国会法 第68条の2
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議員が日本国憲法の改正案(以下「憲法改正案」という。)の原案(以下「憲法改正原案」という。)を発議するには、第五十六条第一項の規定にかかわらず、衆議院においては議員百人以上、参議院においては議員五十人以上の賛成を要する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第68条の2は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第68条の2の条文原文は「議員が日本国憲法の改正案(以下「憲法改正案」という。」で始まります。
- 国会法第68条の2は第六章の二 日本国憲法の改正の発議に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第68条の2の前の条は国会法第68条です。
- 国会法第68条の2の次の条は国会法第68条の3です。
- 国会法第68条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第68条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第68条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/68_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法68条の2は、議員が憲法改正原案を発議するには、衆議院で議員100人以上、参議院で50人以上の賛成を要すると定める。一般議案の要件の5倍にあたる。
Q · 憲法改正の原案を国会に出すには、議員が何人いればいいの?
衆議院100人以上、参議院50人以上の議員の賛成が必要です
国会法68条の2により、議員が憲法改正原案を発議するには、衆議院で100人以上、参議院で50人以上の議員の賛成が必要です。一般の議案(衆議院20人・参議院10人、国会法56条1項)の5倍です。原案提出の後、憲法審査会の審査と、両院それぞれでの総議員の3分の2以上による可決を経て、初めて国会が国民に発議したことになります(国会法68条の5、憲法96条1項)。
解説
普通の法律案なら、衆議院で20人の議員が賛成すれば国会に提出できる(国会法56条1項)。ところが憲法を変える案になると、必要な人数は一気に5倍の100人に上がる。参議院でも10人が50人になる。本条が定めているのは、国会が国民に憲法改正を「発議」するより前の段階、つまり議論の土俵に案を載せるための最低人数である。ここを混同している人は多い。ニュースで「改憲発議」と聞くと、議員が案を出した瞬間を思い浮かべがちである。しかし憲法96条の発議が成立するのは、両院それぞれで総議員の3分の2以上の賛成により可決された時点である(国会法68条の5)。本条はその入口に立つ門番にすぎない。裏返せば、衆議院465議席のうち100人を自力で集められない政党は、単独では改憲原案すら出せない。改憲のニュースを見るときは、まず「誰が100人を揃えたのか」を確かめるとよい。そこから本気度と連携の構図が読める。
法的な位置づけ
国会法68条の2は、憲法改正原案の発議要件を定める規定である。議員が憲法改正原案を発議する場合、一般議案の発議要件(国会法56条1項)に代えて、衆議院では議員100人以上、参議院では議員50人以上の賛成を要する。ここでいう発議は国会内への原案提出を指し、憲法96条1項にいう国民への発議とは区別される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.報道されている改憲案の段階を特定する ニュースの「改憲案」が、原案提出前の構想なのか、国会法68条の2による提出済みの原案なのか、両院で可決された国会の発議なのかを見分ける。「提出へ」「発議」という見出しの語だけで判断しない
- 2.賛成議員数と会派別議席数を確認する 衆議院・参議院の公式サイトで会派別所属議員数を確認し、衆議院100人・参議院50人の賛成者を単独または連携で揃えられる会派の組み合わせを把握する
- 3.憲法審査会の審議を追う 原案が提出済みなら、衆参の憲法審査会の審議をインターネット審議中継や会議録で確認し、論点と各会派の立場を整理する
- 4.地元選出議員の賛否を確認し意見を届ける 地元選出議員の賛否や発言を確認し、原案の文言が固まる前に書面やメールで意見を届ける。提出前の段階ほど、意見が中身に反映される余地が大きい
- 5.発議後は条文案の原文を読んで判断する 国会が発議した後は、報道の要約ではなく公式に公表された改正条文案そのものを読み、国民投票(発議から60日以後180日以内)までに賛否を判断する
よくある質問 AI による整理
Q1憲法改正原案とは何ですか?
国会に提出される憲法改正案のたたき台です。両院でそれぞれ可決されて初めて、国会による国民への発議になります(国会法68条の2、68条の5)。
Q2改憲原案の提出には何人の議員が必要?
衆議院では議員100人以上、参議院では議員50人以上の賛成が必要です(国会法68条の2)。一般の法律案の5倍の人数です。
Q3国会法68条の2はいつできた?
平成19年(2007年)、日本国憲法の改正手続に関する法律(国民投票法)の制定に伴う国会法改正で新設されました。
Q4他党の議員と一緒に改憲原案を出せる?
条文は賛成者の所属会派を限定していないため、複数の会派の議員を合わせて100人(参議院50人)に達すれば提出できます。
Q5改憲原案が出されたらどこで審査される?
各議院に置かれた憲法審査会で審査されます(国会法102条の6)。その後、本会議で総議員の3分の2以上の賛成による可決が必要です。
Q6憲法改正原案は複数のテーマをまとめて出せる?
できません。国会法68条の3により、内容において関連する事項ごとに区分して発議する必要があります。
Q7憲法改正の国民投票はいつ行われる?
国会の発議の日から起算して60日以後180日以内で、国会が議決した期日に行われます(日本国憲法の改正手続に関する法律2条)。
Q8憲法改正の国民投票は何歳から投票できる?
日本国民で年齢満18年以上の者が投票権を持ちます(日本国憲法の改正手続に関する法律3条)。高校3年生も対象になり得ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1改憲案って、総理大臣とか内閣が出すことはできないんですか?
国会法が定めているのは、議員による原案提出(本条:衆議院100人以上、参議院50人以上の賛成)と、憲法審査会による提出(同102条の7)であり、内閣の提出権は明記されていない。内閣提出を認める余地があるかは学説上争いがあり、実務上は議員提出が前提とされている。実務のポイント:首相が改憲への意欲を語っても、実際に原案を出すのは議員である。進み具合を測るなら、首相の発言より、党内で賛成者の名簿が固まったかどうかを見たほうが確かである
Q2100人集めて提出したら、そのまま国民投票になるんですか?
そうはならない。原案は憲法審査会で審査され、本会議で総議員の3分の2以上の賛成により可決されたうえで、もう一方の院でも同様に可決されて初めて国会の発議となる(国会法68条の5、憲法96条1項)。国民投票はその後に行われる。実務のポイント:衆参の審査はそれぞれ独立して行われる。片方の院で可決されても、もう片方の院の議席構成次第で止まる。どちらの院が実質的な関門になるかは、両院の議席配分を並べてみると見えてくる
間違えやすい点 AI による整理
- 「議員が改憲を発議した」という報道の言い方そのものがずれている。本条で議員が行うのは「憲法改正原案」の発議、つまり国会内での提出にすぎない。憲法96条にいう国民への発議は、両院で可決された時点で国会が行うものとされており(国会法68条の5)、議員個人や政党が国民に向けて発議することはできない
- 改憲には3分の2が必要だということは広く知られている。だが3分の2は可決のための要件であり、それ以前に土俵へ上がる段階で衆議院100人という壁がある。少数政党が独自の改憲案を公約に掲げても、他党と組まない限り国会で審議されることはない。選挙公約に書かれた改憲案と、国会に出せる改憲案は別物である
- 首相が改憲を語れば内閣が案を出すものだと見えるかもしれないが、法律から見た景色は違う。国会法が定めているのは議員による原案提出(本条)と憲法審査会による提出(同102条の7)であり、内閣の提出権は明記されていない。内閣提出を認める余地があるかは、実務上も学説上も解釈が分かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 提出主体 | 国会法68条の2:議員(賛成者を伴う発議) | 国会法56条1項:議員(一般の議案) 国会法102条の7:憲法審査会 |
| 必要な賛成者数 | 衆議院100人以上、参議院50人以上 | 衆議院20人以上、参議院10人以上(予算を伴う法律案は衆議院50人・参議院20人以上) 賛成者数の要件なし(審査会としての提出) |
| 対象 | 憲法改正原案 | 法律案などの一般の議案 憲法改正原案(および日本国憲法に係る改正の発議・国民投票に関する法律案) |
| 提出後の可決要件 | 各議院の総議員の3分の2以上。両院可決で国会の発議(68条の5) | 原則として出席議員の過半数 憲法改正原案は各議院の総議員の3分の2以上 |
他国ではどう定めているか 6 か国
立法委員総数の4分の1の提議、4分の3の出席、出席委員の4分の3の決議で憲法修正案を提出し、公告半年後に公民投票に付す。提案要件が比率で定められ、日本より可決要件が重い
国会在籍議員の過半数または大統領が発議でき、国会で在籍議員の3分の2以上の賛成を経て国民投票に付す。大統領の発議権が明文化されている点が日本と異なる
全国人大常務委員会または全国人大代表5分の1以上が提議し、全国人大代表の3分の2以上の多数で採択する。国民投票の制度はない
Bundestag の3分の2と Bundesrat の3分の2の賛成で改正でき、国民投票は不要。人間の尊厳など一部条項は改正できない(永久条項、Art. 79 Abs. 3)
首相の提案に基づく大統領の発議と、国会議員の発議がある。両院同一文言で可決後に国民投票、または政府案の場合は両院合同会議の5分の3で承認できる
連邦議会両院の3分の2による提案、または州議会の3分の2の請求による憲法会議で提案し、4分の3の州の承認で成立する。国民投票はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ニュースで「改憲案、今国会で提出へ」と流れたら、まず何を確かめればいいのか? 衆議院なら賛成議員100人、参議院なら50人の名前が実際に揃っているかどうかである。揃っていないなら、それはまだ観測気球の段階にすぎない
- あなたが当選1回の衆議院議員で、党の方針とは違う改憲案を温めているとする。賛同する仲間が99人しか集まらなければ、本条によって原案は出せない。残る道は、憲法審査会の議論を通じて、審査会が提出する原案(国会法102条の7)に自分の案を盛り込ませることである
- 国会が改憲を発議した。国民投票の日は、発議から60日以後180日以内で国会が決める。考える時間は最短で2か月しかない。
取るべき行動
被害を受けた側:改憲に賛成でも反対でも、市民として打つ手の順序は同じである。1. 報道されている案が、原案提出前か、提出済みか、両院で可決済みかを確認する2. 提出済みであれば、衆参の憲法審査会の審議を中継や会議録で追う3. 地元選出議員の賛否を確認し、意見を書面で届ける4. 発議されたら、要約ではなく条文案そのものを公式資料で読んでから判断する
訴えられた側:議員や政党として原案を出す側に立つ場合は、次の順で考える。1. 衆議院100人、参議院50人の賛成者を確保する。自党だけで足りなければ、他会派との共同提出を設計する2. 原案は内容において関連する事項ごとに区分して作る(国会法68条の3)。複数のテーマを一括にはできない3. 賛成者が集まらない場合は、憲法審査会での議論を通じた審査会提出(同102条の7)に切り替える
時効(請求できる期限):本条自体に期限や時効はない。ただし国会が憲法改正を発議した後は、発議の日から起算して60日以後180日以内に、国会が議決した期日に国民投票が行われる(日本国憲法の改正手続に関する法律2条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
内閣提出権 否定説:憲法96条1項は改正の発議を国会に委ねており、国会法も議員と憲法審査会による原案提出のみを定めている。改憲の主導権は国会にあるべきとして、内閣による憲法改正原案の提出は認められないとする立場
内閣提出権 肯定説:内閣は法律案を国会に提出でき(憲法72条)、憲法改正案の提出を禁じる明文もない。最終的な発議は国会の可決によるため、内閣が原案を提出しても国会の発議権は害されないとする立場
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)新設 日本国憲法の改正手続に関する法律(平成19年法律第51号)による国会法改正で、第6章の2とともに新設された。憲法施行から約60年間、法律上の手続が整っていなかった改憲原案の提出要件が、初めて明文で定められた(施行日は要確認)
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国会法(昭和22年法律第79号)制定。この時点では憲法改正原案の提出要件に関する規定は置かれていなかった
- 2.平成19年(2007年) 新設:日本国憲法の改正手続に関する法律(平成19年法律第51号)による国会法改正で、第6章の2の一部として本条が新設され、衆議院100人以上・参議院50人以上の賛成要件が明文化された
- 国会法 第56条一般議案の発議要件、本条により適用除外
- 国会法 第68条の3関連事項ごとの区分発議の義務
- 国会法 第68条の5両院可決をもって国会の発議とみなす
- 国会法 第102条の6各議院への憲法審査会の設置
- 国会法 第102条の7憲法審査会による原案提出権
- 日本国憲法の改正手続に関する法律 第2条発議後60日から180日内の国民投票期日
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