国会法 第61条
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- 各議院の議長は、質疑、討論その他の発言につき、予め議院の議決があつた場合を除いて、時間を制限することができる。
- 2.議長の定めた時間制限に対して、出席議員の五分の一以上から異議を申し立てたときは、議長は、討論を用いないで、議院に諮らなければならない。
- 3.議員が時間制限のため発言を終らなかつた部分につき特に議院の議決があつた場合を除いては、議長の認める範囲内において、これを会議録に掲載する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第61条は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第61条の条文原文は「各議院の議長は、質疑、討論その他の発言につき、予め議院の議決があつた場合を除いて、時間を制限することができる。」で始まります。
- 国会法第61条は第六章 会議に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第61条の前の条は国会法第60条です。
- 国会法第61条の次の条は国会法第62条です。
- 国会法第61条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第61条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第61条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/61
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法61条は、各議院の議長が質疑・討論等の発言時間を制限できると定める。議院の議決がある場合は除かれ、出席議員の5分の1以上の異議で議院に諮られる。
Q · 国会で議長が演説の時間を打ち切れるのは、どういう根拠があるの?
国会法61条。ただし議院の議決が優先し、異議も出せる
国会法61条1項により、各議院の議長は質疑・討論その他の発言の時間を制限できます。ただし、予め議院の議決で時間が決まっている場合は議長が独自に決めることはできません。議長が定めた制限に対しては、出席議員の5分の1以上が異議を申し立てれば、議長は討論なしで議院に諮る必要があります(同条2項)。時間切れで話せなかった部分は、議長の認める範囲で会議録に掲載されます(同条3項)。
解説
国会中継で、演説中の野党議員に議長が「申し合わせの時間が過ぎております」と声をかけ、議員がしぶしぶ壇を降りる。あの一言の根拠が国会法61条である。議長は質疑や討論などの発言時間を区切ることができる。ただし、この権限には仕掛けが二つある。一つ目に、議院があらかじめ議決で時間を決めている場合、議長は自分で時間を決められず、議決に従うしかない。荒れた採決の日、与党が本会議の冒頭で「発言時間を一人○分以内に制限する」動議(会議中に出す正式な提案)を多数決で通すのを見たことがあるはずだ。議長個人の判断ではなく議院の意思として決めておくと、結果として第2項の異議ルートは使えなくなる。二つ目に、議長が独自に時間を決めた場合は、出席議員の5分の1以上が異議を申し立てれば、議長は討論を挟まずに議院の採決にかけなければならない。最後に第3項がある。時間切れで読めなかった原稿の残りも、議長が認める範囲で会議録に載ることがある。ニュースで途中で切れた演説の続きは、国会会議録検索システムで読める場合があるのだ。
法的な位置づけ
国会法61条は、各議院の議長に質疑、討論その他の発言の時間を制限する権限を付与する規定である。予め議院の議決がある場合には議長の権限は及ばない。議長の定めた制限に対しては、出席議員の5分の1以上による異議申立てと討論を用いない議院への諮問が保障され、発言を終えなかった部分は議長の認める範囲で会議録に掲載される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.時間配分の協議状況を事前に確認する 本会議の前日までに、議院運営委員会や会派間の協議で各討論者の持ち時間がどう配分されたかを確認する。協議が決裂しそうな場合は、冒頭で時間制限の動議が出る前提で準備する
- 2.長短二種類の原稿を用意する 時間制限がかかっても核心を落とさないよう、短縮版とフル版の原稿を用意する。短縮版では主張の結論を冒頭に置く
- 3.制限の根拠が議決か議長裁量かを見極める 本会議冒頭で時間制限の動議が可決されたかを確認する。議院の議決による制限なら61条2項の異議は使えない。議長が独自に宣告した制限なら異議の対象になる
- 4.議長裁量の制限には速やかに異議を申し立てる 議長が独自に時間を制限した場合、出席議員の5分の1以上を集めて直ちに異議を申し立てる。議長は討論なしで議院に諮らなければならない
- 5.話せなかった部分の会議録掲載を求める 時間切れで終えられなかった発言部分について、61条3項に基づき議長の認める範囲で会議録に掲載されるよう原稿を提出し、記録に残す
よくある質問 AI による整理
Q1国会法61条とは何ですか?
各議院の議長が本会議での質疑・討論などの発言時間を制限できると定めた規定です。異議の手続と会議録掲載のルールも併せて定めています。
Q2国会の討論時間は誰が決めるのですか?
議院の議決があればそれに従い、なければ議長が定めます。実務では本会議前に議院運営委員会で会派間の時間配分が協議されます。
Q3発言時間制限の動議とは何ですか?
本会議の場で発言時間を一人何分以内と議院として決める提案です。可決されると議院の議決となり、議長の裁量や61条2項の異議の対象外になります。
Q4議長の時間制限に異議を出すには何人必要?
出席議員の5分の1以上です。総議員ではなく、その日の出席議員を基準に数えます。要件を満たせば議長は討論なしで議院に諮ります。
Q5国会の演説で時間切れになったらどうなる?
議長に発言の終了を促され、降壇することになります。話せなかった部分は、議院の特別な議決がない限り議長の認める範囲で会議録に掲載されます。
Q6国会の会議録はどこで読めますか?
国立国会図書館の国会会議録検索システムで、本会議・委員会の会議録を日付や発言者で検索して閲覧できます。
Q7議長は発言を禁止することもできる?
時間制限とは別に、国会法116条により、議院の規律に違反する議員に対して議長は警告・制止や発言の取消し、発言禁止などの措置をとれます。
Q8長時間演説で採決を遅らせることはできる?
発言時間を無制限にすれば理論上は可能ですが、議長の時間制限や議院の議決で区切られるため、本条により事実上の歯止めがかかっています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1議長って、野党の演説だけ短くするとかできちゃうんですか?
国会法61条1項は議長に時間制限の権限を与えていますが、議院があらかじめ議決している場合は除かれます。議長が独自に制限した場合は、出席議員の5分の1以上が異議を出せば、議長は討論抜きで議院に諮らなければなりません(同条2項)。実務のポイント:実務では、紛糾が予想される日は議長の裁量を使わず、与党が時間制限の動議を議決で通すのが定石です。議長に批判が集中するのを避けられるからです
Q2時間切れで読めなかった演説の続きって、どこかで読めますか?
読める場合があります。国会法61条3項は、時間制限のため発言を終えられなかった部分を、議院の特別な議決がない限り、議長が認める範囲で会議録に掲載すると定めています。実務のポイント:国立国会図書館の国会会議録検索システムで当日の本会議録を開き、該当議員の発言の末尾を確認するとよいです。テレビでは報じられなかった主張が、文字で残っていることがあります
間違えやすい点 AI による整理
- 「議長は中立だから、時間制限も公平に決まる」と思われがちだが、本当に問題にすべきなのは議長の公平性よりも、時間がどの手続で決まったかである。議院の議決で決まった制限には第2項の異議が使えず、実質的には多数派の判断がそのまま通る。議長個人を批判しても、制限の根拠には届かない
- 時間切れで読めなかった部分は永遠に消える、と多くの人は考えている。だが第3項により、議長が認める範囲で会議録に掲載される道が残されている。もっとも「議院の議決があった場合を除いて」という限定もあり、必ず全文が載るわけではない。条文が強制する範囲と議長の裁量に任されている範囲は、分けて読む必要がある
- 国会の発言時間はすべて本条で決まる、という理解も正確ではない。本条が定めるのは本会議での議長の権限である。委員会での質疑時間は、実務上は理事会などの協議で会派ごとに割り振られるのが通例で、委員長の議事整理権(国会法48条)とあわせて運用されている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 国会法61条:本会議における発言時間の制限 | 国会法48条:委員会の議事整理・秩序保持(委員長) 国会法116条:規律違反議員への警告・制止・発言禁止等 |
| 権限の主体 | 各議院の議長(議院の議決が優先) | 委員長 各議院の議長 |
| 発動のきっかけ | 議事の進行上、発言時間を区切る必要があるとき | 委員会の議事運営全般 議員が議院の規律に違反したとき |
| 少数派の対抗手段 | 出席議員5分の1以上の異議で議院に諮らせる(2項)、会議録掲載(3項) | 条文上の異議規定はなく、理事会協議などで調整 条文上の5分の1異議規定はない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の立法院でも院会の発言時間は議事規則や党団協商で規律される。協商結果が実質的に時間配分を左右する点は、日本の議院運営委員会の協議と似た構図
韓国は一定数の議員の要求で時間制限のない討論(フィリバスター)を認める制度を明文化しており、時間制限を原則とする日本と対照的
ドイツ連邦議会は議事規則で発言時間(Rededauer)を定め、会派の勢力に応じて時間を配分する運用が中心
米上院は原則として討論時間に制限がなく、討論終結(cloture)には特別多数を要する。議長による時間制限を認める日本とは発想が逆
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 与党が出した「討論時間を一人10分に制限する」動議が起立多数で可決された。野党はその瞬間、5分の1異議という対抗手段を失っている。テレビの怒号は、ルール上の勝負がもうついたあとの音である
- 議員事務所の秘書として、明日の本会議での反対討論の原稿を任された。持ち時間が何分になるかは、今夜の議院運営委員会の協議と明朝の動議しだいで決まる。残り十数時間で、原稿を10分版と20分版の二本用意しておけば、時間を切られても核心を飛ばさずに済む
- もし議長が議院の議決なしに、反対討論だけを極端に短く区切ったらどうなるか? 出席議員の5分の1以上が異議を出せば、議長は討論抜きで議院に諮らなければならない。議長の一存が多数決の場に引きずり出される
- 時間切れで切れた演説の続きを、記者として記事に引用したい。まず会議録を確認する価値がある
取るべき行動
被害を受けた側:発言時間を削られる少数会派の議員やスタッフの立場の場合:1. 本会議の前に、議院運営委員会で時間配分がどう協議されているかを確認する2. 冒頭で時間制限の動議が出たら、その可決により第2項の異議が使えなくなることを前提に、原稿を短縮版に切り替える3. 議長が議決なしに時間を区切った場合は、すぐに出席議員の5分の1以上を集めて異議を申し立てる4. 読み切れなかった部分の会議録掲載を議長に求め、記録として残す
訴えられた側:議長や多数派として議事を運営する立場の場合:1. 時間制限が争いになりそうな日は、議長の裁量ではなく議院の議決で時間を決める方が手続上安定する2. 議長が独自に制限するときは、第2項の異議が出た場合に討論なしで直ちに議院に諮る準備をしておく3. 第3項による会議録掲載の範囲を恣意的に狭めると、議事運営の公正さを問われやすい。掲載の判断基準を一貫させる
時効(請求できる期限):本条に時効や期間制限の定めはない。ただし第2項の異議は、議長の時間制限に向けたものなので、実際には制限が宣告されたその会議中、できるだけ早く申し立てる必要がある。会期が終われば会期不継続の原則(国会法68条)により、議事そのものが原則として打ち切られる
学説
議院自律権説(通説):憲法58条2項の議院規則制定権を背景に、発言時間の制限を含む議事運営は各議院の自律に委ねられ、裁判所の審査は原則として及ばないとする理解。本条1項が議院の議決を議長の裁量より優先させる構造もこれと整合する。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:日本国憲法の施行に合わせて国会法が制定され、議長による発言時間の制限、5分の1異議、会議録掲載の規定が設けられた
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