要点会社更生法 166 条は更生会社の株主の議決権を定め、原則は一株一個だが、更生手続開始時に債務超過なら株主は議決権を有しない。100%減資も株主の議決を経ずに行われる。
Q · 会社更生に入った投資先の株主は、再建計画に一票を投じられるの?
債務超過の更生会社では株主に議決権はありません
会社更生法 166 条により、株主は原則として一株(単元株制度なら一単元)につき一個の議決権を有します。しかし更生手続開始時に更生会社が債務超過であるときは、株主は議決権を一切持ちません(2 項)。借金が資産を上回れば株主の取り分は理論上ゼロであり、取り分のない者に再建を決める権利は与えない、という考え方です。債務超過下では 100%減資も株主の議決を経ずに更生計画で実行され、株式は無価値になります。
株を持っていれば会社の一部のオーナーであり、重要な決定には一票を投じられる。会社法の世界ではそれが原則だ。だが会社更生法 166 条は、その常識を二段階でひっくり返す。第一に、更生手続の中で株主の議決権は一株一個(単元株制度を採る会社なら一単元一個)と確認される。ここまでは普通だ。問題は第二項。更生会社が手続開始の時点で債務超過、つまり資産を全部売っても借金を返しきれない状態にあるなら、株主は議決権を一切持たない。あなたが汗水流して買った株は、会社が傾いた瞬間に発言権を失う。更生計画で 100%減資、つまり株が無価値になる決定が下されても、あなたはその場に呼ばれず、反対票すら投じられない。なぜか。法は冷徹にこう判断する。借金が資産を上回るなら、株主の取り分は理論上ゼロ。ゼロの取り分しかない者に、会社の運命を決める一票は渡せない、と。
会社更生法 166 条は、更生手続における株主の議決権を定める規定である。株主は原則として一株(定款で単元株式数を定める会社は一単元)につき一個の議決権を有するが、更生会社が更生手続開始時に債務超過であるときは議決権を有しない。一株一議決権を定める会社法 308 条の特則として機能する。
更生会社の株主の議決権を定める規定です。原則は一株一個ですが、更生手続開始時に会社が債務超過なら株主は議決権を一切持ちません。
更生手続開始時に更生会社が債務超過と認定されたときです。判定の基準時は開始時の財産状態で、その後の業績回復では議決権は復活しません。
既存の全株式を消滅させる手続です。債務超過の更生会社では更生計画で 100%減資が行われ、スポンサーや債権者が新株主となります。旧株主の持分は無価値になります。
更生計画で 100%減資が定められ実行された時点です。上場株なら通常その前に上場廃止となります。証券会社経由でスケジュールを確認できます。
議決権を有しない株主は、更生計画の決議を行う関係人集会の議決に参加できません。株主総会の通知も来ず、賛否を投じる機会自体がありません。
会社法 308 条が定める、株主は一株につき一個の議決権を持つという原則です。会社更生法 166 条はこれを引き継ぎつつ、債務超過時に例外を設けます。
定款で単元株式数を定める会社では、一単元の株式につき一個の議決権となります(166 条 1 項ただし書)。一株ごとではありません。
100%減資による株式消滅の年に、譲渡損失として他の譲渡益と通算できる場合があります。扱いは事案により異なるため税理士にご相談ください。
会社更生法 166 条 2 項により、更生手続開始時に会社が債務超過なら株主に議決権はありません。理屈は明快で、借金が資産を超えていれば株主の取り分は理論上ゼロ、価値のない持分に会社の運命を決める権利は与えられないからです。業界裏話ヒント:実務では『開始時に債務超過か』の財産評定が決定的で、僅差なら株主側が評定を争う余地が残る。だが大企業の更生はほぼ確実に債務超過認定されるため、株主の議決権復活はほぼ期待できないのが現実
戻りません。債務超過の更生では通常 100%減資で既存株式を消滅させ、スポンサーや債権者が新たに出資して新株主になります。あなたの株は再建の原資として消え、再建後の利益は新株主のものです。業界裏話ヒント:稀に既存株主へ新会社の株を一部割り当てる計画もあるが、債務超過が深い案件ではまずない。『再建すれば株が戻る』という期待で塩漬けにするのは、税務上の損失計上タイミングを逃すだけになりやすい
違います。民事再生法では原則として既存の経営陣・株主が会社に残り(DIP 型)、株主の地位も基本的に維持されます。一方、会社更生法は管財人が経営権を握り、債務超過なら株主は議決権を失います(166 条 2 項)。業界裏話ヒント:どちらの手続を選ぶかで株主の運命は正反対。投資先が『民事再生』を選んだなら株主の立場は残るが、『会社更生』かつ債務超過なら終わり。ニュースでこの二語を区別できるかが、損切り判断の速さを分ける
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 議決権の根拠 | 会社更生法 166 条:原則一株一個、債務超過なら議決権なし | — |
| 経営権の所在 | 管財人が経営権を掌握 | — |
| 債務超過時の株主の発言力 | 議決権ゼロ、関係人集会の決議に不参加 | — |
| 株式の帰趨 | 100%減資で消滅、新株主に交代しうる | — |
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