国会法 第59条
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内閣が、各議院の会議又は委員会において議題となつた議案を修正し、又は撤回するには、その院の承諾を要する。但し、一の議院で議決した後は、修正し、又は撤回することはできない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第59条は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第59条の条文原文は「内閣が、各議院の会議又は委員会において議題となつた議案を修正し、又は撤回するには、その院の承諾を要する。但し、一の議院で議決した後は、修正し、又は撤回することは…」で始まります。
- 国会法第59条は第六章 会議に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第59条の前の条は国会法第58条です。
- 国会法第59条の次の条は国会法第60条です。
- 国会法第59条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第59条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第59条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/59
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法59条は、議題となった内閣提出議案の修正・撤回にはその院の承諾を要すると定め、一の議院で議決した後は内閣による修正・撤回を一切認めない。
Q · 内閣が国会に出した法案って、あとから内閣が自分で直したり取り下げたりできるの?
議題後は議院の承諾が必要、一院可決後は不可
国会法59条により、内閣提出の議案が各議院の会議または委員会で議題となった後に、内閣がこれを修正・撤回するには、その院の承諾が必要です。さらに、一の議院で議決された後は、承諾があっても内閣は修正も撤回もできません。この段階以降に内容を変えるには、もう一方の議院が修正議決し、最初の議院へ回付して同意を得る国会側の手続によるしかありません。
解説
法案を書いて国会に出したのは内閣なのに、出した後は内閣が勝手に一文字も直せない。国会法59条はそう定めている。本会議か委員会で議題になった内閣提出法案を修正または撤回するには、その議院の承諾が要る。さらに、一つの議院で可決された後は、承諾があっても内閣はもう修正も撤回もできない。ここが要点である。衆議院で可決された法案に誤りが見つかっても、政府は自分の手で直せない。直す方法は、参議院が修正議決して衆議院に戻す(回付)ことだけになる。その分だけ審議日程が延び、会期末までに成立しなければ、原則として廃案になる(会期不継続、国会法68条)。法案のニュースを見るとき、注目すべきは「衆議院を通ったかどうか」である。通過した時点で、政府は中身に手を出せなくなり、決定権は完全に国会に移っている。
法的な位置づけ
国会法59条は、内閣提出議案の修正および撤回を制限する規定である。各議院の会議または委員会において議題となった議案を内閣が修正し、または撤回するには、その院の承諾を要する。ただし、一の議院で議決した後は、承諾の有無を問わず内閣による修正・撤回は認められず、以後の内容変更は国会の修正議決によってのみ行われる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.法案の進行段階を確認する 衆議院・参議院のウェブサイトの議案情報で、対象法案が提出済みか、委員会で議題となったか、一院で議決済みかを確認する。どの段階かで内閣が修正・撤回できるかが決まる
- 2.議題前なら撤回・出し直しを検討する まだ会議や委員会で議題となっていない段階であれば、一般に議院の承諾なしで撤回できると解されている。誤りや情勢変化があれば、撤回して閣議決定し直す選択肢を早期に判断する
- 3.議題後・一院議決前なら議院の承諾を求める 議題となった後に修正・撤回するには、その院の承諾が必要となる。議院運営の場での調整を経て承諾を得る手続となり、与野党との日程調整が前提になる
- 4.一院議決後は他院での修正議決を狙う 一の議院で議決した後は内閣による修正・撤回はできない。変更が必要な場合は、もう一方の議院で修正議決を得て最初の議院へ回付し同意を得るルートを、会期末までの残り日数を踏まえて調整する
よくある質問 AI による整理
Q1国会法59条とは何を定めた条文ですか?
内閣が提出した議案を、議題になった後に修正・撤回する場合の手続を定めた条文です。議院の承諾が必要で、一院で議決された後は修正・撤回できません。
Q2法案の撤回に必要な手続は?
内閣提出法案が会議または委員会で議題となった後は、その院の承諾を得る必要があります(国会法59条)。一院で議決された後は撤回そのものができません。
Q3衆院通過後の法案は内閣が修正できる?
できません。国会法59条ただし書により、一の議院で議決した後は内閣は修正も撤回もできず、参議院の修正議決と衆議院への回付による変更しか残りません。
Q4審議入り前の法案は撤回できますか?
議題となる前、いわゆる「吊るし」の段階であれば、議院の承諾なしに撤回できると一般に解されています。59条が承諾を求めるのは議題となった後です。
Q5法案の撤回と廃案の違いは?
撤回は提出者の申出と議院の承諾による取下げです。廃案は会期末までに議決されなかった法案が原則として消滅することで(国会法68条)、承諾は要りません。
Q6議院が撤回を承諾しないとどうなる?
内閣は法案を撤回できず、法案は審議対象として残ります。その後は可決・否決・会期末の廃案のいずれかで決着し、内閣の意思だけでは取り下げられません。
Q7法案の修正は誰ができるの?
議題となった後は、内閣は議院の承諾を得て修正でき、議員は修正動議で修正できます(国会法57条)。一院で議決された後は国会の修正議決のみが手段となります。
Q8国会法59条は議員提出法案にも適用される?
本条の対象は内閣が修正・撤回する場合です。議員提出法案の修正・撤回は議院規則等の別の規律によるため、本条の承諾要件をそのまま当てはめることはできません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1政府が法案を取り下げるのって、自由にできるんじゃないの?
自由にはできない。国会法59条により、議題になった後の撤回にはその議院の承諾が要り、一院で可決された後は撤回できない。実務のポイント:撤回の承諾は議院運営の場で扱われるため、野党が多い局面では承諾そのものが日程闘争の材料になる。政府が撤回を申し出ず、会期末の廃案に任せることがあるのは、承諾の手続という政治的コストを避けるためでもある
Q2衆議院を通った後に法案のミスが見つかったら、どうなるの?
内閣は修正できない(国会法59条ただし書)。参議院が修正議決すれば、法案は衆議院に回付され、衆議院が同意すれば成立する(日本国憲法59条)。実務のポイント:形式的な誤りは正誤表で処理されることがあるが、その扱いが国会で問題視された例もある。実務上は、内容に関わる誤りかどうかで処理方法が変わる。官僚が最も恐れるのは、一院を通過した後に見つかる実質的な誤りである
間違えやすい点 AI による整理
- 「内閣が出した法案だから、内閣がいつでも引っ込められる」と思われがちである。実際は、議題になった後の撤回には議院の承諾が要り、一院で可決された後は承諾があっても撤回できない。提出者だからといって、出した法案を自由にできるわけではない
- 「法案に誤りがあれば、政府が後で直せばよい」と思うのは、そもそも問いの立て方が誤っている。誤りが一院を通過した後に見つかれば、直せるのは国会の修正議決だけで、政府は訂正の主体になれない。実務では正誤表で済ませようとする処理自体が国会で問題視されたこともある。誤りを誰が見つけるかではなく、どの段階で見つけるかで結果が決まる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 国会法59条:内閣による議案の修正・撤回 | 国会法57条:議員による修正動議 国会法68条:会期末の未議決案件 |
| 主体 | 提出者である内閣 | 議院の議員 主体の行為を要しない(会期終了で効果発生) |
| 要件・制限 | 議題後はその院の承諾、一院議決後は不可 | 所定の賛成者数を要する 閉会中審査の手続がなければ原則として後会に継続しない |
| 法案への効果 | 承諾があれば内容変更または取下げ | 可決されれば修正された内容で議決 原則として廃案 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾では議案は第二読会完了前に限り、院会の同意を得て撤回できる。撤回に議会の同意を要し、一定段階以降は撤回できない点で日本と構造が近い
韓国では政府が議題となった政府提出議案を修正・撤回するには本会議または委員会の同意が必要とされ、日本の59条本文と類似する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの業界に関わる規制強化法案が、衆議院で可決された。業界団体のロビー担当が「省庁に頼めば、参議院に回る前に条文を直してもらえる」と言う。それは無理である。59条ただし書のため、政府はもう直せない。残る方法は参議院での修正だけで、その場合は衆議院への回付も必要になる。働きかける相手を変えなければならない
- もし閣議決定した法案に条ズレや引用ミスが見つかったら、担当官庁はどうするのか? まだ一院も通っていなければ、議院の承諾を得て撤回し、出し直す道がある。一院を通過した後なら、その道はない。官僚が「衆議院の審議入り前に見つけろ」と青ざめる理由はここにある
- 会期末まであと10日。政府が「撤回したい」と言い出しても、議院が承諾しなければ撤回できない。野党が多い院では、撤回の承諾そのものが政治的な取引材料になる
取るべき行動
被害を受けた側:法案で不利益を受ける業界・市民の側なら、1. 衆議院に提出された日と委員会で審議入りした日を衆議院ウェブサイトで確認する2. 一院を通過する前に、所管省庁と与党の部会に修正要望を出す。政府が修正できるのはこの段階だけである3. 一院を通過した後は、もう一方の議院の委員会と会派に働きかけ、修正議決と附帯決議を狙う4. 会期末の日付を押さえ、審議が会期内に終わるかを見極める
訴えられた側:法案を推進する官庁・提出側の立場なら、1. 閣議決定の前に条文と引用条項の照合を何重にも行う2. 誤りが見つかったら、一院で可決される前に議院の承諾を得て修正するか、撤回して出し直すかを即座に判断する3. 一院を通過した後の誤りは、もう一方の議院での修正議決と回付に頼るしかない。会期の残り日数を前提に、与野党と日程を調整する4. 修正の経緯は公開記録に残ると考えておく
時効(請求できる期限):特定の時効はなく、民事の消滅時効が問題になる場面でもない。実質的な期限は二つある。一つは最初の議院で可決されるまで(これ以降、内閣は修正・撤回できない)。もう一つは会期末で、議決に至らない法案は、閉会中審査の手続をとらない限り原則として廃案になる(国会法68条)
学説
一般的解釈:本条が議院の承諾を求めるのは議案が会議または委員会で議題となった後であり、議題となる前の段階であれば、内閣は議院の承諾なしに議案を撤回できると一般に解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:日本国憲法の施行にあわせて国会法が制定され、内閣提出議案の修正・撤回に関する規律として本条が置かれた。
- 国会法 第56条議案の発議・提出と委員会付託
- 国会法 第57条議員による修正動議の要件
- 国会法 第68条会期不継続、未議決案件の廃案
- 国会法 第83条議決後の他院への送付・回付
- 内閣法 第5条内閣総理大臣が内閣を代表して法案を提出
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