会社更生法 第131条(社債管理者等の費用及び報酬)
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- 社債管理者、社債管理補助者又は担保付社債信託法第二条第一項に規定する信託契約の受託会社(以下この項から第三項までにおいて「社債管理者等」という。)が更生債権等である社債の管理に関する事務を行おうとする場合には、裁判所は、更生手続の目的を達成するために必要があると認めるときは、社債管理者等の更生会社に対する当該事務の処理に要する費用の請求権を共益債権とする旨の許可をすることができる。
- 2.社債管理者等が前項の許可を得ないで更生債権等である社債の管理に関する事務を行った場合であっても、裁判所は、社債管理者等が更生会社の事業の更生に貢献したと認められるときは、当該事務の処理に要した費用の償還請求権のうちその貢献の程度を考慮して相当と認める額を共益債権とする旨の許可をすることができる。
- 3.裁判所は、更生手続開始後の原因に基づいて生じた社債管理者等の報酬の請求権のうち相当と認める額を共益債権とする旨の許可をすることができる。
- 4.前三項の規定による許可を得た請求権は、共益債権とする。
- 5.第一項から第三項までの規定による許可の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
この条文の基本情報
社債管理者等の費用及び報酬とは何ですか?
定義社債管理者等の費用及び報酬とは、会社更生法第131条に定められた規定で、「社債管理者、社債管理補助者又は担保付社債信託法第二条第一項に規定する信託契約の受託会社(以下この項から第三項までにおいて「社債管理者等」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第131条(社債管理者等の費用及び報酬)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第131条の条文原文は「社債管理者、社債管理補助者又は担保付社債信託法第二条第一項に規定する信託契約の受託会社(以下この項から第三項までにおいて「社債管理者等」という。」で始まります。
- 会社更生法第131条は第一節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第131条の前の条は会社更生法第130条です。
- 会社更生法第131条の次の条は会社更生法第132条です。
- 会社更生法第131条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第131条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第131条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/131
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法131条は、社債管理者等の社債管理事務の費用と報酬を、裁判所の許可があれば共益債権として更生債権より優先弁済できると定める規定である。
Q · 倒産した会社の社債、管理者の手数料って私の取り分から先に引かれるの?
管理者の費用は許可で共益債権となり優先弁済されます
会社更生法131条により、社債管理者等が更生手続中に行う社債管理事務の費用は、裁判所の許可があれば共益債権となります。共益債権は更生計画に縛られず、更生債権より優先して随時・満額で弁済されます(同法128条)。事前許可(1項)なら満額保障に近く、許可を得ずに動いた場合(2項)は更生への貢献度を考慮した相当額に限られます。開始後の報酬も3項により相当と認める額が共益債権化されます。これらは配当原資から先取りされるため、最終的に社債権者へ回る配当に影響します。
解説
あなたが退職金で買った社債、その発行会社がある日、会社更生手続に入った。あなたの社債は今や「更生債権」、満額は戻らず、計画で大幅カットされた配当を待つ立場だ。だがその裏で、あなたの社債を束ねて管理する「社債管理者」(銀行など、社債権者全体を代表して元利金の回収や担保実行を行うプロ)が動いている。131条は、この社債管理者が更生手続中に行う管理事務の費用や報酬を、裁判所の許可があれば「共益債権」(更生計画に縛られず、更生債権より優先して随時、満額で弁済される別格の債権)に格上げできると定める。なぜこれがあなたに関係するのか。社債管理者の費用が共益債権として保障されるからこそ、彼は破綻会社を相手に回収交渉や担保実行を続けられる。彼が止まれば社債権者全体の回収も止まる。あなたの回収の生命線が、この一条の許可にぶら下がっている。
法的な位置づけ
会社更生法131条は、社債管理者等の費用・報酬の共益債権化を定める規定である。社債管理者、社債管理補助者および担保付社債信託法上の受託会社が、更生債権である社債の管理事務に要した費用や更生手続開始後に生じた報酬の請求権について、裁判所が相当と認める額を共益債権とする許可を与えることができる旨を規定する。共益債権は更生債権に優先して随時弁済される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.社債管理事務に着手する前に1項許可を申請 更生手続開始後、管理事務に着手する前に裁判所へ131条1項の許可を申請し、費用請求権を共益債権とする決定を得る。事前許可は満額保障に近く、事後申請より確実性が高い
- 2.事前許可が間に合わなければ貢献を立証する資料を整える 緊急で先に動いた場合は2項に基づき、更生への貢献を具体的に立証する資料(回収額、担保実行の成果、社債権者保護の実績)を整え、相当額の共益債権化を申請する
- 3.開始後に生じた報酬は3項で別途許可申請 更生手続開始後の原因に基づいて生じた報酬の請求権は、3項により相当と認める額の共益債権化を別途申請する。開始前に発生した報酬は原則更生債権の側に置かれる点に注意
- 4.更生債権者側は許可決定の額を精査し即時抗告を検討 許可決定が出たら、額が過大でないか、開始前の費用が紛れ込んでいないかを精査する。過大・不当と判断すれば、告知から即時抗告期間内に5項の即時抗告を申し立て、共益債権の範囲を圧縮する
よくある質問 AI による整理
Q1社債管理者とは何ですか?
社債権者全体を代表して元利金の回収や担保実行を行う銀行などのプロです。会社法702条が設置を定め、個々の社債権者に代わって権利を管理します。倒産時には回収交渉の前面に立ちます。
Q2共益債権はいつ弁済されますか?
共益債権は更生計画に縛られず、更生債権・更生担保権に優先して随時・満額で弁済されます(会社更生法128条)。計画で大幅カットされる更生債権とは別格の扱いです。
Q3会社更生手続で社債はどうなりますか?
発行会社が更生手続に入ると社債は更生債権となり、計画で大幅にカットされた配当を待つ立場になります。満額弁済は原則受けられず、配当率は計画内容次第です。
Q4社債管理補助者と社債管理者の違いは何ですか?
社債管理者は包括的に元利金回収まで担う重い権限を持ちますが、社債管理補助者は2021年施行の軽量版で、情報伝達など限定的な権限にとどまります。会社法714条の2が根拠です。
Q5担保付社債は更生手続で有利ですか?
担保付社債は担保不動産の実行で回収できる余地がありますが、その実行費用が共益債権化されて初めて手続が円滑に進みます。担保付社債信託法の受託会社が実行手続を担います。
Q6即時抗告の期限はいつまでですか?
131条5項の許可決定に対する即時抗告は、裁判の告知から原則1週間の不変期間内です。公告される裁判では特則で期間が異なる場合があるため、最新の条文と会社更生規則の確認が必要です。
Q7更生債権はどれくらいカットされますか?
更生計画の内容により異なり、七割八割のカットも珍しくありません。会社の事業価値や弁済原資に左右されるため、共益債権に位置づけられるか否かが回収率を大きく分けます。
Q8個人向け社債が倒産したら回収できますか?
個人は手続の前面に出られませんが、社債管理者が代わりに回収交渉します。その費用が共益債権として認められるかで、最終的に社債権者全体へ回る配当原資が変わります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1共益債権って、普通の更生債権と何がそんなに違うんですか?
共益債権は更生計画に縛られず、更生債権・更生担保権より優先して随時・満額で弁済されます(会社更生法128条)。計画で大幅カットされる更生債権とは別格です。実務のポイント:実務では「この請求権を共益債権に乗せられるか」が回収戦略の核心です。同じ金額でも共益債権か更生債権かで回収率が満額か数割かに割れるため、申立て段階で位置づけを設計するのがプロの腕の見せ所です
Q2事前に裁判所の許可を取らずに動いたら、費用は一切もらえないんですか?
ゼロではありません。131条2項により、社債管理者等が事業の更生に貢献したと認められれば、貢献の程度を考慮した「相当と認める額」が共益債権になります。実務のポイント:ただし「相当額」は裁判所の裁量で、事前許可(1項)の満額保障より確実性が大きく落ちます。実務家は緊急時を除き必ず先に許可を取りに行き、事後申請は最後の保険として扱います
Q3社債権者である自分は、この費用や報酬の額に口を出せますか?
個々の社債権者が直ちにこの許可手続の当事者になるわけではありませんが、許可決定は配当原資に影響するため、誰が利害関係人として即時抗告(131条5項)できるかは実務上、解釈が分かれる余地があります。実務のポイント:実際の異議は社債権者集会や社債管理者を通じて表に出ることが多い。額が過大だと感じたら、まず開示された決定内容を確認し、抗告適格の有無を専門家に相談するのが現実的な一手です
間違えやすい点 AI による整理
- 社債管理者の費用が共益債権になること自体は知っていても、その「格上げ効果」の大きさを見落としがちだ。共益債権は更生計画に縛られず随時・満額で弁済される(会社更生法128条)。一方、更生債権は計画で七割八割カットされることも珍しくない。同じ費用が、この一線の内側か外側かで、回収率が満額か数割かに割れる
- 「費用は当然あとで全額もらえる」と思い込みがちだが、許可を得ずに動いた場合(2項)、共益債権として認められるのは「更生への貢献の程度を考慮して相当と認める額」に限られる。事前許可を取らなかった瞬間、満額保障の道は閉じ、裁判所の裁量に委ねられる
- 「報酬さえ決まっていれば共益債権になる」という前提そのものが誤っている。報酬請求権が共益債権になるのは「更生手続開始後の原因に基づいて生じた」分のうち「相当と認める額」だけ(3項)。開始前に発生した報酬は、原則として更生債権の側に置かれる。あなたの報酬は、発生した時点で運命が二つに分かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 共益債権化の根拠 | 131条:裁判所の許可(事前1項/事後2項/報酬3項) | 127条:法律上当然に共益債権となる一般規定 128条:弁済方法の規定(許可の問題ではない) |
| 対象となる請求権 | 社債管理者・社債管理補助者・受託会社の管理事務費用と報酬 | 手続遂行・財団維持に必要な一般的請求権 共益債権全般 |
| 弁済上の効果 | 許可された額が共益債権化し随時・優先弁済 | 当然に共益債権として扱われる 更生債権・更生担保権に優先し随時弁済される |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の公司重整でも重整費用は共益債權として優先受償され、公司債の受託人制度が回収を担う点で日本と類似する。
韓国の回生手続でも公益債権が回生債権に優先して随時弁済され、商法上の社債管理会社の費用がこれに準じる扱いとなる。
ドイツでは手続開始後の管理費用が財団債権として優先弁済され、社債権者共同代表者(gemeinsamer Vertreter)の費用もこれに含まれ得る。
米国では再建手続のための管理費用が administrative expense として最優先に近い順位で弁済され、indenture trustee の費用もこれに位置づけられる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが個人向け社債を持っていて発行会社が更生手続に入ったら、どうなる? あなた個人は手続の前面に出られないが、社債管理者が代わりに回収交渉をする。その管理者の費用が共益債権として認められるかどうかで、最終的に社債権者全体へ回る配当原資が変わる
- あなたが社債管理者である銀行の担当者だとする。開始後に大量の管理事務を抱えるが、その費用を後で更生会社に請求できるか不安だ。事前に1項の許可を取りに行くか、取らずに動いて後から貢献度で部分回収を狙うか(2項)。この判断ひとつで、立て替えた費用の回収率が二段変わる
- 許可決定が出た。だが報酬額が高すぎると不満を抱く更生債権者がいる。即時抗告の期限はわずか。動かなければ決定は確定し、配当原資はそのぶん削られる
- 担保付社債を扱う信託会社として、担保不動産の実行手続に費用をかけた。この費用が共益債権にならなければ、立て替えた数百万円が更生債権の海に埋もれて回収不能になる。事前許可の有無が、その分水嶺だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 更生手続開始後、管理事務に着手する「前」に裁判所へ1項の許可を申請し、費用請求権を共益債権とする決定を得る2. 事前許可が間に合わず先に動いた場合は、2項に基づき「更生への貢献」を具体的に立証する資料(回収額、担保実行の成果、社債権者保護の実績)を整える3. 開始後に生じた報酬は3項で別途許可を申請する4. 許可決定が確定したら、共益債権として128条により随時弁済を求める
訴えられた側:1. 社債管理者等の費用・報酬の許可決定が出たら、その額が過大でないか、開始前の費用が紛れ込んでいないかを精査する2. 過大・不当と判断すれば、決定の告知から即時抗告期間内に5項の即時抗告を申し立てる3. 抗告では「更生への貢献度」と「相当性」を争点化し、共益債権の範囲を圧縮する4. 期限を過ぎると決定は確定し配当原資が削られるため、初動が勝負
時効(請求できる期限):1項から3項の許可決定に対する即時抗告は、裁判の告知を受けた日から起算して原則1週間の不変期間内(公告される裁判については会社更生法上の特則により公告効力発生から2週間となる場合がある)。正確な起算点と期間は最新の条文・会社更生規則をご確認ください
学説
通説:131条の共益債権化は、社債管理者等が破綻会社を相手に管理事務を継続するインセンティブを保障する趣旨であり、裁判所の許可と「相当と認める額」という二重の絞りにより、共益債権の無制限な膨張を抑えつつ手続の円滑な遂行を確保するものと解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年) 現行会社更生法(平成14年法律第154号)の全面制定に伴い、社債管理者の費用・報酬を裁判所の許可により共益債権とする枠組みを整備した
- 令和元年(2019年)公布、令和3年(2021年)施行 会社法改正による社債管理補助者制度の創設に伴い、本条の対象に社債管理補助者を追加し、その費用・報酬も共益債権化の対象とした
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:現行会社更生法(平成14年法律第154号)の全面制定に伴い、社債管理者の費用・報酬を裁判所の許可により共益債権とする枠組みを整備した。
- 2.令和元年(2019年)公布・令和3年(2021年)施行 改正:会社法改正による社債管理補助者制度の創設に伴い、本条の対象に社債管理補助者を追加し、その費用・報酬も共益債権化の対象とした。
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