して審議するのは重複であり、両院の修正内容が食い違えばどちらを基準にすべきか決められなくなる。法は、一本の議案を二つの院が順番に審議するという形で慎重さを確保している
- 「同じ院で一度否決された案は、同じ会期中にもう一度審議できない」という一事不再議の考え方は比較的よく知られている。ただし、これは国会法に明文がなく、先例上の原則とされる。院をまたぐ重複のほうは、56条の4が明文で封じている。明文の規定と先例の原則が組み合わさって、同じ案が何度も蒸し返されない仕組みができている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 国会法56条の4:他院から送付・提出された議案と同一の議案の審議禁止 | 国会法83条:可決議案の他院への送付と修正時の回付 国会法58条:内閣提出議案の他院への予備送付 |
| 機能 | 重複審議を封じ、審議対象を送付案一本に絞る | 両院が順番に審議する流れを作る 他院が正式審査の前に下調べ(予備審査)できるようにする |
| 受け取った院ができること | 同一の自院案は審議不可。送付案の修正・否決・未議決で対応 | 送付案を可決・修正・否決する 予備審査として送付案を事前に検討する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の立法院は一院制のため、院間の重複審議を調整する規定は存在しない。法律案は三読会を経て議決される
ドイツでは Bundestag が法律を議決し、Bundesrat は同意または異議で関与する。両院が対等に順次審議する日本型とは構造が異なる
フランスでは法案が両院で順次審議され、両院の間を往復する(navette)。両院の不一致が続く場合の調整手続も憲法に置かれている
米国では両院で同趣旨の法案(companion bill)を並行して審議することが一般的で、日本の国会法56条の4のような重複審議の禁止とは発想が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの業界に関わる規制緩和法案が衆議院を通過し、参議院に送られた。付き合いのある参議院議員は以前から同じ趣旨の法案を準備していたが、中身が同一と扱われれば、その案はもう審議の場に乗らない。働きかける相手と中身を、送られてきた法案の修正内容へ今すぐ切り替える必要がある
- 参議院が先に可決した議員立法と同じ中身の法案を、衆議院議員が後から出したらどうなる? 衆議院はその自院案を審議できない。審議の対象になるのは、参議院から送られてきた案である
- 会期末まであと10日。送られてきた法案が、参議院の委員会で止まったままだ。閉会中審査(会期の外で審査を続ける手続)にならなければ、この法案は廃案になる。
取るべき行動
被害を受けた側:(法案の影響を受ける市民・団体の場合)1. 関心のある法案がどちらの院のどの段階にあるかを、衆参両院の議案審議経過情報で確認する2. 最初に審議する院の委員会で審査が続いているうちに、請願(国会法79条以下)や議員への意見提出で論点を届ける3. 他院へ送られた後は、同じ趣旨の別案を推すのではなく、送られてきた案の修正を求める形に切り替える4. 会期末と閉会中審査の可能性を重ねて、日程を読む
訴えられた側:(議員・政策スタッフとして法案を作る側の場合)1. 提出の前に、他院で同じ趣旨の議案が先に進んでいないか審議経過を確認する2. 他院から同一の案が送られてきたら、自院案の審議にこだわらず、修正動議(国会法57条の賛成者数の要件に注意)で中身を反映させる3. 「同一」に当たるか迷うときは、議院事務局に確認し先例を調べる4. 修正すれば最初の院への回付が必要になることを、日程に組み込んでおく
時効(請求できる期限):特定の時効はなく、民法の消滅時効の問題も生じない。実質的な期限は会期であり、会期中に議決されなかった案件は、閉会中審査に回されたものを除いて次の国会に引き継がれない(国会法68条)。また、衆議院が可決した法律案を参議院が受け取ってから、休会の期間を除き60日以内に議決しないときは、衆議院は参議院が否決したものとみなすことができる(憲法59条4項)
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